… | 424/07/17(水)08:45:26No.1211893107そうだねx4「姫芽さん、起きて」 ベッドの中でへにゃへにゃの寝顔を晒す姫芽さんを揺らして声をかける。ちょっと前は、折角の綺麗な顔なのに……と思っていたけど、最近はこの顔にも愛着を感じている。私にとって、起きてすぐに姫芽さんの寝顔を眺めるのは毎朝のささやかな幸せだ。 「んー……もう朝……?」 別に私が起こさなくても、もう少しすればスマホのアラームが起こしてくれるだろう。でも姫芽さんを起こすのは恋人である私の特権だ。行使しない理由がない。 「もう朝。早く服着て。下着は拾ってそこに置いておいたから」 「んへへ、ありがとぉ吟子ちゃん。朝から吟子ちゃんの顔が見られて幸せだ〜」 姫芽さんがゆっくりと上体を起こして、甘えるように抱き着いてくる。私はそっと抱き返して、すべすべの背中を撫でた。姫芽さんからはとろけた声が漏れる。 「もう、調子のいいこと言って。今日も一日頑張ろうね」 「うん。……あっ、そだ」 どうしかした、と訊く暇もなく、瞬きの間に姫芽さんの唇を自分の唇に感じていた。柔らかくて、温かくて、大好きな感触。 「おはようのキス」 そう言ってふんわりと微笑む姫芽さん。世界で一番綺麗な、私のお姫様。 |