商店街では月に1度懇親会が開かれる。食材や金を持ち寄ってただ飲み明かすだけではあるがこれが毎度よく盛り上がった。 そうなれば当然商店街のアイドル的存在のネイチャも呼ばれ、タダでいろいろ食べられるので酌をしに参加するのが常だった。 酒の入ったオヤジは面倒なものでやれ良いことがあったと肩を組んで大笑いし始めたかと思えば、昔の恥や失敗を掘り起こしてさめざめ泣きとおしたりする。それをいつもの三倍くらい適当な相槌で流しながらグラスに追加の酒を注ぐのがネイチャの仕事だ。たまに絡まれるが周りには女性の目もあるしネイチャ自身そのあしらい方も慣れていた。 その日も同じように肉屋と魚屋が肩を組み、火照り上がった顔からすっぱい息を吐きながら商店街のアイドルに絡んでいた。 「ネイちゃんも~いい年なんだから好い人の一人もいないもんかぁ、なぁ!」 「はいはい、間に合ってますよ」 今日は年頃の色恋が気になるようだ。しかし慣れたもので顔色一つ変えずジョッキにビールの残りを注ぎ切った。 「あ”~ほらアレだ、分かんないことがあったら何でもおじさんに聞きなさい!おじさんはね、経験豊富だからね~」 と肉屋の方が自分の腿を叩きながら語っていた。 「っ!えあぁ……」 「馬ッ鹿言え!娘に逃げるように嫁がれたじゃねぇか!ハハハハ!!」 「あんだとコノヤロー!」 と、取っ組み合いが始まってしまった。無理に止めてもしょうがないので周りは割れ物だけ下げて傍観を決め込むのが暗黙の了解である。 なのでネイチャもそれを手伝い、ついでに酒瓶を片付けに外へ出た。広間はすっかり乱痴気騒ぎで、それが嫌な面子は別室に飲みなおしに行った。 だからその場の誰も、彼女の目が思い詰めたように肉屋を見ていたのには気づかなかったのだ。 その翌日のこと。 「痛ってて…チクショウ飲み過ぎた……」 店じまいのシャッターを下ろしながら、肉屋のオヤジは二日酔いに頭を抱えているところだった。 「あのー……?」 「今日は店仕舞…いや、ネイちゃんか」 そこにやってきたのは珍しく手ぶらのネイチャだった。 ////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 「ほい」 「ん、ありがと」 無地のマグカップに麦茶を注いで渡すと、彼女はおずおずと受け取る。 十中八九悩みの相談だろうが、果たして自分にできることなどあっただろうかと、内心で頭をひねる。 それでも彼女が頼ってくれるのは飛び上がりたいくらい嬉しいのだ。今はじっと彼女が口を開くのを待つ。 「おっちゃんってさ、その……"経験豊富"なんでしょ……?」 冷えたマグを手で弄びながら彼女が話す。耳がせわしなく動き、声もどこか上ずっている。 どうやら昨日の宴会の席での戯言を真に受けてしまったらしい。 「えっ、あっおう、まぁな」 見栄を張ったが自慢できる女性経歴など風俗絡みのものしかない。それも彼女相手には微妙だろうが。 「じ、じゃあさ……!」 話によれば最近自分の周りでは既に経験のある子が多いらしい。ていおーちゃんだのまやのちゃんだのの話を聞いていると最近の子は進んでいると感心する。 「それで、あの……初めてで、トレっ、彼氏に変なところ見せたくなくて……」 もじもじと俯きながら示される提案は、彼の人生で最も甘美に聞こえるものだった。 「なるほどな、ふむ…」 彼女は小さいころからおっちゃんおっちゃんと慕ってくれた子供同然の存在だ。そんな彼女が恥を忍んでまで頼ってくれた信頼を無下にはしたくない。 一方で、彼女はまだ未成年である。いくら彼女が内心で苦しんでいても、暴走したら嗜めるのが大人の役目である。 そこを行くとこの申し出は、彼女自身分かっているかは分からないが、自分に犯罪に加担しろと言っているようなものである。裸を見るだけで豚箱に片脚、触れるとなると社会的地位は地に落ちることを覚悟せねばならない。何より彼女はトレセン学園のウマ娘で、言ってしまえばアイドルと遜色ない知名度がある。そんな彼女にどこぞの親父と関係を持ったと知れた日には売女の誹りは免れまい。 などと、理性がいくら口上を並べ立てても、ちゃぶ台の下では分身がいまかいまかと鎌首をもたげ、目の前の彼女を喰らうことを期待しているのだ。 「じゃあ分かった、休みの日に着替えを持ってウチに来なさい」 「……ほんと?」 「ああ、ただしバレるとまずい。そうだな、料理も教えてやるからそのつもりで来なさい」 「うん…ありがとね、おっちゃん」 はにかんだ顔で、彼女が感謝を述べる。その年相応な表情は、そのトレーナーに向けるべきものとも知らずに。 「おっちゃん、お風呂いただきました」 「おう、悪いな狭くって」 湯けむりを立ち昇らせながら浴室から彼女が出てきた。今日は泊まりだと周りに周知させてきたらしいが、宿泊先が男一人所帯だと知らせたのだろうか? 甘い防犯意識に感謝しつつ、自分の為に綺麗にしてきた彼女を視姦する。濡れた髪はまとめてあり、のぞかせた首筋と合わせて妙な色香を漂わせる。 時期的に薄めのパジャマを着ているためか、ボディラインも割合よく分かる。胸はそこそこだが尻はなかなか…… 「おっちゃ~ん、目つきがエロいんですけど」 「はは、悪い悪い」 良心はとうに飲み込んで、今はどのように彼女を落とすかに思考を回している。 「コロッケの出来はまだまだだな」 「あはは……揚げ物ってする機会少ないからさ」 「まあこれから練習していけばいいさ」 にじり寄って、その良く実ったふとももに手を這わせる。 「こっちもな」 「あっ…」 反射的に体が退くが、抵抗のそぶりはない。どうやら土壇場で逃げられることはなさそうだ。 「じゃあまずは…… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ボディタッチからだな」 そういって、徐々に触れる範囲を広げていく。パジャマの手触りの裏からは肉付きが良く、しかししっかりした硬さが感じられる。腕の中では彼女が体を震わせて、未知の感覚に抗おうとしているようだった。 「大丈夫だ、身を任せてリラックスするんだ」 まずは男性に対する抵抗感を弱めなければならない。ここまで来て焦って逃げられてはたまらないのだ。太ももからおなかへ、ゆっくりと撫でる手を上らせる。痛みを与えない程度に、しかししっかりと彼女の体をまさぐる。 小さいころから見守っていた彼女の体は、未熟ながらに女になろうとしていて、それがたまらなく興奮した。 しばらく触っていると腕の中のこわばりも緩み、むしろ体重を預けるほどに慣れたようだ。 「どうだ、怖くなくなったろ」 「うん…おっちゃんすごいね」 別に大したことはしていないが、指摘せずそのまま尊敬してもらえるなら都合がいい。 そうしたら徐々に手付きを患部へと寄せていく。意図を察したのか鼻の下で耳がぴくぴくと動く。 手の甲で控えめな膨らみを押し上げ、指を鼠径部へと割り込ませる。こすったり、ゆすったり、けれど直接は決して触れない。 腕の中で抵抗しまいと悶える体を柔らかく蹂躙していく。4畳半間に蛍光灯のノイズと息遣いだけがあった。 そうしていると、彼女のそぶりが変わった。ただ未知の感覚に震えるのではなく、まるで何かから逃げるように体をよじり始めたのだ。 (頃合いか……) 彼女の表情は目がうつろで、実に甘ったるい表情に仕上がっていた。 まさぐる手を少し上げ、パジャマの隙間からそろりと手を忍びこませると、みずみずしい肌が手に吸いつく感覚がある。 そのまま手を進めると粗野な手触りが、その上から直接膨らみに手をかける。 彼女は何も言わずに頭を胸板へ擦り付けてねだる。目も口も結び、ただ快楽を味わう。 ゴムを指で持ち上げると、色の付いた陰から彼女らしいシンプルなショーツがのぞかせる。 そのまま布越しに丘をなでると、さすがに驚いたのか目を開いて困惑をあらわにする。しかしここで緩める訳にはいかない。 腕をしっかり回して拘束し、そのうえでしっかりと揉み解す。既に快楽を享受する体制が出来つつある彼女の抵抗が弱まるのはすぐだ。 湿り気を感じたので、もう一段手を滑らせクレバスをなぞる。体温を帯びた粘液が指に纏わりつくのを見せてやると、恥ずかしそうに眼をそむけた。 「じゃあ、そろそろ……」 いただくか、とは口に出さず、彼女を抱え布団に寝かせる。シミの出来たパジャマに手をかけるとまだ羞恥が残るのか、手を押さえられる。 しかし構わず、ズボン、そしてショーツまでを一気にずり降ろす。隠そうとする手をどけるとうっすら毛の生えた恥丘が赤子のように無垢な姿を晒していた。 たまらずこちらもズボンを下げ、先ほどから首を長くする一物を晒しだす。この状態のは初めて見るのか、空気に触れた瞬間小さな悲鳴が上がった。 「いいか、ネイちゃん。初めてはな、結構痛むんだ」 だから、と閉じた足の膝を抱え、その丸い白桃を灯りに曝す。ちょっと!?と混乱する彼女を置いて、節くれだった指を一本割れ目に差し込んだ。 「ひぅっ……」 ねばついてこそいるが自分のを加えこむにはまだ抵抗が大きいと判断する。 「もう少し濡らしておくか」 というなり、未熟な果実にむしゃぶりつき、舌で愛液の分泌を促す。塩味とえぐみの混じった肉厚な膣壁を味わいながら、一心不乱に舌を這わす。 下の方からは、やだやだと身をよじって逃れようとする少女の悲鳴が聞こえていたが、舌に絡む粘液が増すとともにその声にも艶が入っていた。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// すっかり脱力した足を下げ、開くと真っ赤になった顔を腕で抑えた涙目の彼女が横たわっている。 口をぬぐい、足を抱えて股の間に体を割り込ませた。 「あっ…」 惚けた頭でも理解したのだろう。自分が何をされようとしているのか。 焦れた大蛇は涎を垂らしてまだかまだかとせっつかせる。 しかしその前に詰めの一手、この行為をより高めるためのスパイスを加える。 「ネイちゃん、処女ってのは面倒がるやつもいるからな」 だから、ここで捨ててしまえと、暗に言わんとして張り詰めた亀頭をあてがう。ちなみにこれは出まかせだ。 あと数ミリ、それを進める口実が無くては卑劣な強姦になってしまう。だから早く、早く─────── ……こくり、と小さく彼女の首が動いた。 それを合図に腕に力を籠め、みちり、と 剛直が、彼女の純潔に沈んでいく。