戦争が終わり、大国間ではつかの間の平和となったが、あちこちに火種が残っていた。 大西洋連邦の保有するヤキマトレーニングセンター、大西洋連邦が保有する演習場の一つである。 現在ここには、M1アストレイが並んでいた。 「セイラン派の残党め、こんな場所に隠れてるなんて」 衛星軌道、ザフト製のシャトルの中で、「」は襲撃前の最終調整に入る。 今回の仕事は、前大戦時に大西洋連邦へ亡命したセイラン派の残党が、ブルーコスモス残党の支援を受けて軍事訓練を受けていた。 おそらくは、大西洋連邦にオーブの要人が訪れた際に暗殺するため。 これを阻止するために、使い捨てのMSで「」が強襲することになった。 「さて、行くとしますか」 宇宙にいるので愛する人との会話をやめ、地球へと降下する。 夜のヤキマ上空に来たところで、シュライク装備のM1アストレイが上がってくる。 シャトルが被弾する中、「」は今回限りの機体で空に出る。 「アームズアストレイB、行くぞ!」 シビリアンアストレイをベースに、マガノイクタチとタクティカルアームズのレプリカを装備し、頭部を変更した機体。 愛機のブルーフレームAに限界まで似せたその機体は、使い捨てにするには高価な機体となった。 「今だにセイランを信奉する裏切り者は、切り捨てる!」 ソードモードのタクティカルアームズで、接近するM1アストレイを切り捨てる。 降下していく中、別のM1アストレイを踏みつける、さらに狙ってビームを撃ってきた敵機にビームガンを叩き込み、夜空を爆炎となってあたりを照らす。 「本番は、降りてからだ」 地面に降り立つと、複数のビームが飛んでくる。 地中海方面で多数のM1アストレイがセイランの無能により失われたが、その一部を連合が回収していたらしい。 「」は機体に搭載されていたミラージュコロイドを起動させる、稼働時間は30分ほどしかないが、殲滅するには十分であった。 「見えない相手になぶられる恐怖に震えろ!」 撃墜したのかどうか、確認しに来たM1アストレイを腰から両断する。 突然のことに、周りのM1アストレイが頭部バルカンやビームライフルを乱射するが、「」のアームズアストレイにあたすことはない。 後ろからタクティカルアームズを突き刺し、その機体をもう1機に投げつける。 ミラージュコロイドをいったん解除し、ビームガンで残骸もろとも穴だらけにする。 「まだ来るか!」 さらにM1アストレイが6機ほど来るが、再びミラージュコロイドで姿を消す。 相手より少しでも高台に陣取り、タクティカルアームズを砲台モードに変形させる。 「むごいようだが、裏切ったからだ」 M1アストレイ達に、ガトリング砲を浴びせかける。 突然のことに敵機は相手できず、虚空から飛んでくる弾丸に反応できず、穴だらけの残骸になっていく。 「これで…来たか」 セイラン派残党のM1アストレイを全滅させたところで、ジェットストライカーを装備したダガーが攻撃してくる。 ここは大西洋連邦の本土、そこで暴れたのだ、迎撃に来る。 「流石に、データだけは持ち出すか」 ダガーにはミラージュコロイドデクスターを積んでるやつが混じってるらしく、「」のアームズアストレイBに攻撃を仕掛けてくる。 煙幕を放った後、自爆コードを入力したのち、「」は期待から脱出する。 機体の爆発により煙幕は吹き飛ばされ、機体は失われた。 「あの機体か」 ダガーの中の1機が、コクピットを開け「」を迎え入れる。 そこにいたのは、著名な傭兵であった。 「よぉ、派手に暴れたな」 「カイトさん、お手数おかけします」 「オーブにプリンセスからの依頼だからな」 大西洋連邦のダガー部隊に紛れた、カイト・マディガンのダガーに救助され、「」は離脱すした。 今回の襲撃でセイラン派残党は動かせるMSを失い、大西洋連邦はこれをブルーコスモス派の襲撃として処理し、真実を隠蔽した。