■サタスペ・セッションレポ:『THE METAL YAKUZA(土)』 プレイ日:2019/07/20 ■今回の亜侠ども 狂咲流星/クルイザキ・リュウセイ/18歳/男 ベーシックカルマ:荒事屋 [戦闘]型の亜侠。重火器カテゴリの強力な武器「PK」に「+1エンブレム」を貼り、更に【銃劇】【阿修羅】【反撃】まで所持している頼れる男。 "地獄の渡り鳥" マリナ・十和網(とわねっと)/17歳/女 ベーシックカルマ:参謀 [生活]型の亜侠。[教養]と[戦闘]でも高水準の実力を持つ素敵なメイドさん。【鷹の目】で敵を妨害し、【狙撃】で仕留める仕事人。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■はじめに このセッションレポは2019/07/20に行われた「THE METAL YAKUZA」のプレイレポートです。 DDの都合で一部の誤字脱字や話の流れを修正してあります。ご了承ください。 尚、再配布などはご自由にどうぞ。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■導入 いつものように「Jail House」(*1)で仕事を探しに来た亜侠たち。 いくつもの事件に関わり(*2)、亜侠として名を上げてきた二人は、そこで地獄組(*3)参加の下部組織、千葉組の一人を名乗る男から声をかけられる。 流星「仕事の話か?」 マリナ「それとも…地上げでしょうか」 千葉組の男「ビジネスの話だ…それも面倒なやつだがな」 千葉組の男曰く、勢力の衰えつつある地獄組の上層部が今欲しがっているのは、後腐れがなく気軽に使えて、万が一敵に捕まっても消して情報を漏らさない兵隊である。 そんな夢のようなモノを実現させるために、千葉組はロボット工学の第一人者、岡品博士にヤクザ・ロボットの制作を依頼。 依頼内容はロボットに組み込む3つのパーツ、右腕に装備する「長ドスブレード = カタナ」、「黒塗りの脚部 = 移動装置」、 そしてやくざの象徴たる「倶利伽羅アーマー = 刺青入りの皮膚」を集めてほしい、というものだった。 千葉組の男「品質の良いモノをだせば、相応の報酬は出させてもらう」 千葉組の男「引き受けてくれるか?」 流星「勿論だ。楽しみに待っててくれ」 札巻をポケットにねじ込む マリナ「ええ、ご期待くださいな」 前金として札巻を受け取った二人は、さっそく情報収集を開始する (*1) ミナミにある亜侠御用達の地下バー。 いわゆるギルガメッシュの酒場であり、公式/自作を問わず典型的な依頼の導入場面によく使われる、DD(GM)にとって大変ありがたい施設。 (*2) 今回の卓はDDが必死に流行らせよ・Oとしている成長回数不問卓。 PCである亜侠たちは既に幾度かのビジネスを経験しており、半端者である亜侠から”侠”になりつつある最中である。 (*3) オオサカを実質的に支配している5つの犯罪結社「五大盟約」のうちの1つ、十三一帯を支配するジャパニーズヤクザ。 表の顔が地主のマリナが地上げを用心したのはそういうことである。 極右思想集団「神風師団」や芸能プロダクション「Pocket(株)」などが主だった下部組織。 「千葉組」は今回用のオリジナルな組織で、これらよりも更に下の弱小傘下という設定。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■1日目の朝 今回の情報収集対象はパーツに関するモノ1つ(*4)で、SL2から4の間に複数のターゲットトピックが存在する(*5)。 各パーツを入手するだけならSL2の情報だけでも可能だが、より上位のモノを引くことでその後の判定が有利になるなどのメリットがある、という方式。 DDとしては情報収集にどこまでリソースを割くかをニヤニヤしながら眺められる算段だったのだが……。 マリナ:SL0ファッションから教養で 食事酒に気合2点 教養で情報収集を開始したマリナが初手で情報イベントを発生させる。 教養イベント表で引き当てたのは「10:図書館ロールが貫通。好きなタグの上位リンク(SL+3)を1つ得る」。 これを[ファッション]に繋ぎ、サイフを消費して再度情報収集。ノートパソコンを使用して難易度を下げた結果、再び情報イベント発生。 引いたのは「7:検索エンジンにかけたらすぐヒット。コストを消費せず、上位リンクを4つ得る」。 そしてタグ決定表でSL4へ「マニア」「ファッション」「ヒマツブシ」「アウトドア」をつなげる。 ……あまりにも適切な諜報活動。なんと全情報を1ターンの情報収集で最高ランクまで抜いたのである。 DD:展開が…展開が早い…! マリナ「流星様、情報が揃いましたわ」ドヤァ 流星「おい今調べたばかりだろ!?」 マリナ「メイドですから」 流星「メイドってなんだよ…」 というわけで、ミナミの「乃木クリニック」で刺青、官庁街の「大阪城」で移動装置、十三の「忍者村」でカタナのパーツを入手できると知った二人は、 ターン終わりの移動(*6)でそれぞれ別のパーツを狙いに行くことに。 (*4) 人数が少ないということもあり、本来はパーツごとに別々のツリー扱いで3つだったものを1つにまとめた。 ある程度の時間短縮になるとは思っていたのだが、ここまで劇的にすっぱ抜かれるとは思わなかったよ! (*5) SL:セキュリティレベル。情報の深度を表し、これが高いほどディープな情報であることを示す。 ターゲットトピック:依頼の内容にかかわる情報のありか。深度を表すと、種類を表す<タグ>という2つの属性を持つ。 この2つと、亜侠個人が持っている<趣味>、[犯罪]や[教養]といった環境値を用いて亜侠が物事の核心に迫る様子を表現しているのがサタスペにおける情報収集となる。 <趣味>や既に調べて入手した<トピック>から1つを選び、使用する環境値を選択、 選んだ<トピック>のSLと<趣味>から難易度を算出して環境値の回数分2D6を振る「リンク判定」を行い、 成功度によって新たな<トピック>やイベントを起こす、というのが主な流れ。 (*6)乗物を所持する亜侠は、ターンの開始と終わりのタイミングで好きな場所に移動することが出来る。 ただし、[肉体]の特殊機能を持つ乗物(自転車、スケボー等、人力で動くモノ)は移動範囲に制限がかかる。[生活]が低い路上生活者の亜侠がよくこれで悩まされる。 というのも、経済力のない亜侠は自転車程度しか持っていないことが多く、そうなると長距離移動のために1ターンを費やさねばならない。 厚意で別の亜侠の乗物に同乗させてもらえた時の嬉しさは筆舌に尽くしがたい。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■乃木クリニック(*7) DDそれではマリナさんが乃木クリニックの裏口へ回ろうとしますと… DD「誰かあの子を止めてーッ!!」 君たちが乃木クリニックの扉に手をかけたまさにその瞬間、とてつもない衝撃と共にドアが吹っ飛んだ。 中から飛び出してきたのは、大型のバイクよりもさらに一回りは大きい、つやつやとしたピンクの豚。 唖然とする君たちの後ろから続いて現れたのは、珍しく取り乱した様子の乃木先生だ。 どうやら表の顔の方の患者が逃げ出してしまったらしい。 乃木先生「ん? 君は…亜侠だな、その雰囲気だと」 マリナ「ええ、メイド地主亜侠のマリナでございます。何やらお困りのご様子ですが」 乃木先生「ああ、困り果ててるよ! ある程度の報酬なら考えてやるから、あの豚を捕まえてほしい!」 乃木先生「ただし、あまり傷付けないように、だ! 亜侠どもなんぞよりよっぽど金払いの良い客だからな!」 乃木先生「どうだ、引き受けてくれるか?」 マリナ「承りました。報酬の方、お忘れになりませぬようお願いいたします」 ということで、刺青用の皮膚を手に入れるために訪れた乃木クリニックで、マリナは豚と簡易血戦(*8)を行うことになった。 1人と1匹の戦いが開始する直前、乃木先生の愛人兼看護夫兼用心棒である横溝リョータから何かを投げつけられる。 このイベントは「豚を無傷で無力化する」ことが目的であり、その一助になるよう、ランダムにアイテムを入手できるようにしたのだが……。 Satasupe :捕獲用アイテム表(6[6]) → 投げキッス【応援】1回分 投げつけられたのはアイテムではなかった。愛嬌を振りまく看護婦コスの美少年。 用意したとはいえ1/6をピンポイントで引くとは思わなかった……。 マリナ「…不倫?」 リョータ「まさか! ちょっとしたサービスだよ」 マリナ「家政婦が見てしまいました…///」 こうしてあらぬ誤解を生みかけながら、豚との血戦が開始された! [反応力]7という高い素早さ(*9)で先手をとったマリナは、移動しない代わりに攻撃の精度を上げる【狙撃】を使用、「必殺」(*10)を下げてウィンチェスターで狙い撃つ。 「必殺」を10まで下げた結果見事に発動し、豚へ10点ダメージが飛んでくることに。流石に一撃死は避けようと「跳ぶ」を選択したのだが……。 Satasupe : 【難易度10、ファンブル率2、必殺なし】 → 0[2,6]+0[3,5]+0[1,6]+0[1,6] → 成功度0 ファンブルすらせずに失敗。あわれ豚は一撃で倒れてしまう。 DD:なんかこうRTAしてる気分だ! マリナ「他愛ありませんでしたね。今晩はトンカツにでもいたしましょうか」 その後、ガラクタ表(*11)を振ったところ「2:持ち主の〔生活〕と等しい個数の《食事》」を引き、 どうも豚を解体しつつあるような様子のマリナのもとへ、乃木先生が駆けつけてくる。 マリナ・十和網:「ドクター乃木、この通りでございます。ご満足いただけましたか?」 乃木先生:「……なるべく傷付けないように、と言ったはずだが」 リョータ:「しょうがないさ、センセイ。とりあえず止めてはくれたわけだし」 マリナ・十和網:「そうお聞きしましたので一発で終わらせたのですが…」 乃木先生:「瀕死は傷扱いには入らんのか!?」 乃木先生は良い顔をしなかったものの、報酬の話を切り出すと、比較的傷の少ない部分の皮膚をマリナに渡す。 こうして刺青用の「艶やかな皮膚」を消耗せずに入手。メイドの手際の良さが恐ろしい。 これでマリナの行動は終了となり、場面は流星のいる場所へ……。 マリナ・十和網:「あら、そろそろ頃合いですね。」と携帯を手に取ったところで画面が暗転 DD:いい引きだ… (*7) ミナミの小奇麗なビルの3階にある動物病院。裏社会では闇医者として有名で、堕胎/整形手術の他に亜侠のような後ろ暗い人間の治療も行ってくれる。 院長の乃木太郎丸、通称乃木先生はサタスペ二大性的倒錯者の1人。 美少年をこよなく愛するゲイで、年下の[恋愛]型男性亜侠が一夜を共にすれば、治療代が一回分タダになる……【両刀使い】でも持っていない限りトラウマ必須だが。 (*8) 通常の戦いのようにジオラマを広げるのではなく、「接敵状態」と「離脱状態」というステータスで各キャラの位置を抽象的に処理する簡単な血戦。 処理的には楽だが、一部の異能/代償が意味を持たなくなったりするので、突発的な戦闘に用いられることが多い。 (*9) 血戦における行動順を決める値。素の状態での最大値は9のため、マリナはかなり素早く行動することが出来る。 DDは長らくこれを単純な移動速度と勘違いしていたが、乗物に乗った状態だと-2されたりすることから、スピードというより文字通りの反応力を表しているようだ。 (*10) 武器に付く「特殊機能」の1つ。後ろに12などの値が付いており、命中判定時にそれよりも高い出目を出した場合、与えるダメージを10点にすることが出来る。 強力な機能だが、装備や異能を整えた亜侠の場合、これに頼らずとも10点以上のダメージをたたき出すことが出来るため、どちらかというと敵が所持している時に怖いモノ。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■大阪城 DD:大阪城の前にやってきた君たちは、そこに集まる乗り物の多さに驚愕する。 辺り一面を埋め尽くすのは、車やら戦車やら、何の冗談かUFOらしきものまで置いてある。 「……冗談じゃねえ」唖然とする君たちの後ろでそう呟いたのは、走り屋らしき気取った男だ。 DD:というわけで大阪城前には様々なレーサー? が集まっています 狂咲流星:「…車輪がついてねえ車でもいいのかよ、オオサカらしいな」 移動装置を求め大阪城へやってきた流星が目にしたのは、一風変わった違法レースのために集まった走り屋共の集団だった。 「GET REWARDS」…1対1のレースに勝った方が、相手の乗り物のパーツを問答無用で奪えるこのレースなら、ヤクザ・ロボットのパーツも手に入るはず。 北新地:「そこのあんたもご参加かい?」 狂咲流星:「ああ、レースに登録してくれ」 北新地:「いいだろう…車は今乗りつけてきたやつでいいな 詳しくルールを説明するぞ」 狂咲流星:「レースは初めてなんだ、ひと通り教えてくれ」 北新地:「…初参加にここを選ぶとは、えらい度胸だな、今日のレースは荒れそうだ」 このイベントの使用ルールは「ケチャップ」(*11)。相手を選んで勝負を挑み、勝利すれば相手の乗物に応じたパーツを奪取できるという形。 当然、対戦車が強ければ強いほど、パーツもより強力なものになる。 情報が全開示されているおかげで、対戦相手の情報はすべて公開されており…… 狂咲流星:正直勝ち目はねえ、だが勝ち目がないからこそ円盤に勝ったら面白い。円盤に挑もう 流星はその中から、最も手強い相手であるNo4<謎の宇宙人「ウンモ星人」(宇宙人+【高速道路の星】【紙一重】【デコ車】【ローン】)>を選択。 狂咲流星:「一番速い奴を頼む」 北新地:「……こいつは面白くなってきやがったな、応援してるぜ…名前は?」 狂咲流星:「流星、狂咲流星だ」 北新地:「狂咲流星……死ぬなよ」 狂咲流星:「レースは初めてだが、死線なら何度もくぐってるさ…」 若年ながら亜侠として幾度も修羅場を潜り抜けてきた流星、その度胸を見せつけたところで、対戦相手が登場する。 ウンモ星人:「縺ゅ§?難ス?§繧?ス難ス」 狂咲流星:やべえなにいってるかわからねえ! DD:どうやら煽っているのは雰囲気でわかります 狂咲流星:「あまり強い言葉を使うなよ、弱く見えるぜ」 なにいってっかわかんねーけどな!教養1だし! ウンモ星人:「縺ヲ繧√?縺カ縺」貎ー縺呻シ!!!」 DD:たぶんブチ切れました 全く意味不明なことを喋る宇宙人も華麗にいなし、両者スタンバイ完了。ケチャップが開始された! SL4の情報を抜いてあるおかげで、大阪城周辺の裏道を把握している流星は[中距離]へ配置、[近距離]のウンモ星人がそれを追う形に。 DD:では競りフェイズ! 狂咲流星:俺が勝つにはこの方法しかない、難易度16で マリナ・十和網:「良いですか流星様、ハンドルは心で切るのです」 携帯で謎のアドバイスをしておこう 狂咲流星:「心でどうやって曲がるんだよ…」 判定はススムで… ここで初手からトップギアの流星は超難易度の16を宣言! システム上、12を超過した分はファンブル率(*12)にそのまま加算されるため、流星のファンブル率はマックスの5へ! 狂咲流星:5r>=16[1,1] 気合1、酒も使って、いけー! 【難易度12、ファンブル率5、必殺なし】 → 0[6,1]+0[6,2]+0[2,1]+0[4,3]+0[1,1] → 成功度0 → ファンブル 狂咲流星:よし! ファンブルを引いた流星は「ファンブルからの逆転」(*13)を宣言、1D6の結果、消費量は最低値の-1! 最低限の消耗で[遠距離]へ躍り出た! 狂咲流星:「なかなかレースも楽しいもんだなあ、ええ宇宙人!」 ウンモ星人:「繝輔じ繝?こ繝ウ繝!!!」 ウンモ星人:では難易度9と【紙一重】を宣言! 引き離された宇宙人は難易度の代わりに成功度で競りを行わせる【紙一重】を発動、 成功度3以上を指定し ファンブルからの逆転を封じる。 狂咲流星:成功度3はなあ…いや! 狂咲流星:成功度3、乗るぜ宇宙人! だが流星はひるむことなく勝負に出る! マリナ・十和網:「エンジンは熱く、頭は冷たく、そして命は捨てるもの!」 マリナ・十和網:応援! 狂咲流星:「ありがてえ、なんだかわからんがやれそうな気がしてきたぜ」 狂咲流星:9r>=8[3,1] 気合5点、応援で難易度-1 頼む…! Satasupe : 【難易度8、ファンブル率1、必殺なし】 → 0[3,1]+1[5,4]+0[6,1]+1[5,3]+0[6,1]+0[5,2]+1[3,5] → 成功度3 狂咲流星:「あばよ宇宙人」 ぶっちぎりってゴールするぜー! 応援もあって勝負に勝った流星は[バイバイ]へ進み、ケチャップは飛び入り参加の新人による完全勝利で決着。 北新地:「ふっ……はははははッ! やった、やりやがったなあ、流星!」 北新地:「連中の顔を見たかよ!? お前こそ最高の走り屋だ!」 狂咲流星:「最初に奇襲を決められたからなんとかなったが、相手が冷静だったらヤバかったよ」 北新地:「ああ、お前は最後までクールだったな……誰かと話してたようだが、仲間がいるのか」 狂咲流星:「俺には心強い相棒がいるのさ」 携帯を振って見せよう 最後まで冷静なまま決めてみせた流星は、最高級品の移動装置「反重力エンジン」を入手。 こうして長い長い1日目の朝が終了した(*14)。 (*11) 追う側/追われる側に分かれて敵から逃げたり、追いかけたりするルール。参加者全員で難易度を宣言してゆく「競りフェイズ」と、 宣言した難易度と[精神]で判定するムーブ判定を繰り返して進めてゆく。 今回のようなレースや、警察からの逃走に用いられることが多いが、「汎用アクシデント表」を使えば 追う側を「満腹感」にしてフードファイトにしたり、「〆切」に追われる漫画家亜侠の悪戦苦闘なども表現できる。 「汎用アクシデント表」は「ロケットNo.1」に収録されているので、まだ所持していない方はぜひお買い求めください。 (*12) 2D6の目が1ゾロだった時、それまでの成功度に関わらずその判定は大失敗した扱いとなる。 これをファンブルと呼び、ファンブル率はその発生確率がどの程度であるかを表している。 通常、亜侠のファンブル率は1だが、今回のように13以上の難易度を宣言した時や異能の効果により最大で5ゾロまでファンブルの扱いになる。 なお、ファンブル率が6を超えると、その判定は自動失敗という扱いになり、判定すら行えなくなる。 (*13) ファンブルが発生した時に取ることのできる行動の一つ。1D6を振り、出目の数だけ精神点を消費できれば、その判定は成功度1で成功した扱いにできる。 この処理によって精神点が0になった場合、判定が成功したと同時に亜侠はばったりと気絶してしまう。 (*14) この時点で約90分。全体のログを見ても1/3以上は既に消費されており、直後に10分程度の休憩をいれた。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■1日目の昼 中華街「鳳外科医院」-1日目の早朝 襲撃 忍者村 時間が動いて2ターン目。 全員が動き出す前に、DDが少し特殊な処理を行う。 DD:準備はよろしいでしょうか それでは1日目の昼! DD:の前に DD:choice[マリナ・十和網,狂咲流星] Satasupe : (CHOICE[マリナ・十和網,狂咲流星]) → マリナ・十和網 DD:4R>=6[1,1] 不穏な気配[犯罪+5/犯罪] Satasupe : 【難易度6、ファンブル率1、必殺なし】 → 1[1,6] → 成功度1 ランダム選出で選ばれたのはマリナ。謎の視線を感じた彼女は[犯罪]で難易度9の判定に成功し、 振り向くと、クリニックの廊下の端を何か丸いものが横切ってゆくのが見えた マリナ・十和網:「宇宙人チームの呪いを受けた?というわけですね」(*15) 結局、見かけた丸い何かは逃げてしまい、そのまま昼の行動が開始される。 不穏なものを感じた二人は単独行動をやめ、イベントをこなすために中華街の鳳外科医院で合流することに。 DD:得も言われぬ香木の香りが地面を這ってゆく、ここは鳳外科医院。 DD:皮膚を携えて訪れた君たちの前に、しわくちゃの老人が姿を現す。不愛想な彼こそ、一流の彫師「夏先生」。 DD:彼の手から生まれた芸術作品は数知れない。 夏先生:「フン……お前たちか、皮膚を持ってくるっちゅーのは」 マリナ・十和網:「はい、こちらになります」艶やかな皮膚 高品質の皮膚を受け取り、ご満悦の夏先生は二人に待合室で待つよう言い、作業に取り掛かる。 先ほど見かけた丸いモノの情報を共有する二人だったが、ここでマリナに着信が。 千葉組の男:「俺だ……お前ら、部品集めの方は上手くいっているか?」 マリナ・十和網:「ええ、もちろんです。8割がたは終わりました」 千葉組の男:「なそ        にん」 千葉組の男:「……だがちょうどいい。実はな、ちょっと面倒ゴトが起きちまったんで、期限を繰り上げたいんだ」 マリナ・十和網:「そちらの都合での繰り上げですと、賃上げを要求したいところですが…何があったので?」 千葉組の男:「すまないとは思っている……報酬に個人的に色を付けてやるから、それで勘弁してくれ」 千葉組の男:「どうもロボの件が他の盟約連中に漏れたようでな」 千葉組の男:「新たな期限は明日の夜だ…急な話で悪いが、よろしく頼むぞ」 千葉組の男からの連絡は、期限の繰り上げを伝えるものだった。 こうしてリミットが3日目の深夜(14ターン目)から2日目の夜(8ターン目)へ大幅繰り上げ。 賃上げ交渉も成功したところで、刺青の処置も完了し、高品質な刺青入りの皮膚「刺青:緋鯉」を入手。 最後のパーツとなったカタナは、十三の忍者村に[犯罪]で「襲撃」(*16)を行うことで入手することが出来る。 [犯罪]が1と3のコンビである二人は、少しでも成功確率を上昇させるため、計画行動で「食事」を売り「仮面」を購入。 マリナ・十和網:「気休めですがないよりはマシでしょうからね」チャリンチャリン 狂咲流星:「これで襲撃は少し楽になりそうだ、ありがとうな」 そしてこれまでの判定で減った精神点を回復するため、夜と深夜は睡眠をとることに。 装備を整え、万全の状態で1日目の早朝に襲撃を開始する。 まずは[犯罪]3の流星から。情報と応援のおかげで-2され、難易度は8。更に「仮面」の効果で2D6の回数が+1。 これに気合でブーストを加えて、判定回数は7回まで上昇。 だが上手く回らず、成功度は2止まり。 続いてマリナ。応援がない分、難易度的にやや不利だが、同じく気合でブーストを活用し、判定回数を増やす。 これが功を奏し、目標の成功度2を獲得、累計で4になり、最高ランクのカタナを盗み出すことに成功する。 これですべてのパーツが揃った! 狂咲流星:「しかしこれで本当にロボヤクザが完成するのか…?」 マリナ・十和網:「できるかどうかはともかく、私どもの仕事は完了ですわね」 あとは納品を残すのみ。襲撃で削れた精神点は再び睡眠で回復することにし、流星は前金でトカレフを購入、 マリナは手持ちの食事と交換で、ファッションのおたから「モデル体型」を装備。いきなり抜群のスタイルに変貌するメイド。 時刻は2日目の夜。こうして準備を整えた二人は、納品のために「Jail House」へ戻ることに。 (*15) DD:マリナさんが振り向くと クリニックの廊下の端を何か丸いものが横切ってゆくのが見えました 狂咲流星:サッ [見学用]ななしさん@見学:フフ現代人の私にはそんなものは通用せん! ……という流れの後の発言。出典「ゴルゴ13 日・米コメ戦争虎の尾を踏んだ男たち(第321話)」 (*16) 強盗や空き巣のように特定の建物/場所を襲撃するルール。計画的行動として扱う。 獲物を選択したら、その建物がある地域の<治安>を難易度にして、指定された能力値で全員が判定を行う。 設定された<危険度>を上回る成功度を合計で出すことが出来れば成功。大金やおたからなどが手に入るが、ファンブルすると手痛い反撃にあう。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■2日目の夜 ミナミ「Jail House」-最終血戦 DD:部品の受け渡し場所であるバーの一室で君たちを待っていたのは、あの千葉組の男だ。 その周りを、目つきの鋭いヤクザたちがぐるりと取り囲み、立ったまま君たちを睨み付けている。 マリナ・十和網:「こちら最高の品を揃えました。どうかご確認くださいませ」 高品質のパーツを納品し終え、評価は上々。 だが、千葉組の男は最後にもう一つ仕事を頼みたいという。 狂咲流星:「まだあるのか、手間賃は高いぞ」 千葉組の男:「それも含めてオレから出すさ」 千葉組の男:「……秘密裏に進めていたつもりのこの話だったが、どうやら他の盟約も薄々感づき始めたらしく、今組の者は動きがとりにくくなっている」 千葉組の男:そこでお前たちには、博士が暮らしているという研究所までパーツを持って行き、直接ロボットを受け取ってきてほしい。 車と運搬用の人員はこちらで用意させてもらおう」 狂咲流星:「今度は運び屋か」 マリナ・十和網:「報酬はきちんと色を付けてくださいませ」 こうして最後の一仕事に向かうことに。組の車に同乗し、二人が到着したのは、十三のはずれにある博士の研究所だ。 車から降りた彼らを博士本人が迎え入れるが…… 博士:「ホウホウホウホウホウ、君らかねパーツを持ってきたというのは?」 狂咲流星:「ああ、どれも苦労して手に入れた極上品だ」 マリナ・十和網:「はい、ニンジャ刀、入れ墨緋鯉、半重力エンジンの3点になります」 博士:「そんなことは見ればわかる! バカにしているのかね!!」 博士:「……いや、すまないすまない ちょいと気が立っておってね」 博士:「さあ入り給え、早く入り給え、とっとと入り給え!」と言って研究所に二人と組の人たちを招き入れます 狂咲流星:「ああ…」 なぜあの博士はあんなに余裕がないんだろうと思いつつ入るしかねー! マリナ・十和網:「よかったです、これで解決ですね」 狂咲流星:「だといいがな」 いかにも怪しげな博士の態度を訝しがりつつも、研究室の応接間で待機する二人と、付き添いの組員たち。 だが不穏な気配は変わることがなく、それどころかますます濃くなってゆく。 マリナ・十和網:「なんでしょう…この漠然とした不安は。まるで目の前でジオラマが設置されているかのような」(*17) 狂咲流星:「…武器はしっかり持ってきたか?どうやら必要なりそうだぞ」 マリナ・十和網:「当然、メイドですから」スカートからウィンチェスターを取り出すのだ 不測の事態に備え、戦闘態勢をとる二人。 そして、その時は唐突に訪れた。 DD:では博士が去った方からけたたましい悲鳴が響き渡ります DD:地下室の方がにわかに騒がしくなりはじめ、ほどなくして地下室の扉をぶち破って見覚えのあるパーツを装備した奇天烈なロボットが姿を現しますね ヤクザ・ロボ:「ギギギ……オジキィ! なぜ死ンダ!」 マリナ・十和網:「ええ…?」 DD:その右手には博士の生首が載っています どうやらカタナですっぱり切り離したようですね [見学用]狂咲流星:ギャワー!科学任侠火の鳥組じゃよー!(*18) 突然の襲来に驚きを隠せない二人だが、更に厄介ごとが。 DD:気が付くとお二人の後ろにいた組員の方々がいつの間にか一人を残して倒れています DD:「……地獄組も落ちたもんだな、こんなバカげたロボットに頼るなんざ」 DD:ただ一人残っていた組員は胸元からククバット(*19)の仮面を取り出し、静かに装着します DD:「亜侠ども……貴様らに恨みはないが、奴らに与するというなら、我らのすべきことは一つ」 狂咲流星:「仕事は仕事さ、誰からの依頼でもな」 マリナ・十和網:「挟撃!?やってくれますわね…」 ククバット:「そうしたいのはやまやまだが……あのロボットにまさえてもよかろう(*20)」 ククバット:「貴様らはここで果てるのだ!」 組員の偽装を解いたククバットは素早く外へ出ると、デリンジャーで唯一の退路であった出口を破壊。 それと同時に、ヤクザ・ロボが本格的に暴走を開始する。 狂咲流星:「ここで俺が倒れるかどうか、こいつに聞いてみるまでさ」 拳銃を構える マリナ・十和網:「向こうは地獄組がなんとかすることを祈るしかありませんわね。こちらは一先ず生き残りましょう」 狂咲流星:「ああ、お互い生き残るぞメイド!」 ヤクザ・ロボ:「オジキィ! 貴君らの愛したオジキは死ンダ! 何故ダ!!」 というわけで血戦開始です (*17) まさにその通りで、この時DDはどどんとふのロード機能ではチットが復活しないことを初めて知り、慌ててジオラマの準備をしていた。 こういう時間をRPで上手い具合に潰してくれた両人には本当に感謝しています……。 (*18) ヤクザ・ロボの立ち絵のこと。使用したのは「神聖モテモテ王国」でファーザーの妄想中に登場する「科学任侠火の鳥組」有する巨大ロボ「鉄砲玉」。 ヤクザっぽい坊主頭に棒のような手と綺麗な円柱形の体を合体させた、ものすごいビジュアルをしている。 (*19) 五大盟約の一つ「沙京流氓」が擁する暗殺部隊の一員で、エキゾチックな仮面を被った刺客。 盟約同志は敵対しているため、このような抗争に亜侠が巻き込まれることも多い。 (*20) 「任せても良かろう」の誤字。こういう場面でテンションを落とさないためにも、重要なセリフはエンターを押す前に一度音読した方がいい。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■血戦「ヤクザ・ロボ」 ヤクザ・ロボの基本的なデータは「盟約戦闘員 侠客/YAKUZA」。これに今まで集めたパーツを装備したモノとなる。 今回はかなり高品質なパーツを入手していたため、ロボの能力も大幅パワーアップ。メンチ・レーザー(トカレフ)に加えて、ニンジャの使用するニンジャ刀を装備。 倶利伽羅アーマー = 刺青によって【護送】【弾丸狂】が追加され、とどめに「車体5」の乗物に乗っているという状態に。 左肩からはワケェノ・ビット「三下+【もてなし】【気苦労】」が生え、1ラウンドに1ずつ肉体/精神点が回復するという形。 流石に常時ダメージ-5点はキツいかと考えていたのだが……。 まずは最速の反応力9である流星が動く。 【銃劇】【阿修羅】を組み合わせて命中6/ダメージ+10という驚異の攻撃を、ビットとロボに4回ずつ行った。 結果、ビットに13点、ロボに12点というとんでもない量のダメージ(*21)を弾き出す。 通常なら瞬殺もあり得るダメージ量だが、【護送】の効果で実ダメージは-5点の8/7点に。 更にセーブ判定を行い、ビットは5点ダメージ、ロボは2点までダメージを抑えることに成功する。 だがその代償は大きく、【弱虫】持ちのビットはモラル判定(*22)で「律」を出してしまい、攻撃不能状態に陥ってしまう。 とはいえ、もともと<トヨトミピストル>程度しか持ち合わせていないビットに攻撃は期待していない。【もてなし】が出来れば十分、と次の攻撃に備える。 続いて反応力7のマリナがでビットへ銃撃。ダメージは5+2点で7点。 だが【護送】で2点まで抑えると、セーブ判定でこれを無効化。 ワケェノ・ビット:「ヘッ! アマチャンガヨー!!」硬いボディにはじかれてしまう! マリナ・十和網:「ちょっと、硬すぎましてよあのロボット!どこからあんなボディ仕入れたんです!?」 狂咲流星:「…さあな!」 ヤクザ・ロボ:「ギギギィ……ガタガタイワセル…!」 決して遅くはないはずなのに、ここでようやく手番が回ってきたヤクザ・ロボ。 マリナに狙いを定め、メンチ・レーザーで射撃を行う……が。 Satasupe : 【難易度9、ファンブル率1、必殺12】 → 0[1,1] → 成功度0 → ファンブル 初手ファンブル。「命中判定ファンブル表:9:誤って自分を攻撃。3ダメージ(セーブ不可)!」を引き、2点の損傷と合わせて5点ダメージ。モラル判定を行うことに。 幸いにも結果は「激」で攻撃続行可能。 マリナ・十和網:「規格があっていないのでしょうか、火器管制がおかしいようですね」 狂咲流星:「あの博士、腕があまりよろしくなかったらしいな」 ヤクザ・ロボ:「ブッツブース!!」よけいキレた! 流石にこのままではまずい、と手番が来たビットは【もてなし】を発動。 だがここでマリナが【鷹の目】を割り込む。 マリナ・十和網:「やらせません!」酒瓶を狙撃して打ち落とす ワケェノ・ビット:「オレノサケガァー!」 危なげなく成功させ、回復まで封じられてしまうヤクザ・ロボ。結構強いはずなんですけど……。 状況は亜侠優勢のまま、戦いは第二ラウンドへ。 マリナ・十和網:「流星さん!火力を集中するのです!」 狂咲流星:「任せろ!」 どっちかに集中せるとしてどっちから狙うべきか ヤクザ・ロボ:「コイヤァ!!」 流星は狙いをロボに定め、【応援】を受けつつ再度【銃劇】【阿修羅】の強力な銃撃をぶちかます。 ところが結果はファンブル。ついにヤクザ・ロボへツキが回ってきたか、と喜んだのもつかの間。 Satasupe : 命中判定ファンブル表:2:自分の持ち物がすっぽぬけ、偶然敵を直撃!  持っているアイテムを1つ消し、ジオラマ上にいるキャラクター1人をランダムに選ぶ。 そのキャラクターの〔肉体点〕を1D6ラウンドの間0点にし、行動不能にさせる(致命傷表は使用しない)。 1D6ラウンドが経過し、行動不能から回復すると、そのキャラクターの〔肉体点〕は、行動不能になる直前の値にまで回復する 命中ファンブルの中でほぼ唯一といっていいプラス効果をこの大一番で引き当てる。 ランダムに選んだ結果、ワケェノ・ビットに流星の持っていた酒瓶が直撃、彼を支えていたアームがぽっきりと逝き、2ラウンド行動不能に。 マリナ・十和網:「酒瓶が!自動飲酒マシーンにぶつかって!?」 ヤクザ・ロボ:「オートリカバリシステム、作動」ヤクザ・ロボの背後から新たなアームが現れ ガムテーブで折れたアームを修復していきます すかさずマリナがで残ったロボを攻撃。勢いづいたのかここで必殺が発動し10点のダメージ。 だがこれを【護送】とセーブで無効化し、手番はヤクザ・ロボへ。 ヤクザ・ロボ:「ギガァ……下手に代紋出したら後は引けんノジャア!!」意にも介していない! マリナ・十和網:「会心の一撃でしたのよ…!?」わなわな ロボは狙いを変え、流星に向かってメンチ・レーザーを発射。これに対し流星は【反撃】を宣言。 命中判定の成功度は互いに2を出し、攻撃は相殺されてしまう。 相変わらず亜侠側にダメージを与えられないまま、第三ラウンドに突入。 流星はここで【応援】【銃劇】【阿修羅】の銃撃を行い、ダイスが回ってダメージは驚異の16点。 【護送】混みでも11点という莫大なダメージ量になすすべがなく、悪あがきのセーブ判定も成功度は1止まり。 10点ダメージをまともに喰らい、ヤクザ・ロボは床に倒れ伏した。 ヤクザ・ロボ:「グギギィ……オジキさえイレバ……」 マリナ・十和網:「ふぅ…時代は装甲なのでしょうか…」 狂咲流星:「…もう二度とロボット作りは手伝わねえ」 苦戦したような雰囲気ではあるが、ふたを開けてみれば亜侠側は全くの無傷。 圧巻の戦闘力を見せつけ、ラストの血戦が終了した。 (*21) 「必殺」の項で予想できたかもしれないが、一般的な亜侠/敵の肉体点(HP)は最大10点。 回避や防御は「与えられたダメージを難易度にして」判定するため、12点以上のダメージというのは避ける事すら難しい即死級ダメージなのである。 (*22) 傷を受けても戦い続けられるかどうかの判定。2D6と性業値の値を比較して、超えていたなら「激」= 維戦可能。 未満なら「律」 = 戦闘意欲を失う。そして性業値と同じ値を出した場合「迷」となり、一切の行動がとれなくなってしまう。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■エピローグ ヤクザ・ロボを打ち倒し、一息ついた二人の前に、予想だにしなかった人物が顔を出した。 博士:「これははてさてどうしたことか?」 博士:破壊された地下室の扉の向こうから博士が顔を出しますね マリナ・十和網:「生きていたのですか…?」生首と本人を交互に見やる 博士:「ああ、これのことか……なに、クローンだよ(*23)」生首を蹴飛ばしてあたりの惨状を見渡します 狂咲流星:「クローンだと…」 博士:「ああ、沙京の連中だったかな? そっちからもいろいろ頼まれていてね、その成果の一つだ…私独自の技術ではないがね」 博士:「それにしても、いやはや…私のロボがぶっ壊されるとは、貴様ら良い腕をしておりますなあ」 マリナ・十和網:「運に救われた感はありますが」 狂咲流星:「ろくでもないロボだったよ、二度と会いたくねえ」 まさかの博士生存にそれぞれの反応を示す中、流星の携帯に着信が入る。 相手はこの事件の元凶、千葉組の男だ。 狂咲流星:「…もしもし?」 千葉組の男:「俺だ。そっちの様子は……」 狂咲流星:「…今、酒を飲まされそうになってる」 千葉組の男:「なら大丈夫そうだな。手短に行こうか。裏切りがあった」 千葉組の男:「沙京のクソ野郎どもが紛れ込んでやがったんだ」 千葉組の男:「組の方は大混乱さ…千葉組は終わりかもしれねぇな」 狂咲流星:「ああ、そいつらならこちらでも見た、まあなんとかしたが」 千葉組の男:「なんとかした、か……お前らほど腕の立つ連中がこっちにいりゃあ、少しは違った終わりだったかもな」 千葉組の男:「とりあえず、指示を出すぞ。博士とロボの残骸をもってバーに戻ってこい。もう迎えが付いているはずだ…ククバットじゃないヤツがな」 狂咲流星:「わかった、すぐ出る」 博士とマリナにかくしか説明〜 マリナ・十和網:「わかりました。急いだほうが安全でしょうね」 博士:「ホウホウホウホウ、地獄組か……よかろう。どうせこの研究所も目を付けられていたんだ。長くはもつまい」 千葉組の男:「では、報酬はバーで払おう……すまなかったな、お前ら」 狂咲流星:「謝罪の言葉はもういい、色つけてを払ってくれればそれで十分だ」 こうして関係者一同を乗せた車は研究所を離れ、オオサカの喧騒の中へ向かうのだった。 DD:さて、その頃 バーの裏手で千葉組の男が通話を終え、一人でタバコに火をつけています 千葉組の男:「……ふん、アイツらは使えるな、それにロボも」 千葉組の男:「払いは良くしておこうか……いずれ、もうひと働きしてもらうことになるだろう」 千葉組の男:そういって懐の仮面を撫でると、裏口からバーへ入っていった…… これにて「THE METAL YAKUZA」は終了。 (*23) 実はこの博士、もともと生き残る予定ではなかった。 詳しくは日曜卓の方のレポで! ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■アフタープレイ シナリオが終わってもまだ安心はできない。通称ラスボスこと「その後表」が控えている。 Satasupe : その後表:7:今回の事件で様々な教訓を得る。自分の修得しているアドバンスドカルマの中から、汎用以外のものを好きなだけ選ぶ。 そのカルマの異能と代償を、別な異能と代償に変更することができる だが、ここでも両者ともに危なげなく無害なモノを引き当て、二人の亜侠は無事成長することができた。 スピークイージーの結果、流星は満場一致の走り屋を、マリナは親分、殺し屋、情報屋の3票を獲得。 MVPはケチャップ、血戦で圧倒的な力を見せつけた流星に決定した。 報酬は人数分の札束に加え、成長回数不問卓ということで豪華仕様。 DDが用意した報酬表の中から、ロボポイント = パーツ毎に設定された得点分獲得できるという形にしてあった。 今回は皮膚を除いたすべてが最高級品であったことから、ほぼ満点の11点を獲得。 奇天烈表、趣味おたからに加え、「捨てられた子犬」(*24)を獲得し、アフタープレイは終了となった。 (*24) 「ロケットNo.1」収録のブースターカルマ<叛逆児>に覚醒するための条件の一つ。 デメリットの大きい代償を取得したり、危険性の高い「盟約の有名人相手の決闘」などとは違い、リスクが小さい条件。 でもシナリオ中ではなかなか拾うことが出来ない。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ■反省 一番の反省点は「リミットの設定ミス」。 ギリギリにならないよう長めにとったのが裏目に出て、グダグダになりかけてしまった……。 それ以外にも細かなミスが散見される(次点でジオラマの設置)ので、もっとDD経験を積まなくては。 ■良点 レポの形にした後に「格好いい」という評価をいくつかいただけたのには驚いた。 PCお二人のRPにつられてNPCもそれらしく動けていたのかもしれない。 最後になりましたが、長時間お付き合いいただいたPL・見学の皆様、本当にありがとうございました!