… | 324/10/20(日)21:47:41No.1244935404+ ●●● 二人の高校生が夕暮れの道を歩く。なんの変哲もない男子高生と、大きめの数珠をアクセサリ代わりに首から下げた女子高生だ。 騒がしい友人たちと帰ることの多い二人だが、今日は珍しく二人だけの帰り道となった。そして男子高生──青石守──が、ふと思い出したように取り出したのは小さな紙の束だった。明日暇ならこれ行ってみないかと、その紙の束を女子高生──鞍馬りんね──の手にのせる。
「ん、何これ?」 「駅向こうにある大学の文化祭で使えるチケット。こないだちょっと知り合いになった人がさ、遊びに来なよってくれたんだ。」 「へぇ。相変わらず人気者ねぇ。いつも無理矢理連れて行かれるだけあるわ。」 「鞍馬さん全然助けてくれないよね。で、明日暇だったら行かない? 俺一人だと使いきれそうにないんだよね。」 「行く!それあれば何でも食べ放題なんでしょ?」 「おお!タダメシか!いいものを持ってきたな、誉めてやろう!タダ焼き鳥!タダ焼肉!」 「ちょっ、お前いつの間に来たんだよ。別にいいけどさぁ。でも焼肉はないんじゃないかなぁ。」 「ボクも食べたい!タダメシ!」 「変な言葉教えんなよなぁ。」 |