二次元裏@ふたば

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315029 B24/08/19(月)00:17:33No.1223650388そうだねx2 02:21頃消えます
デジモンの怪文書書きました
うちの子と気になる子が暗い感じになるだけ
fu3877343.txt
うちの子 fu3877348.jpg
よその子 fu3877351.jpg
色々交流した後から救出作戦の直前ぐらいを想定してます
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/08/19(月)00:18:46No.1223650870+
『来週、我が領地近くにも電子花の庭が築かれる。それを記念し汝にも一輪の花を手向けようではないか。かの時の白き花の礼、期待して待つがいい』
デジヴァイスに届いたメールは相変わらず装飾過剰だったが、今回はそこまで解読に手間取ることはなかった。
「……まだ覚えてたんだね。てっきりもう忘れたのかなって」
口ではそんなことを呟きながら、返信のメールを打つシュヴァルツの口角は上がり、柔らかく微笑んでいた。
彼がアルケアに白い花を手渡してから―――それなりの時間が経過していた。その間もプールで再会したり、好みの漫画を勧められたり、ぽつぽつと彼女との間に交流自体はあった。
その中で、花の贈り物に返礼を贈る。という旨のアルケアのメールのことは暫く記憶の底に沈んでいた。
花のやり取りと言ってしまうと童話を読むような気恥ずかしさがないこともない。しかしベッドの上、タンクトップとハーフパンツの部屋着でうつ伏せに転がる小柄な体躯は、つい脚をぱたぱたと動かしてしまう。
224/08/19(月)00:19:07No.1223650996+
「シュヴァルツー。失礼しますよォ」
「っ!?……どうしたの、アスタモン」
後ろから投げかけられた声に、頭を飛び上げながら慌てて振り返る。ドアを背にもたれかかって立つアスタモンがひらひらと手を振った。
「いつものお仕事の話ですねェ。例のアルヴェアーレの件ですが、どうにも関係各所の口が固ェ。こりゃ決行当日の動きを察知して直に押さえるしか無さそうでして……私らが片付けることになりました」
「あっそう……嫌だな。予定被るんじゃない?」
"アルヴェアーレ"、リアルワールドの欧州で名を通す犯罪グループ。歴史は長いが、デジタルワールドを法の抜け穴とする新規事業ではメキシコマフィアに遅れを取り、巻き返しを急いでいるという。
欧州のマフィアでも、日本のヤクザでも悪徳企業でも、デジタルワールドではそれを抑える法整備は殆ど進んでいない。だからこそ、法に縛られない迷惑事は法に守られないやり方で潰していく必要がある。
が、その取引の場に殴りこむ日が未定なまま、アルケアとの予定とブッキングしそうと知ると、シュヴァルツの表情は途端にうんざりとし始める。それを見てアスタモンは大体の状況を理解した。
324/08/19(月)00:19:35No.1223651173+
「あらまァ、プレゼントが来るからってはしゃいじゃってねェまったく」
「……別にはしゃいでないよ。開店祝いに珍しい花も来るって。それだけ」
アスタモンの笑みを、シュヴァルツはむすっと口を尖らせてでそっぽを向く。
考えてみれば、主題はもう一つの方だ。セイントモール内の花屋はアルケアの拠点からはネットワーク的に距離があったのだが、最近になって近場にも新しい店がオープンしたという。
開店祝いの期間は珍しい花も取り扱われるとのことで、アルケアの興味の本質はそこだろう。良い花を見つけたら贈るというのは必ずしも本題ではない。
いくらなんでも花一輪で浮かれるようなロマンティックな頭はしていない。それをわかっているのなら、アスタモンも少し茶化しすぎたと反省の色を見せた。
424/08/19(月)00:19:49No.1223651259+
「……ところで、飾る場所ってどこがいいのかな。育て方の注意とかは……」
「あらまァあらまァ。そういうのは花ァ来てから改めて調べましょうねェ」
いや、この有様はもう少し茶化しても問題ないだろう。
BVに参加した当初は何も置かれていなかったシュヴァルツの机が、今は漫画のメディアファイルで乱雑に散らかっている。そのファンタジー漫画も誰からの勧めで読み始めたものだったか。
それを忙しなく片付け始める浮かれた少年の姿に、アスタモンは苦笑を隠せなかった。
524/08/19(月)00:20:09No.1223651384+
『ありがとう。ただ、直接受け取れないかもしれないから花は指定の場所に郵送して』
ディーテクターに届いた返信は簡素で、良い言葉が思い浮かばなかったのだろうという不器用さを感じ取れた。
ふむ、と黒曜将軍オブシディアナ・アルケアは鼻を鳴らして思案する。デジタルワールドのデータ圧縮郵送であれば、よほど特殊な種類でなければ花も送ることができたはずだ。
「では、彼の部屋を飾るに相応しい花を探し出すとしよう!シュヴァルツよ、汝が喜び打ち震える様が眼に見えるようだぞ……!」
「そこまでオーバーな反応は目指さなくていいんじゃないかな……」
傍のプレイリモンのツッコミを無視して、天蓋付きのベッドに腰かけたアルケアは、タブレットを展開しオープン予定の店のパンフレットを呼び出した。
色鮮やかな花々の画像と名前、それぞれに込められた花言葉、何より現実の花の美をデジタルの世界に落とし込むあらゆる工夫が緻密に紹介されている。
その内容に興味深く食い入りながら、アルケアは花の贈り相手、褐色の肌と濡羽の黒髪、暗い黒色の眼の少年の姿を脳裏に思い描いた。
624/08/19(月)00:20:27No.1223651484+
「……そういえば、もう結構経つんだっけ」
鉄火場の中の偶発的なエンカウントを思い出す。それから、花屋で買ってくれた白いブーゲンビリアと、プールで着せてくれた水着。
他にも、埋蔵金や宝石を発掘しようとしたり、好みの漫画を紹介したり。気が付けば、シュヴァルツとはそれなりに長い期間交流を重ねる間柄にはなっていた。
起こしていた上体をぼふりとベッドに傾ける。何も言葉を交わさなければ、ちょっと神秘的だけど話しかけにくそうな相手で終わっていたのかもしれない。
それが、話してみると意外と子供っぽいところがあって。こちらから近づくと狼狽えるけれど、こちらを見つけたらすぐにやってくるのが興味深くて。
……そして、少し安心して、格好良くあろうと気を張らずに、素のままの自分の顔を見せてしまう。
それらをひっくるめて、何かの言葉に表現できれば、花言葉に乗せて贈るのが正解なのだろう。けれどもアルケアには的確に纏めることは叶わなかった。
724/08/19(月)00:20:40No.1223651586+
「―――む、む、むむむぅ……!」
ただ、パンフレットから想いを伝える花言葉を辿っていくと、内容は過激になる一方で。途中で顔がオーバーヒートして耐えきれなかった少女は、顔にタブレットの画面を押し付けることで直視を避けた。素足をもじもじと動かし、ベッドの上の皺を増やす。
「とりあえず、実際の花を見てからでもいいんじゃないのかな?」
「う、うん!そうしよう!」
プレイリモンの提案に乗り、一旦過熱した思考とタブレットの画面をオフにして、アルケアは明日の出発までシーツに包まっていった。
824/08/19(月)00:20:56No.1223651700+
件の花屋は、商業施設のデータから作られた入り組んだ地形の中にひっそりと建てられていた。この手の自然の地形を利用するのは珍しいことではないが、他が無人だといかにも穴場という空気を醸し出している。
例によって角を隠せる帽子を被った(比較的)目立たない私服で訪れたアルケアは期待に胸を膨らませていたが、プレイリモンは周囲の閑散に少し不安げに周りを見渡しながら、揃って店内へと入っていった。
以前訪れた花屋程の凝った内装ではないが、内部は第一印象に反して整理が行き届いており、情報の通り、普段見られないような種も棚に飾られていた。
その一つ一つのパッケージファイルの情報を眺めながら、アルケアは集中した面持ちで花を吟味していく。棚を二つ見終えて、三つ目の中間に差し掛かった辺りで、新しい客が来店した。
「……?」
924/08/19(月)00:21:12No.1223651799+
無意識に扉の方を見て、来客の印象にアルケアはもう一度彼らの姿に視線を向けた。男が二人、服装は至って平凡な市民といった体だが、片方は日焼けした肌と筋肉質な太い腕をシャツの袖から晒し、もう一人は見るからに瘠せ型の猫背。
外見で人を判断するのもどうか、と制止する理性はあった。しかしアルケアの脳裏は、彼ら二人が本当に花を買いに来た客なのかを疑う直感的なイメージに引っ張られていた。
男たちは店主に話しかけると、老店主は少し困ったように顔の皺を深め、自分たちに視線を向けたように見えた。そして、倉庫と思われる方向へと三人で消えていった。
「……どうしたの?葵」
「外に出よう、あの来客二人、何やら怪しい……」
確かに怪しくはある。だが、その先に何があるのか、自身はどう対処するべきであったか。少女にはそれを想像する力が足りていなかった。
1024/08/19(月)00:23:47No.1223652723そうだねx2
続きはtxtで
いつも以上にひどい扱いをしてしまってアルケア公式ごめんなさい
蜂系デジモン公式の皆さんも雑な扱いでごめんなさい
あとオチの着地も上手くいかなくてごめんなさい
この後滅茶苦茶黒白くんからメール来た
1124/08/19(月)00:51:52No.1223662501+
むっ今まで住む世界が違ったが故のすれ違いいいねえ…!
1224/08/19(月)00:54:18No.1223663447+
一万字!大作!
おつらい結末…
どうにか日の当たる場所に進んで欲しいね
1324/08/19(月)01:36:37No.1223673605そうだねx1
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19604 B
通りすがりの公式ですが出演ありがとうございます
戦闘描写カッコいいですね…
アルケアは所詮ぬるま湯につかってただけなので違う世界を垣間見ただけでもこんな反応すると思います

キャラデザをだいぶ独自解釈したのでまちがってたらごめんなさぁい!
1424/08/19(月)01:43:32No.1223674666そうだねx1
>通りすがりの公式ですが出演ありがとうございます
>戦闘描写カッコいいですね…
>アルケアは所詮ぬるま湯につかってただけなので違う世界を垣間見ただけでもこんな反応すると思います
>
>キャラデザをだいぶ独自解釈したのでまちがってたらごめんなさぁい!
おてがきありがとうございますすごいかっこいい
いつか正面顔を描きます いつか…
こんなんなってるけど救出作戦後はいい感じに着地できたらいいなーと思います個人ルート的な感じで
あと漏らさせてごめんなさい


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