二人のお姫様候補を守りながら一緒に旅をする青い孤月こと「」、しかし地上ではなんどかMSまで用いたテロリストと遭遇し、宇宙でもトラブルに見舞われたが、ただ見てることしかできなかった。 そこでザフトやジャンク屋とも相談し、急遽MSを手配することになった。 そしてそれは、さっそく役に立ってしまうこととなった。 「海賊…アストレイまでもっているとは」 幼馴染のラス、知り合いの風花の二人が乗る宇宙船に迫る海賊たち。 数は8機ほどだが、その中にはM1アストレイの姿もあった。 『継ぎ接ぎだらけの連中だけど、油断しちゃダメだよ』 「わかってるよ風花、せっかく借りたこの機体、壊したらラクスさんとキラさん、アスランさんに怒られるからね」 輸送船のコンテナが開き、「」の借りた機体が姿を現す。 それはセイバー、赤から青にカラーは変わっているが、あのフリーダムに達磨にされたセイバーであった。 「「」、セイバー出撃する」 輸送船から出撃したセイバーは、その機動性を生かして海賊に接近する。 8機の海賊であったが、距離があるので油断していた。 無防備に進むゲイツRに狙いを定めると、アムフォルタスを発射、避けることもできない敵機に直撃し爆発する。 「まずは1機!」 突然のことに散開する海賊、しかしその中でも動きが遅かったダガーLにビームライフルを当て撃墜。 瞬く間に2機撃墜されたが、ゲイツ頭のM1アストレイがビームライフルを撃ちながら突っ込んでくる。 「しょせんは海賊か、お前ら風情がそれを使うな!」 MS形態に変形し、すれ違いざまにビームサーベルでコクピットから敵機を両断する。 さらに援護に来たであろうダガーヘッドのM1アストレイのコクピットにビームライフルを叩き込む。 『すごい…』 「ガイさんには劣りますけどね」 4機を落とされ残りの海賊は距離を取る、それならばと「」から接近する。 「おびえたまま地獄に落ちろ!」 ビームライフルを投げ逃げ腰のジンハイマニューバ2型に背後から切りかかり、袈裟切りで撃破する。 ついでやけくそになって突っ込んできたダガーLのサーベルを交わし、その頭をまわし蹴りで吹き飛ばし、よろめく敵機のコクピットにサーベルを突き刺し沈黙させる。 次の行動に移ろうとした時、右手にスレイヤーウィップが巻き付く、敵のグフイグナイテッドが放ったものである。 さらにソードストライカーを背負っていたウィンダムが対艦刀を構え突撃してくる。 「それで落としたつもりですか、甘い!」 「」は冷静に左手に握ったままのビームサーベルでウィップを切断、それと同時にシールドをウィンダムに投げる。 シールドの直撃でよろめくウィンダムに、アムフォルタスを直撃させる。 グフはビームソードを引き抜き、切りかかる、「」も左手のビームサーベルで鍔競り合いをする。 「これで、終わりです」 セイバーの頭部バルカンが火を噴き、グフの頭部を破壊する。 さらに右手のビームサーベルでビームソードを握る右腕を切り飛ばすと、左手のビームサーベルで胴体を唐竹割で真っ二つにする。 海賊は「」の手により、3分もかからず全滅した。 『敵機の反応消失、全滅だよ』 「よかった、ライフルとシールドを回収したら戻る」 『無茶しないでよ』 「せっかく新型機開発のために修理した機体、無茶なんてさせれないよ」 このセイバーは、新型機開発のデータを収集するべく、ザフトが回収していた胴体と、ジャンク屋が回収した頭部に手足、それに新造部品でもって修復された。 試作機のために新造するわけにもいかず、修復の方が予算もおりやすという事情もあった。 今回、短い間だが「」がこの機体を借りれたのも、データ収集という理由があってこそであった。 「あとで開発部にレポート提出しないとな、ラスと風花に手伝い頼もうかな」 かなり詳細な内容を求められることから、二人の手を借りようか考えながら、「」はセイバーを操り帰艦するのだった。