猿梨 エンジュ 漢字だと猿梨円珠。一人称は『ボク』。登場時は11歳の小6。 家出して六角氏の家に居候している名張侘助が、新学期に合わせて転校した区立小で出会った同級生。 性同一障害であり、肉体は女性だが性自認は男性。体育時は別室で着替え水泳は特別免除されている。 両親は同性愛者の事実婚であり、代理母によって生まれた過去を持つ。 性同一障害と両親の事情、家がタワーマンションの上層階などといった条件が重なって昔から同年代の子どもと遊ぶ機会が極端に少なく仲の良い友達もいない。 両親の片方は『パパ』と呼び、もう一方は『お父さん』と呼んでいる。 人とデジモンを一切区別しない両親に育てられた侘助がその程度のことで他と違う付き合い方をするはずもなく、彼がエンジュにとってはじめての親友と呼べる存在になる。 ユニセックスで中性的な服装や髪型を好む。甘いものが好物。 エンジュの真実 実は彼女は性同一障害ではない。 『パパ』によって男として扱われ、学校にも性同一障害で精神的には男であると伝えられた。 実際の性自認は女性であり、『お父さん』は現状に心を痛めている。 自分の体がどんどん女性として成長している状況を認識しており、いつかこの嘘は破綻して露見するとエンジュと『お父さん』は考えている。 そんな最中に転校してきた侘助は自分に普通に接してきたはじめての同級生であり、『女』になっていく自分が彼に惹かれていくのを強く自覚するようになる。 自分が身も心も女であることを隠すため、何より大好きで憧れる彼のようになりたくて、髪型やファッションを真似するようになり、一緒にサッカーに興じるようになる。 『パパ』はそれを男としての自覚が出てきたと素直に喜んでいたが、『お父さん』は真相に気づいておりさらに心を痛めることに。 一学期の終業式の日の帰り道、ちょっとしたことで口論になった侘助とエンジュ。 エンジュはとうとう自分が本当は身も心も両方とも女の子であることを侘助に告げてしまう。 その時突然デジタルゲートが出現、エンジュを飲み込もうとする。 侘助は自身の影の中に潜ませていたブシアグモンを呼び出し、彼女を助けようとするが諸共にデジタルゲートに吸い込まれ、デジタルワールドへと転移してしまう。 エンジュの出生 彼女の『パパ』の母親、つまり彼女の祖母は正真正銘の性同一障害で性自認が男性の女性だった。 彼女は偶然出会った常に女装して暮らす男性を自分と同じ性同一障害であると思い込み、意気投合したこともあってルームメイトに。 しかし彼の性自認は男性であり、そのことを隠し続けていたが我慢の限界を迎えついに彼女を強姦、逃亡。 ショックで自身の肉体の性別を憎悪した彼女は暴走して男性ホルモンの無茶な投与へ。 少しして妊娠が発覚したことで彼女の精神は限界に達し崩壊。 生まれてきた男児は親を知らぬまま成長し、長じて同性愛者となる。 『お父さん』のほうは元々は両性愛者であり、名家に婿養子として入ったが無精子症であることが判明し治療の甲斐なく子供を授からなかったために無理矢理に離縁させられ、『パパ』と事実婚をする。 二人は子供を望み、自分の出生の事情から『パパ』は男児を望み、男女産み分け人工授精の代理母出産を依頼。 しかし生まれてきた子供は女児で、これがエンジュである。 原因を調査した『パパ』は、自身の性染色体がXXで遺伝子上は女性であること、母親が男性ホルモン投与した影響で男性化したこと、自分の母親を強姦した男は『お父さん』の元妻の実父(故人)であることを突き止める。 『パパ』は精神に異常をきたし、エンジュに男であることを強要するようになった。 そして、これらの事実はエンジュには伏せられていた……はずだった。 エンジュのその後 デジタルワールドへの転移から約一ヶ月後、はじまりの街のケンタル医院にて二人は保護される。 エンジュはデラモンを、侘助はグレイドモンを連れており、幾多の冒険があったことを匂わせていた。 リアルワールドへ帰還したが、エンジュは自宅へ帰ることを拒否。 彼女はなぜか自身の出生の真実を全て知っており、自分がいると『パパ』が傷つくと主張。 一旦侘助と一緒に名張家に預けられることになる。 そこで彼女はデジタルワールドであったこと全て一切を包み隠さずに名張夫妻に話す。 事実を聞かされ困惑する名張夫婦だが、自分たちもやらかした直後な手前あまり強く言えない。 協議の結果、責任を取ってエンジュは侘助の許婚扱いとし、同時に彼女は忍者軍団名張衆の次期頭領候補となった。 エンジュは『パパ』とは直接会わず、『お父さん』と会った時に手紙を託す形で今後の道を模索することに。 パートナーデジモンを得たエンジュは都立デジモン学園に通うことになり、侘助も復学。直前に高校退学させられた一華と一緒に初等部に通うことに。 エンジュと一華は甘いもの巡りやBL談義で仲良くなり、すっかり姉妹のように。 エンジュと『パパ』と『お父さん』の三人の、本当の家族としての和解は、7年後の彼女の結婚式まで待つこととなる。 キウイモン→デラモン 一人称は名前(キウイモンあるいはデラモン)、二人称は相手の下の名前(カタカナ表記)です。 なのです口調で喋ります。