深碧の巫チャート ちゃること広江ちはるが呼ばれてくる ↓ ちゃる達と神子柴が顔を合わせる ↓ 翌日。 静香とすなおと共に行動、巫の力を知る ↓ 悩みながらも、帰ってきて巫になる事を決意する。 願いは神子柴に渡された「警察庁が隠蔽している防衛省職員による事件の証拠を表舞台に出す」事。 静香とすなおは舞人の手伝いに神社へ。 広江母は神子柴と話をしに行く。 ↓ 帰ってきた母は覚悟を決める。 ちゃるもまた、巫になる決意を固める。 ↓ 翌日。 静香母との鍛錬の後、夜には神社で國兵衛神楽と巫の儀が行われ、ちゃるは魔法少女になる。 ↓ 翌日には朝刊に願いの結果が。 ちゃるは修練に励む。 ↓ 一週間後、それなりに見れる戦闘力になってきたちゃる。 静香達との行動の中で固有魔法である「悪意をにおいとして探知する力」によって悪鬼を見つけ出すが、それはユラユラサマという時女の守り神とされるものだった。 納得いかないながらも諦めたちゃるは、二人と共に他の悪鬼を探し始める。 倒した後、悪鬼の魂魄(グリーフシード)や宝石(ソウルジェム)についての会話。 濁り切ったらどうなるのか?という疑問がここで生じる。 ↓ 先の会話を気にした静香は神子柴の元へ向かい、婆から濁り切った魔法少女は成人という扱いで集落の外へ旅立っていくと聞かされる。 ↓ 一方、ちゃるはにおいを感じて神社へ向かっていた。奥の方からよりにおいを感じる為、奥深くにある神殿へ進もうとするが、何者かから攻撃を受ける。 そこを静香に助けられたちゃるは、舞人に怒られながらも帰路に着く。 ↓ 夕暮れの帰り道、静香から成人についての話を聞き、短くも濃い友人関係に別れがせまっている事で涙ぐむちゃる。 しかしそこを、結界も無いのに大量の使い魔に囲まれる。 万事休すかと思われたところに静香が救援に駆けつけ事なきを得るが、引き換えに穢れの蓄積によって動きの鈍った静香が大怪我を負ってしまう。 ↓ 元看護師の広江母を中心とした夜を徹しての治療と、巫としての肉体のお陰もあり、静香は一命を取り留めるが、成人したとして集落を出て行かざるを得なくなってしまう。 ↓ 翌日。 裳着の儀の為に川の上に掛けられた橋へと連れられた静香が、せめて無事に旅立つ所を見届けたいとこっそり様子を伺うちゃる。 しかし静香は幾らかの口論(後に書かれるが、具体的には巫が悪鬼になるという事実と、一人として成人の後に外に出たものはいないという真実を伝えられた事によるもの)の後、神子柴への怒りから叫ぶも、激流の中に突き落とされてしまう。 それを見たちゃるは神子柴の前に飛び出すと、後を追って川に飛び込む。 ↓ 激しい流れの中、何とか静香を掴み、初勝利の祝いとして渡されていた魂魄を用いて彼女の穢れを払う事に成功したちゃる。 流された末に滝壺に落ちた二人の目に映ったのは、水底に沈んでいた数多の骸達だった。 その後も流され、意識を失ったまま川岸に流れ着いたちゃる達を、実は神子柴の手先として監視させられていたすなおは始末しようとする。 「……私も、水底の骸に」 だが静香のその言葉を聞いた事で、親友二人を手に掛けることを躊躇ったすなおは、二人をこっそりと自宅へと連れ帰った。 ・前編終わり ↓ 目覚めた静香とちゃるに対し、すなおは自らの事情(両親の悩みを晴らす為に契約したが、契約するのでは無いかという懸念そのものが両親の悩みであり、また仕来りを破ったとして神子柴に脅されていた)と、神子柴がちゃるの持つ「悪意をにおいとして感じ取る」固有魔法を警戒し、必要ならば殺害せよという命令を出されていた事を吐露する。 静香もまた、自らが神子柴から明かされた情報を共有し、共に神子柴を断罪するべく動き出すが、時女集落はとうの昔に魔女の結界と化しており、中では使い魔達が発生していた。 ↓ 夕暮れ時、突然の使い魔の発生と奇襲。 過去の神子柴との会話から、使い魔達が影に潜んでいる事を悟ったすなおのお陰で奇襲を躱す事に成功した三人は、居なくなってしまった集落の人達を探して、それぞれに別れて調査に飛び出す。 ↓ ちゃるは、時目一心流の技と刀で使い魔に応戦する静香の母と自分の母を。 静香は神子柴の命令で一つの建物に集められていた住人達を。 すなおは神子柴の自宅で、時女集落の闇──神子柴が関わっていた魔法少女ビジネスとでもいうべき物の証拠を、それぞれ見つけ出す。 しかしすなおは自らが見つけた、魔法少女としての願いと命に値段を付けられて売られたという残酷な事実を、墓まで持っていこうと考える。 ↓ 合流した三人は、静香母の所有する大量の刀に巫の力を込めて後の護衛を託すと、完全に日が沈む前に決着を付けるべく集落を散策するが、一向に魔女は見つからない。 そんな中、ちゃるは自らの愛好する作品に登場する探偵等々力耕一の言葉から、発想を転換させる事を思いつく。 すなおはその助言によって、魔女との距離が縮まらないのは平面的ではなく立体的に距離が離れているのではないか?と推察。 地下にいる可能性が高いと考え出すと、静香は神殿の奥にいるかもしれないと、魔女の潜伏場所を導き出した。 ↓ 神殿の奥、噎せ返るような悪意のにおいが立ち込める中を突入した三人。 地下に誂られた巨大な……そこには一連の元凶である魔女と、それを操っていると言わんばかりの神子柴が立っていた。 神子柴こそが全ての元凶であり、目の前の魔女を倒せば戦いは終わると確信した三人は、それぞれの力を合わせて果敢に挑み、遂に魔女を打ち破ることに成功する。 ↓ 魔女の打倒と共に倒れた神子柴を連れ、帰還を果たした三人。 目を覚ました神子柴は何も覚えていないとすっとぼけるが、そこですなおは遂に我慢しきれず、神子柴の家で見たものを打ち明け、弾劾する。 最早言い逃れは不可能と判断した神子柴は、奥歯に仕込んでいた即効性の毒薬で自害。 最早真実を知る方法は無くなったかと思われたが、こうなった以上とことん調べようと考えたちゃるによって、神子柴の懐から謎の文字で書かれた二冊の書物が見つかった。 ↓ 誰も読めないものが見つかったところで……と周囲が半ば諦めに陥る中、その本は広江家が先祖代々知識を受け継いできた文字によって書かれたものだと発覚。 ちゃると母の二人によって、夜を徹しての解読が始まる。 ↓ 翌日、徹夜明けのちゃると、同じく急激な状況の変化によって徹夜せざるを得なかった静香とすなおは、静香が突き落とされた橋の近くへやってきていた。 神子柴について記された本によれば、神子柴は元々武士の一族であり、大元は集落を守る為にやってきたが、巫のいない時期に実権を握ったという事。 國兵衛神楽、巫の儀、裳着の儀を仕来りとして定めた後、巫に神子柴一族に魔女を操る力を与えるよう願わせ、集落を結界の中に隠す事で、巫を利用したビジネスを遥か昔から代々続けていたという事。 ユラユラサマは捨てられた巫が変貌した悪鬼であり、集落が隠された為に帰る事もままならず漂っているが、いつか結界が解かれた時には必ず戻ってくるだろうという事。 それらの情報から、自分達がここに集まったのはユラユラサマを迎撃する為だと静香は悟るが、それを遮るように静香母は一度家に戻ると言い出した。 ↓ 時女に残されている「神子柴の文字を読むものが集落に戻りし時、神子柴は滅びる」という伝承と、広江家は神子柴の系譜に連なる末裔の一つである事から、かつて時女の本家と結託して状況を変えようと試みたものの、集落から追放されてしまったのだろうという推察を語る静香母。 彼女は使い魔達との戦いで大部分が壊れた自宅に戻ると、一振の刀を取り出す。 時女本家に代々受け継がれてきた歴代の巫達の魔力を篭められた刀は、この時の為にあったのだと、静香に託す。 ↓ 今度こそユラユラサマの迎撃に向かった静香、すなお、ちゃるの三人は、結界の中を駆け抜け、ユラユラサマの元へ辿り着く。 無念の内に悪鬼と成り果てた数多の巫達の想念を取り込んだ強大な魔女であるユラユラサマを前に、苦戦を強いられる静香達。 静香の胸の内にユラユラサマと化した今までの巫達の怨念が流れ込み身体が竦むが、それをすなおとちゃるがカバーする。 戦いの中、ちゃるの告げた時女の本の内容……神子柴が実験を握るまでは巫達も成人として本当に外の世界へ旅立っていた事と、そんな巫達の残した言葉が、自分に重なった静香は調子を取り戻す。 この日この時この場所に、時女に纏わる数奇な因果によって集まったのが、この三人で良かった。 だから今、受け継がれてきた想いの刃と共に、ユラユラサマを……怨念に囚われた御先祖様を解放する。 時女の刀によって放たれた一撃は、過去を断ち、未来を切り拓いた。 ↓ 神子柴を中心とした一連の事件を乗り越えた静香達。 しかし神子柴と、彼女に続くように死亡した舞人達が、私欲の為であっても時女集落を経済的に支えてきた事は事実であり、集落の問題は山積みであった。 金も無い、知恵も無い、だから当然未来も無い。 そんな集落の状況を変えるべく、大人達は奔走し始める。 そして静香達は、神楽も儀式も必要無く普通に久兵衛を呼び出すと、自分達が悪鬼にならない方法を聞き出そうとしていた。 巫が悪鬼になるのを避ける術は殆ど無い……しかし、神浜市にある自動浄化システムを手に入れれば、或いはそれも叶うかもしれない。 久兵衛にそう聞かされた静香達は、時女の巫の未来を見据えていくべく、遥か昔に方々に散っていたらしい一族の者達に連絡を取り、外の世界へ出ていく事を考えていた。 いつか死ぬその時まで、日の本の為に戦う。 時女一族の受け継いできたその矜持の為、三人は神浜市へ向かう事を決意するのだった。 〜終〜