MGSインテグラル スタッフ無線 ・搬入ドック ここだけの話ですが、本体このステージは企画になかったんですよ。 ゲームの基本ルールである”隠れる事”を理解してもらうために、あとから用意したんですよ。 結果的には武器も無い状態で潜入していくという、ゲーム中で最も緊張するステージとなりました。 (助監督 松花賢和) ヘリポートへ移動した時の解放感を強調するため、閉鎖感を意識して制作しました。 コンテナ等の影はテクスチャです。 フルポリゴンではレンダー絵で当たり前にできる事を手作業で行わなければならない場合があるのですが、こうした地味な作業の繰り返しがリアリティに繋がります。 (ステージCG 佐々木英樹) この水中のゆらめきは一度描いた画像をさらに歪めて描画しているのですが、このゲームではトリプルバッファではなくダブルバッファを使用している為、ラスタ単位で描画順番をソートすることにより実現させています。 (プログラム 高部邦夫) 血しぶき、水しぶき、泡は基本的に同じ仕様のプログラムです。 最初は一つの飛沫を1ポリゴンで表現しましたが大量に出すにはこの方法では無理でした。 そこで一枚の絵に沢山の丸を描いたものを用意して使う事にしました。 ズラシや変形を上手く使えば違和感もなくなり、これが現在のものになっています。 (プログラム 岡嶋滋生) このステージ中の溺れ死にモーションは立ちとホフクの2つが準備されている。 お薦めは階段半ばでのホフク。 もがく度に顔は水面に出てる。 それでも死んでいく、この無情さ。 ひどい。 (モーション 西村誠芳) スネークの泳ぎはデモで使われているドルフィン・キックとバタ足以外にも何種類か用意してありました。 ゲーム中にも泳ぐのだと思っていましたが、容量等の都合により使わない事になりました。 水中にもかかわらず頑張って歩くのは担当者がカナヅチなのとは関係ありません。 (モーション 金田有希子) プレイ中、強制的にスタッフクレジットが割り込んでくる業界初の試みが採用されています。 スタッフの間でも自分の名前が表示される時にビシィっと格好よくビハインドモードになるのが流行りました。 (助監督 松花賢和) 伝説の英雄ソリッドスネークのモーションを作成するのに元某国諜報機関の犬であった私以外に適任者がいるだろうか? いやいない。 結果はごらんの通り現役時代の私のような、大胆にして繊細、パワフルにしてスピーディなモーションが完成した。 思えば私も現役時代は忍び足が苦手だった。 (モーション監督 豊田聡) 当初、デモはゲーム中とは別モデルでやる予定だったのでスネークはかなりローポリゴン、ローテクスチャで作ってしまい、後になってちょっと後悔。 でもそのぶん背景やエフェクトが充実したので良しとします。 (ドッター 中村如哉) 多彩な武器・アイテム。フカン、主観、イントルード、ビハインド。しゃがみ、ホフク、張付き。 全ての状態を違和感なくプレイできるようにするのは本当に大変でした。 そこへダメージや段ボールが加わってもう何が何やらという時期もありました。 操作感が良いという感想を頂けたら本当にうれしいなあ。 (プログラム 園山誠人) スネークが搬入ドックに潜入する最初のデモシーンのサウンドには製品版とは別に2つのバージョンがありました。 雑誌等にリリースされた体験版バージョンと、未発表のメイドインUSバージョンで、それぞれ音楽が製品版とは別曲になっています。 (音響監督 村岡一樹) ソーコムやファマスの煙・マズルフラッシュ・薬莢などは2Dアニメで表現しています。 銃の発砲シーンビデオをスロー再生したりして研究しました。 発砲時の煙は銃口と言うよりは銃身、特に薬莢排出口からモワーと立ち上がるイメージです。 ファマス走り撃ちでSL機関車にならないように苦労しました。 (プログラム 岡嶋滋生) ・ヘリポート 企画当初は、このステージが最初のステージであったため、レーダーの説明などがここで初めて行われるんですよ。 企画が変わったのが音声収録のあとだったので、少し説明が前後しているのはそのせいです。 (助監督 松花賢和) このステージ、崖っぷちに立つとかすかに波の音が聞こえます。 はるか下方の音なので聞こえにくいかもしれません。 いえいえ、わざわざ耳をこらして聞いていただかなくても…。 (音響監督 村岡一樹) メタルギアのメイン部で一番初めに制作したステージ。 建物自体のテクスチャーは大きく3回画き直されている。 研究段階ではマットな塗りや素材で画かれていたが、満足できなかった。 濃い空気感を出す為には、細かな輝度差のノイズと素材自体が持つ光の反射と吸収を分析することが重要だった。 (CG監督 水谷崇) ここはシナリオ班がブロックで基本形状を作った最初のステージです。 それでも結局面白くなるまで何度もリテイクするはめに。 最初はヘリポートを動くフォークリフトの陰に隠れながら進む企画でしたが諸般の事情で没。 その時に作成されたフォークリフトが搬入ドックにさり気なく置かれています。 (助監督 松花賢和) テクスチャーの制作前には下地となるベース素材を準備する。 縮小や減色をした時に劣化の少ないソースを選択し、遊びの線やフラクタルな要素を何度も重ね画きする。 極力少ない階調のグレースケールに補正して保存する。 これを質感のバリエーション分作り、画面全体での組み合わせを考える。 (CG監督 水谷崇) エレベーターでのぼるデモの中で出てくるゴーグルですが、あっという間に出来たので…。 とは言っても落ちた後の弾み具合、回転角度はモーション監督のアドバイスあってのモノ。 ただ落ちるだけのモーションとは違って、何かいい感じでしょ!? (モーション 吉村涼子) ソリッドスネークは初期設定では迷彩の戦闘服やグリーンのパイロットスーツだったのですが、色が無いしもう少しSFチックにと言うことでスニーキングスーツをデザインしたのです。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) 敵兵の制作は3D空間の中でスネークを追いかけて自由に移動させるところから始まりました。 最初は壁によく引っ掛かり、ぶるぶるとふるえて動けなくなっていました。 この移動処理があるおかげで、スネークがどこに逃げても追いかけることができます。 まさに敵兵の中枢です。 (プログラム 是角有二) ゲノム兵はみんなマスクを被っています。 これだと顔がみんな一緒のテクスチャーでもOJなのである。 しかもポリゴン数も稼げる。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) メタルギアでもっとも苦労したのは限られたメモリをどうやりくりするかということです。 武器を切り替えるたびにロードしたりすれば楽にはなるのですが、ひんぱんに切り替える必要があるので、それはしたくなかった。 メモリを節約するために、普通ならテクスチャで持つような画面もプログラムで描画したりしています。 (プログラム監督 植原一充) 持ち方によってずいぶん感じかたの変わるのが振動。 コントローラを立てて軽く握るように持つのがベストです。 テーブルなどに肘をついたりするのも効果的です。 今まで気が付かなかった細かな振動が体験出来るかもしれません。 (振動エフェクト 中村如哉) キャラデの他に照明も担当しました。 平行光源の他に沢山のポイントライトを置いています。 オリジナルの制作ツールでひとつずつライトに色と光量と影響範囲を設定していきます。 多いステージでは200個以上ころがしました。 感覚的には照明を置くと言うより色を乗せていくという感じのほうが近いかな。 (照明 新川洋司) 敵兵の肩もみは入社して初めて実験的に作ったモーションです。 特に、自分の凝りきった肩をバーチャルでほぐしてみようと、遊びで入力した肩もみモーションが、いつの間にかゲーム中に組み込まれていてかなり焦った記憶があります。 …やはり、実感こもったものが一番なのか? (モーション 清水依子) CDからのロード時間の短縮も大きなテーマでした。 メタルギアでは専用のツールを作成し、そのステージに必要なデータをすべて1つにまとめることで、高速化を図っています。 さらに、読み込み時にデータの初期化を平行して行うことでセットアップ時間の短縮と、ノンストップのロードを実現しています。 (プログラム監督 植原一充) 「いつなんどき誰との会話も許す」無線機のシステムはありそうでいて実はあまりないものです。 コミュニケーションを常時確保することでメッセージの随時供給を可能にするこの種のシステムは世界観構築の上で有効ではありますが、反面、状況と会話の間に矛盾が起こらないよう緻密な配慮が必要となります。 (無線 福島智和) 視覚聴覚がジーンセラピーによって極限まで研ぎ澄まされた究極の兵士、ゲノム兵のモーションを作成するのに、制作部一五感が敏感な僕以外に適任者はいない。 その甲斐あってどんな些細な事も見逃さない見張りのエキスパート、ゲノム兵のモーションが完成したのです。 はい? 誰か呼びました? 気のせいか。 (モーション監督 豊田聡) スタングレネードやチャフグレネードなど、もちろん実際に使用されている現場は見た事はありません。 資料に頼らざるを得ないのです。 何本かの資料映像を研究しましたが意外に地味なものでした。 これらはリアリティは残しつつゲーム用にアレンジしました。 これは違うなと思うあなたは通です。 (プログラム 岡嶋滋生) アメリカ取材の時に9mmと45口径を撃ち比べてみました。 こんなにもパワーの差があるとは! やっぱり男なら45である。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) ・戦車格納庫 ネズミのモデルは数パターン試して、現在のモデルとなりました。 出来るだけ少ないメモリで実現するようにした結果、何と無関節・モーション無し。 走るときにプログラムで左右に振る以外は何もしていません。 しかし相当の微調整を行ないました。 私の3D初仕事です。 (プログラム 岡嶋滋生) 中2階あり、エレベーターあり、小部屋ありと、この作品のシステムを実験するためには都合よく全要素が詰まったステージだったので、企画初期にここを簡略化したステージが作られ、実験が重ねられました。 (助監督 松花賢和) 当時、入社一年目だった私が最初に制作を任されたのがこのステージでした。 当然の如くリテイクの嵐。 リテイクのしすぎで怨念がこもったのか、バグ、メモリーオーバー等、トラブルが多発。 いつしか制作者の間で呪われたステージと呼ばれるようになりました。 (ステージCG 佐々木英樹) このステージは大変でした。 メモリーオーバーがなかなか消えず、2階の小部屋を減らしたり、赤外線の部屋を状況によって切り離したりしてねじ込みました。 このステージは同じにみえてもストーリー進行に合わせて、実は3種類もあるんです。 (助監督 松花賢和) 2Dエフェクトは一にも二にも調整。 中でも煙草のけむりは丸二日かけました。 これを原形にオセロットのリボルバーのけむりにも使用しましたが…気づいてくれているのでしょうか? (プログラム 岡田滋生) ・独房 エレベータを下りてすぐ横の壁に張り付くと壁の向こうにDARPA局長の座っているのが見え、短いストリングの音色が鳴ります。 このように何かを発見した時などに鳴る短い音(楽)を小島組ではジングルと呼んでいます。 他にも数カ所ジングルの鳴るシーンがあるのですが、発見できましたか? (音響監督 村岡一樹) 独房のトイレは小島監督から「アラスカ一汚いトイレにしてくれ」との要望がありました。 ちなみに、身ぐるみをはがされる兵士はジョニーといい、私がモデルになっています。 DARPA側の独房よりメリル側の独房の方がトイレットペーパーが多いのはジョニー君の配慮でしょう。 (ステージCG 佐々木英樹) ここでの兵士は単にトイレでサボっているだけです。 便座に腰掛けてはいますが、用を足しているわけではありません。念のため。 (モーション 金田有希子) このDARPA局長、どこかで見覚えがありません? ポリスノーツのエド? いえ、違います。 実はオープニングの潜水艦乗組員はこのDARPA局長を流用して作ったものなのです…。 バレバレですか? (ドッター 中村如哉) 国防省付属機関先進研究局局長、ドナルドアンダーソンのモーションを作成するのに黒光りする大人の魅力満載の中年男性である私以外に適任者がいるだろうか? 毎日仕事の後のジム通いは欠かせない。 白いワイシャツからのぞく褐色の肌…。 あぁっ中年万歳! 若造には解るまい中年の魅力は。 (モーション監督 豊田聡) DARPA局長は出てきてすぐ死んだふびんでかわいそうな人。 しかし動きで苦労したので、同情はしない。 …何に苦労? って大柄なくせに手足が短い事です。 カードを渡すという単純アクションですら、スネークに手が届かなくて大苦戦。 …実はベッドに座っている時も、床に足が付いていないんですね、これが。 (モーション 清水依子) プログラマとしての初仕事は「うじ虫」でした(3Dの初仕事はネズミ)。 気持ち悪いと言うなかれ! 小島作品では「うじ虫」は重要な要素(だと思いたい)なのです。 なんと言っても初仕事ですから、並々ならぬ気合でのぞんでいました。 「俺のうじ虫見てくれよ!」 (プログラム 岡嶋滋生) パンツいっちょで気絶しているジョニー佐々木をもっと近くで見たくないですか? ギリギリまでそばに寄って、ジョニーの方を向いてしゃがんで下さい。 ほらカメラのアングルが変わったでしょ。 その名も「セクシービハインド」。 しゃがむ場所によってもアングルが変わるのでいろいろ試してね。 (シナリオ班 向手史郎) ・武器庫 整然と並んだ小部屋。 単調にならないようにしかも地下2階ということもあり、ジメジメしたカビ臭い雰囲気を出すことをテーマに制作しました。 破壊できる壁は、簡単に発見されないようにかつ誰でも分かるようにバランスをとるのが大変でした。 (ステージCG 根岸豊) 落とし穴は、当初は踏んだ瞬間にいきなり落っこちていたのですが、それはあまりにもひどいということで現在の形になりました。 かなりやさしめなので、あまりひっかかった人はいないとは思いますけど、ここはぜひダンボールを装備したままで落とし穴に落っこちてみて下さい。 (シナリオ班 向手史郎) 基本的にMGSでは1m=32度っとのテクスチャーにしていますが、各小部屋のドアに書いてある武器名や小部屋内の部屋番号等の重要な文字は、読み易くするために文字近辺のポリゴンを切り分け、その部分にあたるテクスチャーを2倍に拡大して文字のみ細かく描き、切り分けたポリゴンに貼り込んでいます。 (ステージCG 根岸豊) ・武器庫南 テクスチャーにも使用可能な枚数と領域が存在します。 このステージにはスネーク、AT社長、オセロット、そして忍者と登場するキャラが多く、必然的にステージに使えるテクスチャーは少なくなります。 少ない領域を生かすため16色のテクスチャーを単調に見えないようにリピートさせて対応しました。 (ステージCG 根岸豊) AT社長は、右手はまったく見えず左手は肘から先しか動かないという「どう演技させろっちゅーねん」キャラ。 見所はデモの「スネークの足をボコボコ殴るダダこねモーション」と死ぬところの「袖の名演技」でしょう。 (モーション 西村誠芳) AT社長はなかなかに新川デザイン再現度が高いと思うのですが、いかがでしょう? 実は女性キャラよりもこのようなおっさんの方が作りやすかったりします。 作っていて楽しいのはもちをん女性キャラですが。 杖でスネークを小突くときの振動を作るのはなかなか楽しかったです。 (ドッター/振動エフェクト 中村如哉) アームズテック社の社長、ケネスベイカーのモーションを作成するのに、闇の商人で金の亡者だった私以外に適任者がいるだろうか。 いるわけがない! 結果はごらんの通り、ヒステリックでワガママなオヤジの魅力満載のAT社長が完成したのだ。 何、それは儲かるのか? 高く売れ! 高く! (モーション監督 豊田聡) カメラは、デモやイベント以外は「いつでもどこでも」使用可能。 メモリ使用量の削減、圧縮時間の短縮、圧縮率の向上を実現(当社比)。 画面が白っぽいと圧縮が効きにくくて、撮影時間がかかるのはお許しを。 あなたも今日から戦場カメラマン! 現像してみると制作者の怨念が写るかも?? (プログラム 小野田浩平) ・リボルバー・オセロット戦 いぶし銀のガンマン、リボルバーオセロットのモーションを作成するのに、元西部の荒くれ者で賞金首(生死問わず)のオレ以外に適任者がいるだろうか? いたらそいつにお前は2番目だと伝えてくれ。 おっと話がそれちまったがまあそうゆうことだ。 硝煙の匂いがなつかしいぜ。 (モーション監督 豊田聡) この場所の柱で発生するビハインドカメラは通常の固定ビハインドとは違い、自動的にオセロットの方を向く、アクティブビハインドになっています。 但し、ビハインド発生後は追従しない為、たまに誰もいない場所を映すこともあります。 (プログラム 高部邦夫) 当初オセロットは今以上に銃をクルクル廻していた。みんなの笑いを買うほどに。 その後モーション監督の手によって要所要所で「チャッ、チャッ」と止めが追加された。 とたんにカッコ良いオヤジに変わった。 何事もやりすぎはいけないようだ。みんなも注意しよう。 (モーション 西村誠芳) オセロットですが、ストッキングを被っているみたいと言われて落ち込んだ記憶が…。 白髪のキャラは難しいですね…。 (ドッター 中村如哉) ・渓谷 実際にクレイモア地雷をセットし発破トラップも仕掛けたという毛利氏の説明によると「前方には何も残らない」という凄まじい破壊力をクレイモアは持っているそうです。 ゲーム中ではかなり殺傷能力を抑えた設定になっています。 また、処理軽減の為、火線は相当少なくなっています。 (プログラム 岡嶋滋生) ・M1戦車戦 M1戦車はエンジン、制動性などの現実の戦車の性能値をそのまま使用して動作しています。 ゲームの難易度が一番難しいモードだと現実のM1戦車と同じ性能を発揮します。 主砲を6発よけて7発目に当たるとレイブンのデモが変わります。 (プログラム 小城重久) もっとスリルを味わいたい方はお試しあれ。 渓谷の奥にあるタンクの裏に行きましょう。 その場所から、主砲を撃ってくる戦車を主観で覗いてみるのです。 主砲攻撃でも、ここなら体力は減りません。 チカッ! と光ったら白、強烈であります。 (ステージCG 小林良照) スネークがM1戦車の砲弾を避けてジャンプするシーンは新川氏のコンテ。 コンテでは「転がって」避けていたのが私のコンテの読み違いで「かっこよくジャンプして」避けてしまった。 「カッコ良いからOK」との有り難いお言葉とともに、スネークの派手なモーションが始まったらしい…。 (モーション 西村誠芳) 特定条件下でしか見れないレイブンのバカ笑い。 しかも2パターン有り。 基本演技はモーション監督の発注による。 バカ演技はオーバーに演技させてチェックを受ける。 モーション監督も大笑いしてOK。 こうしてバカモーションが次々作られていく。 (モーション 西村誠芳) ・核弾頭保存棟1階 3人のデザイナーを経由して修正された。 初期は鉄骨構造の工場内イメージ(雑誌に多くの掲載がある)だったが、複雑な鉄骨がキャラ移動の邪魔になった。 結果、構造をシンプルに画き込みで煮詰めを行なった。 壁の羽状構造は毒ガスの排気機構。 面の入り口付近に大きな構造の矛盾がある。 (CG監督 水谷崇) フェンスを作る場合に便利なtipsがある。 縦横直線方向に網を画き、モデルに対して斜めに投影する。 これでテクスチャー自体のディザを回避することが出来る。 短所は網を支えるフレーム部分をモデルで切り分けるため頂点数が増加する。 各ステージのメモリ許容量によって同じ表現でも作り方を変えている。 (CG監督 水谷崇) ・核弾頭保存棟B1 このメタルギアソリッドにおいて、唯一、自分主観で自分の姿が見られるステージであります。 禁断の女子トイレの鏡の前でいろんなことをしましょう。 きっと、得した気分になるわよ。 (ステージCG 小林良照) トイレの外まで響き渡る敵兵の放尿音。 さすがゲノム兵。全身余す所なく遺伝子強化されている…わけではありません。 効果音の音量は音源からの直線距離をもとに計算しており、障害物による影響は処理軽減のため考慮に入れていないのです。 音につられてもよおしてしまった方がいたら、申し訳ありません。 (音響監督 村岡一樹) 変装したメリルのモーション・データ名はcat_walkになっていますが他の兵士との差を付ける為、大げさ過ぎる程お尻振り振りになってしまったのでモンローウォークとつけた方が相応しかったかも。 決してトイレに行きたいのを我慢しているわけでは…ないはず。 あっ! なぜ駆け込む!? (モーション 金田有希子) 少ないポリゴンでいかに女性を表現するか? 改めて見るとまだまだですね。 オシリだけは自信があるのですが、メリル初遭遇デモ以外あまりじっくり見られるシーンがないのが残念。 ところでメリルのス〇〇〇〇〇・○○ツ姿はもうご覧になりましたか? (ドッター 中村如哉) 人生に悩む新米兵士メリルのモーションを作成するのは、常に悩んでいる僕意外に適任者がいるわけないじゃないか。 いやまてよ、もしかしたらこの広い世の中にはもっと僕より悩んでいる人がいるかも…。 嗚呼、なんて事をしてしまったんだ。 僕より悩んでいる人をさしおいて僕がモーションを担当してしまうなんて…。 (モーション監督 豊田聡) ・核弾頭保存棟B2 トラップだらけのステージという事で、敵兵は一切出ず、おかげでキャラとステージ間の優先間違いを比較的考慮せずにすみました。 ちなみにエレベーターホールの東の壁から、ビハインドでオタコンのいる部屋が見えます。 構造的なうそ? …何のことでしょう。 (ステージCG 木村峰士) 小部屋の表示、非表示を切り替えできない半透明のドアということで、描画の重さ、優先間違い等を考慮、小部屋を含むこのステージ自体をほぼ一体成型のモデルとしています。 テクスチャーに関しては、研究所等のヌルッとした質感を念頭に、ノイズを排除、光りと量感の表現を心がけています。 (ステージCG 木村峰士) リモコンミサイルを操って配電盤を破壊するイベントは最初、左側の壁沿いに飛ばさないとガンカメラに撃墜され遠回りをすれば燃料が切れるという、全くもってやりがいのありすぎる難易度でしたが、誰にでもクリアできるようにと今の形になりました。 ちなみにダンボールをかぶって感電すると…? (シナリオ班 福島智和) 最初は電撃を受けながらも進める仕様でした。 (途中でライフ切れになり先へは進めませんが)びりびりしながら苦しそうに進む歩きや、ホフクを作って悦に入っていたのですが、これも容量等の都合でカット。 女性ユーザーにウケると思ったのに…。 (モーション 金田有希子) 通称「ビリビリ床」。 ここのスネークのモーションは実は各種が用意されている。 倒れる/そのまま死ぬ/段ボール装備/そのまま死ぬ 「こんな所で段ボール使うか〜?」と思いつつも、物好きな人のために用意してある。 モノは試しに。 (モーション 西村誠芳) モーションデータ名はhoney_flash。 無線のスイッチを入れるため首筋に手を当てるので何となくつけた名前だったんですが。 その後いろんなシーンで兼用されているのでその度、「ハニーフラッシュ(のデータ)ってどこだっけー?」と聞かれる羽目に…。 (モーション 金田有希子) MGSでは、サウンドエフェクトをステレオで鳴らしています。 左右の音のバランスは、俯瞰画面ではスネークを中心として、ビハインドやデモの時はカメラの位置を中心として計算しています。 場面に応じ計算式を換えることにより、より一層の臨場感のある音を作り出しています。 (プログラム 是角有二) すべてのデモを自社ツールで制作、編集した。 何度もバージョンアップや追加を繰り返し市販されている編集ツールに遜色ないルックアンドフィールに仕上がっている。 キャラの首振りは、サウンドの波形から音量の強弱を抽出して各関節の回転角度に代入している。 (ポリゴンデモ 水谷崇) 敵兵やプレイヤーには御粗末ながら影がついています。 本当は人間の影を、きちんと計算して表現したかったのですが処理速度の都合で無理でした。 この影は、キャラクターの頭と、両手両足を基に計算して、リアルタイムに大きさを変化させています。 これで少々の計算で、少しだけ影っぽさが出ています。 (プログラム 是角有二) デモ制作ツールのネックは画面のリフレッシュの度に画面要素がフラッシュする。 極端に目を酷使し続けると眼窩のまわりがケイレンし始める。 顔をヒクつかせながら何度もプレビューしている私の様はさぞ不気味だったであろう。 (ポリゴンデモ 水谷崇) キャラ操作ゲームのプログラムには必ず、キャラが地形を正しく判断する為の「ハザード処理」があり、ここをいかに高速にするかが勝負になってきます。 MGSではキャラの移動が低速時と高速時の場合の2つの処理方法をうまく使い分けることで高速化を図っています。 (プログラム 園山誠人) 文章が単語途中で改行される事がほとんどないという事にお気づきでしょうか? TV画面上で文字を読むというストレスフルな行為を出来るだけ快適にするための調整です。 収まりの悪いものは台詞の方を修正しました。 全ての要素は常にゲーム上で最終的にどう表現されるかを考慮されなければなりません。 (無線 福島智和) メタルギアのプログラムは最終的に約1300ファイル。50万行というとんでもない量になりました。 扉や敵兵、スネークといった、処理単位(オブジェクト)の種類は大小あわせて320種類を越えています。 (プログラム監督 植原一充) キャラのテクスチャはすべて16色。 サイズは一体で256×256ドット程度。 スネークの顔などはたったの16ドット、ポケットステーションの画面の1/4しかないです。 それでも容量を使って無表情な人形顔を描いてしまうよりも(プレイヤーの想像力によって)ずっと感情移入しやすいと思うのです。 (ドッター 中村如哉) 無線機で、切り替え時などに出るノイズ画面は、実はプログラム領域のバイナリをテクスチャとして無理矢理張り付けています。 よく見ればプログラムが解析できるかも? (プログラム監督 植原一充) ブリーフィングの選択画面で鳴っている環境音は、ある曲のイントロ部分だったものです。 元の音楽は、サントラ盤CDに入っている「Discovery」という曲です。 (音響監督 村岡一樹) 武器、アイテムメニューは、レスポンスにこだわってつくってみました。 別画面に行かない、ロードしない、無駄なエフェクトは入れない…。 つくり手としては結構気に入っていますが、どうでしょうか? (プログラム監督 植原一充) 今回キャラデをするときに気をつけたことのひとつがゲームだからとあまりにもハズれたデザインにならない様にすること。 スネークのスニーキングスーツやレイブンの20mmバルカンあたりがギリギリのラインかな? (キャラクター・デザイン 新川洋司) 一番最後まで手こずったのは、扉とエレベータの処理です。 メタルギアでは敵兵をどこまでも引きずって連れていけるので、扉の真ん中に敵がいる場合など、あらゆる場合に正しく動かなければならないのです。 扉の近くでいろいろなことを試してみるとおもしろいかもしれません。 (バグらないと…思います) (プログラム監督 植原一充) メイ・リンを無線で呼び出してそのままずーっと放ったらかしにしておいたことある? (キャラクター・デザイン 新川洋司) 死体のポーズに個性を出すのに苦労しました。 死体の位置と血の跡をトレースすると忍者がいかに超人的な動きをしたか解ると思います。 血痕の表現が手描きでは難しかったため、墨汁を紙の上にぶちまけた後スキャンし、レタッチしたものを使用したりしました。 会社の床を墨汁で汚したことは秘密です。 (ステージCG 佐々木英樹) 初めてここの廊下に入った時、尺八と共に始まるお経(?)。 これは小島監督の意向で忍者が関西の某私鉄の駅名を連呼しているという設定です。 某私鉄の駅名はどれも美しい響きを持っており、忍者の日本的なイメージとマッチしていると思います。 (音響監督 村岡一樹) ・サイボーグ忍者戦 他のボス戦は(マンティス以外)攻撃や動きが人間的なものが多いのですが忍者は違います。 突然消えたり放電したりと、制作者としては都合の良い仕様の追加が容易で作りやすかった。 他にも目からビームを出したり3つに分身した忍者が3人でスネークをおそう攻撃も作りましたが、没になりました。 (プログラム 是角有二) 忍者戦の後半、始まる忍者のお経(?)。 これは忍者の錯乱をイメージしたもので、アデニン、チミン、グアニン、シトシン…と塩基配列を連呼しています。 このゲームのテーマである遺伝子=塩基配列を忍者に連呼させたのは小島監督の非凡なアイデアです。 (音響監督 村岡一樹) サイボーグニンジャのモーションを作成するのに、忍術九流派を受け継ぐ元忍者である拙者以外に適任者がおるだろうか? 否!! 結果はごらんの通り古来の忍術と現代の体操、更には中国拳法までも取り入れ、舞うように闘うサイボーグニンジャが完成したのである。 (モーション監督 豊田聡) 初期の忍者は人間が操作できました。 E3に出展したムービーでは、この忍者を使ってます。 監督がスネークとカメラを動かし、私が忍者を操作して、かっこいい絵が撮れるまで、何度もNGを出しながら撮影しました。 VR訓練の達成率が75%を超えると、特典としてこのE3ムービーが見れるようになります。 (プログラム 是角有二) 忍者のモデルは手足が長く、動きもシャープなものが多かったので扱い易かったです。 串刺し兵をポイっとする動きは、兵士の重さを出すべきか、なおかつそれをものともせず軽々と扱うか迷いました。 発作のシーンは某映画のワンシーンを参考にしています。 (モーション 金田有希子) 他のキャラよりちょっとだけテクスチャーの細かいニンジャ。 持ってるカタナも忍者刀じゃないし一体どこが忍者なのか…。 このニンジャ、フェイス・オープンをアニメーションさせる為に少しずつ顔の開いていくモデルを5、6パターン作ったのですが結局使ってもらえませんでした。残念。 (ドッター 中村如哉) ・核弾頭保存棟B2研究室 当初は、このステージから隠しステージ(オタコンがグッズをため込んでいる隠し部屋)に行ける仕様がありました。 モデルもテクスチャーも出来ていたけれど諸事情により没に。残念。 (ステージCG 佐藤久美) ポリゴンキャラの中で唯一バージョン違いがないのがオタコン。 ジョニーでさえ裸バージョンとかあるのに…。 かわいそーなキャラです。 ちなみに彼の履いているのは某有名スニーカーの初代モデル…のパチモノです。 (ドッター 中村如哉) オタコンが眼鏡を直すのは癖です。 決して鼻が低いわけではありません。 この仕草と、一瞬しか映らないロッカーへかけ込むときのぺっぴり腰の走りは実はオタコンという人物を最も明確に現わしているであろうモーションともっぱらの評判(?)です。 彼にはもっと色々な動作をさせたかったです。 (モーション 金田有希子) ハルエメリッヒ博士のモーションを作成するのに、おねしょ歴27年のベテランの僕がぴったりでした。 あの足の震え具合は、おねしょ歴3〜4年のちびっ子には作れません。 実は今朝もおねしょをして、母上にしかられてしまいました。 鬼のように怒る母上の顔を思い出しただけでもう…じょー。 (モーション監督 豊田聡) ・所長室 所長室はマンティスのイメージと並行して他のステージと印象が一変しています。 床の写り込み表現は、実は床を半透明にしてその下に鏡像をかけたモデルを置いてあるだけです。 反射している感じがそれなりに出ていると思います。 鏡や水たまりの表現も同じ方法で作られています。 (ステージCG 佐々木英樹) 変装してない素顔の、洗脳されてない中身も本物のメリルさんはかなりの乱暴者。 殴ったり、撃ったり、ましてや吹っ飛ばしたりしてはいけません。 どこまでも追ってきてそれ相応の報復を返してくれます。 ある意味、律義なのかも。 (モーション 金田有希子) ・サイコ・マンティス戦 別名ぞ〇びメリル。 この揺れ具合と動きの参考に某元祖ホラー映画を観ました。 メリルさんはお肌が緑色にならなくてよかったですね。 ちなみにマンティスにかまれても超能力は感染りません。 (モーション 金田有希子) マンティスのモーションに付き合った間中、頭の中で一日中くねくね動かれてえらい事になってました。 空を飛ぶ物は滅多に作る機会がないので俄然張り切ってしまい、実は見た目の10倍位、こっそり細かく動いています。 行動、言動において私的助演男優賞決定。 さてそうなると、主演男優賞は誰かなあ…。 (モーション 清水依子) コントローラ操作システム、マンティス主観システム、全てマンティスの為だけに組込まれました。 そういう意味では、彼はMGS最強化も。 でも、マンティス主観はあまり使われなかったようで残念。 なお、このインテグラル版では、名セリフ「ときメモが好きなようだな」は聞けません。 ごめんなさい。 (プログラム 園山誠人) このマンティスは自分でも会心の出来。 モデルもテクスチャも非常にうまくいきました。 指先の表情から肩のバーコード、頭の手術痕まで新川デザインの再現を試みました。 (ドッター 中村如哉) サイコマンティスのモーションは同じ読心能力を持つ超能力者の僕が担当しました。 彼は移動が空中浮遊なので歩きモーションが有りません。 今、歩かないと聞いてオレが楽してると思ったろ! 手抜きだとか思ったろ! い、い今、オレのことサ〇コ野郎と思っただろ! (モーション監督 豊田聡) ・洞窟 簡単に出口を見つけられないように、壁を出っ張らせたり、引っ込ませたり、わき道があるように見せかけたりと、初期段階に制作したものと比べると形状も大分違っています。 また自然ということもあり、ポリゴンのカクカクやテクスチャーのつなぎ目を目立たせないようにするのに苦労しました。 (ステージCG 根岸豊) ウルフドッグは一番動きに手をかけた自信作ですが、関節多いのにデータ量は人間と同じにしなければならないので厳し目の取捨選択を迫られました。 自分で再現できない動きが多いので、最後の手段でご近所犬巡りツアーを決行。 本当は100頭位画面に犬を出して、ウルフと遊ばせてみたかった。 ああしてみたいさ。 (モーション 清水依子) 何と言っても子犬(子狼?)のアクションです。 ノーヒントで全てのアクションを見る事は恐らく出来ないでしょう。 ヒントは、ダンボール。 (プログラム 岡嶋滋生) ここではダンボールをかぶっていると、犬にオシッコをかけられる事があります。 メタルギアソリッドは排泄に関わる場面が多いのですが、昔からの小島監督の趣味だと思われます。 小島作品ではいつも、トイレを流す音を作っているような気がします。 (音響監督 村岡一樹) ・地下通路 メリルの足跡の通りに進んで地雷を回避していく際、死んでしまったり、前に戻ったりしてメリルの足跡が消えちゃっても大丈夫。 地雷に近づくと今度はメリルが音声で教えてくれます。 だからホフクだけでなく、立って進む事にもチャレンジして下さい。 くれぐれも慎重にゆっくりだよ。 (シナリオ班 向手史郎) メリルの後を追って地雷をよけるイベントでメリルの足跡を残すために後から追加した入口近辺の水溜まり。 良く見ると映ったドアも開閉しています。お気付きでしょうか? アラスカの屋外なのに何故水溜まりが凍っていないのか疑問は残りますが、気にしない気にしない! (ステージCG 根岸豊) ・スナイパー・ウルフ戦1 他の銃火器と同様にウルフも狙撃する際にはきっちり索敵を行なってスネークを狙っています。 では、どのポイントを探すと効果的なのか? プレイヤーを驚かせてドキドキ感をアオるためにスネークのPSG-1サイトにレーザーポインタが当る様に細工しました。 さて驚いて頂けましたか? (プログラム 岡嶋滋生) 大人の女性の魅力大爆発のスナイパーウルフのモーションを作成するのに、元グラビアクイーンのあたし以外に適任者がいるわけ無いじゃない。 元海兵隊狙撃手のアニメーターを使うと言い張るモーション監督もあたしの色気で服従させたわ。 ああっのどが渇いたわ。 モーション監督、お茶買ってきなさい。 (モーション監督 豊田聡) 作成中、髪形のせいか某ときメモキャラに見えて困ってしまったスナイパー・ウルフ。 彼女の髪が緑色である事について誰からもつっこみがなかったのはちょと意外でした。 これもジャパニメーションの影響? (ドッター 中村如哉) ここではスナイパーライフルでネズミを撃つことができます。 命中した時のネズミの鳴き声はあまり良い物が出来なかったので、結局「ポリスノーツ」の路地裏のネズミの鳴き声を使いました。 小島作品マニアでもなかなか気付かないのでは? (音響監督 村岡一樹) ・医務室 実は拷問中でも主観になることが出来ます。 主観状態で、オセロットの背中を憎しみを込めた目で見つめながらボタンを連打していると、まるで本当に自分が拷問を受けているかのような臨場感! ただそれでゲームオーバーになっても、やっぱりコンティニューはありませんので悪しからず。 (プログラム 園山誠人) 拷問部屋でオセロット氏が熱く情熱と理想と野望を語る。 動きを作るのは楽しかったです。 しかし指定されたモーションの数は氏の理想を表現し尽くすには余りに少な過ぎたよう…。 ただでさえバリエーションの少ない「片手しか動かせない会話モーション」だというのに、そこで大演説をぶつってのは反則だべさ。 (モーション 清水依子) 私が最初に担当したモーション。 それがジョニーの「下痢モーション」。 これがウケてしまったため、その後イロモノモーション担当となり「オシッコ兵」を担当する羽目に…。 (モーション 西村誠芳) ここでもジョニー君が登場しますが、トイレに駆けこむ様は必見です。 彼がお腹を抱えて苦しみ始めたら、ぜひ主観モードで堪能してみてください。 オセロットが操るコンソールはモニタ裏のコードまで作ってありますが通常画面では見えませんね(笑) (ステージCG 佐々木英樹) みなさんこんにちはモーション監督です。 ジョニーのモーションを作成するのに、今回は元ジョニーのアニメーターは使わず、デザイナーのジョニー佐々木君からモーションキャプチャーしました。 メリルに服を奪われて気絶しているポーズも腹痛でトイレに駆け込むモーションもみんな佐々木君の熱演です。 (モーション監督 豊田聡) (注)嘘です。 ジョニー佐々木氏の名誉の為に言っておきますがアレは手打ちモーションです。 モーション監督はイカレてます。 (無線 福島智和) 真面目な話、ウルフとスネークのからみは苦労しました。 モデルがめり込まないようにスネークの輪郭からウルフの動きが外れないようによ頑張ってみたんですが、その代わり動きを変更したので、色気が全てぶっ飛んだようです。 ウルフに触ってもらえるし、胸ものぞけた(だろう)しスネークは嬉しかった? ろうけど。 (モーション 清水依子) 鉄格子越しにオタコンがスネークにアイテムを手渡すモーションは色々と面倒でした。 特に鉄格子との関係は、モーションをつくる段階ではなく、実機に出す段階まで見る事が出来なかったので。 もちろん、肩を揺さぶられるとこもです。 (モーション 吉村涼子) ・通信A棟 このステージは同じ階段モデルを「つなぎ合わせ」で繰り返しています。 中央の吹き抜けなど、主観で覗き見てもおかしくないようにする為、苦労が絶えませんでした。 C4をセットして階段を上り上から下を覗くとC4が消えている不思議な場所があるんです。 そこがモデルの繰り返しポイント。 (助監督 松花賢和) ・通信棟屋上 アンテナを壊すのに苦労した覚えが。 最初はパラボラ部分だけ落ちてきて通路を塞ぐようにするはずだったけどなんか不自然だったので結局通路ごと落とすことに。 あとA棟とB棟との渡り廊下は最初反対方向からB棟へ回りこんでいたけれど、ある事情で作り直したなあ。 (ステージCG 佐藤久美) ハインドDは基本的にプログラムで動いているが、飛び立つ部分と墜落はモーションで作成している。 飛び立つシーンの細かいモーションは必見。 担当は豊田モーション監督。 私の担当は墜落。ただぐるぐるまわしただけ。 (モーション 西村誠芳) ・ラベリング このシーンはハインドDへの憎しみをつのらせるシーンです。 手も足も出ないスネークに容赦なく銃撃を浴びせるリキッド。 いやな奴ですね。 でも、実際のゲームではどうやら、蒸気の方がいやな奴になってしまったようで…まあ、蒸気も彼が蒸気管を破壊したから吹き出した、ということでご勘弁を。 (プログラム 園山誠人) ポリゴン数が苦しかった覚えが。 一見、そんなに食ってないように見えるでしょう。 全く気付かないでスルスル降りてっちゃう人が大半でしょうが、向かいの棟とか上を見上げた時目に入る落ちたアンテナの残骸とかも作ってあります。 見てね。 (ステージCG 佐藤久美) ・通信B棟 デモ、音声に関してはポリスノーツで確立したストリーミングという手法を使っています。 特にポリゴンデモに関しては音声データとモーションデータ、エフェクトの情報などをオリジナルのツールでストリーミングデータとして作成し、再生しています。 モーションのストリーミングに関しては、かなり業界でも先行したと思うのですが…。 (プログラム監督 植原一充) マスターやナスターシャが語るウンチクは、一見何らゲームに寄与することの無いどーでもいい情報のように思えるでしょう。 しかし実は各要素それぞれが創発的に作用し、「メタルギアソリッド」という作品総体に対し貢献するように考慮されながら作られていたりするのです。 (無線 福島智和) キャラの顔のテクスチャーはドット絵師に魂を込めてドットを打ってもらった。 怒ったり泣いたりする表情を昔のドット絵ゲームのようにプレイヤー自身の想像力に委ねた。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) 残像表現(ブラー)は制作前、大方の意見では、処理が重たくて使えないだろうと言われていました。 実際重くて200hsyncかかります。 それ故、ほとんどがデモ中の使用に限定されています。 ゲーム中の操作可能場所では2個所使っています。 是非探して見てください。 (プログラム 岡嶋滋生) 3D用のテクスチャを描く上で重要なのは実際のゲーム画面でそれがどう出るか。 ツール上との発色の違いやカメラ位置によるドットのつぶれ具合も無視できません。 その為従来の2Dにおけるドット絵とは違った表現をしなければならないことも多々ありました。 (ドッター 中村如哉) メイ・リンのモデルは、某有名怪獣女優さんなの。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) メタルギアのカーネル部には、自社制作のマルチタスクカーネルを採用しています。 ポリスノーツの時に作成した、簡単な割り込み駆動型のスレッド切り替えマネージャなのですが、サウンド処理や無線スクリプト処理、メモリーカード処理などで、プログラムの記述が楽になる効果がありました。 (プログラム監督 植原一充) やたらとある梯子昇降のモーションは使い回しではなく別作。 理由は「梯子の長さが違うから」。 使える部分をベースとして、あとはツギハギと書くとラクそう。 だが現実は甘くない。 足場の広さ、降りたときの体の向きなど、問題多し。 しかも武器装備と武器無しの2パターンずつがすべてに用意されている。 (モーション 西村誠芳) VRトレーニングのクリア時に飛び上がって喜ぶスネーク。 アイデアが出ず、「これはブーイングだろうな〜」とおそるおそる出したモーション。 こういうのに限ってクレームもなくOKだったりする。 そんなにうれしいか、スネーク? (モーション 西村誠芳) MGSでは一部の銃弾は、飛行中毎フレーム当たり判定を行うのでなく、発射されたフレームでどこに当たるかを計算し、発射位置と到達位置の距離に関係なく即座に当たる、「瞬間弾システム」を採用しています。 これによって当たりチェックの回数が減り、処理が軽減されます。 (プログラム 園山誠人) コントローラの振動で最も重要なのはタイミング。 どんなに良い振動パターンを作っても画面の動きや、何よりサウンドとずれてしまっていては台無しです。 それには実際のゲーム上での入念なチェックと修正が必要です。 (振動エフェクト 中村如哉) 一番苦労した武器はリモコンミサイルです。 どこにでも行けるというものなので、それに伴うカメラ、扉等の処理が複雑怪奇になってしまっていました。 結果的には、何とかなったのですが…。 過ぎてしまえば、いい思い出です。 (プログラム監督 植原一充) ボス戦後にライフゲージが伸びていく時のスネークのモーションは最も難産だった。 ブーイングで没となった多数のモーション。 闇に消えたそれらの作成中の私の作業は、周りの人から見ると「遊んでいるようにしか見えなかった」らしい。 その理由は〇#%&*$!〜…。 (モーション 西村誠芳) 実は、メタルギアをつくる前はポリスノーツを作っていたのですが、その時作った技術をメタルギアでもかなり使用しています。 マルチタスクカーネルや、ストリーミング、メモリーカード周りの高速化…。 メタルギアで新たに生み出された技術も次回作に役立っていくことでしょう。 (プログラム監督 植原一充) ・ハインドD戦 ハインドの威容を表現する為にはその大きさを表現する必要がありました。 フカン画面でカメラをめり込まずに、まさしく目の前を横切らせようと四苦八苦しました。 又、後半のゲーム性は「モグラ叩き」のイメージです。 EXTREMEの俊敏なハインドは相当難しいですが、ノーダメージ攻略可能です。 (プログラム 岡嶋滋生) ・雪原 当初、メタルギアのシステムはプリシェードという手法を用いていることもありフォグをかけるということは想定していなかったのですが、システムがグラフィックを一時的に差し替えることが出来る柔軟な構造になっていたため、フォグ効果を局所的に実現することが出来ました。 (プログラム 高部邦夫) 地面に伏した人達の呼吸は、全員タイミングが違います。 小さいこだわりですが、その人らしく、がモットーなので個性溢れるFOXHOUND隊員達は願ってもない素材でした。 本当は死んで欲しくない。 けれど最高の死に方にしてあげたいと思って作ったのがウルフがスネークによって解放された一連のデモ。 (モーション 清水依子) ・スナイパー・ウルフ戦2 当初、ウルフにダメージを与える方法はPSG-1での正攻法のみでしたが、ニキータ、スティンガーも使用できるように拡張しました。 ニキータ発射後主観ボタンでウルフを探すのがお勧めです。 また、最後の一撃後瞬間的にウルフのモデルをすり替えています。 気づきましたか? (プログラム 岡嶋滋生) 暗く殺風景な雪原。 実はスナイパー・ウルフ戦のためにステージ形状を絞り込むのに大分時間を費やし、木の配置や幹の太さ、地面の凹凸、殆どが意味を持っています。 通信棟から出て右手奥の塀の向こう側に、リキッドがハインドからの脱出に使った? パラシュートがあるのにお気付きでしょうか? (ステージCG 根岸豊) 近づけないのであまり見えないのですが寒冷地装備のウルフは、スナイパーらしく背中にキャメルバックを背負っています。 でもこんな極寒では中味が凍ってしまう? (ドッター 中村如哉) ウルフは私がモーションを作る、と宣言しました。 ゲーム中のものだけのつもりが、デモモーションもほぼ作れてしまい、運命に感謝。 薬を飲む所や歩き等、どこはかとなく色仕上。 もっと犬達とラブラブさせてあげたかったのですが、あえなくボツ。 彼女の犬臭い生活はあこがれです。 (モーション 清水依子) ・溶鉱炉 この溶鉱炉は中盤ワールドの暖色系の配色を持つバランス要素として制作。 予想以上に構造の面白さがあった。 反面、階段途中でのニキータ使用はバグが出易い要素だったが、細かなチェックで回避された。 クレーン破壊時のけむりもスネークの吐く息も同じループシーケンス(15FPS)の変形である。 (CG監督 水谷崇) かなり入り組んだマップです。 ここのカメラ演出に必要なのは言うまでもなくマップの立体性に立脚した面白さですが同時に凝りすぎたカメラアングルを採用してゲームのアクション性を損うことは許されません。 単純に「映像的カッコよさ」を追求することがゲームにとって有益であるとは限らないのです。 (シナリオ班 福島智和) 溶鉱炉の周囲に近づきすぎるとスネークは滑って溶鉱炉に落ちてしまう。 この滑り方がまるでバナナの皮を踏んだかのように気持ち良いモーションとして出来上がった。 だがデバッグをやってると、どこに行っても発動しない。ナゼ? ナゼ? …ネタ自体がボツになっていた。 (モーション 西村誠芳) ・貨物昇降機 MGSシステムでは256と16色をテクスチャー単位で選択出来た。 使い分けを考えたが、私の担当分内は全て16色で画く事を選択した。 配色はモデル頂点の色(プリシェード)によって印象を大きく変更できる。 微細な平面の色相構成は全画面要素として小さいと判断した。 その分明度に集中できたと言える。 (CG監督 水谷崇) 某映画の影響が強い斜行エレベータ。 制作途中に発売された他社のゲームにも、類似のステージが多く見られたため、一時は再検討となったが、最終的に採用。 テクスチャースクロールなど、このステージのために用意されてプログラムも多い。 (助監督 松花賢和) テクスチャーのフラットな面の中を正直に塗りで画いてしまうと反射成分を無視することになる。 マテリアルの反映されないシステムで質感を追求するには、この反射成分の画き込みが欠かせない。 私は焼き込みと覆い焼きを多用した。 輝度のコントロールには加算と減算ブラシの使用頻度が高い。 (CG監督 水谷崇) このエレベータは実際に移動しているわけではなく、回りのテクスチャをスクロールさせることにより実現しています。 そもそもテクスチャのスクロールもメタルギアシステムはサポートしておらず、ダミーテクスチャを用いることによりスクロールのためのワークテクスチャ領域の確保を行なっています。 (プログラム 高部邦夫) 職場の窓から、ボーっと空を眺めました。 いえいえ、サボっていたわけではありません。 カラスの動きを観察していたのです。 あくまでも。ボー……。 (モーション 金田有希子) 大烏のモーションを作成したのは、大昔に悪い魔法使いの呪いで烏の姿に変えられ、先日200年ぶりに人間の姿に戻った元王子の僕が担当しました。 200年間も烏だったので、仲間の烏が電線に巣を作ったり、人間の出したゴミをあさったりしているのをみると、住み難い世の中になったとしみじみ思います。 (モーション監督 豊田聡) ・バルカン・レイブン戦 ここは何と言っても落下コンテナとレイブンの進路問題です。 落下中にレイブンが突っ込んだら行き止まってしまい所謂ハマリが発生してしまいます(もしくは通過)。 最後まで悩まされました。 お気に入りはEXTREMEの彼です。 初っ端から息切らして全力疾走する姿は実にセクシー。 素敵です。 (プログラム 岡嶋滋生) 巨漢のシャーマン、バルカンレイブンのモーションを作るのに元世界エスキモーインディアンオリンピック日本代表である我が輩以外に適任者がいるだろうか? いるわけがない。 結果はごらんの通りゾウのように力強く、子ネコのように敏感な、ナイーブな巨人バルカンレイブンが完成したのである。 (モーション監督 豊田聡) このステージで一番表現したかったものは、「寒い」という空気感。 冷気のフォグ感をだすため、直角に交わるポリゴンのシームレス化を極力図っています。 ぼやけたエッジ、かつ徐々にホワイトアウトさせることで、目に見える物以上の空間的な広がりを感じてもらえるでしょうか。 (ステージCG 木村峰士) ・地下倉庫 死体でしか素顔を晒さないオクトパス。 出番が少なくて残念です。 彼の髪形は”タコ”ということで、元ボクサーのあの人がモデルだそうです。 うーむ…。 (ドッター 中村如哉) レイブンは背負ったバルカン砲のためにいろいろと動きに制限があって難しかったのですが、重さを持たせた走りとかは作ってて楽しかったです。 実はとってもクドい死にモーションも作ってあったのですがボツになりました。 カラス達のお食事になったレイブンさんに合掌。 (モーション 金田有希子) せっかくレイブンがDARPAマスクを外してくれたのに、結局顔がはっきりと見えなかったデコイさん。 肩に担がせるとき、いっそ海老反りにすれば顔がよく見えたかも。 もちろんそのあと、気絶したジョニーも左肩に担いで回収した力仕事担当のレイブンさんはおつかれさま。 (モーション 金田有希子) ボスキャラクター達にはみな「死の血みどろバージョン」が存在します。 特にレイブンではイタリアン・スプラッターのような派手な鮮血をめざしたのですがライティング等の関係で思ったほどの効果を得られませんでした。 無念。 (ドッター 中村如哉) この極寒のステージの命は、直角に交わるポリゴンのシームレスさ。 つまり床や天井に立ち込めるフォグを、どううまくテクスチャーで表現するかが鍵でした。 デモ中など、立ちこめる霧の向こうに空間的な広がりを感じてもらえたらうれしいです。 デモ中だけパイプが太い? …気のせいでは。 (ステージCG 木村峰士) ・地下倉庫北 滝はテクスチャを3枚重ねて表現しています。 滝の裏側の壁面にベースのテクスチャを貼りその上に半透明の水のテクスチャを2枚、移動速度を変えてスクロールさせています。 深く落ち込んでいる滝壺の雰囲気を出すため下の水面付近には減算半透明のテクスチャを重ねて暗闇に溶け込ませています。 (ステージCG 根岸豊) 変装の名人であること以外全てが謎のFOXHOUND隊員デコイオクトパスのモーションを作成するのは、本名、国籍、血液型、正座、足のサイズ、好きな食べ物等々、全てが不明の私が適任に違いない。 スネークのヤツさえ騙された、あの中年男を見事に演じきったのだから。 しかし一体オレは誰なんだあ! (モーション監督 豊田聡) ・地下整備基地 メタルギア格納庫は一つの空間でありながら1F・2F・3F・司令室、メタルギア上昇のデモ専用に足場が崩れるバージョン、計5つのステージが存在します。 お気付きでしょうか? 例えば1F床のテクスチャーは1F用と3Fから見た用とでは違います。 一箇所修正するのに5倍の労力を費やしました。 (ステージCG 根岸豊) このエリアのカメラ演出で重要になるのはメタルギアの巨大さを表現する事です。 そのためのカメラ演出が1F・2Fでは随所で行われていますが、3Fではあえてそれよりもアクション性を優先して演出している所が多いです。 部分よりもゲーム全体として何を表現するかが常に問われなければなりません。 (シナリオ班 福島智和) くるくる回りながら落ちてゆくPALキーのモーションを作成するのに、元PALキーだったオレ以外に適任者がいるだろうか…。 いや悪かった。PALキーはただくるくる回しているだけだ。 誰にでもできる。 (モーション監督 豊田聡) デモ中の、オセロットがキーボードを操作する部分。 作っていてとても気に入っていたのですが、老人にしてはタイピングが早くて鮮やかすぎると笑われました。 自分でも笑いました。確かに華麗すぎです。反省してます。 リキッドは、筋肉の重さを出そうと苦心しました。 オーバーアクションでも格好良く! (モーション 清水依子) ・司令室 PALコードの入力という地味なモーション。 はっきり言ってウデしか動いていないので、ウデで勝負するしかない! 基本の動きをつくったら、残しを入れ、次はウデが止まる所のフレーム数を長くする。 PALコードの取り出しモーションも、悔しがるとこも同じです。 (モーション 吉村涼子) ・メタルギアREX戦 メタルギアは移動時には壁に当たらないように場合によっては前進後退を行ないながらスネークを追いかけるようになっています。 突然変な方向へ移動しだしたりするのはそのためです。 これだけキャラクタが大きいと全然小回りが利かなく、制御も大変でした。 (プログラム 高部邦夫) メタルギアREXは木村峰士の渾身の作。 データ最適化前は処理が重く、ステージは必要無いとも言われた。 ワールドデータを軽く作る勝算は照明計画にあった。 60×60メートルの制約内で最大限の面積を使用しているが、他のステージと比較して2分の1程度と軽いワールドデータ量になっている。 (CG監督 水谷崇) REXの登場するシーンを始め、振動するデモシーンでは一つ一つの振動を、手で数値を入力して作っています。 REXの歩きなど、画面の動きと合わせて設定するのですがモーターが起動するまでや止まるまでのタイムラグもちゃんと考慮しています。 (振動エフェクト 中村如哉) REXの巨大感の出し方。 リアルに考えると様々なパーツはしっかり固定されている。 だがあえて巨大感を出すためにボディ廻りのパーツを揺らすという手法を探った。 コックピットも揺れまくる。 乗り心地は最悪だろう。 だが実は新川氏の指示書には「コックピットは揺れない」とある…。 (モーション 西村誠芳) ダメージを受けフラフラ歩くREXの動きはタイミングがキモ。 脚は上に詰まりつつゆっくり上げる。 重心は軸足にかかるもフラフラと不安定に。 脚を下ろすのは速く、着地しつつも慣性でボディは更に沈み込む。 脚のツメは着地と同時にガッシと地面に喰い込む。 だが画面では確認できない(涙)。 (モーション 西村誠芳) メタルギアの歩行システムはデザインを決めた後に考えたので少し苦しいが、まあまあ気に入っている。 良く見てもらえばわかると思うが歩行時には爪先立ちになりカカトを折りたたみます。 歩幅をかせぐためにヒザがオートマチックの銃のスライドグループの様に勢い良く前に伸びて一歩踏み出すのです。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) 核搭載歩行戦車、メタルギアのモーションを僕が担当したのは、僕自身が元歩行戦車や元肉食恐竜だったとかいう訳の分からない理由では無く、男の浪漫は鳥足逆関節だからです。 制作中は縁日で買ってきた、ピンクのひよこのぴーちゃんを観察したものです。 …縁日のひよこって短命なんですよね…。 (モーション監督 豊田聡) メタルギアのミサイルが発射される直前にそれをカバーするハッチが爆薬で外れるようになっています。 勇気のある人は、近づいて良く見てみましょう。 (キャラクター・デザイン 新川洋司) 忍者がジャンプで壁際に飛びつくモーションは「これぞ手打ちのダイゴ味」的なものを目指した。 その後REXに向かい銃を構えるためのジャンプはアドリブ。 本来は普通に振り向く予定だった。 こういうのはノリ。 そうでないとおかしいと思ってしまったらもうダメ。 あとは自分の首がしまるのみ。 (モーション 西村誠芳) 気に入ってるデモエフェクトは沢山ある。 忍者死亡でしか使っていないものが少なくとも3つあり、どれもが制作末に追加した。 デモは制作全体の最後まで触らせて頂いた。 カメラの動きを編集後にリテイク出来る、凄さと取り止めの無さは、全ての映像制作者に理解して頂けるはずだ。 (ポリゴンデモ 水谷崇) ・リキッド・スネーク戦 エクストリームのリキッドは一味違います。 アメリカのハードプレイヤーを想定して難易度をかなり高めにしました。 腕に自信のある方は、是非挑戦して下さい。 (プログラム 是角有二) 「濃い・クドい・激しい」3拍子そろったリキッドのモーションは日本語版の声優である銀河万丈氏の声に負う部分が多い。 台詞の抑揚に合わせてモーションを付けていくと、あまり激しくしないはずの予定のデモがご覧の結果に。 REX戦前の更にクドさを増す水谷氏のカメラも見所。 (モーション 西村誠芳) テロリストのリーダー、リキッドスネークのモーションを作成するのに普段から裸で生活している鋼の肉体を持つ兄貴アニメーターの私に白羽の矢が立った。 まあ当然のことだ。 なぜなら私は普段から裸なのだから。 リキッドアニキの事を一番理解しているのは僕なのだから。 嗚呼っリキッドあにき…。 (モーション監督 豊田聡) REXが倒れ込むモーションは後のステージのREXのポーズにつながるように作成することを要求された。 テキトーにスタートを決めテキトーに脚の移動を決めていく。 次にテキトーに歩かせテキトーにふらつかせる。 あとは演出に渡すと立派なデモになってる。 ウーン、凄いものだ。 (モーション 西村誠芳) ・地下搬出路 メタルの上から降り(メリルと同じ降り方ではないと思います。たぶん…)スネークより先に出口へ向かうオタコンを走らせてびっくり。 彼の走りはロッカーへかけ込む姿勢のものしかなかったのです。 慌てて普通の走りを作ったものの…。 あのデモになると思い出してしまう、ゴキブリ走法の彼を。 (モーション 金田有希子) ジープが高速に移動するためステージをゆっくり眺める事は出来ないと思いますが、クライマックスということで、結構、力が入ってます。 主観ボタンを押したままプレーすると大迫力かつ、機銃が狙いやすくなりおすすめです。 この先に感動のエンディングが待ってます。 (ステージCG 佐々木英樹) この通路は長さが決まってなく、リキッドにダメージを与えなければ無限に続くようになっています。 本来このゲームのシステムではこのような無限ループは想定していなかったために実現できなかったのですが、プログラム側で対処し、なんとか出来ました。 (プログラム 高部邦夫) ジープ戦は主観でプレイするとやりやすくて良い。 だがあえて私はノーマル視点でのプレイを推賞する。 主観ではスネークやメリルのモーションが見えないではないか! そんなことは許さん! 苦労の賜物を観るのだ! 根性で乗り切れ! …私は主観でプレイするが。 (モーション 西村誠芳) ・二周目 無限バンダナは制作チーム内では昆布と呼ばれてたんだわぁ。 なまらゆらゆら揺れる昆布のモーションを作るのに、元利尻昆布で、現役時代は日本かいでゆらゆら揺れていた自分以外に適任がいるべか? いや、いないっしょ。 ああ日本海の荒波が懐かしいべさ。 (モーション監督 豊田聡) ラストシーンでベストを着るメリル。 このオレンジのベスト、どこかで見覚えがありませんか? 若干デザインが違うのですがポリスノーツでデイブが着ているベストに良く似ています。 いろいろと想像をめぐらせてみてください。 (ドッター 中村如哉) カリブーは同じ動きにならないように、親らしさ子らしさを意識してつくりました。 特に首の動きはカリブーの動きのポイント? 自然に見えるように何度も何度も何度も…。 そして、生々しいカリブーの動きが完成!! が、しか〜し、その動きを間違えて消してしまい、後には白くなった私が残るのみ…。 (モーション 吉村涼子) 「このスノーモービルは…」と、スノーモービルを観察するオタコン。 「ここが、そうなって、こうなってるのか」 「うわ、これはすごい」 と言ってるかどうかは分かりませんが、オタクな彼だけに反応をうれしそうにしてみました。 (モーション 吉村涼子) エンディングの坂道でぐらつくオタコンは「コントのような動きで」と言われたので、動きを大きく、わざとらしくしてみました。 そして、ぐらついた後の照れ隠し…。 つくってて楽しいモーションでした。 (モーション 吉村涼子) 最新のスノーモービルを見て大はしゃぎのオタコン。 もっとオーバーにはしゃいでいたのですが、余りにも子供のようだったので、ちょっとだけ大人しくしてもらいました。 それにしても、オタコンは色々試練を乗り越えてきたのに、まだこんなに無邪気でいいのでしょうか。 先行きが心配です。 (モーション 清水依子) ジープの下敷きになったスネーク、メリル、オタコンの動きをつくるのは大変でした。 歩きや、立ったままでの動き、座った状態での動きは実際に試せたのですが、流石に、このモーションに関しては想像のみ。 モーション作成者魂が足りーんと言われそうですが…。 (モーション 吉村涼子) ・三周目 ラジオドラマ版メタルギアからの特別出演的なスニーキング・メリルですが、仕様上若干の省略があります。 申し訳ありません。 実はこのメリル、顔の方もすこしだけバージョンアップしています。 と言っても0.5ドットの世界ですが…。 わかります? (ドッター 中村如哉)