二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1737194940370.png-(2908093 B)
2908093 B25/01/18(土)19:09:00No.1274105722+ 20:27頃消えます
かつて戦争があった
世界規模の大戦の混乱に付け込んだ生者の血を啜る不死者達や悪魔と彼らに魂を売り払った者達との互いの存亡を賭けた長い永い戦いだったという

そしてその戦争は唐突に終わった
交通も通信も断絶したこの荒廃した世界では前線で何が起こったかなどわからないし指令部からの命令も長く届かない

分かるのは反攻兵器AA-ZEUSによる最終作戦によって奴らの領域とこの世界の融合という最悪の事態が阻止された事
そして世界の破滅が防がれようと風前の灯火となった人類を脅かす存在はまだ残っている事だった

生き残った人々はこの終末の世で身を寄せ合い、瓦礫の下で慎ましく暮らしている
教会の加護下で人々は文明の残骸である地下コロニーにすがり、救乙女《エクソシスター》に守られ、静かに緩やかに、何者にも犯されない静かな生の終わりを待ち続ける
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/01/18(土)19:09:47No.1274106001+
…本当にそれでいいのだろうか
そう思ったからあの日から私はひっそりと教会の規則を破り都市の外でかつての文明の情報や遺産を漁り始めた

勿論一般人が一人でそんなことをしても何か成果を出せるわけがない
ただ生きているだけの周りと自分は違うと言うつまらない自己満足
…そのはずだった
225/01/18(土)19:10:28No.1274106231+
残された資料曰く避難民に紛れた悪魔達によって内紛が起こり放棄された地下シェルター
暗闇の中どこまでも広がる廃墟群
シェルターの天井に貼られた環境再現スクリーンが写し出すひび割れた夜空とそこに開いた大穴から覗く雲ひとつない天然の夜空が混ざり合い、ついさっき治したラジオからは戦前から流しっぱなしであろう避難を勧告するノイズ混じりのアナウンスが流れる

「さてと…今日も大量ですね
それでこれを使って次は何を直すんですか?
科学特殊兵のスーツ?kozmoの光線銃?それともまたこの前見付けたペットロボの修理を?」

あの日、かつて文明を滅ぼした醜い悪魔に襲われた私は目の前の美しい悪魔、マルファに出会い命を救われた
教会に所属する救乙女の一員でありながらその規則を破った自分を拘束するどころか報告のために都市に戻ろうともせず何の気まぐれか自分の隠れ家に住みついた悪魔
その後もこちらを守るかのように付き従う彼女に連れられ、一人ではとても行けないような危険地帯でかつての文明の遺産を漁る毎日は充実していた

…だがそれもそろそろ潮時だろう
325/01/18(土)19:11:14No.1274106507+
「は…?」

その夜、どこか唖然とした彼女の声を気にせず手元のマグカップの珈琲だけを見つめながら話を続ける

周りの人間も既に自分の長期間の不在には違和感を持っているだろうし彼女ほどの実力者が帰投しないとなると救乙女や教会からも捜索されているだろう

何よりまだ若く、仲間や姉妹にも慕われていた彼女をこんな無駄な時間を過ごす自分に付き合わせていいはずがない

そこまで口にした途端覆い被さるように彼女に押し倒された
「貴方には何度も言いましたが」

大穴からの月明かりをバックに半ばシルエットと化した彼女の顔が目前に迫る
彼女の緩いカールのかかった髪がまるで自分達を外界から区切るカーテンのようにさらりと降りた
お互いの唇が当たりそうなほど顔が近づけられ、迷子の子供のような不安さと興奮の色合いに染まるマルファの瞳に怯えが混じる私の顔が写り込む
425/01/18(土)19:11:55No.1274106776+
「貴方には何度も言いましたが」

大穴からの月明かりをバックに半ばシルエットと化した彼女の顔が目前に迫る
彼女の緩いカールのかかった髪がまるで自分達を外界から区切るカーテンのようにさらりと降りた
お互いの唇が当たりそうなほど顔が近づけられ、迷子の子供のような不安さと興奮の色合いに染まるマルファの瞳に怯えが混じる私の顔が写り込む


「この世界を救う…終わりを待つだけの永い後日談ではなく新しい物語を始める

あの日、死にかけた貴方のうわ言を聞いたから私は貴方にこの後の人生を全賭けすると決めたんです
たとえそれが救乙女の掟に背き、姉妹の契りを裏切るとしてもね
…甘い言葉でただ生きてるだけだった私を誑かしたんですから今さら無駄な事だと逃げるなんて許しませんよ、強欲な悪魔さん?」
525/01/18(土)19:13:07No.1274107296+
マスターにも分かっていただけた所で明日も早いですしもう寝ましょうか
次の目的地はかつて日が昇らなくなりヴェンデットに支配された都市の跡地…油断は出来ませんよ?

呆然としたこちらに満足したのか笑うように口端を釣り上げながら立ち上がり微笑む彼女はまさに悪魔だった


みたいな感じでマルファさんと一緒に文明を甦らせるために教会には禁じられた過去の文明の墓荒らしを行うSSください
安易に他のエクソシスターと絡む展開も欲しいです
625/01/18(土)19:30:34No.1274113592+
エクシーズ次元は荒れてるな…
725/01/18(土)19:31:49No.1274114007+
アーゼウスは最低限神殺しができるからマジで神を超え悪魔を倒すマシンなんだよな…
825/01/18(土)19:32:30No.1274114230+
ヴェンデットとエクソシスターの組み合わせいいよねポストアポカリプス感が強くて好きだよ
925/01/18(土)19:36:37No.1274115758+
素人質問で恐縮ですがマルファは悪魔に何かされた後ですか?
1025/01/18(土)19:38:45No.1274116594+
>素人質問で恐縮ですがマルファは悪魔に何かされた後ですか?
ただ生きてるだけだったらそのうち悪魔に何かされてたけどマスターに全賭けするって生き甲斐が生まれたから無事みたいな…
1125/01/18(土)19:56:54No.1274123577+
すみませんレーティングはいくつになりますか?
1225/01/18(土)20:03:28No.1274126072+
勇敢な騎士が悪を討ち平和を齎す。そんな夢物語が過去になり幾星霜の月日が流れた
この世界に真に勇気があれば騎士帝が人々の希望を受け、大いなる力を纏い闇を祓うこともあったろう
だがそれはこの世界には叶わない、復讐者が救世主に変わり恐怖の夜闇から救うことも無い世界
それでも私は最後まで、旧態依然(のぞむように)生きたい。

「ほとんどがガラクタね」

スクラップともジャンクとも言える物体の山、爪先の掛けた武器庫のような手を彼女が握り
ぷらぷらと玩具のように振るう…きっと以前なら立派な武器だったのだろうが戦闘で破壊されたのだろうか
頼りにならない武器のような装備ばかり、無駄足だったかと落ち込んだが小さな箱が見えた
この場には不釣り合いな、きっと本来ならばその毛並みを艶やかに称えたであろう
古びたビロードの箱…迂闊かもしれないがそれを開けると
1325/01/18(土)20:03:50No.1274126211+
まるで天使が身に着けるような装飾が施された、今ではもう再現が叶わないであろう
煌びやかな赤い宝石と繊細な装飾が施された指輪が収められていた

「綺麗…」

後ろではマルファがアーカイブにしか存在しない、美術館にいるかのように目を輝かせる
だけどこの指輪が似合うのはきっと…ショーケースの中でも収められていた箱でも
ガラス越しの整った白い布の上でもなく、今手を取った彼女の…

「…結婚指輪にしては、少し重々しいですね」

自然とそのグローブ越しの細指に指輪を填めていたが、彼女の一言でお互いおかしいような
嬉しいような笑みが零れる…悪魔だとしても今だけは私の天使であってほしい
静かに冷え切っていく世界で、明けの明星のように熱を呼ぶ笑顔にそんな気持ちが悟られぬよう
私達はここを後にした
1425/01/18(土)20:04:37No.1274126516+
影響されてちょっと書いてみたけど色んなテーマが混じってるのは楽しいよね…
1525/01/18(土)20:12:16No.1274129665+
天子の指輪はデカすぎる…
1625/01/18(土)20:20:29No.1274133106+
>天子の指輪はデカすぎる…
よかった伝わった…


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