レースは見せてもらったよ。ずっと追込で走っているんだね。
憧れの人と同じ走りをしたかったんだ。いいね、きっとその人も喜ぶよ。
でも、最近はその走りが自分に本当に合っているのかとも思っている…違うかな？
ああ、大丈夫だよ。追込の強みも弱点も、もうきっといろんな人が話してくれてるだろうし、それでも決められないからここに来てるんだよね。俺からそれをどうこう言うつもりはない。
わかってるけど、そのひとへの憧れを捨ててしまうみたいに思えて走りを変える気になれない、か。
いいんだよ、謝らなくて。そのひとの走りが好きで、自分もそうなりたかったって気持ちは本物でしょ？その気持ちが今まで君を支えてきたんだから、それを申し訳ないなんて思う必要はないよ。

レースが始まったら、そこは君たちの世界だ。そこでどんな走りをするかは君たちの自由だよ。知り合いの受け売りだけどね。
それに、俺たちはトレーナーだ何だって言われて偉そうにレースの話をするけど、ほんとは君たちがどんな景色を見ているか知らないんだ。吹き抜ける風の音も、ライバルたちと競り合う感触も味わったことがない。だから、君にも正しい走りを教えるなんて言うつもりはないし、できない。
でも、君が憧れたひとは、君に自分と同じになってほしいって思ってたのかなってことは思うんだ。君はどうして、そのひとに憧れたんだい？
誰よりも楽しそうに走っていたから、か。なら、君も楽しめるような走りをすればいいんじゃないかな。走り方の形だけを真似するよりも、その心を受け継いで自分だけの走りを見つけたほうが、俺がそのひとなら嬉しいって思うよ。
だから、大丈夫。君がどんなふうに走っても、レースを愛している限り、君の「好き」はなくなったりなんてしないから。

さっきも言ったけど、俺にできることは気付かせてあげることくらいなんだ。君の走りは、君の心が知っているはずだから。
だから、君の心に聞いてみようか。レースをしていて心から楽しいって思えるのは、どんなとき？

一番前に出て、目の前が一気に開けたとき、か。いいね、きっと壮観だろうな。ターフが自分を迎え入れてくれた気がするのかも知れないね。
本当？当たってたなら嬉しいな。その時間を誰よりも楽しめるような走りが、君のしたい走りなんだと思うよ。
思い切って前でレースをしてみる、か。うん、いい顔をしてるよ。今すぐにでも走りたいって顔。
行ってらっしゃい。誰よりも自由に、楽しく走りたいって思う君を、俺はずっと応援してるよ。

踏みしめる脚を待ちたる草原の風の青きを知るのは誰ぞ

習いたてだけどね。知り合いが好きでさ。
まだ誰も知らない景色を見ておいで。君の走りがそこに落ちてるかもしれないよ。

なんだい最近新しいキャストをよく見るが…

ねえこの憧れの人って…

★★★★☆

誰にも言えなかったことまで全部吐き出せて楽になれました。レースでもいい結果が出るようになって頑張っていけそうです。
こんなに私をわかってくれた人はいません。嬉しいけれど、その分だけもうこの人は他の誰かのトレーナーなんだなと思うと切なくて仕方ないです。
私を見つけてくれてありがとうございました。できるなら、もっと早く会いたかったです。

まだ担当のついてない子に明日も頑張ろうと思える代わりに初恋の苦さを教えるホストクラブきたな…

>ねえこの憧れの人って…
CBに脳を焼かれた子をシビトレが救済する
完璧なビジネスプランでは？

やりたいこととできることが違うと辛いよね
だからこそやりたいことを誰がどう思ってもできちゃうシービーに憧れる

包容力のある優しいタイプからちょっと危うくて庇護欲をそそるタイプ
ホストクラブトレセンは多様なニーズに対応しております

「眠そうだね。昨日は随分大人気だったみたいだから、しょうがないかな？」
膝の上に頭を乗せた可愛らしい尋問官は、その無邪気な笑顔とはうらはらに昨晩のことを根掘り葉掘り聞いてくる。今朝からずっとこうやって逃げられないようにされて、彼女に何を言われるかと怯えながら過ごす自分は、まさしく蛇に睨まれた蛙そのものだった。
「どうだった？可愛い子はいたかな」
「…みんな可愛かったよ」
「いけないんだ。そうやって口説いてたんだね」
昨日はすっかり自分も雰囲気に中てられて、らしくもない気障な台詞を随分吐いた気がする。あのときは来てくれた子も同じように盛り上がっていたからか、喜んでくれたお陰で恥ずかしさを忘れられたが、今こうして彼女に逐一問い質されると、昨日の自分の姿を遠くから見つめているように思えてひどく恥ずかしい。
笑う彼女の質問に縮こまる情けない姿を見て溜飲が下がったのか、漸く彼女は身体を起こしてくれた。
「じゃあ、訊き方を変えようか。
アタシよりも一緒にいて楽しい子はいた？」
油断していた心を、ぐさりと突き刺して仕留めるために。

「誤解させちゃってるみたいだけど、別に怒ってるわけじゃないんだ。ほんとだよ。
むしろ誇らしく思ってるんだ。きみは優しくて素敵なひとだって、アタシだけじゃなくてみんなが認めてくれたんだって。人気にならなきゃ嘘だって思ってたよ」
彼女は相変わらず笑っていたが、その表情に込められた思いはどこか違って見えた。或いは自分の心持ちが変わったから、そう思えるだけなのかもしれない。
怯えていた心に、あまりにも明け透けな愛情と嫉妬を叩きつけられて。
「本当に？」
「本当だよ。だって、きみはずっとアタシに寄り添ってきたんだもん。他の子にできないわけないって、ずっと思ってた」
彼女のようにたくさんの女の子と話して、熱い視線を向けられるなどという華やかな人生は送っていないけれど。
好きだ、と言われてこんなに嬉しいと思ったことは、生まれて初めてだった。
「きみのことは好きだし、ありのまま、アタシと同じように自由でいてほしいって思ってる。でも、ひとつだけ直してほしいところがあるんだ。
きみを特別だって思うひとがいるんだって、気づいてないでしょ」

いつの間にか彼女は、向き合うように膝の上に跨っていた。
誰よりも眩しい笑顔で、とびきりの「好き」を、届けてくれるために。
「アタシと一緒に、楽しいレースをしてくれるひとはいっぱいいる。きみを必要としてくれるひとだって、たくさんいる。
でも、アタシと一緒に歩けるのはきみだけなんだよ」
そんな彼女を、考える前に抱きしめていた。
彼女の「好き」は、特別だから。今できる一番の気持ちで応えたかった。
「じゃあ、お互い様だな。
俺も誰と話したって、夢を見るのはシービーだけだから」

彼女としか触れたことのない唇だけれど。
「ふふ。いいね。合格」
それが彼女の特別になるのなら、こんなに嬉しいことはない。

たくさんの女の子と話すのは確かに楽しくて、舞い上がるには十分な思い出だった。
「話を戻すんだけどさ、可愛い子いた？
アタシと一緒に走ってくれそうな子だと嬉しいんだけどな」
「だめ。教えない」
「けちー」
だからこそ、はっきりと言える。
どれだけ舞い上がっても自分が愛するのは、同じ大地を踏みしめる彼女なのだと。

おわり
シービーはトレーナーが人気だと喜ぶけどそれはそれとして妬くタイプだといいなと思います

草

>>ねえこの憧れの人って…
>CBに脳を焼かれた子をシビトレが救済する
>完璧なビジネスプランでは？
脳が破壊されると同時に相手がシービーならしょうがないかなとも思ってそう

アーイイ…
今は効かないが嫉妬する三冠馬はそのうちガンに効くようになる

縛りたくないから他の子を助けてあげることは許してくれる
その分だけシービーが一番だって言ってあげないと拗ねる

迷ってる子の最後の一滴を埋めてあげるのがシビトレの仕事だからね

どうすれば自由になれるかなんて実のところ殆どの人が分かってない
自由で素敵な人を真似してみるしかないんだ
これからは違う…

>アーイイ…
>今は効かないが嫉妬する三冠馬はそのうちガンに効くようになる
いいよね仕事だってわかってるし自分のトレーナーが人気で嬉しいけど自分も詠んでもらったことなかった短歌まで披露してたことにもやもやするCB

>こんなに私をわかってくれた人はいません。嬉しいけれど、その分だけもうこの人は他の誰かのトレーナーなんだなと思うと切なくて仕方ないです。
>私を見つけてくれてありがとうございました。できるなら、もっと早く会いたかったです。
お客様の重ためな感想からしか得られない栄養素がある

シービーが自由の価値を知ってるとまで言う相手なんだ
他の子が自分を見失っててもきちんと気持ちを汲み取ってくれる

自分のしたいことを否定される悲しみは知ってるからシビトレ茶化したり妬いたりしてもお客の子のことは茶化さないシービー

これは詩人だわ

>「本当に？」
>「本当だよ。だって、きみはずっとアタシに寄り添ってきたんだもん。他の子にできないわけないって、ずっと思ってた」
シビトレがお客の子に優しくする度に妬けるけどやっぱりきみならできるよねと思うのもやめられないCB

心の中のもやもやしてたことや思ってても言葉にできなかったことを汲み取ってもらえるとすごく嬉しいからね
それを初めてしてもらったのがクラシック前のシービーなんだけど

味が濃い！！！！！詩人だ…

>どうすれば自由になれるかなんて実のところ殆どの人が分かってない
>自由で素敵な人を真似してみるしかないんだ
>これからは違う…
飛ぼうと思ったのはシービーに憧れたから
シビトレはそんな子に自分だけの翼をつけてくれた

>いいよね仕事だってわかってるし自分のトレーナーが人気で嬉しいけど自分も詠んでもらったことなかった短歌まで披露してたことにもやもやするCB
もやもやが極まるとトレーナーを紀行に連れ出す
恋や旅の歌だの都々逸だのを夜毎にせがまれる

>>いいよね仕事だってわかってるし自分のトレーナーが人気で嬉しいけど自分も詠んでもらったことなかった短歌まで披露してたことにもやもやするCB
>もやもやが極まるとトレーナーを紀行に連れ出す
>恋や旅の歌だの都々逸だのを夜毎にせがまれる
世界の涯てまでついてきて…ということだね？

>もやもやが極まるとトレーナーを紀行に連れ出す
>恋や旅の歌だの都々逸だのを夜毎にせがまれる
月夜の渚にねころんで　あなたのことだけ想ってる
星の数だけあなたが好きよ　星の数だけあなたが好きよ
あんまりあなたが好きなので　数えているうち夜があけた

CBをわかってあげようとしてたから他の子のこともわかってあげられるんだ
それだけ自分と真剣に向き合ってくれた証拠なんだけどそれはそれとして妬ける