騎士君悩みを吐く やぁ大丈夫か 「……?」 ここ?まぁ何処でもいいじゃないか君の夢って事にしておいてくれ 「夢…」 起きた時には朧げになっている程度の泡沫の夢だよ 「貴方は…以前何処かで…?」 …何処かであってるかもな、まぁ俺の事は置いておいて君の話しをしよう。ここには君しかいないようなものだしウチにあるものは吐き出したほうが健康的じゃないか? 「……それは」 君の夢だから君の都合の良いように扱えば良いんだよ 「…………」 「……………俺は…こわい」 うん 「怖いんだ…目に映るデジモンが…俺の手から溢れる命が…何より戦えない自分が怖い…!」 「足や手が震えて動けなくて…!何時も逃げる事しか出来ない!サクットモンは戦いたがるけど俺はそんな風に前を向けなくてっ!」 「そんな情け無い俺が嫌いで嫌いで仕方ない!」 …… 「何時も助けられてばかりで記憶だって取り戻せるのか不安で今だって自分のパートナー1匹見つけられやしない!こんなんじゃきっとまた…また俺は大切なものを失ってしまう!!」 ……君はどうなりたい? 「……前を向ける様になりたい戦えなくても逃げない様になりたい!」 うーんじゃあこういうのはどうだろう 「?」 ちょっとしたお呪いだよ、騎士君ゴーグル持ってただろ? 「持ってる…」 それをつけている時は大丈夫って思うんだ。自己暗示だけどこういうのは思い込みが大事だ。最初の一歩を踏み出せればきっと騎士君なら大丈夫。 「……ほんとにそうかな」 そりゃやってみないと分からないけど試してみても損じゃないだろ? 「……うん」 さて、そろそろ起きる時間だ。頑張れよ! 「ありがとう…また会えるかな」 ……君が進むなら会えるかもな 目が覚める、視界には相変わらず変わりのない森と空が広がる。 「……!起きたか、大丈夫か?」 「えっと、多分大丈夫…です」 気絶している間ずっと側に居てくれたのかあの巨大なデジモンのテイマーがムッとした顔で騎士を覗き込む。 騎士は起き上がりながら先程の夢を思い返していた。顔は朧げになってしまったが何とか会話は残っている。一度目を瞑り深呼吸をする、コートのポッケに入れたままになっているゴーグルを握りしめて騎士は立ち上がった。 ……あー、ちょっとカッコつけすぎたかなぁ!