転生編 ここはあらゆる可能性が集う世界、「デイクヤード」。 世を儚んだ者、飽き足りなかった者、全ての魂に等しく新たなチャンスが与えられる場である。 どこから、誰が、何が流れ着いても不思議ではないこの世界は一言で言えば「何でもアリ」。 元いた世界だってバラバラなのだから、ここに存在するモノは千差万別。 剣で邪悪を斬り払う英雄や人を襲う怪物が居るのは勿論のこと、本当に異世界に来たのか疑いたくなるようなビル群だって建っている。 この世界全てに共通する決まりごとがあるとすれば、「デュエルのみが全てに優先される」だけ。 デッキこそがこの世界の可能性の象徴とされているが故に。 一人に一つずつ貰える自由と情熱を手に、輝く為に生まれてきた僕らの旅は続く。 さあデュエルしようぜ! デイクヤード あらゆる世界や時代からあらゆるモノが流れ着いてくる「可能性の世界」。 カードや漫画は勿論のこと、急に森や大陸が増えたなんて日常茶飯事。 魂も流れ着いてくる為に他の世界からの転生現象が起きている。 容姿は転生前のままだったり変化したりと安定せず、また、所有物ごと来るか否かも人によって異なる。 この世界がいつから存在するのかは不明。 そして同様に「デュエルのみが全てに優先される」という不文律がいつの間にか生まれている。 様々な決まりごと自体はあるが、デュエルでの現場解決等は然程珍しくもないのである。 この世界で命を紡いでいる家系は沢山あるが、最早先祖がいつ来たのか分からないだけで、原住民といえるものは存在していないのではないか……と言われている。 デイクヤードで死亡した場合どうなるかは不明。 そもそも我々の世界だって死んだ人間がどうなるのはか分からないのだから、それは自明の理だ。 また、この世界の全貌は観測されたことがない。 どういうわけか空を目指しても果てはなく、陸の先にも、海や地の底にもまた果てがない。 誰かが云った。 「全部見れたら、どこまでの可能性があるんだか分っちゃうじゃん?」と。 実はデッキ+ヤード(庭)が名前の元。 転生現象 読んで時の如く、死した命の魂が肉体を持ってデイクヤードにやって来ること。 転生現象が起こる際には転生者を包むような光の膜が現れるので、そこで判別できる。 光の膜に入ることは出来ず、壊れることもない。 必ず接地した状態で転生が行われるらしく、空中や海上で転生したという例は観測されていない。 エネミー この世界で人を襲う怪物はそのままそう呼ばれている。 苛烈でこそあるものの、挑まれれば律儀にもこの世界のルールに則ってデュエルを行う。 尚、我々の世界におけるモンスターカードが確認されている。 ノット 人間では無いが、かといってエネミーのように人を襲うわけでもない……といった生命はこのように呼称される。 あまりにも多種多様な種族が暮らしている世界なので、差別しようにも差別対象が多すぎて無理、という様相になっている。 その為デイクヤードでノット排斥を叫ぶと、よっぽどの偏執狂や前世でトラウマを負った者、あるいは転生してから日が浅い者として憐れみの目を向けられる。 ノットには人間との共生を選ぶ者もいれば、不干渉を貫く者もいる。 共生を選ぶ場合は一個人として社会に溶け込むのみならず、デュエリストのパートナーとしてデッキの一員に加わる事例も多々ある。 自然で暮らすエルフや妖精の他に、電子生命体等のノットも確認されている。 エネミーとの境界は曖昧で、乱心したノットがエネミー化したとと判断されて討伐されるという事例も珍しくはない。 そしてやはり、我々の世界におけるモンスターカードが確認されている。 マンダム 人の領域、という意味。 この世界において人やノットが暮らす街、村、集落、国などのテリトリーを指す。 大きさ、成り立ち、文化、住民の傾向から人数まで当然ながらバラバラである。 さながら現代都市のようなマンダムもあれば、ほぼ手が加えられていない自然の中といったものも存在する。 マンダムに属さずに生きている放浪者や野生児、隠遁者も稀ながら存在する模様。 また、マンダムの長はマンダマスターと呼ばれている。 デイクペイ(DP) この世界での紙幣……なのだが、どこまでが世界中と言っていいのか不明な為、「絶対にどこでも通用するものではない」ということを了承の上で運用されている。 DPを導入する場合は、偽札の流布を防ぐべく加盟したマンダム間での相互監視体制が敷かれることとなる。 尚、かつてのデイクヤードでは存在せず、物々交換が基本であった。 人々が通貨を求めるのは時間の問題だったが、そういった背景がある為にDPが流通している文化圏でも物々交換は成立しやすい傾向にある。 他の世界からの通貨が流れ込んでくることもあるのだが、これらは供給も価値基準も安定しない為、一部のマニアが引き取るか尻を拭く紙になるか……といった扱いである。 デイフォン こちらは名前が短い上に被るのでDPとは略されない。 デイクヤードの中で通話をする為に必要な携帯電話のようなもの。 色んなブランドがあり、科学だけではなく魔術型等も生まれているがどれでも通話可。 我々の世界で言うところの地球の裏側くらいの距離まで届くが、この世界には果てがないので通信にはまだまだ発展の余地を残している。 ペアレント この世界に転生した者を保護することを目標に掲げている組織のこと。 無一文の転生者を養うだけではなく、この世界がどういったものかを講義したり、転生者の生い立ちを聞いてどういう生き方をしたらいいのか薦める等の活動を行っている。 かつては完全に慈善事業だったが、現在はいくつかのマンダムから理解を得られた結果として支給されるようになった助成金でやりくりしている。 各地に支部が存在するが、定在せずにマンダムからマンダムを渡り歩いているグループもある。 名前は第二の生を受けた転生者の親になれるように、といった意味合いである。 ガーディアン 簡単に言えば、この世界の警察に相当する治安維持機構に等しい存在。 世間一般的な犯罪は勿論のこと、事情も分からぬ転生者を悪事に巻き込んだりするような不届き者を取り締まる働きをしている。 こちらもペアレントのように各地に支部が存在する他、各地域を巡回している。 デュエルでの事件解決だけではなく、事故や災害時の対応も管轄内。 忙しい人たちである。 尚、マンダム間の争いが起こった場合にはガーディアンは不干渉、という協定が存在する。 ガーディアンを私軍として運用しようとした場合は本部から苛烈な制裁を受けることになるだろう。 ガーディアンに頼らず、私設の治安維持部隊を持つマンダムも存在する。 フェイスマンダム この世界の顔、という意味で栄えたマンダムがこう呼ばれている。 いずれもDPが流通している上にペアレントとガーディアンが駐留し、一定水準以上の治安があるので定住の選択肢としてベターという扱いを受けている。 ローワドン コンクリートで塗装された風景が特徴的なマンダムの一つ。 ペアレントの本部が存在するのが特徴で、運良くここに転生できた者は手厚い支援を受けられるだろう。 他の場所に転生した際にここを目指すことを勧められるケースも有る。 ペアレント以外にも学校等や病院等の各種福祉が整っており、そのままここに定住することを選ぶ者も少なくない。 デュエルそのものは盛んだが、安定した生活が享受できる為に手軽に触れられる娯楽としての趣が強く、そこまで向上心のあるデュエリストは居ない様子。 では、他のマンダムから来れば連戦連勝かというと……確かに勝てはするのだが、このマンダムでは福祉が充実している代わりに競争で手に入るものが少ない為、そこまで強いデュエリストなら実利を取って他のマンダムに移住してしまうことが多いようだ。 一方で、ここのマンダマスターはかなり強いと言われている。 平和なようで、「デュエルで決める」という価値観はこのマンダムにも適用されているのだ。 この街の在り方を変えてやろうなどとは思わないのが賢明だろう。 スターツバイン 鍛冶と魔法が伝わりしマンダム。 製鉄や加工技術を持った職人達が集う傾向にある。 魔法についての研究も盛んであり、憧れて門を叩く者が後を絶たない。 魔術型のデイフォンはここが名産地。 建物は石造や木造が基本で、居住地は中世的な街並み。 他と比べてノットが多いのも特徴。 種族を問わず人とノットが共に研鑽するマンダムといえるだろう。 一方、のどかで自然豊かな国土なので喧騒に疲れた者が流れ着く地でもある。 そういう者も暖かく受け入れてくれる懐の深さも大きな特徴の一つ。 結果として農産物も多く産出しておりマンダム間での立ち位置は重要なものとなっている。 難点として、スターツバイン周辺にはエネミーの目撃例が多めな点が挙げられる。 安易な遠征は避けるべきだろう。 マンダマスターの運営形式は王国制に近い。 メイリースン デイクヤードで最も経済的に栄えているとされるマンダム。 開拓された北部には高層ビル群が並び立ち、西武にはカジノが設立。 東部では空港と海港が輸出入で忙しなく飛び回り、南部はリゾート地となっている。 夜にはネオンで照らされて、眠らないサイバーチックな街並みを見ることができる。 何故こうなったかといえばデイクペイ発祥の地だからである。 現在でこそDPは各マンダムに行き渡っているが、その事を誇りに思っている住民もいるようだ。 このマンダムで楽しく暮らせるかはDP次第といったところ。 DPさえあれば何でもできるが、DPが無ければペアレントの世話になる他ないだろう。 何をするにもDP第一の街なので詐欺には気を付けたいところ。 逆に観光地としての収入も重要視されているので命に関わる事件に関しては厳しく取り締まられている。 マンダマスターは然程強くはないが、DPで実力のあるデュエリストを複数雇っている。 相手に合わせたデュエリストを選出するらしい。 また、意外にもかなりの額のDPをペアレントに支援している。 曰く「将来的な顧客であり働き手だから」とのこと。 フォルトーバ デイクヤードにおいて最もデュエルが盛んではないかと言われているマンダム。 街並みは古代的なものであり、中央のコロッセオでは白熱したハイレベルなデュエルが楽しめると評判である。 このマンダムは賞賛されるべきデュエルを行った者がファイトマネーとして受け取ったDPで豪遊する……というヴァルハラの様相を醸し出しているが、住民達は皆報酬はあくまでデュエルの副産物としか考えていないようだ。 皆デュエルの事しか頭にないので、一周して治安は良い。 一度この街の規律を乱せば飢えた狂戦士共の餌食となること間違いなし。 マンダマスターはブエファインドと並んで世界最強ではないかと噂されている。 ブエファインド 強力な軍事力が特徴の要塞型マンダム。 入退国には厳正な手続きが必要となるものの、安全性は他の追従を許さない。 犯罪はすぐに検挙される。 良くも悪くもルールは厳しく、夜間外出などには制限がかけられている。 ディストピアかというとそれも違うらしく、他所から来た者の中は 「一つの完成系」と語る者も。 一方で、ルールに慣れずにガーディアンのお世話になる者も度々見られる。 一応、その辺は情状酌量を優先した取り調べや警告で済まして貰えることが多い。 ガーディアンの本拠地があるが、それとは別に軍部が存在する。 民事にはガーディアンが、それとは別のマンダム間の問題には軍が対応するようだ。 マンダマスターはデュエルが強いだけではなく筋トレが趣味だとか。 ちなみに、5つのフェイスマンダムはそれぞれ ドロー+ワン ツー+スタンバイ メイン+スリー バトル+フォー エンド+ファイブ のアナグラムだったりする。 クロスリーグ 3年に一回開かれる大会。 11ヶ月かけて上記の5つのフェイスマンダムを渡り一定以上の結果を出すことを目指す予選期間とブエファインドに集い、決勝のリーグ戦で優勝者を競う決勝に分かれている。 渡る順番は自由。 RTAで最速を目指す者もいるが、旅を楽しむデュエリストが多い。 ブエファインド出身は結果を出して戻ってくることになる。 話に困ったらこれを軸にしてくれればドラマを作れるというだけで参加必須イベントではない。 クロス(渡る)+リーグ(大会)という安易な命名。