二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1620054926913.jpg-(28609 B)
28609 B21/05/04(火)00:15:26No.799078528そうだねx3 01:18頃消えます
初めて見た瞬間、あの人だと分かった。
小さい頃の私の夢を応援してくれた、優しい笑顔のあの人。
気持ちが溢れそうになり、声をかけようとした瞬間、目に飛び込んで来たのは彼の隣のウマ娘だった。
不機嫌そうな態度、でも彼を見る目はどこか優しくて二人の間に確かな信頼関係を感じ取れた。彼女が彼の“一番”なのだと本能で理解してしまった。
彼と“お話し”をすれば――そんな考えが少し頭を過ったが二人の様子を見ていると、そんな気は消え失せてしまった。
彼女もきっと私と同じ。彼に出会って夢を実現しようとしている。彼の隣にいるのが私でないのは残念だけれど、そんな二人の仲を邪魔するようなことは出来ない。だから私は胸の中に浮かんだ黒くてカワイくないものを飲み込んでその場を後にした。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/04(火)00:15:56No.799078714そうだねx2
そんな私に魔が差したのは感謝祭、ミストレセンコンテスト直前。
彼が担当ウマ娘と一緒にいる場面に出くわしてしまった。どうやら彼女もミストレに参加するらしい。いけないとは思いつつ彼に私を応援するように“お話し”をしてしまった。
可愛く見えるよう精一杯、可愛く聴こえるよう一生懸命、彼に媚びを売るように。
そんな私を彼女は冷ややかな目で見つめていた気がしたが、私はそれを無視する。
遠くで雷が鳴っている――春の嵐はそこまで近づいていた。

結果、“一番”になったのは彼の担当ウマ娘だった。
221/05/04(火)00:16:14No.799078815そうだねx2
ショックを受けた私は学園を飛び出す。しばらくして行き着いた先は公園。ベンチに腰かけると雨粒がポツリと音をたてた。やがて雨脚は強まり、ザアザアと私を打ち付ける。雨宿りする気にもなれない、このままでいればこの気持ちを洗い流してくれる気がしたから。
自信はあった。でもショックだったのは勝てなかったことだけじゃない。
それは直前の彼に対する私の態度。彼の目にはきっと可愛く映っただろう――でもそれは私の理想とする“カワイイ”とは違う。私自身で私のカワイイを歪めてしまった、それが何よりもショックだった。

嫉妬、失望、悔恨、色んなものが心に浮かぶ。
カワイくない、カワイくない、カワイくない、カワイくない、カワイくない――
どれも早く流れて消えてしまえと思いながら、私は深くゆっくりと目を閉じた。
321/05/04(火)00:16:42No.799078969そうだねx2
意識が底へ底へ沈み、途切れそうになった瞬間、雨が止んだ。
違う、これは傘だ。誰かが私に傘を差している。もしかして…!――淡い期待を抱き顔を上げるとそこに見えた景色に思わず唖然としてしまった。

「あら〜!どうしたのこんなところで!」

大男だった。
サラサラのロングヘアーをなびかせた大男が私に傘を差していた。
421/05/04(火)00:17:08No.799079121そうだねx3
「あなたカレンチャンね?こんなにずぶ濡れでせっかくのカワイイお顔が台無しじゃない!」そう言われ目を丸くしていると遠くから可愛らしい声が聞こえてくる。
「おネエさま〜待って〜」
その声を聞いた瞬間思いだした、彼女?は――
「えっとたしか…ライスシャワーちゃんのトレーナーさん…?」
「あら正解!ライスちゃんもすっかり有名人になったわねえ〜」有名なのはむしろ…と思っていると、彼女?は話を続ける。
「何やら訳有りかしらん?お話し聞いてあげたいけれど…場所が悪いわね〜」そう言うと彼女?はスマホを取り出しどこかへ電話をかけ始めた。
「しもしもマルゼンちゃん?そっちへ向かう途中で迷い猫拾っちゃったのよ〜今から連れて行ってもいいかしらん?ええ…とびっきり可愛い子猫ちゃんでね…ええ…そう…じゃあお風呂の用意よろしくねん〜」そう言って電話を切った彼女?は私の方へ振り返る。
「ちょうど良かったわ〜今から作戦会議だったのよん」
521/05/04(火)00:17:50No.799079346そうだねx1
いつの間にか隣にいた黒い小柄なウマ娘の頭を撫でながら彼女?は続ける。
「ワタシねチームを作ろうと思ってるの、今はまだライスちゃんとマルゼンちゃんだけしかいないけれどね」
黒い小柄なウマ娘も嬉しそうな顔で話をする。
「あのね、今日はおネエさまとライスでマルゼンさんのお家で女子会…じゃなかったチーム結成の為の作戦会議をするの」
「ふふっ今日はもう門限も過ぎてるしアナタもいらっしゃい、栗東寮の子よね?フジちゃんにはワタシが連絡しておいてあげるわ」もしもの時は一緒に怒られましょ!そう笑いながら彼女?は私に手を差し伸べた。
野太いけれど優しい声、腕みたいな太い指、私の知ってるカワイイとは違う――。
でも嫌な気分はしなくて、何かが変わりそうな気がして、私はその手を取った。

『閃光乙女と筋肉漢女』完
621/05/04(火)00:19:55No.799080071そうだねx10
切ない話かと思ったらなんか出て来た
721/05/04(火)00:20:15No.799080174そうだねx9
曇ったカレンチャンが見たいけど最終的には幸せになって欲しかったのでおネエさまをぶつけました
マルゼンさんがチームに在籍してるのは以前「二人でハートの眼鏡かけてタッちゃんに乗ってそう」っていうレスがあったからです
821/05/04(火)00:29:43No.799083344+
最強のトレーナー来たな
921/05/04(火)00:34:42No.799085123+
解決法がパワフルすぎる
1021/05/04(火)00:37:30No.799086071そうだねx1
これは勝ったわ
1121/05/04(火)00:49:18No.799090162そうだねx1
こういう展開も好き!
1221/05/04(火)00:53:09No.799091401+
オカマのトレーナーにマルゼンスキーとかライスみたいなタイプがいるチームなんてもう最強じゃん…
1321/05/04(火)00:57:27No.799092703+
力技っていうか力も技も備えたっていうか…
1421/05/04(火)00:57:58No.799092881+
トラックに体当たりしても勝てそうなトレーナーだな
1521/05/04(火)00:58:16No.799092972+
おネエさま頼もしすぎる…
1621/05/04(火)01:07:20No.799095490+
マルゼンさんとライスの仲は元々良いし
カレンチャンの本来真面目な性質は2人とも絶対受け入れてくれるし
これで短距離中距離長距離筋肉といけるしで
勝ったな
1721/05/04(火)01:08:28No.799095785+
つよ〜…
1821/05/04(火)01:08:51No.799095873そうだねx4
ライスカレンってマルゼンの孫と曾孫なので原作にもやさしい
1921/05/04(火)01:09:04No.799095931+
>マルゼンさんとライスの仲は元々良いし
>カレンチャンの本来真面目な性質は2人とも絶対受け入れてくれるし
>これで短距離中距離長距離筋肉といけるしで
>勝ったな
しれっとチャンネーがマイル中距離ダートみっつ受け持ってんのコワーイ!
2021/05/04(火)01:10:18No.799096295そうだねx2
おネエさま久々に見た気がする
2121/05/04(火)01:10:40No.799096417そうだねx1
>しれっとチャンネーがマイル中距離ダートみっつ受け持ってんのコワーイ!
ライスも中距離走れるから!
2221/05/04(火)01:11:27No.799096650+
つまりオネエと皆でフゥワフゥワする領域展開すんのか…
2321/05/04(火)01:12:11No.799096850+
カレンに1000〜1400
激マブは1600〜2200
ライスは2400〜3600
ダートがほしいな…タイキかな…
2421/05/04(火)01:13:16No.799097158+
オネエさま!!オネエさまじゃないか!!
あんたの怪文書を待ってたんだよ!
2521/05/04(火)01:14:32No.799097500+
>オネエさま!!オネエさまじゃないか!!
>あんたの怪文書を待ってたんだよ!
創始者の人ではないのだ!
2621/05/04(火)01:16:19No.799097946+
おネエ様は無敵すぎるでしょ…


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