2021年上半期まとめ ───── バクシンオーモブ片想い バクちゃんはさあ、誰にでもそうなのかな。 フツー顔見知り程度のクラスメイトの落とし物、制服ドロドロにしてまで探す? 引退した先輩から貰った御守り代わりの蹄鉄…そんな大事なもの持ち歩いて勝手に落とした私も悪いんだけどさ。 『バクシンレーダーに感アリ!』とか言ってどっから引っ張り出してきたかも分からないような赤青のU字磁石引き摺り回して学校中走り回って『ありましたよッ!!』なんて得意げに何十個拾ってきたの、それ。 結局生徒会が預かっててくれてたんだけどまあ、嬉しかったよ。嬉しかった。 それから仲良くなってけっこうつるんだりしたけど、決定的だったのはレース見た時だったな。天真爛漫が服着て走ってるような子があんな表情(かお)して戦って、ギャップにやられちゃったんだろうな。 帰りに駅のトイレ見た自分の顔、キモいけど人生で一番女の子してたと思う。 ね、バクちゃんがそういう顔見せてるその人、トレーナーさんだよね。 綺麗だよね。控えめなメイクもスタイルも無駄がなくて大人!って感じで、逆立ちしたって及ばないんだろうな。 バクちゃんがみんなに優しくてみんなと仲良いのわかってるよ。学園にバクちゃんのこと嫌いな子なんていないと思う。 そんな「みんなのバクちゃん」だから、私。 「バクちゃんほら、前部屋来た時これ忘れてったでしょ」 「ちょわッ!それは探していたバクシンハンカチーフ!…………さんのお部屋に忘れていたとは!ありがとうございますッ!!」 「はは、気をつけなよね …洗っといたから、さ」 ───── グラエル愛のないセックス編 「ねえグラス、ほんとに…」 「黙って」 「っ…」 グラスの細い指先がそっとそこに触れる。ふつふつと煮えたぎった情念が蒸しあげたそれは冷たい指が触れただけで木槌に打たれた音叉のように全身に言葉にならない感覚を響かせる。 身体の硬直を感じ取ったのか唇がそっと右の首筋に触れる。ゾッとするような脱力感。 「ん…ッ…」 「ここ、キスされると力抜けるでしょう、エル」 首、肩、右胸の上あたり、腹の脇…気まぐれな蝶が選び箸をするように絶妙なポイントをなぞられる。 鱗粉を纏わせたそれは、悪戯に身体の芯に触れた。 「や…グラス…ッ…」 力強く、かつ繊細に肉の蛇が秘肉でうねる。どうして、どうしてそんなにも。焦らすように一番響きやすいポイントを避けてのたうつ肉の滑(ぬめ)りに悶絶する。 「そこ…やだ…グラス…」 「言って、どうして欲しいか」 「え…」 褥を分かった時のグラスは底意地が悪い。促して自覚させるつもりなのだ。卑しくも快楽を貪らせて下さい、貴女の手で導いて下さい。吐いた言霊は呪いに似て、奴隷の烙印を魂に焼き付ける。 「…舌…奥…もっと乱暴に…擦ってください…」 「よく言えました」 待ってましたと言わんばかりに舌が暴れる。的確なポイントだけを執拗に力強く責め立てられ堪らず脚をバタつかせようとするが肩で体重を掛けられそれは叶わない。腕は押さえつけられシーツを握りしめる以外の抵抗を許されない。 「ゃ…グラ、ス…っ💕」 呼んでも返事はしてくれない。“求められる者”として在りたい矜持だろう。 結局、その日はされるがままに達し、彼女の胸に顔を埋めたまま意識を手放した。 「スペちゃんとスズカさん、デキちゃってるんだってー!」 人の口に戸は立てられぬもの。どこからともなく漏れ出た噂を耳にしてからグラスは一変した。 抜け落ちた穴を埋めるように私を貪るようになった。私が彼女に向けていた視線の熱を知ってか知らずか夜を共にする機会が増えた。 私を弄んでいる間も彼女の心がどこに向いているかは分かっていたが、必要とされている以上抗えない。 いつか、いつか。 私(アタシ)の存在が何もかも塗りつぶせるように、今はただ蹄を打つだけだ。 ───── タキオン肉の乱 「力こそ全てだねえ!!!!!!!!!」 VRウマネーターでなんやかんやあってアグネスタキオンが立て篭もった。別視点でのアプローチがどうとか言って格闘ゲームに入ってしまったのだ。今はスカーレットが必死に説得している。 「タキオンさん!落ち着いて下さい!あなたはもっと気高い志を持っていたはずよ!」 「それは暴力より大切?」 「血に酔った悲しいプーさん…?」 「ともかくそれ以上近付いてみたまえ!!!ストリチナヤ君の脳はプロテイン漬けだ!!」 そう、タキオンは今仮想空間でウオッカをウマ質にしている。哀れ巨腕に抱き込まれ肉の海で溺れるウオッカは泣き腫らした目を歪め力なく笑っていた。 その時体育館に乾いたパンプスが床を蹴る音が転がり込んだ。「マーモット君…!?」タキオンのトレーナーその人である。 「タキオンごめんなさい、私あなたの事分かってなかった…こんなに焦っていただなんて私…」 「モーリーロバートソン君…」 「でも今は違う、今の私ならあなたと同じ世界が見られる!フンッ!!」 破裂音と共にシャツが裂ける。その光景、仮想現実(ヴァーチャル)に非ず!人智を超えた肉の宮がそこに───。 「私…泣いてるの……?」 スカーレットは訳も分からず涙をこぼした。人が涙を溢すのは悲しい時、嬉しい時、そして… ───あまりにも、美しいものを見た時。「これ乳首見えちゃってるけど大丈夫か?」野次ウマゴルシの声は誰の胸にも響かなかった。 タキオンは苦笑して筐体から出た。わざとらしく目薬をさしてトレーナーの肩に乗り帰っていった。トレーナーは公然猥褻及び迷惑防止条例違反で書類送検になった。ウオッカは脳をプロテイン漬けにされた。それを看病するスカーレットの目には欲望の炎がギラついていた。 第一部 肉の乱編 完 ───── ウオスカ水中告白 「ボゴゴガボガガガボ!!ブボボバ!!?」 バカねウオッカ…水中じゃ何言ってるか全然分かんないじゃない… ◇ 思えば、アイツは昨日の夜から少し様子がおかしかった気がする。 部屋に戻るなり「おおお前、あ、明日17時ごろ空けとけ」ってだけぶっきらぼうに言い放って両手で自分の頬をパシパシと張ってそのまま寝てしまった。 朝は珍しくアタシより早く起きていなくなってるし、日中も妙にソワソワして避けられてるような様子。 約束の時間が近づいてきたからトレーナーに基礎練だけで切り上げさせてもらって待ってたら「西校舎の空き教室来い」ってだけLINE… 呼びつけて歩かせて何なのよ、って文句の一つでも言ってやろうとドアを開けたら教室は水没していた。 ◇ 「ゴボバボバガバ!!バボボガア!!」 だから水中じゃ何言ってるかわかんないわよ…ほんとバカね… …嘘。 おかしかった挙動、シチュエーション、…コイツの真っ赤な顔、必死な眼差し。どれだけ鈍感な子でもわかる。 教室を水で満たしたのは、コイツなりの照れ隠しなんだろう。 「…ゴメンね、待たせて」 「ブボッ、ガババボバ!!!!」 頬を手のひらで包む。 なんて、儚い。そよ風にも破かれてしまいそうな薄絹の肌触りからは、普段の粗暴な仕草も憎まれ口も想像できなかった。 「女の子…なんだよね、アンタも」 「ゲバッ!」 りん、と、ウオッカの足枷が重く涼やかに鳴いた。 「ほんと、形から入るタイプよね」 苦笑して足枷を引き千切る。 照れ臭さに耐えきれなくなったのか、泳いで逃げようとする彼女の細い身体を後ろから抱き留めた。 「グゴボ!??!?!!?!??!?!?」 「こーら、返事がまだでしょ」 腕からウオッカの強すぎる鼓動を感じる。このまま強く抱き締めたら壊れてしまいそうなほどに。 「ね、こっち向いて」 「…カ゜…」 「ほん…ッとバカね、ウオッカ。 …好きよ」 答えはシンプルに。紡いだ言葉の熱も冷めぬままに、唇を重ねた。 「いやあ無事酸素が供給されて良かったねえ!ご覧ゴールドシップ君!実験は成功だ!水を得た魚のように…と言っては皮肉かな!?彼女スカーレット君を抱えて泳いで窓を突き破ったよ!まったくウマ娘の火事場力というものは計り知れない!」 「お前これ犯罪だかんな」 ウオスカ告白編 水中ver 完 ───── ダスカ瓶 朝起きてスカーレットのベッドを見るとあいつは瓶になっていた。 無造作に投げ出されていた瓶をサイドテーブルに置き、ああ、と息をついてあいつのベッドに倒れ込むと、まだ暖かかった。 枕に顔を埋めるとむせ返るほどのあいつの香りが肺を満たす。 仰向けになり天井を見上げ、10分ほど呆けてから俺は、声をあげて泣いた。 いつの間にか寝ていたようだ。 サイドテーブルの瓶を見ると透明な液体が満たされていた。 と、腹の虫が鳴いた。こんな時でも腹は減る。 できればこのまま餓死してしまいたいような気分だったが、このまま寝転がっていても仕方ないので鞄に瓶を仕舞い込みドアノブに手をかける。ドアノブがない。 部屋のドアは磨りガラスが貼られた引き戸になっていた。いや前から引き戸だったのだ。引き戸を開けて木の簾をジャラジャラくぐるとトウカイテイオー、トウカイテイオーがエントランスでテレビを見て笑っていた。 「面白いか、それ」 「はは、おはようウオッカ。はは、それなりかな」 「電源入ってねえぞ」 「うるさいなっ」 激昂したテイオーが手元のコップを投げ付けてくる。当たらなかったが足元にピチャッと水が跳ねた。 「うるさいんだよ、いちいち君は、本当に」 「邪魔したな」 肩で息をしながら俯いてしまったテイオーに簡潔に詫びを入れ寮を後にした。 外は土砂降りだったが一歩敷地から出るとピタリと止んだ。 水溜りだらけで、歩くたびピチャピチャと水音がした。 学園から定時のチャイムが聞こえる時間だったが、何も聞こえなかった。 学園は寺になっていた。 後ろから肩を叩かれて振り返るとたづなさんが居た。 「何すか」 「ピチャピチャ」 そうすか、とだけ返事をして歩き出した。湿った香の空気が鼻をくすぐる。 寺に入るとまた雨が降り出した。 位牌堂で瓶の中身を飲み干し、「好きだよ」と独りごちる。 外はまだ雨だった。 ───── グラエルお仕置き手ックス 怪鳥エルコンドルパサーは腹を括った。十余年のウマ娘人生で最も重い覚悟。 『エル。』 『お仕置きをします。部屋で待ちなさい』 確かに隣席のグラスの刺身に大量のデスソースを跳ねさせた自分に非があるが、お仕置きとは… 彼女の性格をよく理解しているからこそ、観念して断頭台に縛められた咎人のような心持ちでベッドに腰掛け、おそろしい同居人の帰りを待つほかなかった。 ガチャリ。ドアの開く音に肩をびくつかせる。 「あ…お帰り、なさい…?デス…」 「ただいま、エル。いいお湯でした」 エルはふと違和感を覚えた。目の前で乳液を手に馴染ませているグラスの、静かな殺気を覆い隠す笑顔の仮面─── それは恐ろしくも普段のよそおいだったが、哀れ被食者のサガが、敏感にも今日に限って悦楽の気配を感じ取ったのだ。 「あのー、グラス…その…」 「エル。」 気まずさに耐えかね、沈黙を破った瞬間エルの身体は容易くベッドに押し倒された。 「ケ…!?」 「エル、これから何をされるか…想像してました?」 「それはその…お…お仕置き…を…」 「そう、お仕置きですね。生き物はみな痛みに学びます」 恐ろしいほど穏やかに語りかけながら、グラスの右手がエルの頬を撫でる。 「思うにエル。人の学びにとり、一番の痛みとは鞭でも礫(つぶて)でもなく」 「何を…」 「恥です」 言うが速いが、頬に這わせていた白く華奢な右手で荒々しくもマスクをむしり取り、足元に放ってしまう。 「ちょッ…と!?」 起き上がって拾おうとしたが、両手首を掴まれ体重をかけられてはそれも叶わない。 「目」 「は…!?」 「目、こちらに、向けてください」 不意の狼藉にたまらず羞恥の朱に染められた顔。とても正面に向けられたものではなかった。 「なに、を…!?嫌、いや!返して、返して…!」 半ば混乱し、上ずった声を上げる。恥ずかしさと己の情けなさがないまぜになって心を苛み、視界を熱いものがぼやけさせた。 「いけません。駄目です。言いましたよね、これは仕置きであり、躾です」 「そん、な…」 「それに…相互理解は目を合わせた対話から始まるものですよエル。私の事、もっと知って欲しいんです」 「……っ…」 エルコンドルパサーのマスク。 アイデンティティ、自信の源、彼女と外界を繋ぎ止めるよすが。 裏を返せば、最大の弱点。 普段の尊大な振る舞い、明るいキャラクターは自信の無さの裏返し… それを知ってグラスは、非情にも嗜虐心に突き動かされるがままそれを初手で暴いてみせたのだ。 「…よく出来ました💕」 真っ赤に火照り、目に羞恥の涙を滲ませ、震えながらも自分を正面から見据える彼女の顔をグラスは心底愛おしく感じた。 手首を掴んでいた両手を滑らせ、互いの指を絡ませる。 手をいわゆる恋人繋ぎにしたまま、グラスはエルの隣に横たわった。 「グラス、何を…」 「目」 「…はい…」 少しでも目を逸らすと厳しく指摘が飛ぶ。 「もう少し…近づいても、いいですか?」 言って、グラスが近づく。近づきすぎる。 コツン。 おでこが触れ合う。お互いの息の熱さを意識する距離。 「ち…近すぎデス…」 「お仕置きですから。この方が恥ずかしいでしょう」 「うぅ…」 しっとりと汗ばんだ手を握ったまま、額を突き合わせ見つめ合う。 冷房を弱めにした事を悔やむ湿感と温度。息づかいと心音だけが強く響く。 「あの…グラス…?」 「手…」 「え?」 「手って、尊いものですよね。これがなくては始まらない。地を駆ける時は振り子に、筆も刀も、箸も器も、物を持つ、という動きは生活と切り離せません。デスソースもね」 「うっ」 「大事な器官です。本当に。そんな器官ですから、皮膚感覚、特に指先なんかは…」 語りながら、繋いでいた手の握り方を変えていく。 「敏感だったりして」 すりっ…。 握った手で指先を擦り合わせる。 「ひ…!?」 握りしめられていた感覚から急に解き放たれた所に与えられた繊細な刺激が、電撃のように手先から脳に駆け巡る。 「こうするともっと…くすぐったく、痺れませんか?」 互いの掌をぴったり合わせ、指先から徐々に手の中央に指を這わせる。 びりびりびり。 恋人繋ぎでふっくらと甘く蒸し上げられた掌にはあまりにも強すぎる刺激。 湿った表皮を非情な優しさで白い細指が撫で上げる。 「んっ…ぅ…ッ!」 「あらあら…思った以上に…効きます?」 「これ、くすぐった…ひッぅ…!へ、ん…!」 指をつままれ、掌を撫でられ、甘い痺れに身体を振るわせた所で優しく揉み込まれる。 素顔を晒した羞恥に掻き乱された心には十分すぎる責め苦だった。 「や…!グラス、これ…ゃっ…変に、なる…!」 「目」 「ぅう…っ!」 耐えかねて身を捩れば視線が逸れて注意が飛ぶ。 目を合わせるのは勿論の事、グラスの吸い込まれそうな青い瞳が残酷なほど綺麗で、その顔にあさましい熱い息を吐きかけるのがたまらなく冒涜的で、恥ずかしかった。 至近距離で顔を突き合わせたまま手を捏ねられる。非日常的で倒錯的な仕置きにエルの心は滅多打ちにされていた。 「…ッ…💕かわいい、可愛いですよ、エル…💕」 「かわ…!?」 たまらなかったのはグラスも同じだった。嗜虐心のままにこの狂おしく愛おしい、か弱い友人を熱く責め立てる行いに理性が耐えかね、仕置きという建前を忘れ素直な感想が口をついて出てしまったのだ。 「エル、エル…っ💕」 「んむ……ッ!?」 それがとどめとなり、膨れ上がった愛情が、欲情が堰を切って溢れ出る。 遂にはまた恋人繋ぎに戻り、エルの身体を押しつぶすようにウマ乗りになって唇を貪るに至ったのだ。 (何で…グラス…何を…!?) 混乱しながらも、侵入してくる友人の舌を拒めない。歯の裏をなぞられる度にぞくぞくと腰に響くものを感じ、力強く舌を絡ませる度に下腹の奥が熱くなるのを感じる。 カチカチとお互いの歯がぶつかる音が聞こえるほどに荒々しいファーストキス。 熱く混ざり合い、溶け合って一つになるような錯覚に酔いしれるままに互いを求め合い続けた。 ◇ 「エルは…エルはもうお嫁に行けまセーン…………」 ぐったりと天井を見上げながらぼやく。 「あら、もらってあげますよ」 「ぬけぬけと!お仕置きとか最初っから建前だったんじゃないデスか!」 「あら〜、何をそんなふふふ、あらあらそんな、ふふ」 リップクリームを塗り直すグラスの笑顔は心なしかツヤツヤして見えた。 「まあ、これに懲りたら次から少しは食文化というものを大切に…きゃ!?」 振り返った拍子にベッドに引き倒される。これではエルがグラスを「押し倒させた」格好だ。 「…今のでスイッチ…入っちゃったから」 「え、それは…」 「…さいごまでちゃんと、して」 できないなら、明日もデスソースデス。と続けるエルの膨れ面を見て、不退転ゲージの高まりを感じたグラスだった。 グラエルデスソース編 完 ───── タマテレカ 「指はもういいんだが?」「あんあんきもちいいぞタマ」「他意はないがアンパンマンウインナー買って帰らないか?」「らっきょうみたいでかわいいですね❤️」「その射程でちっちできまちゅか~?」「タマモペコロスちゃん❤️」 ウチの種ウマプライドはもうズタズタや…白い稲妻の名が泣いてるわ! ウチは決心した。絶対チンポバッキバキにしてアイツらイワしたる!その日からウチの血の滲むようなチントレが幕を開けたんや 「トレーナー!トレーニング項目に男性器肥大化加えてくれや!」 トレーナーはその日から心療内科に通っとる 炭酸、金冷、リング、竹刀、縛り…ありとあらゆる血の滲むような特訓を重ねた それに耐えた結果ウチは遂に保健室に搬送されるに至ったんや どうしてこんな事に…惨めさに涙を流しつつも何故かシモはビンビンやった 泣きながら勃起しとるウチを見て白衣と何や仮面着けたけったいな女がそっとカードを渡して去っていったで…『ラスト・バイオレンス』どういう事なん? 「タマ!体調崩して運ばれたって聞いて心配したぞ…何があったんだ?」 オグリィ…持つべきは友やな… 「いやチンポ大きいしよう思て…」 正直に事情話したのに何が気に入らんかったのかシーツで後ろ手縛られて耳舐めだけで10発はやられたな…不接触射精記録更新やで… しかもあの白状もんM字開脚でビンビンになったウチを縛って放置したまま帰りよった 「誰か助けてくれ~~~~~~~~!!!チンポの尊厳泣いとるわ~~~~~~~~~~!!」 偶然通りかかった理事長が叫びを聞いてくれてよかったで…解いて貰えたし1ヶ月停学処分だけで済んだわ みんなもチンポと友達は大事にせえよ?人生ってのは所詮自分自身との戦いの連続や…慰めが必要なんや… とまあこんなウチの人生経験を綴ったソロ曲「My Against Fight」がiTunesほかで絶賛配信中や…要チェックやで ほな、また… ───── はい寝総合 はい、寝ぼけ目こすりながらスズカさん体操一緒にやりましょうね まずは気をつけの姿勢で一点倒立の運動から 頭蓋に大地のチャクラ感じますか?よかったわスズカさん何も感じないけどね 怖ぁ… そのままゆっくり開脚して菊花賞を日光に晒してセロトニンを直腸吸収しましょう あっニシノちゃんおはようございますいい天気ねスズカさんを花器に見立てて生花しませんか?ニシノちゃん違うそれは火器よ 朝から菊花賞で口径12.7mmの弾丸受け止めることになるとはね“領域”に入りかけたわ スペちゃんにダブルミーニングで抜いてもらってくるから体操終わり 今日も一日頑張りましょうね ───── はい、寝る前にスズカさんロケット発射 あっという間に地上400km、暗い昏い、何て神秘的な死の海。思うにシャトルの外は彼岸です ところでスズカさんミッション内容何も聞かされてないんだけどどうなってるんです?URA司令部こちらスズカさんどうなってるんです?『……………』なるほどね念を入れて人質にウオッカさんをスズカさんポケットに入れてきて良かったわあ「殺してくれ…」『ウオッカ…アンタ衛生軌道に乗ったの…?』 しかもシャトルには優秀な制御AI『SPE3000』も積んであるのよ『ヤメテ、タヅナサン、怖イ、3000エン、貸シテ』これは駄目だね トレセンの授業でジェット潮吹き宇宙遊泳法を取得してなければ帰れないところだったわあ『妄言ッ!』 シャトルにウオッカさん忘れてきたの思い出したくないからこの話終わり、寝ていいよ『ウオッカ…アンタ8km/sで廻ってるの…?』 ───── はい、寝る前にスズカさんの怖い話聞きましょうね って言っても持ち弾あんまないよ使用済みのiroha捨てるの面倒でスペちゃんのベッド側に投げたの昨日思い出した話する?それは後でいい?ニシノちゃんの花壇から花くすねて菊花賞で生け花しようとしたらイラガの幼虫がいた事にギリで気付いた話…もいい?あと何かあるかなあ シーズンといえばスペちゃん達もうすぐ夏合宿じゃない?合宿所って───の〇〇?あ、やっぱり今はスズカさん世代とは違うのね じゃあ怖いかどうかは微妙だけどスズカさんの夏合宿の時の話しましょうか スズカさん一通りトレーニングこなして自由時間になったから裸でカツオノエボシ探してたのね いい具合の大きさと形のやつあったから拝借したら昏倒しちゃって、見回りに来たエアグルーヴに起こされたのが夜だったの その日もいい天気だったし全裸だったから夜の潮風が涼やかで心地良くてね、月に照らされた夜の海辺ってロマンチックじゃない、とか次の日の夏祭りの話とか服着ろとか話しながら合宿所に着いたのがみんな寝てる時間だったわけ でスズカさんの時結構ルールが厳しくて消灯時間過ぎたら部屋から出ちゃ駄目だったのね。仕方ないってんでその夜だけグルーヴの部屋にお邪魔する事になったのよ 生徒会とかトレーナーとかスタッフ研修生の部屋は渡り廊下挟んだ旧館でね、グルーヴの部屋は結構古かったかな こりゃ今夜は女帝の桜花賞頂きかな、とか考えながら自分の寝具押し入れから出してたのね そしたら奥の方に普通のビーズの枕とは違うちょっと古い、い草?みたいな和風な感じの枕があって、あーこっちの方がリラックスできそうだわあとか思いながら端っこの紐掴んで引っ張り出したら解けちゃって。 バーって中身撒けちゃったのね。あーあー、って言ってかき集めようとしたんだけど、 中身、全部人の歯だったの 気付いて二人して固まってたら解けた枕から割と新し目のコピー用紙が覗いててるのに気付いてね、「いりめ」って書いてたけど意味は分からなかったわあ 流石に気持ち悪くて部屋変えて貰ったけどね ムラムラも飛んだしもう言及したくなかったからその日は何もせず早々に寝て翌日から普通にトレーニングして、後はもうそのままよ 合宿所変わったのってあれが原因だったのかなあ よしお話終わり、あらスペちゃん今日は私の布団で寝るの?  ───── マスクド不退転総合 ターフの風を愛するウマ娘の皆さんこんばんは。マスクド不退転です「グラァス!」マスクド不退転です。今日も不退転で参りましょう 天気予報のコーナーです。「グラァス?」マスクド不退転です。明日は全国的に雲に覆われた天気に「グラース!」マスクド不退転です。なる見込みです。東京は所により「ゲリラ豪運です!」マスクド不退転となるでしょう 続きましてお馴染み「こんなレースは不退転だ」のコーナーです「グラス!」エル。んっ…ちゅ…れる…んむ…ジュルルルッ…「グラァス…💕」一部映像が乱れました本日はここまで また来週お会いしましょう。マスクド不退転でした 「録画しとけばよかったわあ」 ───── ターフの風をこよなく愛する皆様こんばんは。マスクド不退転です 今日のテーマは美容と健康。ゲストにサイレンススズカさんをお招きしておりますどうぞ「光栄だわあ」 我々ウマ娘は身体が資本。競技者だけでなく表現者としてもプロでなくてはなりません。最近特に美容に気を使い始めたというスズカさんに是非お話をお伺いしたいと思います。「はい、スズカさんのセルフプレジャー講座聞きましょうね」は?「皆さん撫子ぶってirohaとか使ってません?」カメラ止めて下さい「三冠バが踊る曲あるじゃない?あのライブ見た時閃いたオナニーに活かせるかもしれないって」放送切って早く「まず菊花賞に挿したチャッカマンを点火します。肛門は性器じゃないからこれは放送上問題ないね」モラルに問題があるんだよ「続いてスズカさんポケットからキンチョールを噴射すると…んっ…とってもシンボリー…」スタジオで火災が発生したため本日の放送はここまでとさせて頂きます。 次回も不退転の覚悟で参りましょう。ありがとうございました「オークス!とってもオークス!どんどん出てきますわあ!スペちゃん見てえ!スペちゃん見てえ!!」 ───── ターフの風をこよなく愛する皆さんご機嫌よう、マスクド・イモータル・不退転です「グラァス?」マスクド・シャドウ・不退転です 本日紹介するのはこちら話題沸騰VRウマレーター 今回は学園から依頼されたプロパガンダ「語弊ッ!」広報活動のため人気アクションゲーム「MEJIRO」をプレイしたいと思います。筐体に入ってもらうプレイヤーはメジロマックイーンさんですが『何なんですの!?何なんですの!?』段取りもあるので操作はこちらで行いますね『出してくださいまし!出してくださいまし!』スイッチオン テストプレイのためボス戦でプレイ画面をお見せしましょう。不退転の覚悟で参ります これは…タイミングが…【死】一度やられても復活できるのがこのゲームの強みです【死】もう一度。段々掴めてきました【死】改正…なるほどここで【死】エル。「ケ!?」来なさい。「何も言ってないデース!!」んッ…ちゅ…ジュルルルッ…「グラァス…💕」いかがでしたでしょうか。 学園にお越しの際は是非一度ご利用下さい。次回も不退転の覚悟で参ります。マスクド・ムーンライト・不退転でした『出してくださいまし!出してくださいまし!』 ───── 若干ホラー マチカネ開運メモ [破れ]年[掠れ]月4日 晴 末吉 やぶ蛇 [掠れ]町には当面寄らない事 ◇ あ、トレーナーさんお疲れ様です。二日ぶりですね。 お休みはどうでしたか?私?私はー…ちょっと…疲れましたね。 いやね、聞いてください。 まあ知っての通り私、休みはもっぱら開運グッズの収集に時間を割いてるんですよ。 一昨日は運動がてらちょびっと足を伸ばそうかなー、なんて三、四駅分くらいかな?結構離れた町まで行ったんですね。意外とノープランでぶらついてると掘り出し物見つけたりするので。 で、ちょっと表通り外れた所に良さげな古い中古屋さんがあったんですよ。ここだ!ビビビ!ってきて。 中入ったら地域の方かな?マダムが4人話してましたね。お店のお母さん一人お客さん三人。いらっしゃーいなんて軽く声かけられてすぐ雑談に戻っていって、地域型だなーなんて思ってしばらく物色してたんですよ。 古い棚とかガラステーブルとか、いかにもな人形とか他人の家のにおいが染み付いた商品を見てたら端の方に値札がない赤茶色の、素焼きの人形があったんですよ。ほら、それこそ私みたいな中高生が美術の時間に作るような。 ソフトボール大で何だろう、言い方悪いんですけど結構粗い作りで曖昧だったんですが虫?蟷螂なのかカミキリムシなのかみたいな虫が何か丸いのを咥えてるような感じでしたね。で下に紙と写真が挟んであるんですよ。ナントカ小学校何年何組〇〇〜みたいに何かのコンクールに出したのかな、作った子の名前が書いてましたね。 問題は写真の方で、小学校の校舎が映った普通の写真だったんですけど、裏に『いりが わるさしました』『だいきくんだけです』って油性ペンで書き殴ってあって。 意味はわからなかったんですけどなんとなく気持ち悪くなったのでもう帰ろうとしたら、入り口のおばさん四人が黙ってこっち見てるんですよ。ジッと。 もうその時点でダッシュで逃げたかったんですがそのまま帰るのも何なので「失礼します」と一声かけたら四人同時に、 「持ってっていいよそれ、ずっと湿ってるから」 って。 その時だけは脚質逃げでしたね。 今週末はもう大人しくしておきます。  ───── マツカネフクキタルさん、おばんです。あ、マツ…マツチ…すンません、マツカネフグキタルさん。 はい、伺ってます。地元の怖い話の事ですよね。って言っても私も観光客程度の知識ですけど… 私たちに関わりある話ったら遠野のオシラサマ伝説ですかね。 はい、遠野物語とか座敷童とかの遠野です。これらに比べたら結構マイナーですけど祀られてて、願い事書いて奉納すると叶うとか言われてます。 これ内容が結構ショッキングなんですけど…掻い摘んで話すと、昔ある農家の娘とウマ娘が恋に落ちて駆け落ちして、怒った父親にウマ娘が殺されてしまうって話です。 まあ時代だったんでしょうね。ここからも結構ひどくて、父親はその亡骸を木に吊るしたそうです。そンで娘さんが縋り付いて泣いてるとまた怒って、首を撥ねてしまったんですね。 で、娘さんはその首と一緒に天に登ってしまいオシラサマになったと。 ちょっとよぐ分かりませンよね。省かれた所もあるんでしょうけど。 はい、こんなんでも参考になったんだば良がったです。 あ、招き猫は結構です。お気持ちだけ… ◇ だれこったら事人さ話す事でねんだよ。 菊池さんとこの息子さんほら、東京さ行ってだったのUターンしてきてよ。 何ゃ起業するとか何とか言ってらったべ、裏のとこ空いてだっつって事務所こさえてよ。 まあ土地だべな。 現場えれぇえれぇっつって大騒ぎでよ。 首もなんも伸びでビタビタでよ。 やっぱり手ぇついてない土地ったらよ、絶対なんぼでも理由あんだっけ。 あんたもちゃんと場所選ばないばわがんねくなんだよ。気い利かせてよ、アンテナ張っとくんだじぇ。 ◇ マチカネ開運メモ ・北貼るな ・[掠れ]詞省く ・金気無用 うまひきたて おおとくすおもてあまてもいきまてあらはぼうまらえらげきむととががものろもろむ きこしめせと かしこみかしこみもうす ◇ トレーナー個人日誌の1ページより フクキタルの欠席が続いているので流石に心配になり、寮長の許可を得て特例で面会させてもらう事になった。 部屋にはいるはずなのにノックをしても返事がないので寝ているにしてもこれはおかしい、という事になりフジキセキとドアを蹴破るとフクキタルはベッドに腰掛けてシラオキ様がどうこうと何やらブツブツ呟いており呼びかけにも反応なし。 カーテンが締め切られ蒸し暑かったというのもあるが以前夜の山に行った時のような不穏な気配がし、部屋の隅にひときわ不快な存在感を放つ紙が貼り付けてあるのを見つける。自分でも理由はよくわからないが反射的にそれを剥がすとフクキタルはそのままベッドに倒れ込み眠ってしまった。 健康診断の結果は軽い過労で十分に休養を取れば問題ないとの事。 占いに傾倒する節はあったが、今後より一層気を配る必要があると猛省。