159 刑部令善 マリンデビモン 75 ソーマ ユキミボタモン 84 ミレント ダゴモン・ハンギョモン デジモンイモゲンチャー 大まかな大体のながれ(初期案と言うか想定) 令善はその日食材を買った帰り霧に包まれた さっきまで居た商店街とは違う異質な空気に警戒していると 少年の声が聞こえる 耳を澄ませるとその声はだんだんと近づいて来た 声の方を振り向くと少年が何かに追われている 相棒に声をかけ少年を助け情報を交換する お互いに気が付いたらこの霧の中に迷い込んでいたらしい そしていきなり襲われた事を告げる そこに少女が声をかけてくる 少女もまたここに迷い込んできたらしい タイミングの良すぎる少女に内心警戒を深める令善 マリンデビモンが違和感を察知 少女が急に逃げてと言いだす ダゴモンとハンギョモンの襲撃 苦戦するマリンデビモンと令善を助けるためにソーマも戦う 進化したアイスグレイモンと共にダゴモンを撃退 ミレントを残し脱出 二人はそれぞれ元の場所へ戻り終了 刑部令善の業務日誌 あれはとある気持ちのいい晴れた日の事だった――― 1 「いやーええ食材ぎょうさん買うたったな!」 行きつけの商店街で食材の買い足しをした帰りいつも通り曲がり角を曲がると そこは先程までの見知った街では無く霧が立ち込めていた見知らぬ街並みであった 「なんやこの霧…それにここは何処や?」 「キをツケロ令善この霧は…」 「しっ!静かに…!」 マリーは何か知っているようであったが何かを聞き取った令善は集中していた 「……けて……」 「だ……すけて―……!」 段々と声がはっきりと聞こえてくる 「だれかー!助けてー!!」 令善が声のした方を振り向くと少年が数体のデジモンに追いかけられている所だった 「マリー!助けるで!」 「ワカッタ」 令善は相棒のマリンデビモンに声をかけると少年に駆け寄る 2 「フン、雑魚共ガ」 「自分、大丈夫やったか?」 「はぁ…はぁ…は、はい…あ、ありがとうございます」 マリンデビモンにあっけなく蹴散らされ逃げ去っていくデジモン達を確認し少年に声をかける 「ワイの名前は刑部令善。西の電脳探偵や!そいで自分は?」 「えっと…オレの名前はソーマと言います」 「ソーマやな。それでソーマは何であいつらに追いかけられてたん?」 「そ、それがオレにも何がなんだか…霧に包まれたと思ったらいきなり襲われて…」 少し落ち着き現状の情報を交換するとお互いに気が付いたら霧に包まれここに居るらしかった 「記憶喪失で記憶を集めるためにデジタルワールドを探索してる…苦労してるんやなぁ自分」 「いやそれ程苦労はしてないというかそれくらいしかやることが無いというか…」 「いやいやそれで一人で旅してんやから大したもんやでホンマ。ワイに協力できることがあれば力になるさかいなんでも言いや!」 「そ、そうかな…ありがとうございます」 元の場所に帰るため街の探索するなか改めて情報交換をしていると 3 「ん?」 「あっ!あそこに女の人が!」 「よ、よかった…人に会えました…」 二人は不思議な雰囲気をまとった少女と出会う (レイゼン…) (わーってる) 「私はミレントと言います。ここには気が付いたら居て…」 その少女は自分達と同じくいつの間にかこの場所にいたらしい マリンデビモンは何かに気がつき始めたのか令善に耳打ちをし令善も警戒を深める 「お姉さんも俺達と同じなんだね」 「同じというとあなた方も…?」 「せや、ワイ達も気が付いたら霧まみれのここに居ったんや」 「でしたら私もご一緒してもいいでしょうか?令善さん達となら私も安心ですし」 「おう!ワイにドーンと任せとき!」 (レイゼン…) 4 「それであの…あちらの方から波の音が聞こえるので浜辺に出ると思うんですがひとまず向かって見ませんか?」 少女に頼られあっさり警戒を緩める令善をよそに少女は続ける 「え?波の音なんて聞こえないよ?」 「ふふ…私耳が良いんですよ」 ミレントはほほえみを浮かべそう告げると二人を案内するように歩き出す だんだんと波の音が聞こえ始め潮の香りが漂って来た頃令善は立ち止まり口を開く 「あー、所でミレントちゃんに聞きたい事があるんやけどええかな?」 「…はい?私に答えられることであれば…」 「あんなワイらミレントちゃんに会う前に変なデジモンに襲われてな?」 「はい…」 「まあそんデジモンはワイとマリーが追い払ったんやけどその追い払った方角が問題でな?」 「はあ…」 「それが丁度ミレントちゃんが居った方なんや」 「…っ!?」 「なのにミレントちゃんは逃げて行ったデジモンに襲われた様子もどこかに隠れてた様子もなかった……この場所の事なんか知っとるな?」 5 「思ったよりも早く気付かれてしまいましたね…」 令善の話を聞いていたミレントの雰囲気が変わる 「お姉さん?」 「気ぃ付けやソーマ来るで!」 『我が眷属達よ奴等も我が眷属に!』 ミレントはクロスローダーを取り出すと大量のハンギョモンを呼び出した 「令善!やっと気になってた気配の正体がワカッタぞ!アイツはダゴモンだ!」 「ダゴモン?なんやそいつは」 「ダークエリアで他のデジモンを洗脳し眷属を増やして何やら企んでいるよく分からん奴だ昔奴と接触したことが……昔?」 「ちゅうことはなんやミレントちゃんもダゴモンに操られとるっちゅうことか!?」 「おそらくはナ」 「それじゃあお姉さんを助けないと!」 「せやな、さっさとこいつら蹴散らしてミレントちゃんとこ行くで!!」 令善達はハンギョモンを蹴散らしながらミレントが消えて行った方へ向かう 6 「よっしゃ追いついたで!」 「お姉さん!」 『ふむ…追いつかれたか…ならばしょうがない影ではあるが私が出るとしよう!』 二人を待ち構えるように佇むミレント/ダゴモンは再びクロスローダーを取り出すとミレントを取り込むようにダゴモンが姿を現した どちらかが万全であれば容易く決着がついたであろうが 本体の影により本来の力が出ていないダゴモンとこれまでの戦いで疲労が見えるマリンデビモン 二人のデジモンの力は拮抗し攻めあぐねている 「気張りやマリー!男の見せ所やで!」 しかし次第に疲労によりマリンデビモンが押され始めダゴモンに傾き始める そのバランスを崩したのはソーマだった 「戦うのは苦手だけどそんな事を言ってる場合じゃないよなユキミボタモン!」 「ユキミボタモン進化ぁ〜!アイスグレイモン!!」 ソーマはバイタルブレスを掲げるとユキミボタモンはアイスグレイモンへと進化する 「令善さん!俺も戦うよ!」 「よっしゃ一緒にミレントちゃん助けるでソーマ!」 7 想定外のアイスグレイモンの一撃に不意を突かれるダゴモンその隙を見逃さず畳みかけるマリンデビモン 2対1となりさらに令善が戦いに不慣れなソーマたちに指示を出すことで見る見るうちに形勢が令善達に傾き始める 「よっしゃこれでしまいや…っ!」 「いっけぇー!!」 マリンデビモンとアイスグレイモンの連携によりダゴモンは倒れ消えていくとそこにはミレントが倒れていた 「うぅ……」 二人が駆け寄るとミレントは意識を取り戻す 「大丈夫かミレントちゃん?」 「は、はい…えーとっ…令善さんとソーマさん……?ありがとうございます…」 「よかった!元に戻ったんだね!」 「い、いえ…これは一時的なものですぐにまたダゴモンに意識が取られてしまうと思います…」 ダゴモンの影を倒した事で一時的にミレントの意識が戻ったがそれも長くはもたないらしい 「なので今私がお二人にできる事はこれくらいですが…」 ミレントがクロスローダーを操作すると令善とソーマの後ろに扉が現れる 「その扉をくぐればここに来る前の場所に戻れると思います」 8 「せや!ならダゴモンから完全に解放されたら集まってタコ焼きたべよーやないか!」 「令善のタコ焼きはウマイからな」 「え?」 「オレもそれまでには記憶取り戻すよ!」 「え?え?」 「お!ええな!ちゅーわけや今回はこれでお別れやけどまた会おうや。な?」 「え…あ…は、はい!いつかまた!」 こうして令善とソーマはミレントの出した扉をくぐり霧の街から彼らの日常へと戻って行った… (ありがとう令善さん…ソーマ君…) 「うっ…ぐぅっ…」 『まさかマリンデビモンと会う事になるとはな…しかし奴の様子は……まあいいだろう次の獲物を見つけなければ……』 ミレント/ダゴモンは霧の中へと消えていった…