思っていたより遥かにお互いを大事に思ってたりアビドスがワカモにとって大事な場所になってたので反省しつつ書いたワカモとホシノの怪文書です こんなこと思うかなぁ!?いやもっとへラるのでは?を行ったり来たりしつつ書きました 内容:ワカモとホシノがオリジナル水族館に行ってる最中の1幕でホシワカ寄り ホシノはアニメのよう…ではなく内容は似たようなもの2章直後に水族館行ってる特に意味のない独自設定 時期はワカモが「アビドスの皆さんが(アビドスのことは好きだけど無意識にまだ自分をアビドスの人間に入れていない?)」発言の最終章後から「ちょっと無茶だけどアビドスグループの一人として他校のイベントに参加する」わぴドルや大祭の前辺りを想定 「あっそうだワカモちゃんはさ私のこと何の生き物だと思う」 「…話が見えませんがそれはこの水族館の中でということでしょうか?」 ホシノのいきなりの質問に確認を取るワカモ そんな会話が行われているのは水族館の中であった 連邦生徒会の認証のもとミレニアムの海洋生物研究部が海に拠点を持つオデュッセイア海洋高等学校と独自の生物を保有する百鬼夜行の協力を取り付け最近オープンしたそれは百鬼夜行のデザインセンスも取り入れられ二人がいるクラゲエリアは天井にクラゲを模した照明や提灯がぶら下がっている 本来はワカモが先生とデートに来る場所であったが何度目かわからない急用キャンセルでチケットの処分に悩むワカモに運良く出くわしたホシノが頼み込みこうしてここにいる キャンセルと知る前にホシノが🤯しそうになったりスタッフに「小さい子は手を繋いでください」と言われ手をにぎりつぶされそうになったりしたがなんだかんだ楽しんでいる 「ごめんちゃんと説明するね…ワカモちゃんと出会ってちょっと後にねみんなでここじゃない水族館に行ったんだ…その時のことをクラゲを見たら思い出してね」 そうしてホシノは過去の思い出を語り始める 後輩に動物の解説をしたこと、自分を水の動物に例えてもらったこと、シロコがクジラと言ってくれたこと、そして心から楽しめたこと 「そんなことが…それで私の意見も聞きたいと?」 少し考えるワカモだがすぐ思い浮かぶようなものは他のアビドス生にあげられてしまっており個人的に被りは避けたかった 「難しく考えないでいいよぱっと浮かんだのでこの水族館にいなくてもいいからね」 「…コバンザメでしょうか」 「ぅへ…とりあえず理由を聞こうかな?」 握っている手の痛みに耐えながらワカモは答える 「だってあなた先生にべったりじゃありませんか!他の方や私はすぐ屋上送りになさるくせに…それに最近はユメさんにもくっつかれて」 「そっそれはワカモちゃんも一緒だしユメ先輩は私がついてないとダメなんだよ!」 「なるほどそこは認めましょう…ですが先ほどのこれを見ても言い逃れが出来ますか?これで私は30分以上は待たされたのですが」 すっと空いてる手でスマホを突き出すワカモ そこにはアザラシの水槽からつながっている縦型のチューブ水槽にアザラシがやってきて至近距離で見れるのを体どころは顔も寄せ今か今かと待つホシノの写真が表示されている 「うっ…でも水面で鼻ヒクヒクさせたり眠るように沈んで戻っていくのは可愛かったし…うぅ…ワカモちゃんはシャチって言ってあげようと思ってたんだけどな」 「シャチ?私が」 反論しきれずへにょりと脱力するホシノの言葉に耳をピクリと動かすワカモ 水族館での人気者の一つで賢く飼育員などの人間に懐き愛情深い反面野生では凶暴さと強さを発揮する海の王者 飼育員を先生と考えるとそう言われて悪い気はしなかったがワカモはあえて口を開く 「大事なことを忘れてませんか?シャチはクジラを襲って食べるんですよ」 「甘いねぇクジラが逆にシャチを撃退したり深海に引きずり込んだ例もあるんだよね、んー…じゃあワカモちゃんは何だと思う?」 あえて怖めの声を出すワカモに対しそれをゆらっとかわしたホシノはワカモ自身に尋ねる 「そうですね」 そう言われて周囲を見渡すワカモ クラゲエリアを抜け小型や中型の水槽がいくつもならぶ形式の展示コーナーに入っていて様々な生物に目を向ける 可愛い方面では最近人気のチンアナゴや怖い方面ではウツボまでいるが中々ピンとこなかったがようやくひとつの水槽の前に立つ 「これでしょうか」 「クマノミとイソギンチャク…?」 彼女が選んだのは色鮮やかなイソギンチャクとクマノミの水槽だった これらは「相利共生」の関係にあると言われている クマノミはイソギンチャクの毒を無効化しつつそれを利用し身を守る反面クマノミは海流の栄養や呼気を提供しイソギンチャクの成長を助ける それは厳しい海の世界の中は奇妙だがとても美しい協力関係であり彼女達の関係を表現する一つの答えと言えるであろう 自然界に他の例にあれどやはり珍しいものである/完全な/別種/でありながら手を取り合うものは 「まぁどちらがアビドスでどちらが私かはちょっとややこしく…」 根ざす地面を土地という観点で見ればイソギンチャクがアビドスで毒を危険な部分とらえて見れば自分になる そんなことを言おうとするワカモだがホシノの様子に違和感を抱く 一瞬寂しげな表情を見せそれと同時に握った手の力が強まったような 「あっごめん見入っちゃってて二つ上げる発想はなかったなぁいいと思うよ」 感心した様子で笑顔を見せるホシノ だがワカモはわかってしまった それはホルスがごまかす時のものだと 話題を変え再び歩きだすがワカモの抱いた違和感は消えず弱くではあるものの胸を締め付ける何かへと変わっていく 何かを間違えてしまった気がする不安感や見てはいけないものを見たような焦燥感のような何か この状態で万全に楽しめるわけもなくエリアのすぐそばにあった二階のカフェで休憩を取ろうとする そんな時一つの爆発音が二人の耳に響いた 「何事だ!」 「外部からの侵入者です!!それに乗じて一部のお客様も暴動を!」 「警備に来ていただいた方は既に鎮圧に向かっています!私達はお客様と展覧物や動物の保護を!」 「防弾ガラスが薄い場所やない場所を優先に守れ!特にオオサンショウウオのいる川エリアは上部ががら空きだぞ!」 「避難はこちらでーーす!!」 すぐに怒声や悲鳴をかき消すように大声で叫んだり拡声器を使うスタッフの声が2階にいる二人まで届いてくる 「ワカモちゃん!」 「えぇ!」 お互い頷き合って二階のテラス部分から飛び降り避難する客の波を逆走していく 「お客様!?そちらは危険です!」 「ご心配ありがとうございます…ですがこう見えて私達強いので」 「そういうこと協力するよ!」 声を掛けるスタッフを説得し戦場になりつつあるエリアへ向かう二人 「ワカモちゃん悪いんだけどさ!」 「お魚を守りたいのでしょう?いつもとは逆に私が前それに爆発物はなしでやりますわ」 「よろしく!」 胸のもやもやを吹き飛ばすように前線で大暴れしかき乱すワカモと生き物たちを守るように流れ弾を防ぎながら強盗目当ての接近した敵を制圧しつつ時折スタッフの援護をするホシノ そんな二人の活躍やスタッフ達の奮闘もあって特に被害を出すことなく騒動は解決した 「くそっ貴重生物で一攫千金が…」 「イルカさんを開放しろーー!!!」 「ドジョウ…アマダイ…ウナギがぁ…」 それぞれの無念や主張を言いながら連行されていく犯人たち…どこかで見た顔もいた気がするが気のせいだろう 行く予定だったカフェのテラスで一息ついている二人 とりあえずのお礼ということで好きなメニューを少し選びながら今日の感想やお気に入りの話にこの後はどうするかアビドスに向かうのもいいが既に日は傾きつく頃には夜だろう そんな会話をするところに事態の収拾を終えたスタッフの一人がやってくる 「ほんとうにありがとうございます!この度はなんとお礼していいか…そちらの着物のお客様はやはり百鬼夜行の方でしょうか?お召し物に傷や汚れ等なにかあればこの水族館の関係筋から弁償させていただきたいのですが」 感謝と善意からでたスタッフからの質問 そんな変哲もないものに心がわずかにチクリとした痛みワカモはようやく自覚する ああ自分は馴染みすぎてしまった 水族館の生き物が海や川から離されても新しい環境にも適用するようにアビドスの荒々しい砂地と心地よいオアシスを兼ね備えたような環境に 元の住処で扱われることに違和感を覚えてしまうほどに いつからだろうたぶん今まで気づかなかっただけであの夏にはきっと… 納得と共に胸の痛みやモヤモヤも消え静かな諦念が残される それはアビドスに行ったり先生にあったり彼のモモトークを見れば忘れてしまうような一時的なもので悲しみや苦しみとは程遠い小さな感傷 肩書きや立場など自分たちにはさほど重要ではない…でもそんな仲だからこそふと感じてしまった矛盾した捻じれ きっとどんなに身を寄せ合い力をあわせようとどれほど仲が良くなっても結局のところは自分は― それは今は確かにそこにあっても風に吹かれる砂のように何も残さず消えてしまうはずだった 「アビドスだよ」 スッとワカモの隣から一歩前に出てホシノはその手を強く握りながら当然のように言い放つ 「ごめんねこうみえてさ/私達はアビドス/なんだ、ね?」 そんな嘘を付きながら自分に振り返るホシノの顔は夕日に照らされいやそれ以上に眩しく見え感傷はワカモの胸に何かを残し消えていった おまけ  ホシノの日記 今日はワカモちゃんと水族館に行った 何度行ってもいいものだけど新しい水族館はやっぱり新鮮で楽しい コバンザメと言われたのに反論しきれなかったのは悔しかった次こそはギャフンと言わせたい ワカモちゃんの言ったイソギンチャクとクマノミは正直複雑な気持ちだ 間違いだとは思わないしいい例えと言ったのもけして嘘じゃないよ? だけどなんとなく距離を置かれたようなううん水族館のガラスのような物に気付かされちゃったような 勝手にそんな気持ちになって最後にはワカモちゃんも巻き込んでアビドスだと名乗っちゃったけど… これが迷惑になるような関係やあの子じゃないと思うし何かが大きく変わるとも思わない…いや私は変わってほしいと思ってるのかも 今日のことだけじゃなくこのことを先生に話してみようかな… あぁまた日記なのに口調でちゃった…まぁいいか おまけその2 先生がいて3人でいってたらifのイソギンチャクとクマノミシーン "ごめんねワカモ私はちょっと違うと思う" "ワカモもアビドスもイソギンチャクで私がクマノミかな" "二人には何度も助けてもらってるからね" そういいながら先生は二人の頭を撫でる 「貴方様…!」 「うへ~嬉しいけどクマノミさんならイソギンチャクから離れて危ないとこにあまり行かないでほしいな」 みたいな感じに