ある日の事、シゴナナイチバンはパソコンを叩き、時刻表とにらめっこしながら、何かをメモしていた。 「あら?何をしているのかしら?」 「ナナさん、えっと、旅の予定表作りっす」 声を掛けてきたスイートシゴナナに、シゴナナイチバンはメモの内容を見せて説明する。 「少し拝見…ここはこの切符の方が安く済みますわよ」 「え…あっ、ほんとっす!」 「期間限定ですから、見落とすのも無理はありませんわ」 元々ルドルフに仕える為の教育を受けていたスイートシゴナナ、頭の回転と引き出しから知識を取り出す速度は速い。 他にもアドバイスをしていき、シゴナナイチバンのプランニングは進む。 「ところで、これは誰に向けてのプランですの」 「お姉ちゃんっす」 「そう…お姉ちゃん?」 「あれ?言ってなかったっすか?」 姉がいる、そんなの初耳だったスイートシゴナナ。 「そのお姉さんは、どちらに」 「トレセンにいるっす」 「…」 記憶を探すが、シゴナナイチバンと似たウマ娘に重い当たりがなかった。 「ナナイチちゃん、いったいどなたですの?わたくし思い当たるウマ娘がいなくてですね」 「全然似てないので仕方ないっすよ」 「そうですの?…で、お名前は?」 「ネオユニヴァースっす」 「…」 その名前を聞いて、もう一度記憶を照らし合わせる…どこにも似てる要素がなかった。 「本当にですの?」 「そうっすよ」 「話、通じますの?」 「割かし通じるっすよ」 ネオユニヴァース、意志疎通が難しいとされるウマ娘の一人、そんな彼女とシゴナナイチバンが姉妹。 スイートシゴナナは、にわかには信じられなかった。 「あ、このプランはお姉ちゃんがお友達と旅行に行くためのっす」 「そ、そうですのね」 そういえば、ネオユニヴァースはゼンノロブロイやヒシミラクルと仲が良かったなと思い出し。 それなら姉妹というのも、本当なのだろうと、スイートシゴナナは納得した。