二次元裏@ふたば

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115094 B24/10/18(金)00:47:41No.1243957137そうだねx2 07:00頃消えます
わたし日暮トツ子、18歳。
トツ子のトツは『登る』に『津川』の津で登津子。
けど誰も書いてくれない。自分も書かない。役所に出す書類以外、全部「トツ子」で済ませている。
ぼんやりと生きていたら私立虹光大学神学科に入学していた。エレベーター式にあがってしまった。
18になったら修道士として誓願する予定だったのだが
「もう少し広い視野を持った人が我が教会には欲しいのよ日暮さん」
とシスター樹理とシスター日吉子に窘められ、今は一般人として大学で学んでいる。
どうやら学校教諭と幼稚園教諭の資格を持つシスターが欲しいらしく…教員免許に必要な単位をポツポツ履修している。
わたし…先生になるの!?
おどりきのどよめきが渦巻く中、大学生活にも慣れてきた1年の晩秋。
そんな時節の物語
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/10/18(金)00:47:51No.1243957175+
きみちゃんは今定時制高校の3年生として働きながら学校に通っている。
大検に必要な残り科目は日本史だけだったので大検取ったら?と相談したけど
「ちゃんと自分の足で高校を卒業したい」ってきみちゃんは言ってた。
大学進学も視野に入れているらしい。えらいなぁきみちゃん。きみちゃんだったら何処の大学受けても受かるよ。きみちゃん頭いいもん…東大だって受かるよ
ルイくんは東大に行った。月に一度くらいの頻度で長崎に帰ってきてくれる。
実家に帰るというのは建前で。わたしたちに会いにきてくれる。
そして月に一度、「しろねこ堂」として活動を続けている。
バレンタイン祭から一年ちかく立つけど新曲は3曲くらいしかできていない
224/10/18(金)00:48:09No.1243957259+
「ミニアルバム作れるね、デモテープ配ろうか?」
とルイくん。ルイくんは普通に録音機材としてカセットレコーダーを使っているけど
今どきカセットテープ再生できるラジカセ持ってる人いるかなぁ…おかあさんの実家にあったなぁ楕円形の黒い奴。
実際配るのはCDだそうで、音楽業界では手配りする音源は総じてデモテープと言うらしい。
こんな調子でみんな元気にやっています。
けど、ルイくんのいない街はとても淋しくて
きみちゃんと二人、『"ふぞろい”のしろねこ堂』として暮らしていくのは時々心が辛くなるときがある。
ルイくんのお医者さん修行は最低8年にも及ぶみたい
ルイくんが帰ってくるまで私達はルイくんのいない世界で生きていかないといけない
そんなの無理!…まぁLINEで毎日やりとりしてるんだけどね。
324/10/18(金)00:48:40No.1243957423+
「ぼく達は今、好きと秘密を共有してるんだ」
ルイくんの言う通り月に一度はしろねこ堂の秘密基地となっている教会で集まる
聖堂は1ヶ月も放置しておくとホコリまみれになるので2週間に一回、きみちゃんとお掃除している。
しろねこ堂の新曲づくりはメールでのやりとりやLINEのチャットでおおまかに決める
わたしが鼻歌で作った歌詞やリズムや、きみちゃんがギターで作った仮歌をルイくんがアレンジして曲にしてくれる。そして練習。スコアもルイくんが作ってくれる…なんでもしてくれるなぁルイくん
…というかわたし何もやってなくない!?
月に一度の集まりはそれを合わせる日。これが大変!
毎日30分は鍵盤と向き合おうと思うけどサボってしまう時もある。
ルイくんは土曜に前乗りで来て、日曜日の夕方4時には飛行機で帰ってしまう。だから
朝から4時までに全てをかける。既存の曲の練習もしないと
「ライブハウスで演奏してみたいね」
ルイくんの目標らしい。
「そうだね…」
と答えるきみちゃんの顔はちょっと赤くなってた。
424/10/18(金)00:48:53No.1243957480+
しばらく黙々と練習をする。ルイくんの口調はいつもどおりもの優しいが瞳は真剣だ。
「ちょっと疲れちゃった」
とこぼしてしまった。
「そうだね、休憩にしよう」
とルイくん。一息つかないと緊張で体が壊れてしまいそう。ただでさえわたし体…強い方じゃないんだろうな…けっこう病気で寝込んだりするし、おくすりもたくさん飲んでる。
「じゃんけんで自販機ダッシュ決めよう!」
ときみちゃん。教会から自販機まで100mあるのでちょっと遠い
「じゃんけんぽん」
わたしが負けた、とぼとぼとエコバックを持って自販機に向かう
きっとあの自販機の売上の半分はしろねこ堂が担っていると思う。
自販機で数本ジュースを買った後、聖堂のドアを開けようとすると…ルイくんときみちゃんがお話してる!なんか距離近い!
これはヤバい所を観たのではないか!?隙間から覗くわたし。
主よ罪なトツ子をお許しください。
524/10/18(金)00:49:30No.1243957631+
聞こえてくるルイくんときみちゃんの会話。耳をすませると―――
「ねぇルイくん、ルイくんは人を好きになったりする?」
きみちゃんがルイくんに問いかける。すごい直球な質問だった
「うん、きみちゃんも好きだしトツ子ちゃんも好きだし。大学のみんなも好きだし…おかあさんも苦手だったけど離れて暮らすとやっぱ淋しいなって思うから好きなんだとおもう」
「そういう好きじゃなくて誰かを愛したりとかそいいう事」
「うん…ぼくはきみちゃんが好き、トツコちゃんが好き。ぼくもいれてこのしろねこ堂を愛してる…ぼくにとってできた最初の…友達だから。それに」
「それに?」
「誰か一人を愛してしまったらきっと何かが壊れてしまう。僕の心がそう言っている。だからみんながいいんだ、全ての人が好きって訳じゃないよ。トツ子ちゃんときみちゃんとぼく。この関係が今はすきなんだ!」
624/10/18(金)00:49:47No.1243957702+
ルイくん…その気持ちわかる…わかるよ。けどきみちゃんの気持ちは
「そっか、ごめんね変な質問しちゃって」
「ううん、変じゃないよ。」
「わたしはそういうルイくんが好き、トツ子もすき。ルイくんやトツ子の事が好きなわたしも好きだし…うんそういうものなんだろうな」
きみちゃんは自分に納得させるように話している。
「トツ子ちゃん遅いね」
名前を呼ばれて「ただいまー」とついわざとらしく戸を開けてしまった。
「おかえりトツ子遅かったね」「坂道だから…ちょっとヘバちゃって」
724/10/18(金)00:52:58No.1243958561そうだねx2
『盗んではならない』
十戒の一つを破ってしまった。まぁいいや懺悔も罪人の言葉を神へ渡す盗み聞きみたいなもんだし!こんな事いったらシスター日吉子にげんこつをもらいそうだ。
けど二人がそれで幸せならそれでいい。
こうして少し遅い秋風が聖堂に注がれる。
新曲できたらいいなぁ…デモテープ…その内私達メジャーデビューなんかしちゃったりして!
主よ、信仰とアーティストの両立って可能なのでしょうか?できないだろうなぁ。
けどしろねこ堂の未来は明るい。いつか虹女のバレンタイン祭くらいに人を集めてやってみたいなぁライブ
わたし日暮トツ子、18歳の秋は真南に向いた陽が照らしてくれる
掌をかざすと血潮が透けてみえる。
わたしの色は、きっと赫く輝いている。
824/10/18(金)00:54:21No.1243958912+
きたな
924/10/18(金)00:55:44No.1243959251+
きみちゃんもしかしてルイくんの事がすきな人なの?
1024/10/18(金)00:57:36No.1243959653そうだねx7
>不特定多数に性的暴行
じゃなかった…
1124/10/18(金)00:59:29No.1243960023そうだねx4
きみの色の怪文書はじめて見た
1224/10/18(金)01:00:12No.1243960170+
バレエはもういいのかトツ子
1324/10/18(金)01:01:26No.1243960442+
バレエはできないって暗い影を残す幼少期に判明してしまったから
1424/10/18(金)01:03:34No.1243960851+
光のトツ子助かる
1524/10/18(金)01:04:23No.1243961028+
映画見てそう思うならもう一度見た方がいい
1624/10/18(金)01:05:38No.1243961269+
きみの色いいよね…
1724/10/18(金)01:05:55No.1243961323そうだねx2
>きみちゃんもしかしてルイくんの事がすきな人なの?
👺
1824/10/18(金)01:06:37No.1243961457そうだねx1
>「わたしはそういうルイくんが好き、トツ子もすき。ルイくんやトツ子の事が好きなわたしも好きだし…うんそういうものなんだろうな」
負けヒロインみたいな事言わないでよきみちゃん!
1924/10/18(金)01:08:50No.1243961890そうだねx1
そうそうこういうのでいいんだよこういうので
2024/10/18(金)01:11:59No.1243962501+
後日しろねこ堂の片隅にそっと陳列されるバンド『しろねこ堂』のインディーズCD
2124/10/18(金)01:12:43No.1243962654+
トツ子はきみちゃんの事が好き
きみちゃんはルイくんが好き
ルイくんはきみちゃんが好き
思いは重ならないねぇ
2224/10/18(金)01:15:20No.1243963184そうだねx2
しろねこ堂いいよね
作曲の大半がルイくんに頼ってる状況いいよね
2324/10/18(金)01:16:46No.1243963465+
きみちゃんきみちゃん敗北者
2424/10/18(金)01:18:12No.1243963728+
そういえばしろねこ堂のリーダーって誰なんだろう
2524/10/18(金)01:26:38No.1243965301+
トツ子じゃね?
2624/10/18(金)01:27:17No.1243965424そうだねx1
>そういえばしろねこ堂のリーダーって誰なんだろう
よかったら私のバンドに入りませんか?
実はいまバンドメンバー募集中で
2724/10/18(金)01:33:19No.1243966474+
インディーズバンドしろねこ堂いいよね
メジャーレーベルにお声がかかるけど美声を理由にきみちゃんだけのソロユニットとなって
るいくんとトツ子ひっぺがされちゃうの
2824/10/18(金)01:35:28No.1243966872+
>インディーズバンドしろねこ堂いいよね
うnうn!
>メジャーレーベルにお声がかかるけど美声を理由にきみちゃんだけのソロユニットとなって
>るいくんとトツ子ひっぺがされちゃうの
🤛
2924/10/18(金)01:37:09No.1243967192+
きみちゃんはソロで活躍するけど業界の偉い人に性的交渉を強引に強要されて…
3024/10/18(金)01:41:13No.1243967931そうだねx1
しろねこ堂は三人編成のバンドというか
ルイくんのソロユニットにゲストVoできみちゃんとゲストkeyトツ子がいるイメージ
3124/10/18(金)01:41:35No.1243967992+
トツ子はルイくんが好きなきみちゃんの色が好きなだけだし…
この3人どこにも行きつく気がしない!?
3224/10/18(金)01:47:37No.1243968982そうだねx1
そうそうこういうので良いんだよ…
3324/10/18(金)01:48:14No.1243969081+
きみちゃんは叶わない片想いがよく似合う
トツ子はそれを見て興奮するのが似合う
3424/10/18(金)01:49:22No.1243969284+
最低だよ…トツ子もきみちゃんも…
3524/10/18(金)01:54:28No.1243970094+
きみちゃんは最低じゃないよ
自分に正直に生きていけるようになったんだよ
これは彼女自身のタイミングで卒業したのです
3624/10/18(金)02:00:25No.1243970961そうだねx1
しろねこ堂インディーズバンド編
…つまりこれは聖歌ですね
トツコ・ざ・ろっくですね
3724/10/18(金)02:01:38No.1243971147そうだねx1
>ただでさえわたし体…強い方じゃないんだろうな…けっこう病気で寝込んだりするし、おくすりもたくさん飲んでる。
なんだよいきなり雲行きが怪しくなるこの一文は
3824/10/18(金)02:05:53No.1243971781+
いいですよね
不治の病で病床に倒れながらも
「きみちゃん…きみちゃんは私が守るから」
ってきみちゃんの手を弱々しく握るトツ子
「だから泣かないできみちゃん」
きみちゃんの涙はトツ子の掌にポロポロと悲しく落ちる
3924/10/18(金)02:08:02No.1243972068そうだねx1
>トツコ・ざ・ろっくですね
ひよこ先生
それ言いたかっただけですよね…
4024/10/18(金)02:14:38No.1243972848+
きみちゃんはいいけどトツ子が悲しくなる未来はやめたってくれんか
4124/10/18(金)02:15:14No.1243972924+
色付きながら晴れ渡る空に想いを馳せる、こう思えることの素晴らしさを。
窓の中から見た光景と寸分違わず…いや、直接虹彩を通すとより美しく思えたきっかけとの尊さとを────

カッカッと二対の足音が地面を鳴らす横に、影が二つ並ぶ
「ううん…暑い…」
ふと、足を止めたトツ子がうだるような顔をして手すりに寄りかかっていた
「そう?大分涼しくなってきたと思うけど…」
「いや、そうじゃ…なく…道中が…ぇぇ…」
そう苦笑いしながら自販機のボタンを押している…どうやら今日に限って珍しく混み合っていた路面電車が結構堪えたらしい。
気を遣いながら、船を待つ事にした
4224/10/18(金)02:16:13No.1243973047+
小説版じゃ共感覚もそうだけど他の子と身体的についていけない風に書いてあったよトツ子のバレエ
4324/10/18(金)02:16:21No.1243973055+
「ごめんね…トツ子」
「きみちゃんが謝ることなんてないよ〜…」
そう言われつつも申し訳ないと思い少しふらつくトツ子を支えてベンチへと向かった

ベンチに二人で腰掛け、水平線を見ながら波風の音が場を支配しているような静寂に身を委ねる
「んー」
「?」
するとトツ子が急に食い入るようにこちらを見ていた
4424/10/18(金)02:17:23No.1243973180+
「今日はきみちゃん、お日様に照らされてるような明るい色してる」
「そう?」
「うん、嬉しそうな透き通った水色、またみんなで集まれて嬉しいって色」
「うん、嬉しい」

トツ子から見てもそんな風に見えたのと思うとちょっと私も嬉しくなる
4524/10/18(金)02:18:05No.1243973243+
空には雲が増えて、遠景に水平線を切り割くように曳航する船が横切り、そこへしらしらと舞う海鳥の鳴き声が交じる
「ちょっと早く来すぎちゃったかな」
「早いに越したことは、ないんですから!」
待ちくたびれて、ふと漏らしてしまった言葉にトツ子はドン、と構えそう返してきた
「……そっか」
4624/10/18(金)02:18:44No.1243973302+
横に目をやると、空の中に一点…パラグライダーが宙を切りながら雲とで模様を彩っていた
トツ子が立ち上がらなかったら、見れなかった光景だ…
「こうやって、待ってる時間も楽しめるのです」
「…そうだね」
そんなやり取りに、思わず顔が緩んでしまう
4724/10/18(金)02:19:50No.1243973407+
((フォーーーーーーン))

船が間も無く来る報せが鳴り響く。
あれだけ長いと感じた時間も来てしまえばあっという間で水平線に小さく見えていた航跡は、瞬く間に視界へ入る距離まで近付いていた

そう、今日は久しぶりにまた三人で集まるのだ

「あっ」
「ほら練習、行くよ」
4824/10/18(金)02:20:28No.1243973462+
「今度来る人たちなんだったっけ…えーっと…新…世代…」
「新世紀中学生、動画を見て私たちの演奏、直で聞きたいんだって…でも名前からしてすっごい怪しげじゃん?」
「ううーん…個性的な…名前…?」
「ま、いいけど…ルイ君も待ってるから早く行こ」
「あー!久々に会えるんだな〜」
「半年ぶり…だったっけ?」
「そんなに長かったかな?」
「私はそう思えるぐらい待たされた」

それぞれの楽器を持ち、言い様のない高揚感と共に
久しぶりに会うルイ君はどうなってるだろうか?
ちょっと生活リズム乱れたりしてあれから更に痩せたりとかなんてないといいけど…会ってみれば分かる話だ

そして今回も船酔いの運命が待ち受けているであろうトツ子と一緒に、汽笛の音へ導かれていく…
4924/10/18(金)02:21:18No.1243973531+
あいつ
5024/10/18(金)02:22:34No.1243973662+
いいよな…
5124/10/18(金)02:25:37No.1243974034+
いい…
5224/10/18(金)02:30:12No.1243974514+
きみトツ助かる
5324/10/18(金)02:43:28No.1243975742そうだねx1
いい作品だけど刺さりすぎでは?
5424/10/18(金)02:49:54No.1243976278+
>いい作品だけど刺さりすぎでは?
これは反省文だから...
5524/10/18(金)02:57:57No.1243976886そうだねx4
反省文とは少し堅苦しい言い方ですね
なにかこう心が軽くなるような
心の内を怪文書にしてみるのはどうでしょう
5624/10/18(金)03:06:00No.1243977445+
今日は光のシスタートツ子じゃねえか
助かった
5724/10/18(金)03:41:09No.1243979444+
たまには光のトツ子もいいよね


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