二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1738033689099.jpg-(1281561 B)
1281561 B25/01/28(火)12:08:09No.1277358068そうだねx10 14:00頃消えます
今更ですがクリスマスのイラスト描きました。
この子fu4570240.jpgです。
枠無しfu4570242.jpg
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/01/28(火)12:09:21No.1277358361+
あらすじみたいなの
fu4570249.jpg
fu4570252.jpg
とお借りした方々
fu4570244.jpg
225/01/28(火)12:13:15No.1277359443+
クリスマス翌日から元旦にかけての怪文書も書きました。
fu4570266.txt

お借りした方々
fu4570269.jpg
言及のみでお借りした方々
fu4570270.jpg
325/01/28(火)12:14:37No.1277359864+
ブッコロリ????
425/01/28(火)12:15:24No.1277360108+
>fu4570266.txt
の怪文書は年末に投げたお嬢&織姫ちゃんの10の質問を踏まえたものになっています。
まとめに入っていないっぽいので再掲。
fu4570267.txt
525/01/28(火)12:17:07No.1277360610+
2024年12月26日。全てはこの『テイマーに10の質問』という企画から始まった。
本来ならば千年桜 織姫が単独で行う筈だった質疑応答に彼女の従叔母である千本桜 冥梨栖が強引に乱入。インタビューは大いに混沌を極める事となった。
そして11問目の問いに差し掛かった時の事…


「これからどうしていきたい?」
「一先ずの目標として、年内に108人のデジモンイレイザーを抹殺する事にしますわ」
インタビュアーの質問に対し自信満々な様子で冥梨栖は答える。
「随分と大きく出ましたね…姉様」
相当な自由人である織姫もこればかりは困惑の色を隠せない。そこへ更に冥梨栖の追い討ちとなる一言が…
「何を他人事の様に言っていますの?無論あなたにも協力していただきますわよ、織姫」
「……は!?」
クリスマスに引き続き、またもや勝手に予定の中に組み込まれた事に対して織姫は怒り心頭なご様子だ。
625/01/28(火)12:17:57No.1277360872+
「姉様……いい加減にして下さい。私にも予定というものがございます。急にその様な事を仰られてもお応えしかねます…。」
「年末年始は愛しの彦星様と過ごすおつもりですのよね?なら彼女にも協力して貰えば万事解決ですわ!」
「万事解決ですわ!ではありません…。今度ばかりは絶対に協力致しませんので…
そもそも私が手を貸さずともイレイザーごとき姉様一人でどうとでもなる筈です…」
「パーティーゲームは皆でやった方が楽しいではないですか!?」
またもや口論に発展してしまう二人。先程はインタビュアーの用意した鯛茶漬けで場を収めたものの、用意していたのは二人前。もはや二人を止める術など無く、こうなってしまっては10の質問どころではない。
725/01/28(火)12:18:07No.1277360921+
そしてついにはインタビュアーまで堪忍袋の尾が切れ、怒鳴り立てた。
「お前らこそいい加減にしろ!!さっきから人の事を年内で108人殺すだの、イレイザーごときだの舐めた事ばかり抜かしやがって!今から俺がお前らをイレイズしてやr…!?」
次の瞬間、織姫の左腕から伸びた真っ赤な刀身がインタビュアー改めデジモンイレイザーの口内を貫いた。血の化粧を纏い更に赤く染まった切っ先がイレイザーの後頭部から痛々しく突き出している。

「これで宜しいのでしょう…?約束は果たしました。あとは姉様が勝手にやって下さい…」
イレイザーから引き抜いた左腕を元の人間の腕に戻した織姫は力無く倒れたイレイザーの亡骸を蹴飛ばし部屋をあとにした。
825/01/28(火)12:18:42No.1277361086+
2024年12月27日早朝。都内の駅ホーム。列の先頭に並んでいる冥梨栖は元日竜軍のモクモンを連れ、列車がやって来るのを待っていた。
やがて列車が到着。開いた扉から乗車した冥梨栖の傍から離れたモクモンは人が乗り降りしているにも関わらずドア横から頑なに離れようとしないグラサンの男の体内へと侵入した。

「モクモン、ワープ進化ぁぁぁぁぁ!!」

男の体の中でモクモンはデスメラモンに進化。
体内で突如巨体のデジモンが顕現した為にグラサン男はたちまち破裂してしまう。
車内にはさっきまでデジモンイレイザーだったものが辺り一面に転がるが、スマホでゲームを楽しむ者、新聞を読む者、音楽を聴く者といった具合に乗客はみな己の世界に没頭しており、イレイザーが爆発四散してしまった事など誰一人として気にも留めない。

これで冥梨栖が倒したイレイザーの数は織姫が刺殺した者も含めて26人。順調なペースではあるものの目標の数にはまだまだ程遠い。
「流石の私も一人でやり切るのは骨が折れますわね。私に骨などありませんが…」
925/01/28(火)12:19:14No.1277361226+
そして冥梨栖はこれまでに出会った知人達のもとを尋ねた。
まず初めに彼女が協力を仰いだのは祭後 終。以前イレイザーベースを攻め落とす際にも共闘したテイマーの一人だ。
「いつぞやのお嬢様ちゃんか…。またイレイザーの本拠地に乗り込むのか?……わかった。俺も協力しよう。」
祭後は快く引き受けてくれた。

次に尋ねたのはムラタ サトミ。終始別行動を取っていたものの、かつて冥梨栖が出した依頼を引き受けた事もあるが故の抜擢だ。
「また…か…。引き受けるのは構わないけど、今回も勝手にやらせて貰うから。」
快諾とはいかなかったが協力はしてくれる様である。

続いて宵月 灯。一言で言うなれば雇い主と従業員の間柄である。イベントにて冥梨栖が開いた出店ではスタッフとして接客から売り込みまでこなし、売り上げに大いに貢献。店の成功は彼の協力無しでは成し得なかっただけに冥梨栖からの信頼も厚い。
「構わないよ。冥梨栖店長の頼みとあらば断れないからね。」
「おい!?」
パートナーのピコデビモンは明らかに難色を示しているものの、灯からは二つ返事でOKの声が貰えた。
1025/01/28(火)12:20:02No.1277361496+
続いては東日 蓮也&オキグルモン夫妻。
夫の蓮也はかつて冥梨栖が出した依頼を受けた事もあるが妻のオキグルモンはあろうことか元ネオデスジェネラル。果たして交渉は上手く行くのか…
「断る。いきなり出て来て何なんだ。私達にデジモンイレイザーと戦えだと!?ふざけるのも大概に…」
やはり交渉は決裂か。そう思ったところに蓮也が割って入った。
「この依頼受けよう、オキグルモン。俺達が今の生活を続けて行く上ではイレイザーとの戦いは避けては通れない道だ。」
「……蓮也がそう言うなら…」
蓮也の正に鶴の一声とも言える言葉でオキグルモンも渋々ながら了承してくれた模様。
1125/01/28(火)12:20:16No.1277361572+
そして橘樹 文華。一度しか会った事が無い上に相手からの印象は恐らく最悪だと思われるが、織姫と同じ闇の闘士であるため冥梨栖的には期待も大きい。
「いーーやーーでーーすーー。なんで私がそんな事しなきゃいけないのよ…」
物凄い勢いで断られた。だが冥梨栖は織姫から聞いて知っていた。友達というワードをチラつかせば文華は簡単に乗って来るという事を…
「知っていますわよ。あなた、友達が欲しいのでしょう?協力していただけるなら、10億出しますわ!それで友達を買えば良いではありませんか!」
「…ふざけないで。友達をお金で買うですって?そんなのは友達とは言わない(10億…か……金の切れ目が縁の切れ目なんて言葉もあるくらいだし、裏を返せばお金で縁が作れるって事よね。それだけの大金があれば本当に友達が出来たりなんて事も……だとしたら案外悪い話ではないんじゃ…でも………)」
色々考えた末に結局文華は協力する事にした様だ。
1225/01/28(火)12:20:40No.1277361700+
名だたる実力者達に協力を仰いだ甲斐あって、12月28日時点で討伐したデジモンイレイザーは65人にまで数を伸ばした。残すところおよそ半分弱。冥梨栖としてもそろそろ飽きてきた頃合いなので何か起爆剤となる様なものが欲しいところだが…
「こうなったら竜馬さんに………ダメですわ。竜馬さんに頼めば彼は必ずや力を貸してくれるでしょう…。ですが年の瀬は竜馬さんにゆっくり過ごして欲しい。私の勝手な都合に巻き込むわけには参りませんわ!」
「私達は巻き込んで良いんかい!?」
冥梨栖の脳内でイマジナリー文華、サトミ、オキグルモン、そしてピコデビモンがツッコミを入れる。
もう虱潰しに一人ずつ地道に殺害していく他無いのだろうか…
そんな中、冥梨栖はある光明を見出した。
「そういえば牛鬼にはその姿を目にした者は死ぬ…そんな伝承がありましたわね。
私にも同様の事が出来れば……」
思い立った冥梨栖はある人物のもとへと急いだ。
1325/01/28(火)12:22:07No.1277362219そうだねx2
はちゃめちゃすぎる…
1425/01/28(火)12:22:27No.1277362324+
2024年12月29日。クティーラモンへと姿を変えギュウキモンに退化した冥梨栖は袋詰めにされた飴玉の包みを広げ、それを次々と口の中へ放り込んだ。
昨晩、田尻 アオバを尋ね譲り受けた飴玉だ。バグで大量に増やしまくった結果、腐るほど余ってしまったのだという…。
ひたすら飴を食べまくるギュウキモン。そして…
ギュウキモンは新しく『見たら死ぬ呪い』を覚えた。
1525/01/28(火)12:23:04No.1277362519+
新能力を引っ提げ、冥梨栖は意気揚々とイレイザーベースへと乗り込む。
普段なら賑やかしの為にイレイザーの配下を蹴散らして行くところだが、もし冥梨栖の読みが外れていた場合、大幅な時間のロスとなる。今回ばかりはそういった事態だけは何としても避けたい。
すり抜けにすり抜けを重ねて冥梨栖はイレイザーが鎮座するベースの最深部へと足を急がせた。

そして辿り着いたイレイザーベース最深部。一際広々とした部屋ではデジモンイレイザーがネオデスジェネラル達とリモート会議を行なっている。
…が次の瞬間、各将軍が映っているモニターに突如ノイズが走り全ての画面が砂嵐に変わった。
「何事だ!?」
呆気に取られるデジモンイレイザー。そんな彼の眼前、モニターの画面に冥梨栖が現れた。

「ごきげんよう、デジモンイレイザーさん」
「む、貴様は………………!?」
1625/01/28(火)12:23:57No.1277362776+
冥梨栖の姿を目にした途端、イレイザーは力を失った様に倒れ、動かなくなった。
この時、冥梨栖の推測は確信へと変わった。無数に存在しているデジモンイレイザーの中には意識や記憶を共有している者も居る。即ち目視する事がトリガーとなる冥梨栖の呪いに一人でも感染すれば、それは伝染し一度に複数のデジモンイレイザーが連鎖的に死亡する事になる。
数にして40人___それだけのイレイザーが今この一瞬の間に息絶えたのを冥梨栖は感じ取った。

「やりましたわ!スプシモン、ご覧になりまして?………あら…」

自身を担当しているスプシモンに嬉々とした様子で語りかけるも、どうやら冥梨栖の呪いで死んでしまった様だ。
半分ギュウキモンとして蘇生させる事で事なきを得たが、この結果は冥梨栖を大いに悩ませる事となった。
1725/01/28(火)12:24:07No.1277362840+
「……こういう事故もありますのね。
ただ便利なだけでないというのがこの手の力の難しいところですわ。
うっかり大事な人を死なせてしまう前に一先ずはこの技を封印しましょう。必要になればまた覚え直せば良いだけの話ですし…」

1...2の...ポカン!冥梨栖は見たら死ぬ呪いの使い方を綺麗に忘れた。

イレイザーの討伐数もこれで105人。冥梨栖の壮大な計画もいよいよ大詰めだ。
1825/01/28(火)12:25:03No.1277363167+
2024年12月30日。冥梨栖のもとに織姫から一本の電話が入った。

「一体どうなさいましたの?急に」
『元日竜軍の奴らから聞いてるぜ。イレイザー狩り、随分と順調なんだって?今日はそんな姉様に朗報だ。』
「順調とは言えまだ終わったわけではありませんのよ。早く要点だけお伝え下さいまし」
『ツナちゃん…霜桐 雪奈ちゃんな。姉様も知っての通り、あの子にもイレイザー狩りに参加してくれないかって頼んでたわけだが…一人殺ってくれたみたいだ。神田ちゃんにセクハラしようとしてたから氷漬けにして粉々に砕いてやったんだと』
「まぁ!それは本当ですの?」
『ツナちゃんは嘘なんか吐かねぇよ。』
「それもそうですわね。織姫とは違って」
1925/01/28(火)12:25:28No.1277363279+
『うるせぇ…。それともう一つ。私様も今、鎮莉と一緒に夢の国に来てるんだが、さっきビッグサンダーマウンテンにデジモンイレイザーが乗ってたから叩き落として始末しておいたぞ。』
「よくぞやってくれましたわ、織姫!流石は私の従姪」
『カスイレイザーめ……せっかくのディズニーデートだってのに私様の視界に入って来やがって…』
「まぁまぁ、そんなに怒っていてはせっかくの彦星様との楽しい時間が台無しですわよ」
『あぁ、わかってるよ。んじゃ、私様はデートの続きを楽しんで来るよ。次に乗るアトラクションはホーンテッドマンション。暗いし乗り物も独立してるから、色々とやりたい放d…』
ポチッ
長い惚気話になりそうだったので冥梨栖はそっと通話終了ボタンを押した。
2025/01/28(火)12:25:56No.1277363435+
兎にも角にも目標まで残すところあと一人。
冥梨栖の心にも大分と余裕が生まれたので、ここで暫しのブレイクタイムだ。
千年桜邸へと飛んだ冥梨栖は厨房を借りて蕎麦打ちを始めた。
蕎麦とは言っても蕎麦粉を一切使用しない0割蕎麦。以前にうどんより蕎麦派を公言する流紋カイに振る舞った事があるも、うどんだときっぱり言い切られてしまい冥梨栖にとっては少々苦い経験のある一品だ。だがその出来事が冥梨栖の料理人としての魂に火が付き、自身が尊敬する唐木田 獅子に無理を言って弟子入りし、修行の末に本物と比べても遜色ない0割蕎麦を創り出す事に成功した。
そういったリベンジも兼ね、冥梨栖は一日早い年越し蕎麦の調理にただひたすら取り組んだ。
その様子を心配そうに見つめている少女が一人__織姫の妹、千年桜 朝顔だ。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですわよ、朝顔。ちゃんと美味しく出来ていますわ。」
そう言って短く切って軽く湯がいた蕎麦を小皿に入れて朝顔に手渡し、試食させてみせた。
瞬く間に朝顔の表情から不安が取り除かれ、笑顔になる。
2125/01/28(火)12:26:44No.1277363662+
「美味しい。冥姉もっと!」
「はいはい。すぐに用意致しますわ。少し待っていて下さいな。」
「うん、わかったよ。楽しみ~」
朝顔は元気に厨房を駆け出して行った。
「朝顔は良い子ですわね~。朝顔と書いてダチュラなんて妙な名前でさえなければ……」
従兄の独特過ぎるネーミングセンスを嘆きながら冥梨栖は調理を続行した。


そうこうしている内に年越し蕎麦が完成。いよいよお待ちかねの実食だ。冥梨栖と朝顔、そして客人として千年桜邸に招いたカイの三人で食卓を取り囲む。
「「「いただきます。」」」
三人同時に蕎麦を啜り始めた。
無言で蕎麦を食すカイをただ見つめる冥梨栖。
その意図を汲み取り、カイは口を開いた。
「…悪くないんじゃないか。よく出来てると思う。」
2225/01/28(火)12:26:56No.1277363730+
「念の為に聞いておきますが、お義姉様(織姫の母)にビビッて日和った事を仰っているわけではありませんわよね?」
「バカな事を言うな。確かに桜迦法師が居る手前、下手な事は言えないのも事実だが俺は蕎麦に関して妥協するつもりは一切ない。素直に褒め言葉として受け取っておけ。」
カイの言葉に冥梨栖は胸を撫でおろした。その傍らでは朝顔がパチパチと小さく拍手をしている。
「では先程のお言葉、ありがたく受け取っておきます。お気に召していただけた様で何よりですわ。」
「あぁ、ごちそうさま。また食べに来るよ」
つゆの一滴も残らず完食したカイは一言礼を告げ退室、廊下でばったり出会った織姫の母に最敬礼をして館をあとにした。
2325/01/28(火)12:27:40No.1277363950+
2024年12月31日。三上 竜馬と魚澄 真菜はとあるコンサートホールのボックス席にてクラシックの演奏会を鑑賞していた。冥梨栖の招待でコンサートへやって来たは良いものの、そこに彼女の姿は無い。
二人に年越し蕎麦を振る舞った後、やり残した事があると言い残しチケットだけを渡して何処かへ行ってしまったのだ。
「「………」」
初めて訪れる場所に対する緊張と戸惑いのためか、言葉を発する事無く演奏を観ている竜馬と真菜。
「……ねぇ、竜馬く…」
「……魚澄さ…」
両者が同時に話し始め、言葉に詰まる。
「竜馬くんからどうぞ」
「…いや、魚澄さんから」
どちらが先に話すか互いに譲り合い、それを決して譲らない二人。
「…ふふっ」
「……」
そのやり取りの可笑しさに真菜は思わず笑い出してしまう。それにつられ竜馬も若干ながら口角が上がった様に見えた。
緊張の糸も解れ、再び演奏会へと目をやる二人。
ちょうど先程まで演奏されていた曲が終わり、別の曲が始まったところであった。
2425/01/28(火)12:28:11No.1277364108+
竜馬達が臨場感溢れる音楽に入り浸っている内に時計の針は23時40分を指している。
演奏されているのはモーリス・ラヴェル作曲のボレロ。本年も残すところあと20分だ。


その頃、冥梨栖はと言うと…
イレイザーベース内、広大な部屋の壁一面を覆い尽くさんとするばかりのディアボロモンの群れを相手取っている。
『バッカルラッシュ』『アクアグラインダー』『ゴッドマトリックス』。敵の数の利などものともせず、次々とディアボロモンを一撃のもと葬って行く。
この状況を不利と見たディアボロモンは突如無数のクラモンに分散したかと思うと一箇所に集中し始めた。群がったクラモンはやがて形を成していき、超究極体デジモン__アーマゲモンへと進化した。

「随分とハッタリの効いたお姿になられましたわね。ですが一箇所に集まってくれた方がこちらの手間も省けるというもの……感謝致しますわ!」

冥梨栖は巨大な渦潮を発生させてアーマゲモンを攻撃するも、その巨体を前に大した効果があるとは言い難い。
これには流石の冥梨栖も面を食らった様だ。
「あら…」
2525/01/28(火)12:28:43No.1277364269+
唖然とする冥梨栖にアーマゲモンの反撃が容赦なく襲う。
大きく開かれた口から放たれたエネルギー波『アルティメットフレア』により冥梨栖は為す術無く消し飛ばされてしまう。
しかし、ここからが冥梨栖にとっての真骨頂と言えるだろう。冥梨栖を相手にする上での最大の悪手は彼女を倒してしまう事。
千本桜冥梨栖という存在をひとたび葬ってしまえばたちまち呪いに犯され、その身体はギュウキモン__やがてはクティーラモンへと変異してしまう。事実上の乗っ取りだ。
それはアーマゲモンという強大なデジモンとて例外ではない。
突如苦しみ出したアーマゲモン…否、アーマゲモンを形成していた無数のクラモン達が瞬く間にギュウキモンを経由してクティーラモンへ姿を変える。

「こんなにも便利なデジモンを持っているのなら始めから使って下されば良いのに…」
「どうしてこの様な土壇場で…」
「簡悔精神というやつですわね。」
「許すまじデジモンイレイザー。」
「本当…人に嫌がらせをする事にかけては右に出る者は居ませんわね。」
「性根が腐っていますわ!」
そこには地獄絵図とも言うべき光景が広がっていた…。
2625/01/28(火)12:29:08No.1277364406+
コンサートホールにて佳境に差し掛かったボレロの旋律が本年も残り僅かである事を告げる。
同時に夥しい数のクティーラモンが一斉にイレイザーの待ち構える部屋へと押し寄せる。

「!!?」
イレイザーの顔が分かりやすく絶望に歪んだ。
しかし、この男もデジモンイレイザーとして畏怖される存在。こんなところでむざむざとやられるわけにはいかない。
「お前達、出番だ」
イレイザーの一声と共に2体のメタルファントモンが出現。それらを取り込む事でデジモンイレイザーはネクロモンへと進化をするや否や手に持っていたカンテラを翳す。すると周囲に無数の人間やデジモンの亡霊と思しきものが現れた。恐らくはデジモンイレイザーがこれまで手に掛けてきた数多のテイマーとそのパートナーデジモン達だ。
数の暴力には数の暴力で迎え撃とうという算段なのだろう。
だがイレイザーは知る由もなかった。冥梨栖と事を構える上で死者を差し向ける事もまた悪手の一つなのだという事を…
2725/01/28(火)12:29:37No.1277364557+
「なってませんわね…。霊というのは、こうやって扱いますのよ」
クティーラモンのうち一体が冥梨栖の姿に変わると同時に指パッチン、召喚された霊体が一斉に回れ右をして矛先をネクロモンへと向けた。
事態を呑み込めず、下僕として呼び出した筈の亡霊にされるがままのネクロモン。
リベリモンに切り裂かれ、サジタリモンには蹴飛ばされ、吹っ飛んだ先に居たグラップレオモンに殴り飛ばされ、更にまたグリフォモンに蹴飛ばされ、レアレアモンに纏わり付かれる。
「貴様!一体何をした!?」
「デジモンイレイザーなんて御大層な名前を名乗っている割には何もご存じありませんのね。私クティーラモン、他者を傀儡として使役するのは得意中の得意でしてよ。」
冥梨栖は仕上げとばかりにダークネスローダーを取り出し掲げた。

「…デジクロス」

ネクロモンをリンチしていた霊体達が次々とダークネスローダーに吸収される。
全ての霊体を取り込み終えたダークネスローダーからは禍々しい光が漏れ出し、それが誰の目から見ても異様なものである事を告げている。
2825/01/28(火)12:30:07No.1277364744+
「唵ッ!!」
冥梨栖の掛け声と共にダークネスローダーからはイレイザーが進化した個体を遥かに上回る巨体のネクロモンが現れた。
ねめつける様に見下ろすその視線に恐怖を憶えたイレイザーネクロモンが後退る。
イレイザーが逃げ出そうとしたその刹那、巨大ネクロモンが口を大きく開けたかと思うとそのまま貪り始めた。
まるでこんにゃくゼリーを啜るが如く吸飲されるイレイザーネクロモン。
直後、巨大ネクロモンの尻から泥団子の様なものがポトリと落ちた。
『助けて……助けて…!』
何やら喚きながら蠢いている。
冥梨栖はそれを容赦なく踏み潰し、跡形も無く粉砕してしまった。
同時にコンサートホールでは楽団がボレロの演奏を終える。
新しい一年の始まりだ。
ギュウキモンの様な角を生やしたスプシモンがトテトテとやって来て冥梨栖に向け親指を立てた。
どうやら間に合った様だ。
6日間で108人のデジモンイレイザーを倒すという無謀とも言える冥梨栖の計画はここに幕を閉じた。
2925/01/28(火)12:30:40No.1277364916+
「あけましておめでとう、竜馬くん」
「あぁ…おめでとう魚澄さん」

全プログラム終了後のホールにて新年の挨拶を済ませた竜馬と真菜の二人は今観たコンサートの内容について語らいながら外へ出た。
初めて観る生のオーケストラは二人にとって正に圧巻と言えるものであった事が伺える。

「そう言えばあの人、結局来なかったね…。何かあったのかな?」
「千本桜さんならきっと大丈夫…。あの人の事だから今頃俺達に振る舞うおせちの仕込みでもやっているのかもしれない。」
その様な会話を二人がしていた折、どこからともなく冥梨栖の声が聞こえた。

「竜馬さーん!真菜さーん!」

辺りを見回す二人。
だが周辺に冥梨栖の姿は見当たらない。
「ここですわー!」
3025/01/28(火)12:30:52No.1277364983+
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2024年12月29日。クティーラモンへと姿は変えギュウキモンに退化した冥梨栖は袋詰めにされた飴玉の包みを広げ、それを次々と口の中へ放り込んだ。
昨晩、田尻 アオバを尋ね譲り受けた飴玉だ。バグで大量に増やしまくった結果、腐るほど余ってしまったのだという…。
ひたすら飴を食べまくるギュウキモン。そして…
ギュウキモンは新しく『見たら死ぬ呪い』を覚えた。
3125/01/28(火)12:31:19No.1277365130+
ふと真菜が頭上を見上げた瞬間、彼女はギョッとした。
そこに居たのは夜空一面を覆い尽くさんばかりのクティーラモン、クティーラモン、クティーラモン。
何事かと見上げた竜馬も身構えるが、それが知り合いの幽霊少女と知りすぐに警戒を解く。
「魚澄さん…何も心配いらない。あれ、千本桜さんだから。」
「…へ?」
尚も不安がる真菜をそっと抱き寄せる竜馬。
3225/01/28(火)12:32:04No.1277365395+
「あーっ!ズルいですわよ!私も混ぜて下さいまし!」
無数に居たクティーラモンが一体化して冥梨栖の姿になると竜馬と真菜目掛けてダイブ、竜馬はそれを空いた方の手で抱き止めた。
竜馬の手に抱かれとても嬉しそうに目を細める冥梨栖。デジモンイレイザー相手には一切の容赦が無い残虐性を見せる冥梨栖も想い人の前では年相応の恋する乙女そのものだ。
「あけましておめでとうございます。竜馬さん、真菜さん。本年もどうぞよろしくお願い致しますわ。」
「よろしく千本桜さん…」
「えっと…よろしく、お願いします。」
新年早々かっ飛ばすなぁこの人…としみじみ思う竜馬に対して真菜は目の前で起きた事の理解が追い付いていない様子。

「さぁお二人とも、これから初詣に出掛けますわよ!」
冥梨栖はその場でくるりと回ると一瞬にして着物姿に着替えを終え、竜馬と真菜の手を引いて歩き出した。こうなってしまった冥梨栖はもはや誰にも止められない。

「「(本当にぐいぐい来るな…この人)」」
などと内心思いながら冥梨栖に連れられ歩き出す二人なのであった。
3325/01/28(火)12:32:44No.1277365624+
後日。
ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!ピンポンピンポンピンポンピンポーン!
橘樹宅のチャイムがけたたましく鳴る。
「うるさい!一体何なのよ、もう!」
文華がドアを開けるとそこには織姫が居た。何やら大きめのアタッシュケースを持っている。
「何よ、こんな正月の朝っぱらから…」
「71秒……私が最初のチャイムを鳴らしてから橘樹さんが出て来るまでに掛かった時間です。……遅いですよ。私が風邪を引いたらどうするおつもりですか…」
「知らないわよ!…で、何の用なのよ?」
「どうぞ、姉様からです。」
織姫は手に持っていたアタッシュケースを文華に差し出した。
「え?何?話が見えないんだけど…」
「例のお金…と言えば伝わるかと」
その言葉に心当たりがある文華はアタッシュケースを僅かに開けて中身を確認した。
中には大量の札束が敷き詰められている。
「こんな所でケースを開けるのは感心しませんね…決して少なくはない額のお金が入っているのですから」
3425/01/28(火)12:33:23No.1277365832+
「それはそうかもしれないけど、こんなの持って普通にうろついている織姫さんも織姫さんじゃない?」
「橘樹さんのくせに正論を言わないで下さい」
「それどういう意味よ!?……ま、確かにお金は受け取ったから。あの人にも伝えておいて。」
「はい。では私はこれにて失礼致します。」
織姫が踵を返して帰ろうとしたその時、不意に文華が尋ねた。
「ところで首どうしたの?何重にもマフラーなんて巻いて…怪我でもした?」
「…………何でもありません。今日は少し冷えると思っただけです。」
文華の質問に織姫はマフラーに顔を埋めながら答える。
「大丈夫?心なしか顔が赤い様にも見えるけど…」
「本当に何でもありませんから…!」
明らかに上擦った声を発しつつ、織姫はそそくさと走り去ってしまった。

「何なのよ。人がせっかく心配してあげてるのに…」
結局何だったのか聞けず終いだった文華はアタッシュケースを抱え、釈然としない様子で家の中へと入って行った。
3525/01/28(火)12:33:39No.1277365921+
一方、冥梨栖のお遣いを終え帰路に付く織姫はと言うと…。
「文華のやつ、なんでああいうところだけ気付くかなぁ………しっかし…(あれ、絶対10億も入ってないよな。多く見積もってもせいぜい300万くらいだろ…。どうせ10億なんて大金見た事ないからバレないだろうと思ってちょろまかしたな、姉様…)
ま、大丈夫だろ。あ~寒っ、早く帰って鎮莉に温めて貰おうっと」
ルンルンな気分で奈良平家へと向かっていたのであった。
3625/01/28(火)12:35:30No.1277366547+
以上になります。
途中までのつもりが区切るタイミングが見つからず全部貼ってしまいました。
誤字脱字や解釈違い等があったらごめんなさい。
3725/01/28(火)12:37:33No.1277367249+
というわけで明確にパートナーの居なかったお嬢にもパートナーができました。
狂骨じゃないです。ネクロモンです。
fu4570343.jpg
3825/01/28(火)12:38:08No.1277367432+
ボレロってコンサートするんだ…
3925/01/28(火)12:38:24No.1277367532そうだねx1
年末までおとなしいと思ってたらイレイザー百人組手してたのか…
4025/01/28(火)12:39:49No.1277368003そうだねx2
もはやイレイザーの価値がショッカー戦闘員なんよ
4125/01/28(火)12:40:30No.1277368215+
まだ歩きタバコの男と竜馬の兄貴殺した奴は姿を現してないから…
4225/01/28(火)12:40:33No.1277368224+
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はちゃめちゃすぎる...
4325/01/28(火)12:42:51No.1277368957+
はちゃめちゃが押し寄せてくる
4425/01/28(火)12:43:07No.1277369051+
スレッドを立てた人によって削除されました
なんだこいつ
4525/01/28(火)12:43:17No.1277369114+
泣いてる場合じゃないけど泣きたくなる
4625/01/28(火)12:43:23No.1277369154+
ゲ謎見たなお嬢公式!
4725/01/28(火)12:45:17No.1277369799+
さりげなく真菜竜が年越しデートしとる…
4825/01/28(火)12:47:00No.1277370351+
家に帰ってからの楽しみが増えた
4925/01/28(火)12:47:31No.1277370515+
なんだか…えらい事になってたな…
5025/01/28(火)12:48:13No.1277370748+
>さりげなく真菜竜が年越しデートしとる…
強え…
5125/01/28(火)12:48:50No.1277370941+
>もはやイレイザーの価値がショッカー戦闘員なんよ
イー!(レイザー)
5225/01/28(火)12:50:48No.1277371549+
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‌ふ‌と‌真‌菜‌が‌頭‌上‌を‌見‌上‌げ‌た‌瞬‌間‌、‌彼‌女‌は‌ギ‌ョ‌ッ‌と‌し‌た‌。‌
‌そ‌こ‌に‌居‌た‌の‌は‌夜‌空‌一‌面‌を‌覆‌い‌尽‌く‌さ‌ん‌ば‌か‌り‌の‌ク‌テ‌ィ‌ー‌ラ‌モ‌ン‌、‌ク‌テ‌ィ‌ー‌ラ‌モ‌ン‌、‌ク‌テ‌ィ‌ー‌ラ‌モ‌ン‌。‌
‌何‌事‌か‌と見上げた竜馬も身構えるが、それが知り合いの幽霊少女と知りすぐに警戒を解く。
「魚澄さん…何も心配いらない。あれ、千本桜さんだから。」
「…へ?」
尚も不安がる真菜をそっと抱き寄せる竜馬。
5325/01/28(火)12:51:00No.1277371613+
>はちゃめちゃすぎる…
かいててすごくたのしかった。

>ゲ謎見たなお嬢公式!
円盤買っちゃった…
5425/01/28(火)13:24:27No.1277380352+
もう種族:デジモンイレイザーって怪人なのよ…
文華と雪奈をありがとうございます
10億貰ってたらFXにツッコんで溶かすつもりでしたが300万なんで学費にでも充てます
あと流石にイレイザーとはいえ雪奈が直接殺すのはちょっと…
イレイザーが人外でブルコモンがやったってわかる描写にしてもらえるとありがたいです…
わがまま言ってすみません…
5525/01/28(火)13:30:49No.1277381760そうだねx1
デジモンイレイザーすぐ死ぬ
5625/01/28(火)13:35:58No.1277382845+
>あと流石にイレイザーとはいえ雪奈が直接殺すのはちょっと…
>イレイザーが人外でブルコモンがやったってわかる描写にしてもらえるとありがたいです…
ごめんなさい。思慮不足でした…
デートで浮かれてた織姫ちゃんがうっかり変な風に伝えちゃったという事で大丈夫でしょうか?
5725/01/28(火)13:46:51No.1277385136+
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は元日竜軍のモクモンを連れ、列車がやって来たは良いものの、かつて冥梨栖が出した。
5825/01/28(火)13:49:55No.1277385794+
赤字が出ました。
見て下さった皆様ありがとうございました。
今後もうちの子たちをよろしくお願いします。
5925/01/28(火)13:53:05No.1277386444+
スレッドを立てた人によって削除されました
‌さ‌り‌げ‌な‌く‌真‌菜‌竜‌が‌年‌越‌し‌デ‌ー‌ト‌し‌と‌る‌…‌


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