どうして同じ千葉といえどもチーバくんの端から端までいく必要があるかですって？
それはくるみさんの実家のお墓が松戸にあるからですわ。
　そう、これは少し遅いお盆の先祖供養。盆を過ぎ秋を迎えようとしている時柄に行われる弔いの為ですわ。
　くるみさんは夏だというのに薄手のパーカーを羽織ってますわ。わたしはいつもの私服。ではなく山ガール使用ですわ。
タクシーのトランクには手桶と柄杓、枝切りバサミに小さいシャベル。それにお供えのお花がありますわ
「できるだけ綺麗に飾ってあがて欲しい」ってくるみさんはいいましたわ。
そこでわたしは庭のバラを数本ほど失敬いたしましたのだけれども
「バラはダメだと思うよみなみぃ」
とくるみさんからお叱りを受けて、普通のお供えの花に加えて夏の花という事で庭に咲いてたガーベラ・テトラを添えましたわ。
　百合独特の匂いがトランクから少し漏れてきてますわ。一瞬香りを楽しむ分にはいいですけど長時間は辛いですわね。

「くるみ怖い…」
くるみさんは私の腕をがっちり握って怯えていますわ。
「大丈夫よ…車を降りたらすぐに霊園、お掃除とご先祖様にご挨拶が終わったらすぐに帰りましょう」
「うん…でも怖いの…くるみ怖いの」
　くるみさんは今にも泣き出しそうな顔をしていましたわ。
それもそのはずですわ、今は明け方3時、松戸に着く頃にはもう陽が照っている時間帯ですわ。
　この時間帯にくるみさんが出歩くことは、この3ヶ月半の間、ありえませんでしたもの。
陽の光を浴びる事のなかった私達の肌はタクシーの薄明かりから見てもわかる通り青白く。
　運転手さんからお化けと感違いされてもおかしくはありませんわ。

「でも、くるみさんはお墓参りしたいんですよね」
「うん」
「もうしばらくの辛抱ですわ…城州から松戸なんてすぐですわ」
時刻は午前5時、千葉市への青看板が見えてきましたわ。朝陽が外房の方から差し込んでくるのがわかりますわ
「ﾋｨ！」
くるみさんは怯えながらフードを被りますわ
「大丈夫ですわ…大丈夫、陽が照っていてもここには私しかいませんわ（タクシーの運転手さんもいますわ」
「くるみこわいこわいこわいこわい！！！！！」
くるみさんが車内で泣き出してしまいましたわ
こういう時には抱きしめて、泣きたいだけ泣き続けさせるしかありませんわ、赤ちゃんと違って、くるみさんはあやせないのだから
「大丈夫ですわ…わたくしがいますわ…」
　くるみさんの絶叫と共にタクシーはバイパスに入る。困り顔のタクシー運転手さんにど
ういう顔をしたらいいかわらかない。

　松戸の町並みが見えてきましたわ城州より賑わう郊外型店舗が立ち並ぶ姿を見たらくるみさんが泣き止みましたわ
「なつかしい…くるみちっちゃいころここ住んでた」
泣きはらしたガラガラ声でくるみさんがつぶやく。わたくしは一瞬ホットする
「◯◯霊園ですよね、あと20分もしないですよ」とタクシー運転手さん
「ありがとうございます」その一言しかいえなかった」
「さぁ泣いてしまったから喉が乾きましたでしょう…お水を飲みましょう」
「うん…」
そうしてわたくしはくるみさん用の経口栄養水を飲ませる。くるみさんはポカリじゃなくて乳児用の経口栄養水が好きらしくて、これを常に常備している
「やさしい味が好き」とくるみさんは語る。
　気がつくと霊園への細い道へと入っていった。華鳥家が弔われるりっぱな霊園と違い、ポツンと小さな霊園だった。

あいつ

「さぁ付きましたよ」と運転手さん
「いきましょうくるみさん」と手を引くと「うん…」とパーカーを維持でも被り続けるくるみさんの姿があった。
　トランクから桶を取り出し、くるみさんと一緒に共同の水道へと水を汲む。
そして縫うように建てられている墓石の中から、すこし小ぶりではあるが綺麗に掃除された「大河家」の墓石を見つける。
「お父さん達がもう綺麗にしてくれたんだね…お掃除されてる」とくるみさん
他の無縁仏のような墓石と違って大河家の墓は「慄然」と言う言葉が似合うほど綺麗に清掃されている。
「おかあさん、帰ってきたよ」とくるみさんが一言

…はて？くるみさんのお母様は健在のはずでは？
首をかしげる私にくるみさんが答える
「お母さんくるみが6歳の時に死んじゃった」
「ここはね、くるみの本当のおかあさんのお墓なの、今のおかあさんとくるみは血がつながってないの…だから、帰るのが嫌」
　くるみさんがわたくしの家に閉じこもっている理由の断片がここで明らかになった。どうしてよそよそしくくるみさんの両親がわたしの家での同棲生活を許諾してくださるのか
どこかくるみさんの扱いに困っている様子あったのだろうか。
賭けていたジグソーパズルの最後の1ピースがハマったような、そんな爽快感と共に、くるみさんの心境が垣間見えてしまい。つい心が落ちてしまいますわ。
くるみさんは杓で墓を清め、雑巾で綺麗に墓石を磨いている。私はかつて添えられていた
朽ちた花々を片付けて新たに花を手向ける。そして蝋燭に火を灯す。お線香に炎を移すと赤熱と共に煙を放つ。

「さぁ、おかあさんにたくさん伝えないといけない事がありますわね、くるみさん」
「うん…」
「たくさん伝えましょう。時間はいくらでもあるのですから」
時分は9時を回ったばかりだった。朝露の涼しさがまだ残る。陽が真南を射すまでにはまだ時間がある
「くるみね、去年ロボコンで銀賞もらったんだよ…いろんな人に褒められた！友達ができたよ、東ちゃんに北ちゃん、そして隣にいる南さん…」
くるみさんは続ける。
「4人でいろんな事をしたよ。ボランティア。TVにも出たよ。アイドルにもなった…TVの前でお歌も歌ったよ。…お歌…お歌…ウウッ」
くるみさんはフラッシュバックしたようにつらい思い出まで引き出そうとしている
「いいの、いいのですよくるみさん…お母さんには十分伝わりましたわ」
　わたくしはくるみさんの涙と鼻水でグシャグシャになったパーカーごしに頭を撫でる事しかできない。

なぜかわたくしの口は動いていた、震える声帯の感触は今でも覚えている。
「くるみさんは友達ができました、夢もできました。心が揺れ動くほど挫折した事もありましたわ。でも、落ちこんでしまって転がってもまた、きっと…きっとくるみさんにとって新しい夢ができるかもしれない…」
「みなみぃ」
くるみさんが私に抱きつく
「お母様…」「おかあさん」
「わたくしはくるみさんの事が好きでくるみさんはわたくしの事が好きですわ、この事だけは変わりない事ですわ。ご心配のならないように」
「うん…」
「これからもわたくしはくるみさんを愛し続けますわ…どうか微笑ましく見守ってください…盲の羊飼いが二人、見えなき道を歩むその先に灯火を与えてくれますように」
お寺のお墓にも関われず私は神に祈ってしまいましたわ。なぜならそれが私の思いなのですから
「みなみ」
くるみさんがつぶやく。
「みなみ、ありがとう。」
祈りを捧げるわたくしにくるみさんが抱きつく。墓石の門に番になった赤蜻蛉が止まる。
　そんな秋の様相を見せる神聖な瞬間を二人…過ごす。時計にして約30分

「みなみ、そろそろ帰ろう」
「くるみさんもういいんですの？」
「うん、お墓も掃除したし、みなみも私もお母さんに祈ったもん…それに運転手さん…待ってるし」
「それもそうですわね、さぁ行きましょう」
　途中、境内の少し饐えた匂いのする古いご不浄で用を済まして、タクシーの乗り込む、自販機で私は炭酸入りジュースをくるみさんはお茶を購（もと）めましたわ。
　助手席のドアを閉め、霊園を後にする。
――これでわたくしとくるみさんのすこし遅い弔いはおしまい。愛の告白はきっと供養になったと思いたいですわ。

松戸市内に入った所で運転手さんが「お二人さんお腹好きませんわ」と一言
「ええ、朝から何も入れていないので…」と応えると
「松戸で昔勤めていまして。おいしい所知ってますよ。ちょっとお昼がてらに行きましょう」
と一言。
そして松戸駅前某所、おいしいと噂の中華屋さんで三人仲良く昼餉を頂きましたわ。
　店は人混みで溢れていましたが、くるみさんは怖がる様子はありませんでした。
――それは、とっても素敵なこと。

城州への帰り道、くるみさんがわたしに囁いた「今度…わたし頑張ってショッピングモールに行きたいな…みなみぃと一緒に、本屋さんにいってパソコンもみたいにお洋服もみたい」
前向きな言葉を聞いたのは何ヶ月ぶりだか忘れましたわ。ただ、歓喜だけが私を包み込む。
「ええ、行きましょう。パンケーキも食べましょう」
「うん、パンケーキ食べる」
城州への帰り道は明るい話題で付きなかった。日が暮れる頃華鳥邸についた。
喋り疲れて私もくるみさんもくたくただったのでそのまま着の身着のまま眠りについた
今日はそんな弔いの日、少し遅れた盆を私達は終える。

あいつ

あいつ
長いよ

>長いよ
いいよね…

みなくる！みなくるですわ！

闇のみなくるきたな…

長文来たな…

光のみなくるですわ！

ねぇなんでこのくるみちゃん壊れてるの？

くるみさんは壊れてなんかいませんわ
少し心が揺れ動かされたまま戻らないだけですわ
時間…時間が解決してくれますわ

闇の怪文書きたな…

草葉の陰でくるみさんのお母さんも喜んでいるよ

みなくる！みなくるですわ！

華鳥邸に監禁されてないくるみさん始めてみた

今日は怪文書が続くな…

いいことですよね

公演画像じゃないせいで逆に見つけるのに時間かかった…！

>みなくる！みなくるですわ！
みなみさんはくるってるの略

見つけるの大変だった！西野南公園で建ててほしかった！

ねぇ…これくるみさん完全にみなみさんに飼われて…

トラペジウムの怪文書といえば壊れたくるみさんとわｔみなみさんですわ！

なんかもうオリジナルの別の話になってきたな…

くるみちゃんのお母さん死んでる！？

>なんかもうオリジナルの別の話になってきたな…
監禁してた頃はまだ原作の名残あったもんな

お盆にはあずまちゃんが遊びに来たんだよね
数ヶ月ぶりのくるみ吸いをしたんだよね
神聖な瞬間が訪れる…

わたくし思ったの
この物語は原作からかなり脱線してるわ

>なんかもうオリジナルの別の話になってきたな…
墓参りにいっただけですわ
くるみさんとわたくしの生活に変わりはありませんわ

早くアマプラで配信してください
「」さんはもう限界なのよ

トラペジウム欠乏症により
「」なみさんの脳内に溢れ出した存在しない記憶…

原作でこんなシーンあったかな…

ノベライズ版にあったよ

みなくる好き
…壊れてるのも好き

>監禁してた頃はまだ原作の名残あったもんな
原作でも監禁してねぇよ！

みなくる助かる

東ちゃんと北ちゃんは何をしているの？

東ちゃんはくるみちゃんがこうなっった責任としてアイドルになったよ
北ちゃんは孕んだよ

東ちゃんはこんなのに関わったらスキャンダルに巻き込まれてアイドル生命危ういからな

でもお忍びで吸いにくるよ
くるみちゃんを

なんでくるみちゃん太陽を怖がるの
吸血鬼かなんかなの？

太陽は東から昇るからね

今の東さんがくるみさんにとって眩しいだけですわ

太陽は西に沈む
くるみちゃんの時間が始まる

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

くるみさんは存在しますわ！

>1724266478299.png
存在しない記憶は記憶のままでいてくれ

私気付いたの
くるみさんはお日様を怯える事はないですし
わたくしはくるみさんを監禁なんかしてないですの

でもこの怪文書世界の南さんとくるみちゃん好き
闇のみなくる好き…

南さんとくるみちゃんでお料理してる回好きだよ

>「くるみさんは友達ができました、夢もできました。心が揺れ動くほど挫折した事もありましたわ。でも、落ちこんでしまって転がってもまた、きっと…きっとくるみさんにとって新しい夢ができるかもしれない…」
ﾃﾈﾘ…ﾃﾈﾘﾀｽ…
>「わたくしはくるみさんの事が好きでくるみさんはわたくしの事が好きですわ、この事だけは変わりない事ですわ。ご心配のならないように」
ﾃﾈﾘﾀｽﾊﾟﾝﾃｨｰ！ﾜｧｵ！

ﾃﾈﾘﾀｽﾊﾟﾝﾃｨｰ案件だったのか…

最近は闇のみなくる以外の怪文書が増えてうれしい
みんな怪文書書こうね
約束ね。

ねぇ、東さん。アイドルになった先には。フェスやTVだけじゃない。いろんなことが待ってますわ。楽しい、苦しい、悲しい……強く、激しく、気持ちが動くようなこと
アイドルの仲間ができますわ、さらなる夢もできる。挫折するかもしれませんわね。でも、落ちこんで転がってたらまた、新しい夢ができるかもしれない…
いいなぁ。どれもこれも、わたくしには手に入らないものです
だから、せめて。ひとつぐらい。わたくしにくださらない？
ほら、くるみさんが見えるよ
くるみさんの心はわたくしがもらう
<ｴｯ
他のものは、ぜんぶあなたが手に入れて。だけど、くるみさんの心は私が手に入れる
私がくるみさんと一緒にいてもね…きっとアイドルを続けられない、でも最高の瞬間にね、くるみさんが思い出すのはわたくしよ！
<ﾔﾀﾞｯ！ｿﾝﾅﾉｵｶｼｲﾖ！
「わたくしもきっとそう、終わる瞬間は、くるみさんの事を思い出す」
<ｿﾝﾅｺﾄﾅｲ！
くるみさんは、私のことが好きで。わたくしは、くるみさんのことが好きなの

>早くアマプラで配信してください
>「」さんはもう限界なのよ
FODで独占配信！

ﾁｯ

お盆か…
夏祭りで浴衣姿のくるみちゃん見たかったな

>くるみさんは、私のことが好きで。わたくしは、くるみさんのことが好きなの
これを見に来ましたわ

夏休み終わっちゃうよ
二学期にはちゃんと学校に通えるようになろうねくるみちゃん

…

みなみぃ…学校ついてきて…

いいですわ！
共に行きましょう！聖南テネタリスへ！

ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━ !!!!!

幸せだった世界助かる

挿絵？助かる

どんなランチ食べてるのかな東西南北

いいですよねテネリタス女学院までついてきてしまうくるみちゃん
編入してちゃんと授業受けちゃうの

大きな声じゃ言えないけど…ヴァンパイアくるみちゃん好き…

くるみちゃんはリモートワークしてるから登校する必要ないよ
その傍らにはいつも南さんがいるよ

闇のみなくるでしか摂取できない栄養素がある

朝起きたらトラペジウムのスレがある！こんな素敵な掲示板ないよ！

数年前にゆるキャン△のインモラルさくリンに脳を焼かれたペンギンが今年はトラペジウムに脳を焼かれたのか夏コミで薄い本を出していたのを思い出した

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こんなんなってるの初めて見た

ブラウザのフォントサイズ大きくし過ぎたんじゃないの？