朝食のオムレツに舌鼓を打ちながら朝のニュースを肩を寄せ合い眺めていた。
真っ白な壁に取り付けられた黒いフレームの中では今日も世界が賑やかである。
対照的に、白く、清潔に保たれた広い一軒家の中は陶器の擦れ合う音以外は静かなものであった。
体重を預ければ優しい抱擁が返ってくる。手探りをすればそれをそっと握り返す手がある。

そんななんでもない幸せも、今日で皹が入るかもしれないと思うと、どうにも物悲しくて仕方ないのだ。

『寝取らせ……！？な、なんで……』
『すまん、失望されるのは覚悟してる。でも真剣な話なんだ」

ことの始まりはどこまで遡ればよいのだろう。
この人がEDを患ってしまったところか。
そうなるくらいの、あの子がトレセンに独り立ちするまでの過酷だった日々か。
それが成る原因の、運命の相手と念願叶って結ばれたところか。
それとも、その運命を彼と結んでしまったところか。

女の子にだって性欲はある。
解消されなければ当然ストレスの元になり、その程度にも個人差がある。
カレンチャンは一際性欲が強かった。同じくらい旦那も強かった。
でなければ母子が姉妹に間違われる苦渋の記憶を娘も背負わずに済んだ、かもしれない。

ただ先に旦那の方が枯れた。完全に枯れ切った。
そうなると肌をぶつけ合い、汗のはじけ飛ぶあの激しい交尾はお預けにお預けを重ねられてしまい、
不満を解消しようと試行錯誤はしたのだが、結論は体の相性が良すぎたということになった。

日に日に無自覚なストレスに蝕まれ、それを自覚してさらに気を病むカレンを見ていられなくなった、旦那の苦肉の策である。

『相手は俺の知り合いだ。セックスの腕前は保障する』
『……カレンが、お兄ちゃん以外に許すわけ……』
『分かってる。分かってるよ。けどさ』

『けど……』
『鏡の前で溜息を吐くカレンは、もう見たくないんだ……』
手首を握り、訃報でも告げるかのような声音で、彼はそういった。

「……今日、だよね」
「……ああ」
「いいの？……カレン、取られちゃうかもよ」
「そ、れは」
当たり前の事実でも、脳が揺れて仕方ないのだろう。
視線が泳ぎ、唇が震えている。
「……大丈夫、カレンの為を想ってくれたんだよね」
「……あ、ああ」
「ちょっと、遊んでくるだけだから。ね？」
「……ごめん、ごめんよ。カレン……」
あの頃より、随分と逞しくなった体から、子供のような涙が止まるまで、静寂の中抱き合い続けた。

「……あなたが、」
「おっ、こんにちは。アイツから話は聞いてますよ」
キャスケットにダッフルコートを着込んで繰り出した夜の繁華街で相手を見つけた。
見た目は浅黒く、いかにも体育会系といった感じである。旦那と古なじみらしいが……
「ホントですよ。まさかアイツがインポになるとは思ってなかったですけど……」
そういう彼も旦那の惨状に心を痛めているようで、少しだけ何かが緩んだ気がした。

パチパチとパネルを操作する彼の背に黙って付いていく。
カーペットがプラスチックの床になって、またカーペットになる。
頭の上でカギの開く音がするまま歩を進めると、処刑台にも見えるダブルベッドが大きく口を開いていた。
「シャワー浴びてきます。……帰っても、構いませんよ」
「ううん、今日はよろしくね」

────────────────

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ただいまー。うわ、すごい久しぶり」
玄関の扉を開けて、娘が帰省にやってきた。
エプロンをつけたまま、旦那がそれを出迎えた。
「お帰りモエ。クッキー焼いたけど食べる？」
「食べる食べる。……あれ、ママは？」
靴を見て気づいたのだろう、きょろきょろと見回すその背中で扉は空きっぱなしで……
「……もうすぐ帰っ──」
「モエちゃん、ぎゅー♪」
「ぎゃあああ！？ま、ママ！急に抱き着かないでって言ってるじゃん！」
「だって、モエちゃんカワイイもん♪」
「もう！」

「んー！クッキー美味しい♪」
「ん、いいじゃんパパ」
「どうも」
三人で宅を囲んで軽食の時間。
大げさに頬を押さえたり、黙々と食べ進んだりと準備の甲斐はあったようだ。
「あっ、そうだ！モエちゃん、二人から重大発表がありま〜す」
「……何」
手を止めて向かいの旦那の方へ駆け寄り、その腕をこれでもかと抱きしめる。

「モエちゃんに、妹が出来まーす！わーぱちぱち……あれ？」
「……」
盛り上がる母、照れくさそうな父親とは対照的に娘の反応は冷ややかなものだった。

盛り上がる母、照れくさそうな父親とは対照的に娘の反応は冷ややかなものだった。
「……あのさ、家開けてる間に親が盛ってるの見せつけられる娘の気持ちにもなってよ……」
「えー……嬉しくないの？お姉ちゃんだよ？」
「……お姉ちゃん」
その5文字に僅かに口元が緩むが、すぐに振り払って席を立つ。
「あのね！仲がいいのも結構だけど、年甲斐も無く頑張るのは止めて！」
「お兄ちゃん……モエちゃんまた反抗期になっちゃった……」
「夫のことをお兄ちゃんって呼ぶなぁ！」

相変わらずのバカップルぶりに呆れたのか、娘はある分のクッキーごと部屋へと戻って行ってしまった。
その背中を見送ってから椅子を寄せ、しな垂れかかる。

「ほら、触ってみて……」
「……うん、動いてる。今蹴った？」
「蹴った蹴った。本当に、元気……」
先ほどまでの団欒気とは程遠い空気が居間を包む。
震える手を引いて僅かに膨らみの出るお腹に添わせると、まるで腫れものでも触るかのように弱い手つきで撫でさする。
静かに、二人きり、互いに犯した罪を見つめる時間。
「私達の子供だよ。お兄ちゃん……」
「……カレンの、子供だよ」
「……うん」


その愛は揺ぎ無く、けれどあり方は既にどうしようも無く歪んでしまっていた。

おしまい
速度重視なのでぴょい描写はありません

うむ！

竿役が可哀想

龍王：！！！

お疲れ
ちょっと横になってくる

カレンチャンはドハマリしたのかな
それとも一夜の関係で妊娠したのかな

龍王もジャスタウェイもいるからな…

シコれる気持ちと辛い気持ちで心が二つある

登場人物誰も幸せになってないんじゃ…

せめて気持ちいい交尾してくれてるといいんだけど
描写がないから不幸なイメージにしかならないのは悲しい…

竿役もトレーナーと知人のいい人そうでなお辛い

NTRは苦手なんだけど体だけ取られるのもなんか違う気がしてどうしようこの気持ち

ほんとに悲しいのでこの概念が固まらないことを心から祈ってる

寝取らせモノには良くある事だが割と旦那が善人のつもりの外道

ぴょい描写無しにしても慰めとして気持ちよかったとか満足したとかそういう感想がほしかった
性欲を解消するために寝取らせするのに誰も満足した描写がないのはつらい

つまんね

性欲解消の為なのになんで生でしたんですか？

うーん…

わたしはいいと思う

>性欲解消の為なのになんで生でしたんですか？
始まってみたら旦那と同じくらい相性よくてそのまま流れで…とかあったのかもしれない
定期的に関係が続いて我慢できずに作りたくなっちゃったのかもしれないとかいろいろ想像の余地が

>始まってみたら旦那と同じくらい相性よくてそのまま流れで…とかあったのかもしれない
>定期的に関係が続いて我慢できずに作りたくなっちゃったのかもしれないとかいろいろ想像の余地が
途中の心情とか行為が全部飛んでるから
なんのための寝取らせだったのかわからなくなってるのよね

最高でした！

あのねお兄ちゃん
コンドームの避妊率は100％じゃないんだよ？

ただキャラ突っ込んでるだけでカレンチャンである必要性が0

朝早く起きたけどちょっと横になるね…

人妻ダスカとかネイチャの人かな
今回も良かった…

これ書きたいって気持ちが逸って軸がブレた感じ

>竿役が可哀想
いやその発想はおかしい

>人妻ダスカとかネイチャの人かな
>今回も良かった…
多分違うと思う…

辛さで「」が尖っている…

辛さっていうか純粋に文が稚拙

情事の中で待ち望んでいた快楽に我を忘れてしまうカレンチャンを描かないなら描かないでいいけど
その代わりに事前事後でカレンチャンと旦那の心情の変化を描くとかそういった努力は欲しいとは思う
が書いてくれたことは賞賛したい

寝取らせ後のカレンちゃんの口からのどんな感じに抱かれたかの報告パートは欲しかったので次に期待ですね

>性欲解消の為なのになんで生でしたんですか？
ゴムぴょいでも0.1％くらいの確率で妊娠はするんだ
入れる以上は完璧な避妊はできないんだ
◇

カレンモエちゃんもカレンモエ可愛い！されるのかな

カレンちゃんの寝取らせ報告を聞いてたら滾っちゃって勃起するんだけど寝取らせじゃないと起たないからその後も何度も寝取らせと寝取らせ報告聞きながらの嫉妬うまぴょいしてる
ただし妊娠した種はどっちか分かりません！とかでいいんじゃないでしょうか！？

エロ描写がないからシコれないのでなんのために書いたのかわからない