「ハナミさん、少しお聞きしたい事が…」 「どうしましたか?」 艦長席に座りながら船のシステムの点検をしていると側に居た部下がディスプレイをこちらに見せながら尋ねてくる 「隊の編成を確認していたのですが…」 表示されているのは今後運用される部隊のメンバー表、名前に一つ一つコールサインが割り振られているが…1番上だけ名前の部分が空欄になっていた 「ここには一体どなたが?流石に1番目に誰も居ないなんて前代未聞過ぎますよ…?」 「勿論、誰をストライダー1にするのかは決めてあります」 冗談混じりに聞いてくる部下に彼の姿を思い浮かべながら答える 「なら、良いんですけれど…どんな人なんですか?」 「私に生き方を教えてくれた人、戦う術を…与えてくれた人です」 「そんな人が…こんな出来たばかりの部隊に来てくれるなんて、一体どうして何ですか?」 高ランクの魔導士を引き入れる為にはそこそこの成果が無くては出来ない事を知っているのだろう 「さて…どうしてでしょうね?」 曖昧な返事にそれ…本当に来てくれるんですか…?と思わず言ってしまう部下に同意しつつも…必ず来ると断言する 「…彼は来てくれます、大切な誰かが助けを求める限り」