二次元裏@ふたば

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2820394 B24/11/08(金)22:59:11No.1251225057そうだねx11 00:18頃消えます
こいつらの絵本描いた
前の話からちょい続いてるよ
こいつら
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/11/08(金)22:59:44No.1251225289+
 近頃、成長期を攫う何かが現れるとオリンポス十二神を通じて各街に警告がされてたのをクダモンも知っていた。
 街全体でどのデジモンも警戒はしていた。
 デジモンが消えるのは、他のデジモンからはぐれたりとひとりで行動した時に起こった。
 それがつい先程、どこかのデジモンがその何かに襲われて死んだと聞いた。
 クダモンがいる場所は住宅街で自分よりも幼いデジモンが多い。
 いざという時には自分が守らないと…隣にいた小さなボタモンを見てそう思ったその瞬間であった。
 黒色をベースに所々が突起しロイコクロリディウムのように模様が蠢いている粘液状の何かが建物を破壊しつつ、まるで津波の様に押し寄せてきた。
 津波の波紋の中には多くの成長期までのデジモンが溶け合っていた。
 自分達を守るように成熟期以上のデジモンが何かにぶつかり止めようとした。
 しかし、多くのデジモンは波に当たった瞬間に浸食され消滅していった。
 実力のある者は弾かれ生きていたもののそのまま動けなくなった。
224/11/08(金)23:00:02No.1251225411+
 ついには、自分達を守るものは誰もいなくなった。
 クダモンは必死に身体を強張らせ何かに立ち向かい自分より小さなボタモン達を守ろうとした。
 隣にいる見知らぬエリザモンも同じであろう、両目に涙をたっぷりと浮かべながらも手を広げて自分より小さなデジモンを守っていた。
 何かは意識があるようにクダモン達を愛でるように、それ以上に嫌らしく吟味しているようであった。
 クダモンは蠢ている模様がにたりと笑った様に思えた。
 それがどういった意味なのか本能でクダモン達は察した。
「誰か…助け…」
 その言葉に何かは達し、クダモン達に襲い掛かろうとした。
324/11/08(金)23:00:14No.1251225495+
 クダモン達の目の前が暗くなり、死が訪れたと思った。
 が、目の前で優しく光が包んでいるのが分かった。
 声が聞こえる優しく力強い声だった。

「もう…大丈夫!」
 ラヴォ―ボモンの炎が何かを焼き弾き飛ばした。
「走れる?そのまま走って逃げるんだ」
 勇太はクダモンの頭を撫でながら語りかけた。
「え…う…うん!」
 更にそこへフレアモンが飛んで来た。
「うむ!よく頑張った!偉いぞ!…後は我々に任せたまえ」
 フレアモンがクダモン達に優しく笑いかけ、走り去るのを見届け向き直った。
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424/11/08(金)23:00:29No.1251225601+
「勇太、こいつ何かおかしい気を付けて」
 ラヴォ―ボモンが勇太に語りかけると同時に地響きが鳴り響いた。
「ふむ…日野少年!ラヴォ―ボモン!こちらの方が厄介そうだ!私がなんとかする!君達は目の前のをどうにかしたまえ!」
「えっ?」
「勇太何か来るよ!」
 地響きが強くなり地面に亀裂が入った。
 そこから大量の何かが噴き出した。空で蠢く姿は気味の悪い龍のようであった。
 何かは凄まじい勢いでフレアモンを飲み込み攫って行った。
「心配無用だ!!!日野少年!!目の前に集中したまえ!」
 勇太が追いかけようとすると、何かは勇太達を阻むように壁を作った。
 振り向くと先程ラヴォ―ボモンが吹き飛ばした何かが集まりだし、デジモンの身体を作り上げていき、黒色の熊のぬいぐるみのワルもんざえモンと変わった。
 というよりも何かがぬいぐるみの皮を被ったというのが勇太には正しく思えた。
 きぐるみからは何かが粘液状に溢れ、皮のなかに幾つもの生物が蠢いているようであった。
「選ばれし…子供」
524/11/08(金)23:00:41No.1251225669+
(このタイミングで来るって事はデーモンの配下だよな…)
「お前デーモンと関係あるのか!」
「…」
(答えない…!)
 勇太は周辺をチラリと見る。
 建物が崩れ炎が上がっている。殺され身体が崩れたデジモンが見える。
 勇太は息を少し吐きデジヴァイスを握る手に力を込めた。
 それに呼応し、ラヴォ―ボモンが瞬時にワルもんざえモンに移動し爪を振り上げた。
(調子がいい…初めてちゃんとラヴォ―ボモンになれた時と同じくらい動ける。
 ウェヌスモン様がデジヴァイスを調整してくれたおかげだ…
 それに…勇太の考えている事が良く分かる…今まではなかったけどデビドラモン達が言ってた心が繋がる感じってこういう事なんだ!)
624/11/08(金)23:00:52No.1251225750+
 ラヴォ―ボモンが振り下ろした爪は防がれたものの力ではワルもんざえモンを圧倒し、ワルもんざえモンはそのまま後退した。
 そこへ何度も追撃をし、徐々にだが体勢を崩していっている。
「イケる!訓練な成果だ!このまま!」
「…」
 ワルもんざえモンは足に力を籠め体勢を整え一気にラヴォ―ボモンと組み合いラヴォ―ボモンの方が少し押されている。
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724/11/08(金)23:01:11No.1251225877+
 ワルもんざえモンの視界にちらりと別のものが見えた。
 ラヴォ―ボモンの背中から降り、回り込んだ勇太だった。
 しかし、チラリと見た後再びラヴォ―ボモンに視線を戻した。
(やっぱりデーモンの関係者だ。俺の蹴りが利かないと分かってるんだ。
 …そう…今までの蹴りが!!)
 風切り音と低い音が響いた。
 瞬間何が起こったのかワルもんざえモンには分からなかった。
 体勢が一気に崩れ遅れて鋭い痛みが広がりそのままラヴォ―ボモンに押し倒され喉に爪を突き立てられ引きづられ投げ飛ばされた。
「…」
 再びラヴォ―ボモンに向かい直ろうとしたワルもんざえモンは視界の端にチラリと勇太がいるのがまた見えた。
 ワルもんざえモンはラヴォ―ボモンを視界に入れられない危険性より勇太に向かう事を選んだ。
824/11/08(金)23:01:23No.1251225962+
 向かってくるワルもんざえモンを見据え勇太は足に力を籠める。
(フェアリモンの脚の出力は上げられない…どこまでいってもスピリットもどきは脚に残ってくれても元のスピリットと違ってきっと成長しないんだ。
 ただ…操作の練度は訓練で上げられた!
 風を回転させ台風の様に出力を上げていき…そして)
「一気に!圧縮して放つ!!!!」
 圧縮された空気は勇太の蹴りに合わせて空気の弾丸となりワルもんざえモンの脚を貫いた。
 威力は完全体を殺せずとも体勢を崩すには十二分であった。
 ラヴォ―ボモンが背後から覆い被さり爪を立てようとする。
「…!!!」
 瞬間ワルもんざえモンの全身が爆ぜハリネズミのように中身の粘液が辺り一面にまき散らされ、ラヴォ―ボモンはそれに押され吹き飛ばされた。
(皮膚に触れた所が爛れて溶けてる僕はそれでも薄皮程度に済むけど人間の勇太は!?)
「勇太!!!」
「大丈夫だ!ラヴォ―ボモン」
 勇太は伸びた粘液と自分との間に空気のクッションを作り弾いていた。
「追い詰められている証拠だ!一気に畳みかけるぞ!これ以上被害は広げられない!」
924/11/08(金)23:01:36No.1251226056+
 粘液は幾つもの触手状になり、ラヴォ―ボモンと勇太を追い回してくる。
「駄目だ!勇太隙が!!!」
「大丈夫!」
 瞬間、ワルもんざえモンは周囲の気温が変わった事に気付いた。
 
(これ以上は無理か…忌々しい!忌々しい!!!!)

 いつの間にか濃い霧が周囲を覆っていた。

「風をコントロールすればこいうった事もできる!!!!ラヴォ―ボモン!!!今だ!!!!」
 勇太はラヴォ―ボモンに乗り一気にデジヴァイスにデジソウルを注ぎ込んだ。
「グレイトフレイム!!!!!」
 ラヴォ―ボモンの炎がワルもんざえモンを包み一気に燃え上がらせた。
「はぁはぁ…やっ…?!」
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1024/11/08(金)23:01:49No.1251226145+
 一滴…燃え上がるワルもんざえモンに黒い恐らく分裂していた一部が落ちた。
「!!!!!!?」
 一瞬で炎が消えていた。力なく弛緩したまま立つワルもんざえモンに勇太達は動けなかった。
 分裂した一部でも量ではない質…何かこちらに致命的になる核の様なものが入ったのだと分かった。
 姿形は変わっていない。レベルも完全体から動いていない。それでもなお強い威圧感を感じた。
「ざっこ…」
「…?」
 余りにも唐突なワルもんざえモンの言葉に勇太は反応できなかった。
「ざっこ…さっきまでイキって正義の味方面してたのに今はビビり散らかしてるじゃん。
 世の中の事も知らないで間違った相手に組してイキって、ちょっとこっちが本気だせばションベンちびりそうじゃん!!!おいなんか言えよ!おいおいおい!!論破されて言い返せねえのかよオイ!」
「え…あっ…?うん?」
「ああ!!!???舐めてんじゃねえよクソガキが!!!!!馬鹿ああああああああああああああ!!!!!!!!死ねええええええ!!!!!」
1124/11/08(金)23:02:08No.1251226266+
 そういった策略なのか良く分からない事を捲くし立てられ急にキレられ頭の整理が追い付かずフリーズしてしま…関係なかった思考が追い付かないのではなく、目で追えない速さで目の前にワルもんざえモンがいた。
(爪が!!!?当た…)
 ラヴォ―ボモンがなんとか弾き飛ばしたがそのまま後方へ大きく吹き飛ばされ建物へ衝突した。
 ワルもんざえモンはしばらく吹き飛ばした場所で駄々をこねるように暴れていた。
(次撃が来たら死んでた…実力差…殺され…身体が震える…)
「…ゆ…勇太」
「はぁはぁはぁ…ふぅ」
(落ち着くんだ…)
「ラヴォ―ボモン大丈夫確かに目では追えなかったけど身体は動けた。
 落ち着いて全神経使えば戦える!
 ここで怖気づいてパニックになった時こそ本当に死ぬ」
「ああああああああ!!!!????」
 ワルもんざえモンが暴れながら体内の粘液を鞭の様に何本もしならせながら突進してきた。
1224/11/08(金)23:02:19No.1251226320+
(動きはフレアモンさんのように洗練もされてなくて短調。
ただ動きが段違いだ…!
怖い…でもここでテーマ―が屈したら心が繋がってるラヴォ―ボモンの死に直結する!落ち着け…自棄にならないで対応するんだ!)
「ラヴォ―ボモン!粘液に触れないように弾く手足に炎を纏うんだ!俺も周辺に風の盾を作って少しでも速さを落とす!!」
「分かった!勇太!!」
 粘液の鞭がラヴォ―ボモンの顔に突き刺す様に伸びてくる。
「っ!!!」
 間一髪のところでラヴォ―ボモンが弾き飛ばす。
(イケる!!!)
 ワルもんざえモンからの連撃をラヴォ―ボモンがいなしていく。
 弾かれる事で徐々にワルもんざえもんが苛立ってきているのかスピードとパワーが上がっていくのが分かった。
 しかし、それと合わせて動きが更に単調となり次の攻撃を予想し避ける事ができた。
「ラヴォ―ボモン!!!」
「バーニングフィスト!!!!!」
 ラヴォ―ボモンの炎を纏った拳がワルもんざえモンの腹に直撃させ吹き飛ばす。
1324/11/08(金)23:02:30No.1251226371+
「やった…?「勇太待って」
「… … …」
 ワルもんざえもんがぶつぶつと何か独り言を呟いている。
「おまえらのせいだかららなあああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「勇太!僕の身体に隠れて!!!!」
 瞬間ワルもんざえモンの粘液の鞭が今までの数倍以上の多さ、長さ、速さで勇太達を狙うのではなく街全体を破壊した。
 勇太はその一撃を避けきれず右足に大きく切り裂かれた。
 ラヴォ―ボモンも致命傷にならずとも全身を細かく切られた。
「が!?ああ!!?」
「勇太!!」
 身体の痛み切り裂かれるのと同時に塩を塗りたくられ焼け爛れるような鈍重な痛みも合わせて広がっていった。
 瞬間、勇太が痛みから叫び声を上げようとした時、粘液の鞭の余波で崩れる建物の合間に幾つもの落ちる首、足、顔…眼が合った。
(泣いてる…)
1424/11/08(金)23:02:42No.1251226449+
「っ!!!」
「勇太!」
「大丈夫だ!!!前を見るんだ!!!アレを使う!!!」
(勇太の心…またテリアモン達の時みたいな…!)

 「君の想いに真剣に向き合う決め台詞だ。
 きっとそれが君が求めた答えになる」

「大丈夫。ラヴォ―ボモン…でも!!」
(今、怒りに任せてゲヘナガリータモンに進化させたい。
溶岩みたいに燃える怒りをなんでもいい発散させたい!
…フレアモンさん…それが間違ってるのを感じます!あの時の言葉…今ここで心から出せる言葉なんて分かりません。
 でも!目の前で悲しみがばら撒かれている今ここで!引く事は…!!!)
 勇太の目が血走っていきついには血の涙が流れ始めた。
「俺にはできない!!」
1524/11/08(金)23:02:55No.1251226541+
 デジヴァイスが一層強い光を放ち始めた。
「デジソウルバースト!!!!!!」
 ラヴォ―ボモンの両手が炎へと変化していく。
「勇太!分かってるね!?」
「ああ!」
(バーストモードは俺のありったけのデジソウルをデジヴァイスに籠める事でラヴォ―ボモンの力を限界以上に底上げしてくれる…代償は!!!)
 炎を残し、ワルもんぜえモンが動く間もなくラヴォ―ボモンが懐に入り込む。
 アッパーで空中に、建物より上へワルもんぜえモンが打ち上げられた。
 その状態になりワルもんぜえモンは自分の状態を理解した。
「ずるするんじゃねええええええええええええ卑怯者を!!!!!!」
 粘液の鞭が一斉にラヴォ―ボモンへ向かって打ち込まれる。
(遅く感じる。鞭の軌道が分かる。でも…数もさっきより多い。周りに被害が出るか?
 ただ…これは確信だ。)
「全て燃やし尽くせる…!!!」
「ああ…!」
1624/11/08(金)23:03:05No.1251226606+
 ラヴォ―ボモンは螺旋を描くように一瞬で鞭を焼き払いワルもんぜえモンの目の前に移動した。
「はぁあああああ!!!!!!!!!?????」
「終わりだ。グレイトフレ…」
 最後の止めの瞬間、勇太に動悸が走り血を噴き出した。
「全て燃やし尽くせる…!!!」
「ああ…!」
 ラヴォ―ボモンは螺旋を描くように一瞬で鞭を焼き払いワルもんぜえモンの目の前に移動した。
「はぁあああああ!!!!!!!!!?????」
「終わりだ。グレイトフレ…」
 最後の止めの瞬間、勇太に動悸が走り血を噴き出した。
1724/11/08(金)23:03:23No.1251226709そうだねx1
「日野少年、バーストモードは便利でも多用するんじゃないぞ」
「えっ?駄目なんですか?」
「こんな身体が動くのに!?」
 ヴォ―ボモンがピカチュウの空Nポーズを決め、活き活きと動き回っていた。
「ふむ。そうだな…あと数秒ってところだな」
「え?…へぁ?」
 突然勇太は目の前が暗くなってそのまま倒れ込んだ。それをフレアモンが抱え込む。
「こういう事だ。君が持っているデジソウル…エネルギーを一気かつ膨大に消費するんだ。
 すぐにバテて大きな隙どころかこれ自体が致命的なダメージになる」
「大丈夫!?勇太!?」
「め…目の前が黒い…けど虹色に光ってるだ…
 でも、こんなにデジソウルを注ぎ込んでも完全体に進化させられないんですね…」
「進化はデジソウルの総量だけじゃない。パートナー…日野少年の資質…心の強さが重要になるんだ。
 焦ることはない。心は一夕一朝で組み立てるものじゃないさ」
 そういってフレアモンは優しく勇太の頭を撫でた。
1824/11/08(金)23:03:37No.1251226803+
(反動がここまで!?あの時の比じゃない…眼が霞む…くらい…駄目だ前が見えない。思考が取り留めがとれ…)
「勇太!勇太!!」
 攻撃が中断されラヴォ―ボモンが落ちる勇太を受け止める。
 そのままヴォ―ボモンに退化してしまった。
 次いでワルもんざえもんが落ちてくる。
「はっ…はははは!!!これが!これが!正義の力だ!!!結果を見ればこのとおりだ!!!
 正義の鉄槌を喰らえ!!!ディープステイとの蛆虫が!!!!!…ああ?」
 炎をが走った。
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1924/11/08(金)23:03:59No.1251226977+
 ワルもんざえモンは自分の焼け千切れた身体を見て初めて焼き切られたのだと気付いた。
「あ…がぁ…」
「喋らない方がいい晩節を汚すし肺も焼けている、喋ろうとすれば辛いだけだ」
「フレアモンさん…」
 気付いたらそこにフレアモンがいた。
(あれだけ速いワルもんざえモンより更に速いのか…)
「日野少年!」
 フレアモンが勇太の目の前に顔を持ってくる。
「よくやった!よくぞこのレベルのデジモンと戦った!」
2024/11/08(金)23:04:11No.1251227056そうだねx1
「あ…あり…がとうございます」
 フレアモンの笑顔は少し悲しそうに勇太には見えた。
「無理して…すみません…」
 その言葉にフレアモンは少し驚き、笑顔が消えた。
「…ああ。心配したぞ」
 今度は勇太が笑顔でフレアモンを見た。
「ヴォ―ボモンもごめん。怖い思いさせちゃったね」
「勇太!僕は怒るよ!また無理してもう!!」
 足の怪我のせいかふらふらと立ち上がる勇太をヴォ―ボモンがぽこすかと殴る。
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2124/11/08(金)23:04:28No.1251227172+
「はは…ごめんってヴォ―ボ…」
 鋭い殺意が勇太の首元に伸びていた。
「…!」
 首を掻き切られる瞬間フレアモンが勇太を引っ張り引き寄せる。
 斬撃がまた、鞭の様に無数の網目状に周囲事斬り裂いた。
(なんだ!?何が起きた!?確かにフレアモンさんが倒して!?フレアモンさ…ん?)
 勇太の衝撃で揺らいだ視界が戻る。
 そこには左手と左目を抉られたフレアモンがいた。
「フレアモンさん!!?」
「案ずるな日野少年、ただちに命に別状はない」
(確かに倒したはず、それに先まで複数の命が無数に混じり合った状態だった…幾つも命を感じたのに、今はひとつになっている。
 そうか、これが本体!狡猾というよりもとんだ臆病者だな。
 日野少年…選ばれし子供を確実に殺せるタイミングを狙っていたのか)
2224/11/08(金)23:04:40No.1251227246+
「だが!それは私が防いだ!骨折り損だな!!」
「とんでもない瞬発力だなぁ…お前ディープステイトの幹部だろ!!お前が!お前らが!!俺の人生を全部!全部!!失敗させたんだな!!俺がDWのメインプログラムになれる力があるからずっと幼年期から邪魔してたんだろ!!!!!許せねええ!!ディープステイトのエージェントの選ばれし子供と一緒に殺してやる!!殺してやる!!俺はデーモン様に選ばれたんだ!認められたんだ!!!セプテムコルダのひとり!!しんもんざえモンなんだああ!」
 デジモンを攫っていた粘液状の何かそれがひとつの身体にまとまっていく黒色の粘液状の翼を持った熊のぬいぐるみ状の身体を作り上げ、しんもんざえモンとなった。
「それに汚らわしい!!汚ねええ!!汚ねえええ!!!!!!腐ってる!!臭い臭い!純心なものがもうない!!!!特にお前!!そこの黒い蜥蜴!!!!なんなんだお前!?成長期の振りしてるけど一度腐ってるじゃねえか!!!???臭い!!臭い!!詐欺じゃねえか!!ボケえ!カスウ!!死ねええええええええ!!」
 ヴォ―ボモンに向かって当たり散らかすようにしんもんざえモンは突撃してきた。
2324/11/08(金)23:04:58No.1251227366+
 間にフレアモンが入り捌いていく。
 その攻防の速さに勇太はただ茫然と見ている事しかできなかった。

(速い…攻撃の動作はさっきみたいに滅茶苦茶で単調だけど速さと威力も段違いだ!俺達じゃ…!?)
「勇太!」
 ヴォ―ボモンの呼びかけに勇太は、はっと我に帰った。
(そうだ…ありがとうヴォ―ボモン)
「ヴォ―ボモン進化!!」
「ラヴォ―ボモン!!!」
((今出来る事をやる!!))
 ワルもんざえモンの連撃を捌き切ることでフレアモンは一杯一杯であった。
 それは左腕と左目を失くした事も大きいがそれ以上に…
(能力差!!流石に完全体で…恐らく究極体のデーモン配下を相手にするのは分が悪いな!!)
 フレアモンの背後からしんもんざえモンの粘液状の翼を変化させた触手が瓦礫から伸びてくる。
「しま…!?」
2424/11/08(金)23:05:12No.1251227470そうだねx1
 貫く瞬間ラヴォ―ボモンが触手を弾いた。
「ラヴォ―ボモン!日野少年!!!」
(やるんだ!今俺達に出来る事を!)
「触手は俺達で止めます!フレアモンさんは本体を!」
「雑魚が!!!しゃしゃり出てんじゃねえ!!!!空気読めよ!!!!」
 しんもんざえモンの怒号と共に瓦礫に潜ませていた触手が全て出てきた。
「感謝するぞ!日野少年!ラヴォ―ボモン!」
 ラヴォ―ボモンが背後の触手を弾き飛ばしていき、フレアモンが一転攻めの姿勢に出た。
(この本体じゃない触手ならなんとか捌ける!!!)
 背後の触手を動かし始めた事で元々力任せな雑な攻撃しかできないしんもんざえモンは触手までの操作を上手く別けてできず中途半端になり結果フレアモンが攻めに移れる隙となった。
 しんもんざえモンは戦闘となった段階からずっと頭に血が上った状態であり冷静に状況を整理し、立て直す事ができていなかった。
 フレアモンがしんもんざえモンの体勢をついに崩した。
 ラヴォ―ボモンも上手く触手を捌き切り、しんもんざえモン本体を引き裂こうと爪を伸ばした。
(イケる!!!!)
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2524/11/08(金)23:05:45No.1251227671そうだねx2
 フレアモンの拳とラヴォ―ボモンの爪がしんもんざえモンに直撃する瞬間であった。
「クソがああああああああああああああ!!!!!!!」
 しんもんざえモンの身体が一瞬にして膨張しそのまま炸裂した。
 爆発は広範囲を巻き込み街の一区画ひとつ吹き飛ばす程の威力になった。
「…ん」
 焦げ付いた炎と土埃の臭いで勇太は気絶から目を覚ました。
 (どのくらい気を失ってたんだ…土埃で曇ってるけど陽の位置はそんなに変わってない…周りは…酷い…)
 文字通り爆撃を受けた惨状であった。瓦礫からは炎をが上がりものの十数分前まで美しい街並みはどこにもなかった。
(なんとなくだけど…どこか似てる…あの時、俺がゲヘナガリータモンに進化させた時に…)
「ん…ぐっはぁはぁ…逃げ遅れた住民は…ヴォ―ボモン…フレアモンさ…!?」
 いた…瓦礫の下で全く動かないフレアモンが横たわっていた。
「フレア…」
 駆け寄ろうとする勇太は後ろからいきなり踏みつけられた。
 襲撃と死角からの一撃に視界の歪みと痛みから数秒経ってから何が起きたのか勇太は気付いた。
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2624/11/08(金)23:06:01No.1251227780+
 しんもんざえモンに背中から踏みつけていた。
「んぐ…ぐぐ!?!!」
「思い知ったか…!全部全部お前達ディープステイトがいけないんだ!!!こんな惨状になったのも俺の監視をやめなかったお前らのせいだ!!!!」
「なにを…言ってるんださっきから…」
(ヴォ―ボモンはどこだ?…脚に力が入らない…爆発で気付いてないだけで外傷を?それともこいつに触れてるからか?
なんとか回復の時間を稼ぐかヴォ―ボモンを見つけないと…)
「とぼけるな!!!!お前らのせいだろ!!!!馬鹿!!!死ね!!!俺がこんな事を!沢山のデジモンを殺す羽目になったのはお前らディープステイトが俺の人生を!全部!!!全部失敗させてきたからだろ!!!!とぼけるなよ!!!」
「ぐっ!?」
 しんもんざえモンが抉り捩じるように勇太の背中を踏みつけてくる。
2724/11/08(金)23:06:16No.1251227873+
「俺がヌメモンなんかに進化したのはお前らが俺の邪魔ばかりしたからだろ!!!!!だから!!!だから!!!俺は!!!なんとか純粋なものを取り込むしかないのに!!!!!とぼけるな!!!!のろま!!!ウスノロ!!!!!愚図!!!見てるだけでウィルスに侵されそうなんだよ!!!!
 ヌメモンになったばっかりに俺はずっと取るに足らないカス共に馬鹿にされてきたんだ!!!責任取れよ!!!!カス!!!!!ボケえ!!!!」
 痛み以上の感情が勇太を貫いた。何か頭で切れるような音がした。
「なんで…なんでここのデジモンが死ぬ必要があったんだ…」
「とぼけるなあああ!!!!お前らがここまでしないと俺への思考盗聴と監視をやめないからだろ!!!!!」
「だったら!俺達だけでよかったろ!!!」
 勇太の目に先程泣きながら死んでいったデジモン達の目が思い起こされた。
「ここのデジモンがお前に何をした!?お前はシオンのデジモンだろ!いや!!ここまでの幸せを!!!命を!!!奪われなければならない道理はなかったはずだ!!」
2824/11/08(金)23:06:28No.1251227970+
書き込みをした人によって削除されました
2924/11/08(金)23:07:07No.1251228264+
「うるさい!!!!!みんな同罪だ!!!!成長期までのデジモンを喰わないとイライラが止まらないんだよ!!!!!イライラするんだよ!!!!お前の所為だろ!!!!!お前こそ!!!!偉そうな事言ってるんじゃねええよ!!!!クズの癖に!!!カスの癖に!!!!俺はデーモン様に選ばれたんだ!!!俺はお前らみたいな不勉強な奴と違って世界の真実を知ってるんだ!!!!!ひとの人生を全部台無しにしてなんでそんな事言えるんだ思い知らせてやる!!!」
 勇太からはしんもんざえモンの身体が邪魔されて見えなかったが誰かを捕まえ崩れた崖の方へ向かって行こうとしていた。
 落として殺そうとしてるのが直感的に理解できた。
 しんもんざえモンに掴まれているデジモンがバタバタと抵抗しているのもちらりと見えた。
「やめろ!!!」
「黙れ!!ボケ!!!カス!!!見てろ!!またお前のせいで死ぬんだ!!!」
 踏みつけれたとはいえ勇太は体力と足を回復している事に
駆けだした瞬間に気付いた。
3024/11/08(金)23:07:52No.1251228579+
 フェアリモンの力は戻っていないが身体は動く。
(あいつはこっちに気付いていない。
 今なら付き落とせるんじゃないか…)
 駆けだした勇太は自分が一体何を考えてるのか走馬灯のように一瞬のうちに思考がぐるぐると廻りはじめた。
(今…俺は何を考えたんだ?
 付き落とす…他のデジモンと一緒に?それって…俺はただこの怒りを憎い相手にぶつけたいだけなんじゃないか。
 ヴォ―ボモンやフレアモンさんはそれは優しさから来るものだっていったけど…今考えたのは…理由なんてどうでも良くって、ただ適当にそれが他のひとに非難されないだけだから…ただ自分の抱えきれない怒りに理由をこじつけてぶつけたいだけなんじゃ…だったら俺とこいつとどんな差があるんだ…)
3124/11/08(金)23:08:06No.1251228705+
「きっとそれが君が求めた答えになる」

(これが…俺の求めた答え?制御できない激情から目を背けてただけ?なら…それが答えならもう苦しまないで済む…このまま…こいつを付き落とせれば…)
 だが、勇太はしんもんざえモンから今まさに落とされたデジモンへ…しんもんざえモンを通り過ぎそのデジモンを庇うように抱えて落ちた。
 抱えてはじめて気付いたそれはヴォ―ボモンだった。
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3224/11/08(金)23:08:21No.1251228837+
(違う!…)
 勇太の頭には崩れる最後の時に目があったデジモン達やヌメモンが死んで涙を流したベタモン達、助けられなかったテリアモンにロップモン。
 地下道で光と泣いた時、ヴォ―ボモン達と笑った時。
 叶が辛そうにした別れ際の顔、今まで笑い合った顔が廻った。
(俺が本当に欲しかったのは…俺が求めたのは!)
 落ちる最中、勇太はただ自分を照らした太陽に手を伸ばした。
 太陽に照らされる右手に薄く…淡く何かが浮かび上がったのが見えた。
「勇…太」
 デジヴァイスが大きく震えるのが伝わった。 
 身体を光が包んでいくのを、ヴォ―ボモンが呼んでくれるのが分かった。
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3324/11/08(金)23:08:39No.1251228996+
(小さい頃好きだったウルトラマン…どんなに苦しくても自分が否定されても守り抜いた。
 昔、ヒーローショーで迷子になって泣いてた時…同じように母さん達が見つかるまで探してくれたあのひと…
 苦しくても諦めちゃいけない教えてくれた事を…誰にもヒーローが胸にいたんだって教えてくれたんだ…俺もその誇りと気高さを…教えてくれたものを守りたいんだ!)
光が空を昇りゆっくりとしんもんざえモンの後ろに降り立った。
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3424/11/08(金)23:08:56No.1251229126+
「君の想いに真剣に向き合う決め台詞だ。
 きっとそれが君が求めた答えになる」

 フレアモンの言葉を思い出し勇太はゆっくりと瞼を開けしんもんざえモンを見据えた。
(俺の答え…)

「これ以上誰にも涙を流させないために。みんなが笑顔でいられるように…!」
 
「俺が選ばれた子供ならデジヴァイス…答えてくれ!」
 勇太はデジヴァイスを掲げた。溢れんばかりの輝きがデジヴァイスの亀裂から溢れ出た。亀裂が更に深まっていく。
「勇太!」
「ああ!進化だ!!」
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3524/11/08(金)23:09:08No.1251229204そうだねx2
「紅蓮の焔を纏いし龍よ。全てを護るため、清浄なるその焔で災いを焼き祓いたまえ!」
 光が弾け炎が舞い上がる。
「超進化!天翔ける紅蓮の龍!陽照らす勇気を示せ!
 完全体!ラヴォガリータモン!!!!」
 爆ぜた光の中から炎を纏い雄々しく大きな翼を持った翼竜が現れた。
「ふざけるな…ふざけんな!!!!!ひとを舐め腐りやがって!!!俺をこれ以上コケにするんじゃねえええええええ!!!!!!」
 しんもんざえモンがラヴォガリータモンに突っ込んくる。
 勇太とラヴォガリータモンは真っ直ぐとしんもんざえモンを見据えた。
「ワイルドブラスト!!」
 しんもんざえモンの周辺に現れた黒い靄が勇太の掛け声と共に爆発を起こししんもんざえモンの身体を抉っていく。
「があああああ!!????」
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3624/11/08(金)23:09:22No.1251229309+
 たまらずしんもんざえモンは空へ逃げ込んだが、素早く回り込んだラヴォガリータモンが背中に爪を打ち込みそのままめり込んだつま先が爆発を起こしつつ地面へ叩きつけた。
 逃れようとするしんもんざえモンを全身の力を籠めてラヴォガリータモンは押さえつけ爪の爆発で倒そうとした。
「クソがああああああああ!!!!」
 翼を鞭に変え、ラヴォガリータモンの背後から振り払おうとする。
(まずい!尻尾だけじゃ捌き切れない!!)
 直撃の瞬間、勇太のフェアリモンの力が回復し弾きとばす。
 しかし、鞭の威力に勇太の脚が耐え切れず流血し、毒の所為もあり一気に青く変色した。
 それにしんもんざえモンはあざ笑った。
 だが、勇太は何度もしんもんざえモンの鞭を防いだ。
「なんでだよ!!!!なんでボロボロの筈なのに!!!なんで!!弱い人間が!!!なんで究極体の俺相手に!!!折れねええええんだよ!!!!!!!」
3724/11/08(金)23:09:41No.1251229451+
「ここで絶対に倒すんだ!!!!ラヴォガリータモン!!!!」
 (脚を、風を操作して無理矢理動かすのはそう長くは保たない!!相手を気圧せても完全体と究極体!フレアモンさんがいない以上これが最後のチャンスになるんだ!!!)
「がぁああああ!!!!!!!!!!!!!」
 だが、しんもんざえモンが小規模な爆発を起こし、ラヴォガリータモンの脚を押しのけた。
「ぐっ!!!?が…ぁぁ!!!ここで諦めるかあ!!!!」
 ラヴォ―ボモンは自身が傷つくのも覚悟で口から熱線を吐くがそれも弾かれた。なんとか翼と爪、尻尾で押し戻そうするが究極体の揚力で弾き飛ばされる。
「クソがああああああああ!!!!!!!!」
 しんもんざえモンの連撃をなんとか後方に下がりながら捌くが、ついに勇太に右手が突き刺すために伸びた。
「どこまでいっても駄目な奴は駄目なんだよ!!!身の程を知れ馬鹿がああああああああああ!!!!!!!!」
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3824/11/08(金)23:09:55No.1251229543そうだねx1
 頭を捩じり切られる。勇太がそう直感した瞬間であった。
 勇太への攻撃をフレアモンが防いだ。
「フレアモンさん!!!」
「すまない!だがよくぞ答えを見つけた!!!!勝つぞ!!!日野少年!ラヴォガリータモン!!!」
「「はい!!!」」
 フレアモンの背後からラヴォガリータモンが熱線を吐きしんもんざえモンを後方へ弾き飛ばす。
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3924/11/08(金)23:10:14No.1251229663+
 体勢が崩れたしんもんざえモンへ連撃の乱舞を叩きこんでいく。
「なんで生きてるんだよ!!!クソがあああああ!!!!」
「可愛い弟子達の前だ!!おちおちと死んでられないのだ!!!!」
(究極体とはいえ紅・獅子之舞をここまで耐える奴なんているのか!?)
「だが、見えた!!!!」
 連撃からしんもんざえモンの身体を抉り何かが見えた。
「てめええ!?!!!??まさか!!!」
「日野少年!!!ラヴォガリータモン!あれがデジコア!!!奴の核だ!!!」
「クソがああああああ!!!!!」
 しんもんざえモンが左目から熱線を放つフレアモンの中心に穴が開いた。
「フレアモンさん!!!」
 しかし、フレアモンは咆哮を上げ更に押し倒した。
「今だ!!!!いけええええええ!!!!!!!!」
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4024/11/08(金)23:10:28No.1251229750+
 ラヴォガリータモンが炎を限界まで口に溜める。
「甘えええんだよおおおおおおおお!!!!!!!!!」
 フレアモンを押さえつけたしんもんざえモンがラヴォガリータモンに向けて熱線を放つ。
 大技を出すために動きを止めたラヴォガリータモンは確かに熱線に貫かれたように見えた。
 しんもんざえモンだけじゃないフレアモンにもそう見えた。
 しかし、貫いたラヴォガリータモンは風となって霧散した。
「なんでだよ!!!!???スイートラブリーアタックは確かに今!!!!???」
「切り札は最後に出すもんだ。
 今お前が貫いたのは俺が作った蜃気楼だ…。
 今だ!!!!ラヴォガリータモン!!!!メルダイナー!!!!!!!!!!」
「なんで!!!???なんでだよ!!!!!!!????」
 熱線がしんもんざえモンのデジコアを貫き爆発を起こした。
 勇太達は爆発に巻き込まれ、意識がそこで途絶えた。
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4124/11/08(金)23:10:42No.1251229855+
 (また…少し気を失ってたのか…)
 爆発に自らも巻き込まれた勇太は、少しの気絶から目を覚ました。
「勇太…起きた…?」
「ヴォ―ボモンが…庇ってくれたのか?」
「多分…僕も多分…一瞬…多分気を失ってたみたいだから…」
 周囲には一見誰もいないように見えた。
 ヴォ―ボモンも疲れ切って動けない。がたがたの脚でなんとか勇太は立ち上がりよろよろと周囲を探し出した。
(まさか吹き飛ばしちゃったんじゃ…)
 だが、勇太が先に見つけたのはしんもんざえモンの崩れ欠けているとろであった。
「はぁ…はぁはぁ」
(生きてるのか…?いや、でももう崩れてる。
避けてフレアモンさんを…)
4224/11/08(金)23:10:52No.1251229925+
 避けようとした時、しんもんざえモンから泣き声が聞こえた。
「勇太…?」
「大丈夫…」
 勇太はしんもんざえモンに向かって行った。
 崩れかけの身体はくまの姿ではなく弱々しいヌメモンの手が見えた。
「寒い…なんで…寂…しい…誰…か」
「駄目だよ…勇…太危な…い」
 勇太は屈みヌメモンの手を取った。
 震えていた手は勇太が握って少し落ち着いたように見えた。
「それでも…最期がひとりなのはやっぱり寂しいよ」
 その言葉に少しだけヌメモンの手が少し震えた気がした。
 だが、すぐに霧散し消えていった。
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4324/11/08(金)23:11:13No.1251230059+
「それでいい…日野少年」
 背後から声がしたと思い振り返るとそこには膝を着けているフレアモンがいた。
「フレアモン…さん」
 勇太はフレアモンに近づき状態が分かってきた。
 腹から胸にかけて大きな風穴が開いている。
 それなのに、出血がほとんどなく足元には大きな血だまりがあった。
「すまない…流石にもう動けなくてな…」
「あぁ…回復フロッピー…誰か…まさか…」
「案ずるな君達の所為ではない。
 しんもんざえモンと組んだ時にデジコアを打ち抜くように開けられていた
 どのみち私はここまでだ」
「でも…」
「もう少しだけ…近くに来てくれないか日野少年…ヴォ―ボモン。
 まだ、余裕のある内に渡したいものがある」
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4424/11/08(金)23:11:25No.1251230149+
「ごめんなさい…俺が不甲斐ないせいで…ごめんなさい…」
「泣くな…君はよくやった。
 あのままではしんもんざえモンはこの街全てを破壊しただろう。
 自分のやった事に胸を張れ」
 フレアモンは勇太の涙を拭った。
「でも…でも」
「我々はオリンポス十二神…皆を護る事が務めだ。
 それに君の成長が見れて私…俺は…嬉しい。
 誰がなんと言おうと君達がこの世界を護ってくれると俺は信じる事ができた。
 手を出してくれ」
 勇太が手を出すとフレアモンの手から小さく炎が上がりそれがひとつのタグに変わった。
4524/11/08(金)23:11:40No.1251230256+
「これは…」
「太…陽の…タグだ…これが終わったら君に渡そうと思っていた。
 使うのは相当先だろうが…持っているといい…きっと役立つ…」
「はい…」
 勇太は渡された太陽のタグを握りしめた。
「クレシェモンには…また迷惑をかけて…すまないと…幸せになって欲しいと…伝えてくれ
他の十二神にはすまなかった…と」
(結局最後まで嫌われっぱなしだったな…最後に顔を…)
 フレアモンは身体から力が抜けていく事に最期だと確信した。
「…また会いた…か」
「フレアモンさん!!!」
 フレアモンの顔から生気が抜け、何度も見た死を勇太は感じた。
 フレアモンの身体が完全に霧散し消えるまで勇太達はその場で崩れ静かに涙を流し続けた。
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4624/11/08(金)23:11:52No.1251230340そうだねx3
「光様!しっかりしてください!敵が目の前にいるのですよ!どうしたのですか!?」
「光!光!!」
 別の街、光達が訓練をしていた場所は勇太と同じように火の海となっていた。
 目の前に鋼の巨躯で睨みつけるデジモン。
 ムゲンドラモンが砲身を向け、ムゲンドラモンに軽薄そうな男が光に対して張ったような笑顔を向けていた。
 それに対して光はただ蹲りガタガタと震えていた。
「なんで…なんであんたがここにいるのよ…なんで」
「おいおい光。
 その態度はいくらなんでも傷つくぜ。
 義理とは言え…お前のパパなんだぜ」
 火の海の街の暗雲は未だ晴れず、より濃さを増していった。
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4724/11/08(金)23:12:05No.1251230434そうだねx3
オワリ
4824/11/08(金)23:13:04No.1251230866そうだねx3
来ちゃったかあ…ロリコン…
4924/11/08(金)23:13:47No.1251231167+
ボリューミー…
5024/11/08(金)23:17:52No.1251232756+
最悪の相手きちゃってたか……
5124/11/08(金)23:19:46No.1251233476そうだねx5
ウルトラマンチョイスで偽物の物語であるジード選ぶのいいよね
…ワグナス!最近って何時!?
5224/11/08(金)23:20:10No.1251233629そうだねx1
なんだこのやべーやつ!と思ったらそういう方向のやべー奴だったかしんもんざえモン……
5324/11/08(金)23:20:46No.1251233860+
フレアモン…
5424/11/08(金)23:21:44No.1251234204そうだねx4
ひとつの絵本で達の悪いロリコンが2人…来るぞ「」馬!
5524/11/08(金)23:24:07No.1251235009+
ラヴォガリータモンかっけぇ…
5624/11/08(金)23:24:42No.1251235255+
すっげぇだらしなくてうさんくさそうな義理パパ!
5724/11/08(金)23:25:51No.1251235745そうだねx5
>ウルトラマンチョイスで偽物の物語であるジード選ぶのいいよね
>…ワグナス!最近って何時!?
落ち着いて聞いてくださいジードはもう7年前です
勇太が12歳で5歳の時にやっていたんです
5824/11/08(金)23:26:30No.1251235996そうだねx2
これが本物のロリコンおじさんだ
終おじさんなんて目じゃねぇぜ!
5924/11/08(金)23:27:31No.1251236372+
>すっげぇだらしなくてうさんくさそうな義理パパ!
自称アーティストで口だけは上手そうなこの感じ!
6024/11/08(金)23:33:29No.1251238469そうだねx1
横長画面いっぱいのラヴォガリータモンいい…
6124/11/08(金)23:33:56No.1251238650+
こっちはこっちで光ちゃんが何とか頑張らなきゃいけない感じか……
6224/11/08(金)23:39:39No.1251240779そうだねx1
>これが本物のロリコンおじさんだ
>終おじさんなんて目じゃねぇぜ!
失礼なお母さんも犯す公平な頭チンポだ
6324/11/08(金)23:40:16No.1251241006+
フェレスモンの時といいなんだかんだ敵にも最後にこうしちゃう勇太いいな……
6424/11/08(金)23:41:16No.1251241382+
>フェレスモンの時といいなんだかんだ敵にも最後にこうしちゃう勇太いいな……
母性だな
6524/11/08(金)23:44:08No.1251242489+
またデジヴァイスにヒビ入ってる……いつまで持つんだろ……
6624/11/08(金)23:44:45No.1251242772+
すげぇな…敵も味方も情報たっぷりで深みがあるかっこいいし敵は不気味でちゃんと怖い
6724/11/08(金)23:44:50No.1251242812そうだねx8
今後はちょこちょこ進化口上追加してくから「」一もやろうぜ!
6824/11/08(金)23:46:32No.1251243487+
そっかー光ちゃんの義理パパ…一眼見て邪悪パワーが見える
6924/11/08(金)23:52:45No.1251246051+
やっぱり死んじゃったかフレアモン……
7024/11/08(金)23:53:39No.1251246376+
進化口上ムズイモン
7124/11/09(土)00:10:17No.1251252286+
これだけやってもそのうち勇太きみ選ばれてないよ言われる可能性あるのか……
7224/11/09(土)00:10:42No.1251252417そうだねx3
>これだけやってもそのうち勇太きみ選ばれてないよ言われる可能性あるのか……
選んだのは誰でもないさ
俺達自身だったろ?
7324/11/09(土)00:13:53No.1251253483+
ウェヌスモン様にデジヴァイス見てもらった時に従兄弟の名前出たからもしかしてこれ…はあるんだよな……
7424/11/09(土)00:15:13No.1251253928そうだねx1
勇太のデジヴァイス君はそう考えると意外とサービス精神旺盛よね


fu4223635.png fu4223467.png fu4223627.png fu4223463.png fu4223639.png fu4223648.jpg fu4223625.png fu4223632.png fu4223474.png 1731074351688.png fu4223468.png fu4223469.png fu4223473.png fu4223465.png fu4223630.png fu4223642.png fu4223472.png fu4224170.png fu4223477.png fu4223479.png fu4223650.jpg fu4223464.png fu4223633.png