「ミコ…ト…!」 ベルフェモンX抗体 とある山奥の村に遠い昔から祀られているデジモン。ぺおる様と呼ばれていた。 かつて降臨した際に破壊の限りを尽くし、暴虐の果てに人柱を多数使用した妖術により封じられたと言う。 それ以来その村では年若い女性を巫女とし、ぺおる様が再び目覚めることのないよう神事を執り行っていた。 神事の内容は、巫女が想いを寄せるものを自らの手で殺し、その体をぺおる様に捧げるというもので、 これはぺおる様を封じた巫女が、妖術に使用する生贄が足りず、自分の想い人すら人柱にしたという伝承に則ったもの。 眠良瀬の家系の者は巫女となる使命を持っており、ミコトもそうなるはずだった。 5ヶ月前、ぺおる様とデジモンの間に関連性を見出し、非科学的な神事によるものでなく、科学的な対処によって封じるべきだとしたミコトの父親を支持する一派と、 古き伝統を守るべきだとする村人らの間で争いが起こり、最終的に彼女の父親は殺された。 ミコトは父親の死体を目の当たりにし、ぺおる様の封印を解き放った。 目を覚ましたベルフェモンは村を破壊し尽くした。ミコトはベルフェモンに殺されるつもりだったようだが、ベルフェモンは力を使い果たし、彼女だけを生かしたまま眠りについた。 長年封じられてきた影響か、ベルフェモンはスリープモードの姿すらも維持することができず、ミコトの持つスマートフォンに宿ることを選んだ。 その後ベルフェモンは彼女のスマホにインストールされた睡眠管理アプリの影響を受け、アプモンの姿へと変化した。 伝承では唸り声をあげ破壊をもたらすのみで喋ることはなかったとされていたが、ミコトのスマホに宿る際、一言だけ彼女の名前を呼んだらしい。 ミコトはそのまま逃げるように上京し、今に至っている。