「がああああああクソッ!また負けたあああああっ!」 「これで今週私の5連勝目よぉ……ねぇ樹里。少し聞きたい事があるんだけどいい?」 「あんだよ?」 「そのドゴラン……あなたの使ってる【ラヴァル】とはあまりシナジーがないと思うのだけど、何故 エース扱いしてるのかしらぁ?」 「何でって、このドゴランはガキの頃の誕生日プレゼントに親父から貰ったカードだからな。そりゃ 特別に決まってるっつーの」 「お父様が?」 「ああ。当時のこれが入ってるデッキが人気でよ、どこの店でも売り切ればっかだったんだ。それ を親父は何軒も何軒も探し回って挙句の果てにゃ遠いとこまで行って手に入れてくれたんだ。あ ん時ゃ泣いて大喜びしたなぁ……」 「いい話ねぇ……」 「そういうワケで樹里サマにとっちゃこのカードはソウルジェムと同じようなモンだ。だから相性と か知らねーしデッキから外すなんてもってのほかだ」 「そんな理由があるのなら思い入れが深いワケねぇ」 「姉さんなら理解出来るだろ?アンタのサイコエンドパニッシャーだってそうじゃねーか」 「確かにそうねぇ……先輩から頂いたこのカードもかけがえのないものだわぁ。デッキの相性はこ ちらの方がいいけど」 「オイコラ喧嘩売ってんのか?こちとらもう一戦やってもいいんだぜつーかやろうぜ」 「売ったつもりはないわよぉ……そもそもただあなたが決闘したいだけじゃない……」