二次元裏@ふたば

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43718 B26/03/16(月)19:41:29No.1411376250そうだねx7 20:52頃消えます
「でさ〜…」

まいちゃん達と教室へ戻る途中、見知った後ろ姿が見えた。
曲がり角へ消えていった、綺麗にウェーブした長い髪。
そして、ひらりと廊下に落ちる一枚の白いハンカチ。

「…ごめん、先行ってて!」

見て見ぬ振りは出来なかった。
私はまいちゃん達と別れて、落ちていたハンカチを手に取る。角を曲がると、すぐに落とし主に追いついた。
歩く度にふわりふわりと揺れる髪、ピンと背筋が伸びた綺麗な後ろ姿。
ちょっとだけ躊躇して、でもすぐに声をかけた。

「待って、祥子ちゃん」
126/03/16(月)19:41:44No.1411376341+
少しだけ驚いた様子で振り向く。声をかけられると思っていなかった感じ。
声をかけたのが私だったことに気付いて、強張ったように見えた。

「愛音さん…?」
「はいこれ、落としたよ」

私は困ったように笑って、祥子ちゃんにハンカチを手渡した。
祥子ちゃんは少し目を伏せて、私から受け取る。
さっと折りたたんで、ポケットへ。そうして小さく頭を下げた。

「確かに私のですわ。ご迷惑おかけしました」

その他人行儀すぎる受け答えに、私はまた困ったように笑った。
私に対して遠慮というか、ちょっと気まずい気持ちも分かるけど。
226/03/16(月)19:41:58No.1411376437+
「ありがとうで良いってば、友達なんだし」

あの時、リムジンに乗り込むために言ったのは嘘じゃない。半分くらい勢いもあったけど。
ともりんの友達だから友達、って意味でもない。
祥子ちゃんは少しだけ目を見開いて私を見た。

「そう…ですわね…」

否定とも肯定とも取れそうな、力ない返事。
どんな顔をしたらいいか分からなくて、祥子ちゃんはスンと澄ました顔をしてるように思えた。

「ん〜固いなぁ」
「……」
「あ〜、えっと……」
326/03/16(月)19:42:16No.1411376564+
なんて言葉をかけようか詰まった。
まあ確かに、私だけ一方的に色々知ってるのは否めない。
事件のこととか、CRYCHICのこととか。きっと、絶対に触れてほしくないことを知ってしまっている。
私にバンドは組めましたかと、どうして聞いてきたのか分からなかった。
ともりんからノートを渡された時、どうして突き返したのか分からなかった。
CRYCHICもAve Mujicaも、睦ちゃんだって知らないだなんて、どうして震えた声で酷いことを言ったのか分からなかった。
けど今は、色々知った今は私なりに納得した。
分かるなぁ、ってそう思ったから。
まだなにか?と目で問いかけるように黙ってる祥子ちゃんへ、私は笑いかけた。

「……あのさ、綺麗だな〜って思ってるよ」
「え?」

祥子ちゃんも同じなんだ。
留学するんだって息巻いて、結局すぐに帰国しちゃった私と。
426/03/16(月)19:42:31No.1411376651+
辛いことがあって逃げ出しちゃったから、友達と顔を合わせづらくなって。
ともりんが絆創膏を貼ってくれたけど癒えてくれない。
ともりんにしか話せてないし、話したくないって思うほどまだ全然痛い傷。
それを無かったことにしたくて、でも出来ないこともよく分かってる。
分かってるけど、分かってるからこそ、辛くて苦しい。
だから私は、祥子ちゃんから受け取ったことだけ伝えようと思う。

「祥子ちゃんのピアノ。たまに聞こえてくるから」

放課後。天文部室へ行く時だったり、RiNGへ行く時だったり。毎日じゃなくて、ふとした時に。
くぐもったかすかな音だけど、確かにピアノの音が聞こえてくる。
出会ったときのように、祥子ちゃんが一人で弾いている姿が頭に浮かんでくる。
思わず聴き入っちゃうほど上手なピアノ。
音に合わせて揺れる背中、弾む長い髪。
私は素直にそう思えた。
526/03/16(月)19:42:46No.1411376751+
「そう…」

祥子ちゃんは踵を返して歩き出す。
もう追いかけてこないで、ってことだけは分かった。
まあしょうがないか〜これじゃ話も拡がらないもんなあ〜…
ふう、と息を吐こうとして、祥子ちゃんの足が止まって慌てて飲み込む。
立ち止まった祥子ちゃんは顔だけ動かして、ほんの少し振り向いた。長い髪に隠れて、その顔は見えなかった。

「……届けてくれてありがとう。愛音さん」
「どういたしまして!」

今度こそ祥子ちゃんは立ち止まらなかった。
歩いていく後ろ姿を見届けるのもなんか違うから、私も踵を返す。
626/03/16(月)19:43:01No.1411376851そうだねx1
…それに私だけじゃない、ともりんにもその音は届いてる。
だってたまに音楽室の方を見ているから。
今はまだ会ってもぎこちなくて、三人で仲良く喋ったり遊んだりは出来ないと思う。
でも、中学の友達みんなを断ってしまった私と違って、二人はちゃんと繋がってる。
私にはそのことがどうしようもなくチクリと痛む。
けど…いつか、みんなで遊びに行けたらいいな。

なんだかともりんの顔を見たくなって、私は足早に教室を目指した。
726/03/16(月)19:47:04No.1411378436+
ともあのさき☺️
826/03/16(月)19:47:48No.1411378684+
あのちゃんはさきちゃんとは別ベクトルで人たらし過ぎる
926/03/16(月)19:49:09No.1411379184+
☕これは違うね…
1026/03/16(月)19:53:14No.1411380709+
さきちゃん…
1126/03/16(月)19:58:53No.1411382932そうだねx3
神の手紙をこれからもよろしくと読み解く女
1226/03/16(月)20:02:47No.1411384589+
豊川…
1326/03/16(月)20:22:56No.1411393819+
いいあのさき
1426/03/16(月)20:41:35No.1411402206+
踏み出しづらいこと…少しずつでも…歩み寄って…
あのちゃんは…すごい…!
1526/03/16(月)20:43:35No.1411403117+
毒されてるせいかハンカチわざと落としたのかと思った


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