二次元裏@ふたば

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397536 B26/03/03(火)21:47:25No.1407442723そうだねx5 23:10頃消えます
「立希はいつもどういった音楽を聞いてますの?」
「…なに急に」
「純粋に気になっただけですわよ」

スタジオにて音合わせの合間、私は立希に近寄ってそっと声をかけました。
立希はぐっと口を引き結んだまま、ちらりと私を見ました。
やがて私の視線に耐えかねたように、ああもう、と零しながら顔を逸らします。

「結構激しめのやつ」
「激しめ…ロックですわね?」
「へえ、祥子もそういうの聞くわけ」
「あまり明るくはありませんが…」

立希との顔合わせを思い出します。
キッと前を見据えて、こちらに噛みつきそうな鋭い雰囲気。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
126/03/03(火)21:47:44No.1407442853+
あの時なにを聴いていたのか分からなかったけれど、ロックと言われれば納得します。
人を外見で判断してはいけないよ、とお父様からよく言われて来ましたが…それとは違う直感めいたもの。
似合っていると言えばいいでしょうか。

「もしかして、立希には物足りません?」
「は? あ、いや、別にそうは言ってないでしょ」
「そうなんですの?」
「…ああもう、調子狂う」

立希は私に譜面を見せました。
ここだと言うように、ある箇所を指さします。
コツ、とタブレットに爪が当たった小さな音がしました。

「このあたり、少し盛り上がりに欠ける、気がする…」
「でしたら…ここでドラムがフィルインするのはどうでしょう」
226/03/03(火)21:47:59No.1407442955+
「……多分、良いと思う。イメージできる」
「それを聞いて安心しました」

意外そうな顔で立希は私を見ました。
私は気にしなくていい、と笑いかけます。
皆の意見を汲み取り、より良い曲を作り上げる。
これは作曲者の責務ですから。

「ほんと、なんなの? 私はなにも言ってないのに。前だって…」
「ふふっ…なにも言ってない、と言っていますわよ。お顔に書いてありますわ」
「はぁ?」

強い口調、鋭い雰囲気。
でもそれはただの一面でしか無いことが、段々と分かってきていたから。
自分が思っているよりもずっと表情豊かなのを立希は知っているのでしょうか。
326/03/03(火)21:48:12No.1407443033+
「運命を共にする仲ですもの。だから私、いつか立希以上に立希のことを分かりたいと思っていますわ」
「…なにそれ」

大げさすぎでしょ、と立希は小さく笑いました。
燈が書いた「春日影」は私たちの詩。
合奏とは、バンドとは、気持ちが一つでないときっと成り立たない。
だから立希のことも、そよのことも、睦のことも、燈のことも分かりたい。
誰よりも私が、皆に手を伸ばしていたい。

「私はその考え、素敵だと思うなぁ…」

私と立希のやり取りを見ていたそよが、ぽつりと呟きました。
憧れのなにかを見つめるような、そんな声音。
だから私は心配ありません、と振り返って微笑みました。
426/03/03(火)21:48:26No.1407443109+
「でしょう? そよのこともなんでもお見通しになってみせますわ」
「え〜? それはちょっと嫌かな〜…」
「祥、振られてる」
「どうしてですの?」
『……くふっ』

突然、零れたような笑い声が、そのか細さと真逆にスピーカーから鳴り響きました。
鏡の前で立っていた燈は大層驚いたようで、スピーカーと私たちへ交互に視線を動かしています。
睦がその指先を燈へ、彼女の手の中にあるマイクを指しました。

「…マイク、ONになってる」
「えっ!? あ…!」
「なにやってんの…」

立希の言葉でスタジオはしんと静かになって、やがて私たちはくすくすと笑い合いました。
526/03/03(火)21:48:39No.1407443196+
もうなにがおかしいのか分からなくて、だけどどうしようもなく心地良い。
今もしかしたら私たちの気持ちは一つになっていると、そんな気さえします。
まだお互いのことを心の底から分かり合えたわけじゃないけれど。
だけどそれは難しくないのだと、皆の笑顔を見てそう思えました。

──過ぎ去った、分かれ道の前、春の陽だまりのお話。
626/03/03(火)22:53:27No.1407466738+
綺麗だから余計につれえわ…
726/03/03(火)22:53:50No.1407466888+
あったかもしれない戻らない日々
826/03/03(火)22:55:58No.1407467618+
https://youtu.be/3ye4lnEsJRY?si=iVKeDlVpZ_zcVdTZ
926/03/03(火)22:59:01No.1407468633+
なおこのあと全員突き放して勝手に去る
1026/03/03(火)23:02:05No.1407469819+
長くは続かない…
1126/03/03(火)23:03:37No.1407470363+
この時ですらおかん死んでるし満開の光状態じゃあないんだよな
1226/03/03(火)23:04:25No.1407470721+
つまりもっと早く祥子を焼かなかった倉田が悪い


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