「リコリスさーん、あーそびましょー」 「……色々言いたいことはあるけど、まず聞かせろ。どうやって私のセーフハウスを嗅ぎ付け た?」 「んー?ひ・み・つ♪」 「うん。まーそんな返答がくると思ってましたよ、ええ……悪いけどさ、今から任務なんでパス」 「任務……?あ、もしかしてリコリスの任務ってやつ!?僕も付いてっていい?」 「はいぃ!?何言ってんのチミは!」 「ヒマなんだしいいでしょ別に。それにさぁ〜僕一回やってみたかったんだよね、テロリストを決闘 で叩きのめすの!確かそっちのデュエルディスクもカード化の機能使えたよね?僕のは今使えな いから貸してよ」 「いやそんなフザけた動機でついてこようとすんなや!それに今日の標的(ターゲット)は決闘者 じゃないし!カード化もしーまーせーん!」 「ちぇっ、なんだ銃撃戦か……つまんないの」 「つまんないのじゃねぇよ……つーか、何でここにいんのよ?確か今日もエクシーズ次元の復興 の手伝いに行ってたんじゃなかったの?」 「今日の分のノルマは終わらせてきたよ。僕優秀だから」 「それでヒマになったから私のとこに来たってワケか……ん?待てよ?ちょっとユーリくん、キミ確 か融合次元以外じゃ監視付いてないとひとりで移動するのはダメだったハズ……」 「あぁ、それ?ウザいから撒いてきた」 「ちょちょちょ何してくれてますのん!?」 「今日の監視……結菜って言ったっけ?事あるごとにいちいち口うるさくてさぁ。ムカついたから彼 女が報告で目を離してる隙にスターヴに乗って逃げてきた」 「街中でモンスターの実体化は禁止されてるでしょーが!」 「リアルソリッドビジョンじゃなくて自前で実体化してるからセーフだよ」 「んな屁理屈言ってる場合じゃないだろオイ!結菜ちゃん絶対キレてるやつじゃんこれェ〜……」 「大丈夫。今から戻るつもりだから」 「へ?」 「どうせ発振器で居場所がバレてるし元々長居は出来なかったしね。あーあ、連れ戻される前に アンタと遊びたかった」 「……まぁアレだ。今日はダメだけどさ、お店に来たらいくらでも────」 「それだけじゃ足りない」 「は?」 「アンタ自分で言ってたじゃん。カード化よりもっと楽しいコトを教えてやるって。それに、遊矢以外 でボクを負かしたのはアンタだけだ。だから────」 僕の飢えを満たすまで楽しませろ、錦木千束。 「……いいぜ。嫌だって言うまで遊んでやるよクソガキ」 「ハハハハッ!アンタのその瞳、最高だよ───またね、リコリスさん」 「……はぁ〜、ホンット厄介なヤツに目を付けられたコト!」