月。 陽の光を反射する真円の鏡。 夜の帳が下りる頃、人々の頭上に現れ人々を見下ろすもの。 地球に寄り添い、地球に絶えず影響を与え続けるもの。 ある日、月面探査機からの交信が途絶えた。 各国の宇宙研究所が調査した結果、月面に発生した謎の電脳空間による通信阻害であると発覚した。 いつ、どうやって、なんのために、電脳空間が発生したのか。その一切が不明。 一部の人間しか知らない、重大な事件が遠い空の彼方で起きているその頃。 未だ何も知らない鏡見淡世のもとに、とある者からのメッセージが届く。 「あなたの世界に、危機が迫っています。」 人が宙へと踏み出そうとする黎明の時代。 人類の未来を守る戦いが、月の電脳世界で始まる。 ◇ ◇ ◇ 3000年後の未来からやってきた月の女王。彼女の目的は、人類の管理。 月の運行を支配することで地球環境へ介入し、人口や文明の発達を抑制・調整することだった。 月面の電脳世界は前段階、彼女の最終目標は月そのもののデジタイズである。 3000年の間、彼女は地球を――人類を見つめてきた。 そして、その末路も。 多くの痛みを積み上げて、多くの欲望を積み上げて、人類は行き止まった。 人類は自らを律することができない。人ではない何かが人類を律するしかない。 そう結論付けた月の女王は過去へと飛ぶ。 人類の失敗を決定づけた時代に。 いずれ訪れる、バッドエンドを覆すために。 ◇ ◇ ◇ ―――――――― 地球…いや、人類の危機が迫っている。 頭上にて輝く、遥かな過去より地球に寄り添う星。 人類の脅威(てき)はそこにいる。 月の地表に拓かれた異界は、いずれ月そのものを浸食し、変質させていく。 我々はこれを阻止しなくてはならない。 戦場は月、漆黒の宙に揺蕩う近くて遠い星。 尻込みする者もいるだろう。 躊躇う者もいるだろう。 だが、目を背けていては我々に明日はない。 未来を憂う者よ、勇気ある者よ。 どうか共に戦ってほしい。 これは、――未来を守る戦いである。 ―――――――― ・依頼者 国際宇宙デジステーション(IDSS)   …デジステーションってなんだ? 鏡見淡世 ―――――――― ・報酬 勲章(春秋褒章相当だが特別なもの) 表彰状 金一封 ―――――――― ・勤務地 月面電脳異界 ―――――――― ・備考 月面に展開された電脳世界に赴き、物理概念で上書きするための楔の設置・展開が主な目的となります。 当然月の軍勢による妨害が予想されますので、楔が完全に機能するまで防衛する必要があります。 作戦実行中はナタスモンの支援により、全てのデジモンの階梯が完全体相当までブーストされます。 ――――――――