内容は特に普段と変わらなかった
健康の事
レースの事
ブライアンの事──は最近は聞かれなくなってきたな考えてみると
代わりに──
うん、大丈夫。そっちも健康には気を付けて
そう言って電話を切る
「親御さん？」
「ああ、たまに電話をかけてくるんだが…」
「そう言えば言ってたなブライアンの様子を聞かれるとか」
「前まではそうだったな」
「今は？」
そう返され言葉に詰まる

？
口を噤んだ私に疑問符が浮かぶ彼
少しのためらいの後若干静まった部屋をもう一度再起動させる
「…君の事だ」
「え？」
「私はトレーナーさんとどうなの？みたいな事をだな…」
「…なんて答えてる？」
「…仲良くやってるよとは」
「まあ…それしかないよなぁ…」
幾ら実家に挨拶に行ったとは言えな…
とぼやく彼を微笑みながら見つつ言われた事を反芻する

『ハヤは…その…トレーナーさんとどこまで行ったの？…ほらこの前挨拶してもらったじゃない？気になっちゃってしょうがないのよ…？トレーナーさんの方も満更ではなさそうだし…』
「何が言いたいのだ母さん…？なんとなくわかるが…」
『ならはっきり言いましょう』
『母さんは孫の顔が見たいです』
「お元気で」
『あっ…ちょっと待って…！それはそれとして健康には気を付けて──』

顔が熱くなる
なぜこんな事になったのか…母が満更ではないと言うくらいだし傍目にはそう見えているのかもしれないのだろうが…まだ学生とトレーナーだ
色々から回った末に…シたとは言え…
お付き合いしているとは言え…
「…大丈夫か？顔が赤いけど…」
「…大丈夫だ」
心配されて少しクールダウンする
思考を戻そう…そう、トレーニングの振り返りをしていたんだ
ペンを取りノートに書こうとした時、母の言葉が何故だか頭を過る

それはペンに意識を向けていたせいかストッパーを素通りし口へ直接滑り込む
「孫の顔が見たい…か」
遅れて気付いた私が顔を真っ赤にしてテーブルに頭を打ち付けると同時に
「…その、頑張るよ」
トレーナーも赤い顔を掻きながらそう答えていたのだった

後日、他の者がいないトレーナー室での話なのに校内新聞の一面にデカデカと載る事になったのは別の話
…何故だ？

一昨日の続き？みたいな感じです
母親に関しては完全に想像ですこんな感じだったら嬉しいなくらいの

>シたとは言え…
え？姉貴？

甘酸っぱいなーと思ったら最後に妹おまえ

これには三冠バもご満悦の表情

もしもし母さん？

>甘酸っぱいなーと思ったら最後に妹おまえ
いいだろ
三冠ウマ娘だぜ？

7冠馬に叱られろ！

このオメデタがーッ！

>三冠ウマ娘だぜ？
誰かこいつをとっちめてくれよ 7冠馬とかさー

クソボケ案件じゃなかった

>誰かこいつをとっちめてくれよ 7冠馬とかさー
･･･？（胃の当たりを愛おしくさすりながら）

>>誰かこいつをとっちめてくれよ 7冠馬とかさー
>･･･？（胃の当たりを愛おしくさすりながら）
リステリンやるからまずは口をゆすいでこい…

安心してる場合じゃないぞブライアン
兄や姉が身を固めると親の矛先は弟妹に向くもんだぞブライアン

この姉貴は事故みたいなところはあったけどトレーナーと一発やったし…

姉の部屋とトレーナーの部屋に盗聴器つけるの三冠はやめろや！

実装されたらお前の番だぞブライアン