二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1729511135330.jpg-(70502 B)
70502 B24/10/21(月)20:45:35No.1245223606+ 21:53頃消えます
「我が国が掴んでいるブルーコスモス・ゲリラの詳細だ。エルドアの砦跡をミケールは占拠しており、地価の隧道を通じユーラシア領内への出入りを確認している。おそらくは、ファウンデーション側にもあるのではないか?」
 ユーラシア連邦の将官が厳粛に告げる。ファウンデーション王城内の大会議室で、ユーラシア連邦とコンパスおよびファウンデーションの合同会議が行われていた。
「そのようですね」
 出席しているオルフェも厳粛に答える。隣に座っていたラクスが、マリューに目配せをする。
「ではファウンデーション軍は一般市民の避難誘導を優先しつつ、敵集団の封じ込めを。目的はミケール大佐の逮捕・拘束。ブルーコスモス戦闘員には投降を呼びかけ、人名の消耗は最小限に。前線の指揮はアークエンジェルが行います」
「良いでしょう。ブルーコスモスは一歩もわが国には入れぬ。が、それはコンパスも同様だ。立ち入りはエルドア地区のみ。軍事境界線を越えた場合、ただちに侵攻行為とみなし、攻撃する。コンパスであれ、ファウンデーションであれ」
「分かりました」
 ユーラシア将官の釘差しを、ラクスは了承した。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/10/21(月)20:45:47No.1245223696+
 アークエンジェルはエルドア地区に向かいながら、ムラサメ隊を順次発進させていく。途端、境界線近くから迎撃ミサイルが発射される。
「ヘルダート、ウォンバット、イーゲルシュテルン、迎撃開始!」
 マリューの号令と共に、アークエンジェルは各種火器を展開、ミサイルを迎撃していく。
224/10/21(月)20:46:05No.1245223823+
「シン、アグネス、ヒルダさんは、敵モビルスーツの無力化を! こちらはミケールの指揮所に向かう!」
『了解!』
 港近くに控えたミレニアムからも、キラ達ヤマト隊が順次発進していく。
 そして、アークエンジェルにはブラックナイツの駆るMS――ブラックナイトスコードが付き従う。
『シキシマ隊はジャスティス、ギャンの援護。マホロバ隊は俺に続け!』
 ムウが、発進するムラサメ隊に指揮を飛ばす。
 砦に到着したコンパスは、待ち構えていたMS群を次々に無力化していく。しかし、そこに一機の巨大な影が現れる。
 デストロイだった。しかし、碌に整備が出来ていないのか、左腕とバックパックは失われ、胸の砲門の内右側が塞がっている。
「下がれ!」
「まだあんなもんを!」
 キラとシンが口々に叫ぶ。
 フリーダムとジャスティスはデストロイの砲撃をかわすと、その胸元にビームサーベルを突きさす。そのまま、あっけなくデストロイは沈黙した。
324/10/21(月)20:46:21No.1245223944+
 しかしその直後、エルドアの軍事境界線内で避難民を巻き込む大爆発が起きる。
「!?」
「何と卑劣な!」
 指令室のオルフェが叫ぶ。ブルーコスモスは避難民に紛れて爆破テロを行ったのだ。
「エルドア市街地の負傷者を、至急救助させよ!」
 オルフェは即命令をすると、ユーラシア将校に視線を向ける。
「――よろしいですね?」
 ユーラシア将校は一瞬渋い顔を見せるが、即頷く。
「……やむを得ん。エルドア地区に限り、救助活動を許可する!」
 それを聞いたオルフェは、誰にも見えないように一人ほくそ笑んだ
424/10/21(月)20:46:44No.1245224109+
「了解」
 オルフェからの命令とユーラシア将校の言質に、シュラはそう呟くと、部下を引き連れてエルドアに向かって発進する。
(……作戦発動だ)
(ああ、任せとけ)
(了解)
(皆殺しぃっ!)
 ブラックナイツは、お互いにしか聞こえない念話で会話する。そして、メンバーの一人のグリフィン・アルバレストが意識を集中する。
「――闇に堕ちろ、キラ・ヤマト」
 その瞬間、キラの身体に衝撃が走る。
「何だ――?」
 キラの頭の中を、どす黒い感情が駆け巡る。すぐに平静に戻るが、その視線の先にあるものを見つける。
「――ミケール!!」
524/10/21(月)20:47:01No.1245224224+
 キラは、発見した仇敵に向かってスクランブルをかける。
「隊長、どうしたんですか?」
『ミケールを確保する! シン、援護を!』
「……は? だって、え?」
「奴が逃げる!」
 シンはいきなりおかしなことを言いだしたキラに困惑し、まともに動けなかった。その間も、キラは機体の加速をどんどん早める。
「どうしたキラ、境界線に近づいてるぞ! 何してる!?」
 ムウの制止も聞かず、キラはそのままエルドアの軍事境界線へ突き進んでいく。
624/10/21(月)20:47:14No.1245224310+
「警告! フリーダム、貴機はユーラシア連邦領域に接近しつつある。すみやかに進路を変更せよ!」
 国境線沿いに居るユーラシア軍が、キラに警告を告げる。しかし、キラはそれに耳を貸さず突き進む。
『フリーダム、ただちに引き返してください! キラ!』
 ラクスもキラを制止するが、それでもキラは止まらない。
「やむを得ん! 警告射撃開始!」
「そんな、待ってください!」
 ラクスの制止も甲斐なく、ユーラシアはフリーダムに向けて警告射撃を開始する。
「まだ抵抗するのか!」
 完全に頭に血が上ったキラは、ユーラシアの105ダガーと対空砲火に向けてフルバーストを叩き込む。
「終わらせる、ここで!」
「キラ!」
「キラ君!」
「隊長!」
 ムウ、マリュー、シンの叫びが戦場にこだました。
724/10/21(月)20:50:02No.1245225459+
「これは明確な侵略行為だ!」
 司令部のユーラシア将校は激昂する。
「キラ! キラ! 聞こえないのですか!?」
 ラクスは変わらず呼びかける。
『ミケールだ! ここであいつを逃がすわけにはいかない!』
 しかし、キラの返事は一辺倒だった。
「これは当方の意思ではない! ヤマト隊長の独断です!」
 オルフェはユーラシア将校に弁明する。
「はじめからそのつもりでコンパスを引き込んだのだろう!? ならば、こちらも対抗手段を取る!」
「かくなる上は、姫!」
 オルフェがラクスに申し立てる。
「待ってください。必ず訳があるはずです。ヤマト隊長は――」
「明らかに譫妄状態にあります。あるいは、反逆」
「ありえません!」
824/10/21(月)20:50:19No.1245225574+
「残念ながら、現状はそう告げている。コンパスが事態を収拾できないなら、我らにお任せください。これまでの外交努力がすべて無に帰すのですよ! 人的被害が出てしまっては本末転倒……たった一人の暴走によって!」
 ラクスは俯くと、絞り出すように声を出す。
「……分かりました。止めてください、キラを。でも、彼の命だけは……!!」
「保証は出来ませんが、努力しましょう」
 オルフェは、優しくラクスに告げる。そして、高らかに宣言した。
「ヤマト准将への攻撃を許可する! 総員、攻撃開始!」
(……シュラ。君の役割を果たせ)
 オルフェは、ラクスには見えないように笑みを浮かべた。
(ふっ、了解!)
924/10/21(月)20:51:10No.1245225937+
「強力な電波干渉です! 全ての通信が途絶」 
 アークエンジェルのクルー、ヒメコ・ユリーがアナウンスする。
 一方、港で待機していたミレニアムにも通信障害が発生する。
「NJダズラーによるジャミングです」
 ミレニアムの技術責任者、アルバート・ハインラインが解析を始める。
「これはまだ実用化には至っていない……量子スパッタリングの制御をどう解決したんだ? これはユーラシアでもブルーコスモスでもない!」
 ハインラインの最後の一言を聞いた艦長、アレクセイ・コノエは嫌な予感を覚える。
「ルナマリア機、緊急発進! 狙撃用ライフルと通信用スレッドもだ!」
1024/10/21(月)20:51:22No.1245226020+
 ブラックナイツが引き連れる無人化されたディンが、フリーダムに向けて一斉にミサイルを発射する。
「!? ブラックナイツ? 何で……!?」
(何で? 周りを見てみな!)
 ブラックナイツの一人、ダニエル・ハルパーの声がこだまする。キラは気づかなかったが、その声は通信ではなく、キラの頭の中に直接響いていた。
「どういう、事だ……?」
 動揺するキラに、他のブラックナイツの声が届く。
(おまえを殺す、キラ・ヤマト!)
(ゴメンネーっ! ラクス姫はもうアンタいらないってさぁ!)
 ブラックナイツが、キラに集中砲火を叩き込む。
1124/10/21(月)20:51:42No.1245226158+
「!! ……隊長!?」
 何かを感じ取ったシンが、ブルーコスモスの相手を止めキラの元へ向かう。
「シン、どうした!?」
 ムウは動揺しつつも、シンが撃ち漏らした相手を討ち取っていく。
 しかし、シンの前にブラックナイツのMSが立ちはだかる。
「邪魔を、するなぁ!!」
 シンは何のためらいも無くビームを打ち込むが、装甲表面に発生した膜のようなものに弾かれる。
「学習能力ねえなあ。おまえごときは相手にならんと証明してやっただろうがぁっ!」
 グリフィンとリデラートの駆るブラックナイトスコード・ルドラがシンに襲い掛かる。
「シン! くっ……!」
 ヒルダが援護しようとするが、彼女もまた無人のディンによる妨害を受ける。
「こいつら……!! くそっ!!」
 ムウは悪態をつくと共に、ブラックナイツの目的を察する。
1224/10/21(月)20:52:19No.1245226397+
「罠だわ! アークエンジェル前進。マーズ機、ヘルベルト機は味方の撤退を援護! 信号弾上げ! キラくんたちの救助に向かいます!」
 マリューが、仲間たちに迅速な指示を出す。
 しかし、そこにチャンドラから報告が入る。
「モビルスーツらしき熱源。距離一万七〇〇〇」
「ブラックナイツ?」
「ユーラシア軍のだいぶ後方ですよ。何であんなところに?」
(……あーあ、見られちゃった?)
(問題ありませんよ。こちらも処理するだけです。どの道予定通りでしょう)
1324/10/21(月)20:52:32No.1245226462+
 それと同時に、チャンドラが新たな報告を入れる。
「ミサイルと思われる飛翔体の熱源を感知! 光学映像、出します」
 映し出されたミサイルには、核のマークがデカデカと表示されている。
「こ、これは……!!」
「GLCMマーク70巡航戦術核ミサイル! ユーラシア軍からです!」
「ブラックナイツ二機、本艦へ向かってきます!」
 森から現れたブラックナイツの二機は、有無を言わさずアークエンジェルに襲い掛かる。
 アークエンジェルは、二機のルドラと無人化ディンの集中砲火を受ける。ゴットフリート、イーゲルシュテルン、ウォンバットを破壊され、早々に防御力を喪失する。
1424/10/21(月)20:52:43No.1245226556+
「本国からだ。ユーラシア領内から、戦術核ミサイルの発射が確認された」 
「目標は?」 
「……ここだ」
 司令部に、絶望的な報告が告げられる。
「総員待避! 全市にも避難命令を! 可能な限り、住民は地下へ避難させる」
 オルフェがまたしても迅速な指示を出す。
「姫、どうぞこちらへ」
 オルフェがラクスの手を取る。
「ですが……」
「お早く!」
 イングリッドに急かされ、ラクスは後ろ髪をひかれつつも席を立った。
1524/10/21(月)20:53:40No.1245226977+
 一方、ルナマリアは指示通り首都イシュタリア近くで待機していた。狙撃用装備をしたゲルググで、その瞬間を待つ。
「! ……あれね!!」
 飛来するミサイル。ルナマリアは深呼吸し、冷静にロックオンする。
 完全にロックしたのを確認し、トリガーを引く。
 放たれたビームは、見事にミサイルを爆発させず撃ち抜いた。
「よし!」
 しかし、迎撃予定のもう一発が急に進路を変更する。
「!?」
『退避しろ、ルナマリア! こいつは狙撃できん!』
 既に海中へ避難していたミレニアムから、ハインラインの通信が入る。
1624/10/21(月)20:53:52No.1245227063+
「そんなの、やって見なくちゃ分からないでしょう!」
 ルナマリアは飛び上がり、ミサイルに向けてライフルを乱射する。しかし、その悉くを外してしまう、
「くっ……!」
 流石にもう間に合わないと察したルナマリアは、とっさに海へと飛びこむ。
 刹那。
 イシュタリア上空で、核ミサイルが炸裂する。巨大な爆風とキノコ雲と共に、壮観な街並みの全てが跡形もなく吹き飛んだ。 
1724/10/21(月)20:54:06No.1245227156+
「……あら?」
 オーブ、オノゴロ島海岸沿いのコテージ。
 家事をしていたフレイは、サンダルの鼻緒がいきなり切れた事にとまどう。
「不吉ねー。そう言えば、キラ達も今頃作戦中かしら。何もなければ良いけど」
 そう言うと、フレイは予備のサンダルを取りに行った。
1824/10/21(月)20:54:19No.1245227272+
 キラは襲い掛かるブラックナイトスコード・シヴァの攻撃を何とか捌いていた。しかし、腰のレールガンを切り落とされる。
「くっ!!」
 一方、シンも襲い来るブラックナイトスコード・ルドラの攻撃を何とかしのぐが、ジリ貧であった。「こいつら一体……!」
 そして、既に武装を全て失っていたアークエンジェルは風前の灯火であった。
「ゴットフリート、イーゲルシュテルン全滅! 機関停止! 炎が弾薬庫に迫ります!」
 マリューは、苦渋の決断を下す。
「エンジン、切り離せ! 艦を放棄する! 総員退艦! 衝撃に備えて!」
1924/10/21(月)20:54:32No.1245227364+
 指示通り、アークエンジェルはメインエンジンを切り離し胴体着陸を行う。クルー達は、マリューに敬礼を送ると共に、長年苦楽を共にした艦に別れを告げる。
「っ!!」
 その直後、ルドラの一機が艦橋に迫る。マリューは手元を操作し、緊急脱出装置を起動させ、下階に逃れる。直後、ルドラのビームがアークエンジェルの艦橋を貫く。そして、それに連動するように多数のミサイルがアークエンジェルに打ち込まれた。
2024/10/21(月)20:55:07No.1245227596+
「お前らぁぁぁぁっ!!」
 もはや自分のもう一つの家とも思っていた母艦の轟沈に、ムウは絶叫を上げる。ビームを乱射しながら、ルドラに迫る。しかしその悉くをかわされ、逆に自身が右腕と頭部を切り落とされる。
「くっそぉぉぉぉ!!」
 そのままムウのムラサメは、アークエンジェルが上げる黒煙に呑まれていった。
2124/10/21(月)20:55:17No.1245227680+
「くそっ、姐さんの留守にこんな好き放題――」
 マーズのゲルググが、ルドラにビームを打ち込む。
 しかし、そのビームは装甲表面に発生した膜のようなものに弾かれる。
「これが噂のフェムテク装甲って奴か!」
(その通り。見たら死ね)
 ルドラ二機の目にも留まらぬ斬撃により、マーズとヘルベルトのゲルググは胴を切り裂かれる。
「チッ、これが怪物……」
「すまねえ、姐さん……!」
 二人はその一言を残し、爆発する機体と運命を共にした。
「……タイムリミットのようですね」 
「やっとかぁ……」
 そう言うと、ブラックナイツの二人は早急にその場を離脱していった。
2224/10/21(月)20:55:42No.1245227879+
「アークエンジェル……二人とも!!」
 白い大天使と先輩パイロット二人の最期に、シン達は少なからぬ動揺を見せる。しかし、戦場においてその隙は命取りだった。
「よそ見してんじゃねえよ!」
 グリフィンの駆るルドラの対艦刀により、イモータルジャスティスの胴は上下真っ二つに切り裂かれる。コックピットは外れていたものの、その衝撃は内部に誘爆する。
「うわぁぁっ!」
 シンは咄嗟に脱出装置を起動させ、爆発寸前の機体から脱出する。空中を滑空するシンを、ルドラは手で掴もうとする。しかし、そこに横槍が入る。
「よくもあいつらを!!」
 ヒルダの駆るギャンが、ルドラに背後から襲い掛かる。
「チッ!」
 グリフィンは煩わしそうに舌打ちすると、ギャンと切り結ぶ……かに見えたが、ルドラはまるで瞬間移動のようにその姿を消す。
2324/10/21(月)20:56:07No.1245228043+
「!?」
 動揺するヒルダのギャンに、姿を現したルドラが背後から切りかかる。
「くそっ!」
 ヒルダは咄嗟に機体のエンジンを切ると、シンと同じく脱出装置を起動し機体から脱出した。斬撃によりギャンは真っ二つになるが、電源を停止したおかげで爆発はしなかった。しかし、シン共々丸腰で空中に投げ出されたことには変わりなかった。
「不味い……!!」
「ここまでか……!?」
2424/10/21(月)20:56:35No.1245228246+
 しかし、そこに第四のMSが現れる。見慣れた赤いゲルググだった。ゲルググはルドラに誘導ミサイルを叩き込み、シン達から注意を逸らす。ルナマリアはコックピットを開けると、シンに呼びかける。
「シンっ!!」
「ルナっ!!? どうして……」
「嫌な予感がしたのよ! ハーケン大尉も、早く!」
 コックピット内にシンとヒルダを引き込むと、ルナマリアは急速にその場を離脱する。
「チッ……」
 獲物を逃したグリフィンは口惜しそうに舌打ちすると、その場を後にした。
2524/10/21(月)20:56:45No.1245228317+
「うおっ、狭っ……」
「こら、胸を触るな!」
 流石に三人が乗り込むことは考慮されていないゲルググのコックピットは手狭だった。しかし、そんな下らないやり取りをしている場合では無かった。
「ルナ、一体何があったんだ!?」
「ユーラシアから核ミサイルが発射されたのよ! それも二発! 一発は撃ち落せたんだけど、もう一発は間に合わなくて……今イシュタリアは壊滅状態よ! 放射能汚染で立ち入ることもできないわ!」
「核!?」
「そんな、嘘だろ……!?」
 ルナマリアの報告に、シンとヒルダはただ驚愕するしかなかった。
2624/10/21(月)20:57:22No.1245228610+
 一方、撃ち捨てられたアークエンジェルの後部デッキにマリューは座り込んでいた。逃げてきたはいいが、ここからどうすればいいかは皆目見当がつかなかった。何より、残された時間ももうない。
 しかし。
「すまん、待たせた!」
 半壊しながらも、何とか変形は出来るようにダメージコントロールを行ったムラサメを駆って、ムウが降りたった。
「……遅いわよ」
 ムラサメの手からコックピットに入ると、すぐさま二人はその場を去る。
2724/10/21(月)20:57:44No.1245228762+
 残されたキラはシヴァの猛攻を必死に躱していた。しかし、高速機動はフリーダムのエネルギーを見る見るうちに消費させていく。
(貴様は勝てない!)
 シュラの声が、キラの脳内に直接響く、
「何を!」
 キラはそう言い返すが、シヴァの斬撃がフリーダムの右腕を切り落とす。
「それがお前の運命だからだ!!」
「なっ……」
 シヴァは胸部装甲を開くと、そこから無数の針を射出する。絶え間ない連続攻撃によりフェイズシフト装甲に負荷が掛かり、フリーダムはフェイズシフトダウンを起こす。しかし針攻撃は止まず、そのままセンサーやコックピットを貫通する。
「うわあっ!!」
 キラはコックピット内でとっさに身を逸らして針を避けるものの、フリーダムは完全に機能を停止する。その直後。
「そいつは私がもらう!!」
 背後から降りてきたアグネスのギャンが、フリーダムの左腕と両足を切り落とす。四肢を失ったフリーダムは地面に倒れ伏す。コックピットを脱出したキラは、思いがけない出来事に呆然とする。
2824/10/21(月)20:58:04No.1245228907+
「なっ、アグネス……?」
 そのまま、アグネスのギャンはビームアックスをキラに振り下ろそうとする。
 しかし、それが叶うことはなかった。
 ギャンの背中に、何らかの攻撃が加えられる。
「何!?」
 キラは少し離れた水辺から、一機の赤いMSが飛来するのを目撃した。
「あれはズゴック……アスラン!」
 飛来したズゴックは頭部や腕部からビームやミサイルを放ちつつ、シヴァに切りかかる。
「ほう、面白い!」
 ズゴックとシヴァは目に留まらぬ速さで切り結ぶ。
「やるっ!」
「出来る……!」
 そのまま、アスランとシュラはしばらく打ち合う。アグネスはその光景に思わず魅入られ、ただ呆然と立ち尽くしていた。
「……アスラン・ザラか」
2924/10/21(月)20:58:21No.1245229050+
 少し間をとる二機。どこか余裕を残したシュラに比べ、アスランはすでに息を切らしていた。
 そこに、シュラへリデラートからの知らせが届く。
(シュラ、時間だよ!)
 それを聞いたシュラは、アグネスに語りかける。
「来るかい?」
「……行くわ! 貴方と……」
 それを聞いたシュラは、ギャンを抱えてその場を飛び去る。
「アグネス、どうして……?」
 いくら手酷く振ったとはいえ、彼女がここまで極端な行動に出るとは露ほども思わず、キラは茫然としていた。しかし、状況はそれを許さない。
「逃げるぞキラ!」
 アスランがキラに告げる。更に、同乗していたメイリン・ホークも声をかける。
「安心してください、アークエンジェルの人達も一緒です!」
 アスランはキラを回収すると、急いでその場から離脱した。
3024/10/21(月)20:58:34No.1245229146+
 数刻後。
 エルドアの砦跡に、三発目の核ミサイルが着弾する。
 ミケール大佐を含め、その場にいたブルーコスモスの人員はあっけなく全滅した。
3124/10/21(月)20:58:49No.1245229282+
 地球を離れていくシャトルの中からも見えるキノコ雲を横目に、ラクスは泣き続ける。
「ごめんなさいキラ……ごめんなさいフレイさん……! やはり、やはりわたくしは……!!」
 嗚咽を漏らすラクスの向かいで、イングリッドはどこかやるせない表情で俯く。
 そしてそんな二人を尻目に、オルフェは口元にわずかな笑みを浮かべた。
3224/10/21(月)20:59:44No.1245229697+
お久しぶりですキラフレ「」です
やっとフレイの出てこない前半部分が終わりました
こっから先は結構変わる予定です
3324/10/21(月)21:01:37No.1245230563そうだねx2
今までのまとめです
https://www.pixiv.net/novel/series/11861256
今回の話は21です
おまけでモチベ維持のためにAIに作って貰ったちょっとエッチな絵貼っときます
fu4147467.jpg
ではお目汚し失礼しました
3424/10/21(月)21:22:30No.1245240044+
>fu4147467.jpg
紐縛ってある…
3524/10/21(月)21:41:24No.1245248048+
フレイがいるif見れて嬉しい
それはそれで誰にも触れられないキラの永遠の傷と思い出になってるフレイとトールが好きでもある


1729511135330.jpg fu4147467.jpg