二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1721743508266.jpg-(343789 B)
343789 B24/07/23(火)23:05:08No.1214315226そうだねx2 00:28頃消えます
「飲まないか?」と、男に告げられたとき

白は「承知しました」と、いつもと同じ調子で了承した。彼女には、男の頼みを断るという選択肢は無かった
赤は「……うん!お誘いありがと!よろこんで!」と、少しの躊躇いの後に微笑んだ。ずっと昔に紡いだ恋の残渣が、今でも彼女を甘く蝕んでいた
黒は「あら、珍しいわね。勿論おっけーよ」とさらりと答えた。酒好きという自身のキャラクターを維持するためでもあり…純粋に、この男との雰囲気に酔ってみたい…いわば好奇心のためだ

彼女たちは三者三様に喜び、期待に胸を膨らませ、酒宴の日を楽しみにしていた。誤算があるとすれば、それは……

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「サシ飲みだと、思っていたのだけれど」
落胆、困惑、そして嫌味。がっかりした様子を隠そうともせず、このワタシ…純粋可憐なメイベルちゃん♥は呟いた

混沌を隔てる扉の前が待ち合わせ場所。クイーンランドの喧騒がかすかに聞こえるそこで、ワタシは遅れて来た彼と…
彼が連れている、赤い偶像とエンカウントした
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/07/23(火)23:05:58No.1214315535+
「あは、あははは…」
美女を連れて(しかもその腰…いや尻か?に手を回して)ご満悦なグリムとは対照的に、プリケットは多分に落胆が含まれている苦笑いを浮かべる。その目は全く笑っておらず、何故かワタシを非難するような眼差しであった

ゴーンゴーン。頭の中で鐘が鳴り、歯車が回る。戦闘のBGMすら幻聴で聞こえて来るようだ…同じ男と約束をし、それが二人きりだと思った愚か者たちがしばし見つめ合う

ひょっとして、今のこの状況は恋の鞘当てとかいうやつだろうか?

この際だから値踏みをしてやろう。ワタシはジロジロと『恋敵』の服装を眺める。いつものアイドル衣装ではない、楚々としたロングスカート。露出を極力おさえたそれは一種禁欲的にさえ見え…しかしそれにしてはシワが多く、慌てて着付けた感がミスマッチ

視界を巡らせ、過去を見やる。なんのことはない、この娘はなんとまあ直前までアリスのエプロンドレスで行こうとし、そして躊躇の果てに引っ掴んだのがこのメイちゃんの服と丸被りな装いというわけだ

ちなみにワタシはいつもと同じである。普段のワタシが最も美しいのだ
224/07/23(火)23:06:22No.1214315702+
「中々良いお召し物ね、きっと長い時間かけて選んだのでしょう」
「……っ!ありがとっ!狂気の国のファッションリーダープリケットは、清楚系も着こなしちゃうのだ〜!中身と外見が釣り合ってない所にギャップ萌え…感じちゃう?」
せっかくなのでジャブを一発。しかし予想以上に効いたようで、ファッションリーダー様は取り繕った笑みが隠せていない

何が釣り合ってない、だ。お前…いや、お前達以上に一途で清楚なのもそうは居まいに

「さて、いろんな意味で誤算だったけど…そろそろ始めましょうか…ひんっ!?」
引きつった笑みでの挨拶も済ませた所で、そろそろ酒宴を、と思った矢先、グリムがワタシの腰(というより尻)に手を回し、ガシッとつかむ

両腕に美女を抱えて満足だろうが、プリケットの視線がとても痛い、早く離して…と言いかける私に、彼は信じ難い一言を放った

「あともう一人、ノーデも混ざるんだ」
324/07/23(火)23:06:41No.1214315829+
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「はぁ…はぁ…♥こんなスキンシップ、ファンに見られたら大炎上大爆発間違いなしだねっ!」
「ちょっと…んっ♥揉むのはやめなさいっ♥」
プリケットとワタシ、2人仲良く彼に腰(尻)を抱えられながら階段を上がり、図書室の夢へ。最後の段にはボス霧がかかっているようにも見えたが、連行されている身にはどうしようもない

そして、大きな机(いつもは本が生まれているが、今日はテーブルクロスが敷かれ、酒瓶が何本か置かれていた)の先で、ワタシ達は会いたくない存在と相対した

「ご機嫌よう、プリケット嬢、メイベル嬢。よくお越しくださいました」
丁寧な言葉や慇懃な一礼とは裏腹に、刺すような視線を向けてくるノーデ。普段のワタシならうさぎちゃん眼ぇ怖っ!などと言っていただろうが、それよりも彼女のあり得ない服装に圧倒された

「えぇ…」
「うわぁ…うっわぁ…」
ただ引くだけのワタシと、一旦引いたあと改めて軽蔑の言葉を漏らすプリケット。どちらがより酷いのかは諸説あるだろうが、目の前のソレに比べれば大いにマシだろう
424/07/23(火)23:06:55No.1214315931+
うっっっすいワンピースに、これまたうっっっすい下着が遠目からでも透けて見える。目を凝らせば、白のワンピと黒のブラを越えてさらにピンクの色が見えるほどの薄さ…やる気十分…というよりはヤる気マンマンという出で立ちだ

「どうぞおかけになって下さい」
娼婦すら羞恥心を思い出すような服を纏ったノーデに勧められるがままに席につく
ウサビッチは続いて机を挟んで反対側にグリムを座らせ…当然のようにその隣の椅子に腰を下ろした

自然、席の配置はワタシとプリケットが隣り合い、その対面にノーデとグリムという構図になる。あまりにもすんなりと特等席…彼の隣を確保し、更にこちらには渡さない手際の良さにげんなりする

「流石に露骨すぎないかしら…?」
「何のことでしょうか?この宴は〇〇様と私が設けた席。ホストは同じ側に座るのがマナーの筈ですが…」
まさか、御存知ないのですか?と言いたげな視線を向けるノーデに辟易とする。この女の癖…常にマウントを取ってきて相手を卑しめるような話し方は本当に苦手な…
524/07/23(火)23:07:33No.1214316190+
「ちょっと待ったぁ〜っ⭐!ダベりもいいケド、プリケットはそろそろアルコホルをご所望ですっ!」
険悪な雰囲気を払拭すべく、陰鬱な内面に軽薄な表情を貼り付けた元カノがグラスを掲げる

なんて涙ぐましい努力!彼女の貌に免じて、ワタシは一先ず矛を収めることにした

「それじゃ、乾杯」
ワタシ達を見てずっとニヤニヤとしていたグリムが始めて口を開く。間違いなくこの状況を愉しんている…女達の探り合いをつまみにするつもりだ、とワタシはようやく彼の思惑に気づいた

チン、とグラスの音が響く。目の良い者なら、女達のグラスが互いに触れ合わず…グリムのグラスのみに当てられていることを見抜くだろう

蜂蜜酒を口に含む。支配者は酔わず、酒の味など分かるはずもない。だからこそ、ワタシ達はグリムとの語らいを…そしてその魂に他を出し抜いてひとり近付き…好感度を上げることを望んで彼の誘いを了承しいたのだが、とんだ勘違いだった


そうして、不思議の国の開闢以来。
もっとも白けた酒宴が始まった
624/07/23(火)23:08:06No.1214316406そうだねx2
おしまい
まだ新作でなさそうなので憂さ晴らしです
724/07/23(火)23:09:38No.1214317046そうだねx1
久しぶりにブラソ怪文書見た
824/07/23(火)23:13:00No.1214318423+
ノーデさんマジノーデさん
924/07/23(火)23:13:24No.1214318576+
ひたすらCGを描いているらしいからな…
1024/07/23(火)23:28:37No.1214324432+
過去作ですお納めください

ノーデがかわいそうなやつ
fu3765537.txt

プリケットがかわいそうなやつ
fu3765538.txt

ユニスがかわいそうなやつ
fu3765539.txt
1124/07/23(火)23:30:20No.1214325050+
この女に嫌われそうな感じ!
1224/07/23(火)23:32:50No.1214326006+
>もっとも白けた酒宴が始まった
なんでこんな地獄を作ろうと思ったんですか…
1324/07/23(火)23:34:06No.1214326490+
他にも怪文書書いてる「」いるよね
ドヤパイラブの人と狂気セリフエミュがめっちゃうまい人いた
1424/07/23(火)23:37:02No.1214327721+
クソフェミの奴探してたありがとう
1524/07/23(火)23:41:02No.1214329359+
ノーデさんそんな嫌われるようなことしたかな…共犯者?というか協力関係じゃなかったっけ?
1624/07/23(火)23:53:26No.1214333862+
色々あるが単純におまうさは性格が悪いんだ
1724/07/24(水)00:07:44No.1214338509+
ブラソ始める前に一回だけ見かけてブラソ今年に入って始めたから過去作ありがたい…
1824/07/24(水)00:22:46No.1214343185+
このグリムはいい性格してる


1721743508266.jpg fu3765539.txt fu3765538.txt fu3765537.txt