㉑「まだですか！月彦！？」
「もう少し！やっと準備が終わる！」
「でももう持ちませんよ！」
ビルの爆炎からアバドモンが顔を出す。
ガッコウガルルモンのダメージに比べアバドモンはほぼなかった。
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㉒「…！きた！ガッコウガルルモン！」
「ええ！」
ガッコウガルルモンはアバドモンの触手をすり抜け接近する。
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㉓「ちょっと溜めすぎたかな…！」
月彦がガッコウガルルモンに手を当てデジソウルを流し込む。
「私が出せる最強の技！」
ガッコウガルルモンはプレートを弓状に組み合わせ矢を放った。
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㉔アバドモンの外殻に幾分かの傷を付けたが致命傷にはなっていなかった。
瞬間天玄の背後から煙に紛れて月彦が切りかかる。
しかし、天玄はそれを軽くいなす。
「ワンパターンだな夜光 月彦！すぐさまパートナー狙いとは！」
「フェイントだからな」
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㉕上空でガイオウモンとガッコウガルルモンが弓を引く。
「３つ目だデジソウルを溜めるのに時間がかかったのも２発分だからだったし、伽夜子さんが来るのも分かった。
これが僕達が出せる最強の技だ。」
ガイオウモンとガッコウガルルモンから放たれた矢がアバドモンを貫いた。
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㉖「まだ…だ」
辛うじてアバドモンへの攻撃を躱した天玄であったが、左手を失い倒れていた。
「散らばっているデジモンを集めれば…」
「分かってるだろ僕達の仲間がお前が操っているデジモンと戦ってくれている。
だから僕はお前と誰にも邪魔されず戦えた」
「だ…だがイソノインナナヨの力があれば…！」
「もう分かってるだろ。ガイオウモンがいるって事とこの雨は…」
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㉗「玄ちゃん！」
「響子…しくじったのか…」
伽夜子達と一緒に来た響子が天玄に駆け寄る。
「もう…やめましょうこれ以上は」
「今サイバーウォーグレイモン達がワクチンを雨に乗せて撒いてる。この騒動ももう終わるもう諦めろ」
「駄目だ！！！これは使命だ！ここで止まったら俺は！」
「…！」
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㉘瞬間その場にいた全員が動けなくなった。
横からイソノインナナヨが通り抜け天玄に近寄る。
「馬鹿な…なんで…」
「カ…ンケイナイヨ」
「ガイオウモン殿！」「ガッコウガルルモン！」
ナナヨにガイオウガルルモン達が切りかかろうとするがそれより早くナナヨは天玄の両眼を刳り抜いた。
「あ…がっ！」
切り裂いた刃は空を切り地面を砕いた。
「玄ちゃん！」
ナナヨが月彦達を見て微笑む。
同時にビルが揺れ地面が崩れていく。
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㉙アバドモンの死骸から何かが溢れ出してきた。
ナナヨから黒色の触手が伸びアバドモンの核。アバドモンコアを取り込んでいく。
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㉚誰も彼も自分を見てくれない。
目玉を抉られても薄っら目に映るものがあったそれはイソノインナナヨであった。
抉られた眼球がそのまま視界を保っている。誰も彼もイソノインナナヨを見て自分を見ていない。
初めて気付かされた。あの時から何も変わっていない。
父は自分が築き上げたこの教団の存続と金と女しか見ていない。俺はその為の道具でしかなかった。
俺はこの教団が嫌いだった。自己を全て投げ捨て共同体へ消していく事を喜びとしている。
俺はどこまでいっても教祖の息子であり、誰も自分を見てくれない。他人がいて初めて自分自身が形作られる。誰も自分を見てくれない…輪郭がぼやけ…何者なのか分からなくなっていく。
だからイソノインナナヨさえあれば…世界全ての視線があれば自分を保ち続けられると思った。自分が何者か分かる気がした。

「玄ちゃん」
そうだ…だけどひとりだけ名前で…俺を見て…。
「逃げろ…響子…俺はいい」
「なら一緒に！」
「昔一緒に…絵本を読んだの覚えてる？名前のない怪物…君は…西に行った怪物だ…見つけてたんだ…君を食い殺さなくて良かった…
…眼を失って初めて見えた…だけど俺は俗物だから…眼が見えるようになったらどうせまた…だからこのまま終わらせてくれ…」
「響子君！早くこちらに！」
「駄目だ伽夜子さん巻き込まれる！」
「早く…」
「ううん…私が帰りたい場所はずっとひとつだよ。」
「…」
崩れた瓦礫に飲み込まれふたつの影は消えていった。
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㉛ビルの谷間にひとつの巨大な影が立ち上がった。
同時に再び各地のモニターに消えた筈のイソノインナナヨの顔が映し出され再び地獄が始まろうとしていた。
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㉜「伽夜子さん。ガイオウモンさん。ガッコウガルルモン。最後の力を貸して。僕はイソノインナナヨを止めたい。」
「分かっていますよ月彦。」
「すまないね。りんね君達、おいしいところではあるがここは私達でやらせてもらうよ。」
「くらいまっくすだな月彦ちゃん。」
月彦と伽夜子がデジヴァイスを掲げるガッコウガルルモンとガイオウモンが光にになり混ざり合う。
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㉝アバドモンコアと向かい合うようにもうひとつの巨体が立ち上がる。
「オメガモン！あの蜥蜴野郎あんな隠し玉持ってたのか！」
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㉞ふたつの巨体が轟音を上げぶつかり合う剣先が衝撃で周囲のビル群のガラスを割る。
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オメガモンの右手から放たれる矢が爆炎を起こしアバドモンコアの身体を削っていく。
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㉟オメガモンの優勢で決着が着くと思われたが、アバドモンコアは蹲ると粘液を撒き散らし分裂していく。その顔はイソノインナナヨであり、オメガモンに襲い掛かった。
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「不味い！」
「分裂してる割には個体の能力はそこまで落ちてない！引きながら弓で…ぐっ！！」
後方へ避けるオメガモンを分裂したアバドモンコアが捉えそのまま鳥が啄むように囲い肉を貪る。
「クソ！眼どころか身体中食い破るつもりか！？」
「「ぐ…！駄目だ月彦！伽夜子！抜け出せ…！」」
アバドモンコアが月彦へ手を伸ばす。
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㊱瞬間アバドモンコアをサムライレガレクスモンが突き刺し
た。
「恰好付けてもその様とは情けないな気ぶり蜥蜴！」
「ちょっとは私達だっていいとこ貰わないとね！他の奴だってね！」
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別のアバドモンコアがサムライレガレクスモンに向かおうとした瞬間ビルを突き破りヴリトラモンがコロナブラスターを0距離で放ち霧散させる。
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ムシャモンがアバドモンコアの胴を切り裂き霧散させる。
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インプモンとゲオルグのギターによる1秒間で10回アーメンによりアバドモンコアは体液を撒き散らし霧散した。
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サイバーウォーグレイモンがアバドモンを遠距離に放り投げハート・ソウルを放ち爆散させた。
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㊲気付けば雨が上がっていた。
そして、陽が登り始めていた。
「これでこの百鬼夜行も終わりだ。」
朝焼けを背にオメガモンはアバドモンへ向かっていく。
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㊳アバドモンコアが左手の砲台から光弾を出す。
それを正面から躱し、オメガモンはアバドモンへ刀を突き刺した。
アバドモンコアの身体から力が抜けていき霧散していく。
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㊴アバドモンが霧散するのと併せてイソノインナナヨも消え始めていた。
月彦達はイソノインナナヨに対峙する。
「会いに来てくれてありがとう。」
イソノインナナヨは月彦達へ変わらなぬいつもの笑みを浮かべる。
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㊵「…誰もあなたの事を忘れません…
だから…だから！もう不幸をばら撒かないで…思い出の中でじっとしていてください…」
イソノインナナヨはいつもと変わらぬ笑みでただ一言呟いた。
「また、会いに来て下さいね。」
「…」
イソノインナナヨはそのまま霧散し消えた。
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㊶朝焼けと共に混乱は収まり、人々の眼は戻っていた。
百鬼夜行前に行方が分からなくなった者も解放されたのか戻って来て家族達との再会を喜んでいる。
その中に琴音と家族の姿もあった。
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㊷琴音は遠巻きに人々の中に月彦達の姿を見た。
あの人達が助けてくれた。そう話そうと近寄ったが
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㊸そこにはただの人混みだけがあった。
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依頼��60ふうず
請負人335、336
了

おまけ
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お疲れさまでした！
本当に大作でしたね…

>1秒間で10回アーメン
駄目だった

>おまけ
>fu3868400.png
ダメだった

朝飯おごって

やったーオメガモンがちゃんと強いぞ！

面白かった！

和風オメガモンカッコよすぎ！

良かった……
モブ達も無事だった……

オメガモンのバリエーションはいくら増えてもいいですからね

それでもビビりながらも来てくれる鮫島さんは男だよ

弓と刀のオメガモンいいよね
急に虞玲刀と雅琉々砲になるマーシフルモードはなんなんだよ

ありがとうございました
ありがとうございました

すごい良い感じにまとまってる…！！

悪役含めて劇場版って感じだ

完全に出遅れちゃったけど…
この宗教団体の後処理含めて
デジ対や警察組（含めクズハママ）でなんとかしてぇ…
具体的には対テロでこのカルト宗教潰せると思う

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

オメガモンはなんぼ強くても困りませんからね
自分の絵本ほっぽり出してFAを描いてしまいましたすごい

お互いのオリデジモン究極体を描けるのすごくない…？

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イケメンな背中じゃねえか