日が既に落ち、涼しい風が頬を撫でる時刻となるが、それでもまだ汗が滲む暑さだった。プールサイドには夜の帳が降り、煌々と明かりを放つ照明が幻想的な風景を生み出している。 そんな光景を、神田颯乃は備え付けられたビーチチェアに腰掛けながら眺めていた。 突如設立されたマリンパークエーギル。彼女とその仲間たちは日頃の暑さに限界を感じ、涼を求めてこのレジャープールに立ち寄っていた。 日中は訓練として水泳に勤しみ、その後は彼女の恋人である霜桐雪奈コーディネートのもと、新しい水着で様々な施設を楽しみ、その締めとしてこうしてナイトプールを満喫している。 騒々しかった昼間と異なり、今のプールサイドには颯乃しかいない。ナイトプールはカップルでの利用に需要があるということで、区画ごとに貸し切りにすることができた。 彼女のパートナーであるゴブリモンはナイトプールで目の保養を目論んでいたが、颯乃と水泳教室で泳ぎを覚えたブルコモンの特訓に付き合わされてグロッキーとなり、今はブルコモン共々宿泊施設で横になっている。 「おまたせ、颯乃ちゃん。ドリンク買ってきたよ」 そんな彼女のもとに、両手に鮮やかな色のドリンクを携えて雪奈が来た。 暑さが堪えているのか、その顔はやや赤みを帯びている。 「ああ、ありがとう雪奈……顔が赤いが大丈夫か?」 「え?あー、ちょっと暑いのかな?もう夜なのに全然涼しくならないよね」 この言い方に何か隠していることは長い付き合いからも察しがついた。 とはいえ足取りはしっかりしているし、体調が悪い様子もなかったので、颯乃は特に気に留めないことにする。 隠し事が苦手な彼女のことなので、いずれボロが出るだろうという信頼からだった。 並べられたビーチチェアに腰掛けた雪奈は、色とりどりの照明に照らされたプールを一瞥し、感嘆の声を上げた。 「うわー、綺麗だね!来てよかった!」 「ああ。誘ってくれてありがとう、雪奈」 「えへへ。こちらこそ、付き合ってくれてありがとう」 はにかんだ笑みで颯乃に向き合う雪奈。 今日の彼女はこの日のために新しい水着を用意していた。お気に入りの涼し気な氷柄のビキニを、颯乃のイメージカラーの桔梗色をあしらったものに重ね着し、自分の色である薄い水色のパレオを巻いている。セミロングの髪も一纏めにしてポニーテールにしており、いつもと違った印象を颯乃に与えた。 一方颯乃も初めは競泳水着を用意していたが、遊ぶにあたって雪奈に新しい水着を用意してもらった。花柄をあしらった桔梗色のハイネックビキニには、さりげなく雪奈の色である薄い水色を入れている。髪型はいつものポニーテールにするつもりだったが、水泳勝負で颯乃に勝った雪奈の要望でツインテールにされた(まさかここまで泳げるとは雪奈本人すら思っていなかったようだ) 初めは慣れない恰好に戸惑いを覚えていたが、自分の姿に目を輝かせる姿の雪奈を見るとこれはこれで悪くないものに思えた。 颯乃は雪奈が買ってきたドリンクのストローを咥え、一口飲む。暑さで火照りが残っている身体に、冷たくて甘いジュースが染み渡った。 「うん、美味しいな」 「よかった。店員さんのおすすめに任せたけど気に入ってもらえて」 そう言って雪奈もドリンクに口を付ける。直前に何かを覚悟したような顔をしたが、颯乃にはその表情は見えなかった。 「今日は楽しかったな。まさか三下を巡ってあんなことが進んでいたとは思わなかった。それに鉄塚先輩も……雪奈?」 ふと横を見ると雪奈の様子がおかしいことに気づき声を掛ける。その顔はどこかぽやっとしており、顔が熱を持ったように赤くなっていた。 ゆっくりと颯乃に向き合うが、その表情はどこか浮ついている。 「はれ?わーい、はやのちゃんがいっぱいいる〜…やった〜……ぜんぶわたしの〜」 「ちょ!?雪奈!?」 突然立ち上がって颯乃に抱き着いてきた。その口には呂律が回っていない。 (まさか、お酒!?) 流石に店員が未成年にアルコールを提供するとは思えないが、雪奈のことである。いつもの不幸で偶然間違えられたということもあり得ないとは言い切れなかった。 「えへへ〜、はやのちゃんだいすき〜……」 颯乃の身体に頬ずりしたかと思うと、自分のドリンクを口に含んで颯乃の唇と重ね合わせる。そのまま舌でドリンクを口移ししてきた。 「ちょ……んっ……んんっ……コクッ……」 甘い液体が喉を通過する。先ほど自分が飲んだものと同じく冷たいはずなのに、身体が火照ってきた。 (ん?これは……?) その瞬間颯乃は雪奈の様子がおかしくなったことの理由がドリンクのせいではないことを悟るが、それについて思考が及ぶ前に雪奈の舌が颯乃の舌を絡める。 「んっ……ふっ……ちゅ……じゅる……」 「んあっ……はっ……んん……んちゅ……」 唾液が混じり合って泡立ち、音を立てた。やがて満足したのか唇を離す。二人の舌には唾液の橋が架かり、プールの照明の光を反射してぬらりと輝いていた。 そのまま雪奈は颯乃の水着の下に手を差し入れ、その胸に這わせた。 「えへへ〜……わたしをむちゅーにさせるわるいおっぱいめ〜。おしおきしてやる〜……」 「なにを言って……んひ!?」 水着を手首で器用にずり上げると、そのまま迫力ある巨峰を揉みしだく。 張りのある胸は押される度に形を保とうと指を押し返す。雪奈はその感触を楽しみ、指に込める力を少し強めた。 「んっ!雪奈、そんなに揉まれると……」 「もまれると〜……?」 上目遣いで雪奈が問いかけてくる。その目にはいつもと違う妖艶な嗜虐心が見え隠れしていた。 「その、気持ちよくなって……」 「きこえないよ〜?は〜むっ……じゅる……ちゅぱ……」 そのまま雪奈は颯乃の胸を口に含む。飴玉を舐めるように舌先で薄桃色の乳首を弄び、時には押し込んで刺激を与えた。 徐々に固くなるその感触が楽しくなった雪奈は、優しく歯を立てて甘噛みする。 颯乃の身体が突然の刺激にビクッと震えた。 「んんっ!!ああっ!!」 「ふぉう?ふぃもひひ、ふぁやのひゃん?」(どう?気持ちいい、颯乃ちゃん?) 「ん!ああ!きもちいいからちょっとまって……ひゃあ!!」 雪奈が乳房を吸い上げる。吸引された胸が引っ張られ、胸全体が持ち上げられる。 チュポという音とともに解放されると、ぷるんと大きく波打った。 今度は反対の胸に吸い付く。 「ふぇへへ。ひゃやのちゃんのほっはいおいひい……(えへへ。颯乃ちゃんのおっぱいおいしい……) 「んん!!しゃべると息がかかって……んあ!!」 唾液で濡れて敏感になった胸の先端を雪奈の吐息が襲う。気をよくした雪奈は時折ふうっと息を吹きかけ、手ではできない刺激を颯乃に与えた。 同時に空いた胸を手で揉みしだくのも忘れない。中指薬指小指の三本で器用に乳房の感触を楽しみつつ、親指と人差し指で屹立した乳首を摘まんだ。 異なる刺激を同時に与えられ、颯乃の背筋が反り返る。 「んひぃ!!そんな、胸ばかり攻めないで……」 「ん〜?ひゃあふぉこをしぇめてふぉひい?」(ん〜?じゃあどこを攻めてほしい?) 颯乃の股間はプールに入っていないのに水着が染みで変色していた。もじもじしたように太ももを擦り合わせているのを雪奈は見逃さないが、あえて焦らしたように問いかける。 恥ずかしさに顔が真っ赤になった颯乃はぽつりと消え入るような声で答えた。 「その……あそこを……」 「ふぉこ〜?ひゃんとひってふれひゃいとふぁはらないよ〜?」(どこ〜?ちゃんと言ってくれないと分からないよ?) 「……あの……おまn……こを……」   「ちゅぱ……はい、よく言えました」 胸から口を離した雪奈は水着のボトムに指を掛けると、ゆっくりとずり下げる。 やがて愛液に塗れた颯乃の秘所が外気に晒される。夜の風が吹き付け、敏感になった颯乃の膣を撫でた。 ビーチチェアに身体を委ね、雪奈は颯乃の太ももに手を添わせるとそのまま広げさせる。 眼前にはひくひくと待ちかねているように颯乃の割れ目が愛液を溢れさせ、ぬるりと照明に照らされていた。 雪奈は期待するように舌なめずりすると、指で颯乃の割れ目を広げ、中を覗き込む。 ピンク色の穴が颯乃の動きに合わせて広がったりすぼまったりを繰り返していた。 これからすることの準備のために、周りの濡れそぼった愛液を撫で、指に絡めて纏わせる。 しかしまだそれ以上のことをせず、あえて颯乃の口からこれからどうするのかを尋ねた。 「ここをどうしてほしい?颯乃ちゃんの口から言って?」 「あう……おま……こ、せつなの指で……かき回して……」 「うん、いいよ」 言うや否や雪奈の指が颯乃に侵入する。既にたっぷりと水分を纏ったその穴は抵抗なく雪奈を受け入れ、それと同時に颯乃の全身に電流が走った。 「んぐっ!!あああああっんんっ!!!」 「どう颯乃ちゃん?気持ちいい?どんなふうに気持ちいいかわたしに聞かせて?」 「んん!!せつなの指、中であちこちうごいて、ああんっ!!わたしの敏感なところ、いっぱいぐりぐりしてる!!」 「ふふっ。そうやっていっぱい感じてる颯乃ちゃんもかわいいなあ……」 うっとりするような視線で颯乃を見つめる。音を立てるように愛液を泡立て、指を前後させ、颯乃の肉壁を擦り、反応がいいところを指の腹で押した。 その度に颯乃はまるで楽器のように全身に回る快楽で嬌声を上げる。 親指でぷっくりと膨れ上がったクリトリスを弾くと、一際大きな声が上がった。 「ひゃあ!!!そこ、弄られると、ああんっ!!!」 「颯乃ちゃん、ここ弄られるのが好きなんだよね?いっぱい弄ってあげるから、いっぱい気持ちよくなって?」 「ああっ!!んんんぅ!」 高まってきた情動に指の動きが激しくなる。蹂躙劇のように颯乃のなかを雪奈の指が自由にのさばった。 プールのものとは違う激しい水音が辺りに響き渡る。 「あっあっあっ!!んっ!!んあっ!!わたしのなか、せつなのゆびでぐちゃぐちゃになってる!!いっぱい、きもちいいのがあたまのなかで、ああっ!!」 「はぁ、はぁ、いいよ颯乃ちゃん!颯乃ちゃんの中、すっごくあったかい!んっ!わたしの指、颯乃ちゃんに包まれてすっごく幸せだよ!んんっ!颯乃ちゃんのえっちな顔、もっといっぱい見せて!」 いつの間にか雪奈も自分の秘所を指で擦りつつ、颯乃の耳元で淫靡な言葉を囁き、耳に舌を這わせていた。上と下を同時に攻められ、逃げ場のない快楽が颯乃の中を巡る。 「じゅる……れろ……くちゅ……ちゅる……」 「んん!!あっ!!そんな、ところまで……あっあっ!!んあ!!雪奈!私もう!!」 「んっ!いいよ颯乃ちゃん!イっちゃって!颯乃ちゃんがイクところ、わたしに見せて!!」 雪奈の指の動きが更に加速する。クチュクチュと音を立てていた膣がギュッと絞られる。 やがて限界に達した颯乃は身体を弓反りさせながら噴水のように淫らな液体を噴き出した。 「イッ、くっ!!!ああ、あああああああああああああんっ!!!!」 ―――――――――――― 息を切らしながらぐったりとビーチチェアに身体を沈みこませる颯乃に雪奈が寄り添う。 その顔は満足そうに笑みを浮かべていた。 そんな雪奈の肩に颯乃は手を添えると、自分へと抱き寄せる。 そしてそのまま、先ほどまでの確信を問いかけた。 「……雪奈、実は酔ってないだろう?」 ビクッと雪奈の肩が震えた。起き上がろうとしたが、肩に回された腕ががっつりと雪奈を抑えて動けない。 この状態も悪くないと思っていたが、後ろめたさが雪奈の視線を泳がせた。 「……えっと、バレてた?いつから?」 「最初からだ。そもそも私にも同じドリンクを飲ませた時点で騙す気も無いのだろう?」 「いやー……まあ酔っていたと言えば酔っていたよ?ほら、プールの雰囲気とかに……」 「そういう言い訳はいい。なんでこんなことを?」 「あー、なんというか、いつもと趣向を変えたかったっていうか……」 しどろもどろになる雪奈にまったくと呆れる颯乃。 要するにドリンクを持ってくる段階、いや、ナイトプールに誘った時からこういうことがしたかったのだろう。顔が赤くなっていたのも、いつも通り実行するか散々悩んだ末に覚悟を決めてきたのかと理解した。 開き直ったかのように雪奈が甘えたような笑みを向ける。 「でも分かってて付き合ってくれたんでしょ?」 「それはまあ、そうだが……」 「えへへ、ありがとう。颯乃ちゃん大好き」 「まあ気持ちよかったし……だがそれはそれとして、だ!」 「へ!?」 突然ぐるりと身体の位置を入れ替え、颯乃が雪奈を押し倒す形になる。 その顔は先ほどまで雪奈が浮かべていたような嗜虐心に満ちたものになっていた。 そんな表情もいいなと思いつつ、これから待ち受けていることに冷や汗が流れる。 「あのー……颯乃ちゃん?」 「悪戯っ子にはお仕置きしないとな?」 そう言って雪奈の胸を乱暴に揉みしだく。自分のもとのは違う、張りがありつつもどこまでも沈み込んでいくような柔らかさが颯乃の指を包んだ。 「ふわぁ!?颯乃ちゃん、そんな強くしないで……」 「お仕置きだからな。ちょっと激しくいくぞ」 握るように揉みしだく。指の隙間から包みきれなかった胸の肉が零れ落ちる。力を入れる度に雪奈が声を上げた。 「ああっ!んっ!!そんな、強くされたら、ああ!!」 「何だったかな?『わたしをむちゅーにさせるわるいおっぱいにはおしおきしないと』だったか?」 ビキニに指を掛けると、わざと乳首に引っかけるようにずり上げる。ボロンという擬音が聞こえそうな躍動を見せながら、雪奈の胸が外気に晒された。 じっと自分の胸を颯乃が見つめていることに雪奈の顔が羞恥心で真っ赤に染まる。 「あの、颯乃ちゃん……そんなに見られると恥ずかしくて……」 「ん?聞こえないぞ?」 そのまま雪奈の胸を思うままに揉みしだく。指に合わせてその乳房は自由自在に形を変え、その度に雪奈に快楽という刺激を与えた。 「んんっ!は、颯乃ちゃん、おっぱいそんなに揉んじゃ、ああんっ!」 「雪奈の胸はすごいな。柔らかくてまるでマシュマロみたいだ。ほら、こんなに指が沈み込むぞ」 「んああっ!そんな、言わないで……んんっ!」 颯乃の言葉にいつもよりも敏感に反応してしまう。そんな雪奈を余所に颯乃は手のひらに広がる柔らかい感触を楽しんでいた。 やがて、点のように自分の手のひらを押し返そうとささやかな抵抗を示すものが生まれる。 立ち上がった乳頭を颯乃は指で優しく摘まんだ。上下に押しつぶされたそこから、果実を潰したように刺激という果汁が胸全体に広がる。 そのまま指先で固くなったものを右へ左へと弄んだ。 「きゃあ!ちくび、弱いの……ひんっ!」 「ああ、知ってる」 雪奈の言葉を無視してピンと弱いと言っていたところをデコピンで弾く。 その瞬間、稲妻のように身体中を何かが迸った。 「んひゃあ!!ああぁ……ちくび、いじめられて……あたまのなかおかしくなっちゃう……もう、がまんできない……」 なかなか胸以外を攻めないことにしびれを切らせたのか、もぞもぞと自分の股間に手を伸ばす。それを颯乃の言葉が制止した。 「ダメだ。これはお仕置きだからな。自分で弄るの禁止だ」 「そんなぁ……わたしもう、がまんできないよぉ……!」 懇願するような目で見つめる。 颯乃はそんな視線に応えたくなるのをグッとこらえ、媚を売るようにくねくねさせている腰を抑えるとパレオを外し、ボトムを脱がせた。 生まれたままの姿の膣は期待するように愛液に塗れ、ひくひくと痙攣している。 そんな雪奈の恥丘の周りを、焦らすように指先でなぞった。 敏感になったそこに触れられ、雪奈の焦燥がより一層深まる。 「んんっ!はあ……はあ……はやのちゃん、はやくぅ……はやくわたしのなかを……」 「その前に、なにか言うことがあるんじゃないか?」 悪いことをした子供を叱る母親のような口調で颯乃が訪ねる。 焦らされ続け、我慢できなくなった雪奈は恥も外聞もなく、腹の底から大声で叫んだ。 「ごめんなさい!!今度するときはちゃんと誘います!!!だから早くわたしのなかをぐちゃぐちゃにしてください!!!」 「はい、よくできました」 雪奈の脚を開かせ、股に顔をうずめる。 ぴっちりと閉じられた割れ目に舌を這わせ、閉じられた門を開くように一気に中へと突き入れた。 身体中を駆け巡る快楽で頭を殴られたように衝撃を受ける。 「くうっ!!!あああんっ!!ああ、颯乃ちゃんの舌、わたしの中に入って……!」 「んっ……じゅる……ずず……」 「んん!あぁ!!んんん!!吸っちゃ、ああん!!」 颯乃の舌が雪奈の中で蛇のように這いまわる。ようやく来た待ち焦がれた刺激と、指とはまた違った感触が雪奈の興奮を高めた。 「おまんk、かき回されて、んんっ!はぁ、おなかの奥、じんじんする!!ふあぁっ!!」 「くちゅ……れろ……じゅ……」 クリトリスに口づけし、吸い上げる。不意打ちのような刺激に目の奥が明滅し、耐え切れず身体がのけ反り変える。 颯乃も雪奈の熱に煽られたのか、舌の動きに手を抜くことなく自分の濡れそぼった股を弄りだした。 「んんんくぅぅぅ!!!ああ、そこ!!きもちよすぎて、おかしくなりそう……ひゃあ!!」 颯乃の舌使いに頭がいっぱいになる。口からは唾液が零れ、蕩け切った表情が雪奈の今の状態を伺わせた。 「んん、ちゅる……ふぁ……ん、んん!ちゅる……じゅる……」 「んん!!はやのちゃん、ダメ!!!わたしもう、イキそう!!んあっ!!!」 雪奈の言葉にこくりと頷くと、舌の動きをさらに激しくする。 既に許容量ギリギリの理性に向けて、押し寄せる波のような快楽が襲い来る。 その波に耐えられるはずもなく、栓を抜くように今まで溜めた快楽が雪奈の膣から噴き出し、シャワーのように颯乃の顔に浴びせかけた。 「んくっ!!!ああああああああああああんっ!!!!!」 ―――――――――――――――― 一旦タオルで顔を拭いていた颯乃は雪奈の様子をちらりと見た。 激しく絶頂を迎えた雪奈はまだ息を切らせてビーチチェアに身を預けている。 「はあ……はあ……はあ……はあ……」 「反省したか?」 「うん……でも、たまにはこういうのもいいかも……」 「まだお仕置きが足りなかったか?」 「ごめん、冗談だよ……反省します……んぐっ、んぐっ、ごくっ……ふう〜……」 すっかり氷が解けたドリンクを一気に飲み干す。薄味だったが、今はそれよりも身体が水分を欲していた。 クールダウンした二人は一つのビーチチェアに寄り添うようにして腰掛ける。 そのまましなだれかかるように颯乃が雪奈の胸に頭を預けた。 その顔は先ほどの雪奈と同様赤く染まっている。 雪奈の心臓の鼓動が耳に響く。まだ早鐘を打つような脈が自分にも伝わってきて、そのリズムに合わせるように自分の心臓も鼓動も速くなっていった。 しばしの沈黙が訪れる。その間、二人は互いの温もりと心臓の鼓動が反響し合っていくのを感じていた。 やがて颯乃がぽつりと口を開く。 「その……気持ちよさそうな雪奈を見ていたら、もう一回したい気分になった……だから……」 「うん……わたしも。じゃあ、き・も・ち・い・い・こ・と……しよ?」 耳元でゆっくりと囁く。こくりと頷いて返すと、二人は示し合わせることもなく水着を完全に脱ぎ捨て一糸まとわぬ姿になり、互いに向き合った。 プールを彩るための照明が二人の身体を照らし、しばしその光景に見惚れる。 「ちゃんと誘えたな」 「えへへ」 互いの足を開き、腰を浮かせて割れ目を重ね合わせる。いわゆる貝合わせという体勢になった。 「雪奈、これ好きだな」 「だってこれ、颯乃ちゃんと繋がってる感じがするんだもん」 「そうか。うん、私も好きだな」 互いのクリトリスが相手のそれに擦り合わさる。 ピリリとした感覚が二人に流れた。 やがて二人は、流れた感覚に身を委ねてゆっくりと腰を動かし始める。 「んっ、んっ、んっ……」 「はっ、はっ、はっ……」 競い合うように腰を動かす。愛液が混ざりあい、ヌチャヌチャとした音を立てた。 「はあ、はあ、はあ、颯乃ちゃんのアソコ、すっごく熱くなってる……」 「んん、んっ、雪奈も、激しく擦り付けてきて……」 夏の熱気も合わせて、二人の身体が火照る。紅潮した肌が汗によって肉感的なコントラストを醸し出していた。 互いの蕩け切った表情が、自分が相手を気持ちよくできていることに安堵し、高揚感が増す。 無意識の内に相手と手を重ね、離さないように強く握った。 「んんっ、颯乃ちゃん、すっごく気持ちいい……んん!わたしのクリトリスと、颯乃ちゃんのクリトリスが擦れて……んひっ!!」 「んあ!!ああ!私も、おまんkごしに雪奈を感じられて、ひうっ!!」 腰の動きが激しくなる。溢れ出す愛液が零れ落ち、ビーチチェアに水たまりを作る。 ふたりは構わず互いを気持ちよくするために割れ目を擦り合せる。握っていた指にさらに力が入った。 「はぁ、はぁ、はぁ!颯乃ちゃん、今すっごくかわいい顔してる!わたしのおまんkで気持ちよくなって、いっぱい感じてて、すっごいかわいい顔してる!!んん!!」 「んん!!雪奈も、そんなに蕩けた顔して、とってもかわいいぞ!んんっ!もっと、かわいい顔を見せてくれ!あんっ!!」 もはや頭の中は互いのことでいっぱいだった。二人の興奮が最高潮まで高まり、割れ目からはとめどなく蜜が流れている。 「んっ、くっ、んん!颯乃ちゃん、わたしもう、イキそう……!」 「ああ!んあっ!私もだ!一緒にイこう!雪奈と一緒にイキたい!!」 「うん!わたしも!一緒に、んっ!イこう!!」 押し付けるように更に密着する。より感じるようになった快感がこれまで我慢していた二人の背中を押し、同時に絶頂へと至らせた。 「ん!颯乃ちゃん!イク、イクッ!!……んああああああああああっ!!!!」 「雪奈!私も!イッ!あっ!あああああああああああっ!!!!」 ぐったりと寄り添うようにビーチチェアに倒れる。 息も絶え絶えになりながら、紅潮したお互いの顔を見つめあう。 「はあ……はあ……はあ……はあ……」 「ふう……ふう……ふう……ふう……」 やがてどちらともなく笑みが零れる。胸が幸福感でいっぱいになった。 互いの額をこつんと合わせ、胸に溢れる幸福感を噛み締めるように、正直な今の思いを口にした。 「颯乃ちゃん、大好き」 「私もだ。雪奈」 これまで何回も言ってきた。これから何回でも言う言葉を交わす。 この夏は一回きりなのだから、言える時に言っておかないと。 二人は寄り添いながら、照明に照らされたナイトプールの光景を目に焼き付ける。 この夏だけの、忘れられない思い出を刻み付けるように。 それはそれとして、お酒が飲めるようになったら今度こそ酔った勢いに身を任せてみたいと思う雪奈なのだった。 ―――――――――――― 「えっ、うそ!?」 翌日、料金を精算しようとした雪奈の目が驚愕で見開かれる。 ナイトプールの貸し切り料はそこそこ値段がすることは覚悟していたが、施設で広く周知されているサービスなので法外な値段にはならないだろうとは思っていた。しかしそんな雪奈の予想に反して予算オーバーな金額を請求されている。 『カップルの貸し切りってのはまァ、そういうこと目的の需要もあるんでやることについて禁止はしてないんですがねェ、そうなるとこっちも色々後始末とかしなきゃならないんですよォ。その分の代金ってことでご理解くだせェ』とはここの支配人の言だった。 名目・清掃料と書かれた領収書に額を押さえ天を仰ぐ。 払えない額ではないが、今後の旅が少々不安になる。これはしばらく節約などを頑張らないといけないと思った。 「雪奈、半分出そうか?」 見かねた颯乃が提案するが、雪奈は首を横に振って断った。 「ありがとう……でも誘ったのはわたしだし、わたしが全部出すよ……」 そうは言いつつも茫然とする雪奈に、颯乃はせめてもの慰めにと頭を撫でることしかできなかった。