風紀委員長バンブーメモリーと問題児モブども 「おはようございます!!皆恥ずかしがらずに元気よく!!おはようございます!!」 「「「おはようございます!!」」」 「おはよおおございまああああああああす!!!!!!(135db)」 「おはよー!」「おはようございます」「おはよう」「グッモーニン!」「アッ……ハヨッス……」「ハーッハッハッハ!この覇王が美しい朝に美しい挨拶を告げようじゃないか!おはよう!」 「ふふっ、静かな朝ですこと」「だってよ…マックちゃん…耳が!!」 東から昇ったお日さまが皆を照らす中、澄んだ空気の中を登校する生徒たちの挨拶が飛び交う。うーん気持ちのいい朝ッスね!! おはようございます!アタシはバンブーメモリー!ここ中央トレセン学園の風紀委員長ッス! 今朝はあいさつ強化週間として、トレセン学園の正門前で風紀委員会と各クラスの委員長たちで登校する生徒に向かってあいさつ活動をやってるッス! こうして1日のはじまりをさわやかなあいさつでスタートさせることであいさつの大切さをより理解してもらおうという取り組みッスよ。 「おはようございます!!」 「アッ……ワァッ……知らない人にあいさつされたむりむりかたつむり……ジュッ」 「アッアッ……陽キャが…陽キャの群れが校門の前で待ち構えてるとか無理ィ~死ィ~……ジュッ」 「コロモブガトケチャッタヨー!?」 「マヤわかっちゃったネブラちゃんは自己評価がとっても低いから陽キャ達にあいさつされるのが恐れ多くて蒸発しちゃったんだ」 知らない人に対してあいさつをするのに慣れる事でコミュニケーション能力や積極性も向上するというメリットがあるッスよ! だから例え相手が溶けたり蒸発したりしてもめげずくじけずあいさつしていくッス!限界を超えろ!燃えろ熱血あいさつ!! 「おはようございます!!オグリ先輩!はいそこ校内での過度な食べ歩きは減点ッスよォー!」 「む…?」 おっと!オグリ先輩が朝から超絶デカ盛りカップ麺を片手に登校してるッス!あいさつ週間とはいえもちろん風紀違反のチェックは怠らないッスよ! たとえ相手が憧れの大先輩と言えど風紀の乱れはレースの乱れ…今日も全力で取り締まるッス! 「おはようございます!マルモ!はいそこ校舎の過度な食べ歩きは減て……うわぁぁぁ校舎食べてる!?!?!?えっ校舎!?なんで!?!?」 「モッモッおふぁようごじゃいます!今日朝ごはん少なかったから食べ足りなくて美味しそうにみえたので!歯応えがあって意外と食べ応えがありますよ!」 「確かに、けど正直もう少し甘みが欲しいなモッモッ」 「なんて!?!?!?とっとにかく校舎を食べるってか校舎を壊したらダメッスよ!!!オグリ先輩もご相伴に預かるのは辞めるッス!!マジで!!!」 その後校舎の壁に沿って過度の食べ歩きをしてるマルモブリーズを注意したんスが、なんと校舎の壁をかじり食べながら登校してたッス……。 えっ校舎……なんで校舎食べるの……?校舎って食べれるの……?お腹すいたからってなんで校舎食べるッスか……?んでなんでそれ見てオグリ先輩も校舎食べるんスか……? わからない……何も……何もわからないッス……なんか一周してもう世界の何もかもがわからないようでわかった気になってきたッス……。 そうッスか……世界とは……宇宙とは……謎の四足歩行の生物とは…………。 「ぎゃーっ!」「ウワーッ!?」「出たぁぁぁ!!例の2人組が出たぞぉぉぉ!!」「ウケる 逃げとこ」 ……ハッ!正気を失って気が遠くなってたッス!いけないいけない!風紀委員長としての役目に集中ッス! そして聞こえてくる周りの生徒たちの悲鳴、更にその奥からは……。 「おはよーございぇーあ」 「ぼーなんたーごーん(※エスペラント語でおはよう)」 「ぎゃぁぁぁ!!!トンチキーズが来たぁぁぁぁあ!!」 皆が逃げ惑うその後ろから、モイスチャーブギーとモックスブルワリー……例のあのトンチキーズが二人乗りの田植え機に肩を組みながら乗りつけて、学園敷地内の地面(アスファルト)に稲の苗を植え付けながら登校してきたッス!! 「出たッスねトンチキーズ!!アタシ達風紀委員と生徒会と寮長と理事長秘書その他諸々の不倶戴天の敵!!」 今まではトンチキーズの奇行に風紀委員はなす術もなく手をこまねいているだけだった……だが今は違うッス!(ギュッ) 「行けーっ!ブライーっ!」 「こらーーーーーーーー!!!!」 まずはブギーに向かって風紀委員会の可愛くて頼れる勇者モウコブラインドを放てっするッス。 「学園内の田んぼじゃないとこに田植えをしちゃダメ!!!!苗がかわいそうでしょ!!!!!!!」 「うぅ……でもど根性大根とかあったし……根性UF超えたらアスファルトでもコシヒカリは出来るかなと思って……」 ブギーが耳をへちょんと垂らしてしおらしくブライに叱られてるッス!運転していたのはブギーの方だったので田植え機はひとまず止まったッス! 「おやおやしかしなブライ嬢や良い甘酒を造るのは良い水そして良い米更に愛しさと切なさと心強さと徹底した品質管理が必要なのですぞ むむ、お嬢、田植えアルティメット極ダービーマッシーンはもう動かさないので? 仕方ありませんな小生早乙女ファッションもとい制服に花笠と首かけタオルで棚田式手植えスタイルでお邪魔パジャマ麻雀魔して続きを植えていくとしますかな」 でもまだブルワリーの方がフリー状態!離脱して田植えを続行しようとしてるッス! だけど焦らず騒がず熱血に!ブルワリーの方も対策はバッチリッスよ! 「風紀委員長!例の彼女が正門に入りました!さりげない誘導ばっちりです!」 「よしっブルワリー最終兵器を放てっ!ッス!」 「あっブルワリーさんいる~おはよ~」 「……っあっ!タヌチャ……たぬちゃんおはおはおはようございまするるるる」 「ね、もしかして甘酒また配ってるの?飲ませて飲ませて~」 「ヒュッ……あの…一緒に甘酒でもあまあま甘酒でもいかがですかな……!」 「わ~ありがと~!ブルワリーさんの大好き!」 「ヒョ」 対ブルワリー最終兵器……それはたぬちゃんことタヌキモブライの事ッスよ!あいさつしたり声かけたりで風紀委員の子が絶妙にブルワリーが登校するくらいの時間に着くようにしてくれてたッス! 案の定あのブルワリーが田植えをやめて顔真っ赤にしながら童て……もとい初恋小学生男子みたいにしどろもどろになってるッス!うわぁ……普段と全然キャラ違う……。 「あのっあのっ小生そちらと同じ階に教室あるのでっ次もあのあっ一緒に行きますあうあう」 「そう~?一緒に行きたいの~?私最初からそのつもりだったよ?じゃいこっか」 「ひゃ!?あうあう……アッオテテスベスベ……」 そうしてブルワリーはたぬちゃんに手を引かれて校舎に入って行ったッス! ブギーもさっき「きっしょ……」ってブルワリーにドン引きした視線を向けた後、スイープとキタサンを見つけてそっちに行ったッス! いやあ風紀と秩序は守られたッス!まぁ放置された田植え機と植えられた稲の苗はそのままなんスけど……まぁそこら辺は風紀委員会だけでは限界あるんでたづなさんになんとかしてもらうしか……。動かし方とか分からないッスし……。 「おはようブライ!風紀委員のみんなもおはよう!」 「おねえちゃんおはよおおおおおおおおおおお!!!!(135db)」 「……はよッス、えへへぇ今日はおねーさんと午後練から併せッスよアタイ楽しみッス」 「おはようございます!!!」 おっと気を取り直して風紀委員長としてあいさつ週間の責務を果たすッスよ! 今通ったのはブライのお姉さんのモイスチャーブイとオルフェーヴルッスね。 「待て待て待てぇい!!おかしいではないか風紀の民!余の名を騙る贋作が目の前におるではないか!風紀違反であろうこれは!!気づけ!!」 いきなり尊大な態度で横から出てきたのはオルフェーヴルッス。……ん??? 「うわぁああ!!オルフェが2人いるッス!?!?」 「見て分からぬかたわけ!!あの様な舎弟系マスクド陰キャヤンキーが王たる余の名を騙るとは不届千万であろう!!あんな生徒でもない不審者さっさと間引かぬか!」 「オルフェが2人……どういう事ッスか……?区別がつかないッス……」 強いて言えばどっちも栗毛くらいしか共通点の無い、完全に見た目別人なのに、脳が2人のどっちもオルフェーヴルだって認識してくるッス……頭おかしくなるッス……。 「うわぁ何スか!アタイの名前を名乗る妙なウマ娘がいるっス!おねーさん助けて!」 「黙れ贋作風情が!疾く失せよ!あと貴様は風紀の民と口調が紛らわしいわ!どこまで人を真似れば気が済むのだ!」 「オルフェじゃんやっほー!ってええ!?オルフェが2人いるよ!?こっちにいるのもオルフェだし今来たのもオルフェだしどういう事!?」 「貴様~!同期なのにそれはないであろう!」 「あっしのおねえちゃんに何やってんのってえええええええええ!?!?!?(135db)オルフェパイセンが2人もいるううううう!?!?!?」 「勇者の民!其の方までこんな反応されると流石に泣く余!?」 「ねえそこのマスクしてない方のオルフェ。お前今あの子のことを貴様呼ばわりしたの?ねえ?」 「待て!待たぬか!その生クリーム放射銃を仕舞えブギー!!貴様こういう時だけ耳聡いではないか!?ええいやめぬか!! 余は貴様の事を妃だなどとは認めn……ちょっやめ余本当に生クリームはよせおのれおのれおのれよもやここまガッボボボボ」 2人のオルフェに対してアタシ達がわやわや騒いでると、いつの間にか耳を真後ろに倒して瞳からハイライトが消えたブギーが、背中に背負った生クリームタンクから伸びた放射銃型ノズルをオルフェに突きつけてそのまま生クリームをブッパしてしまったッス。 みるみるうちに暴君な方のオルフェと周囲が生クリームに埋まっていったッス!! 「あぁぁぁあ゛!!!また風紀が守れなかったッス!!」 「またブギーがやらかしたっスねアタイもう知らなーい」 「今バンブーとマスクの方のオルフェのどっちが喋ってるの?」 「ブギーパイセン!生クリームは人にかけちゃダメ!!!!!!!!(135db)もういいでしょはやく止めて!!」 「あっあれ?ボタンがうまっちゃって止まらなガボボボボ」 「大変ッス!!皆!!安全の為にも今すぐ逃げるッス!!!ブベベベベベ」 ブギーの生クリーム砲から出た生クリームはブギーがボタンを押して止めようとしても故障で止まらなくなって。 ブギーもオルフェもアタシ達も、周りの生徒も道路も校舎もみんなみんな生クリームの白に埋め尽くされて。 ――――その日トレセン学園は、生クリームに飲まれたッス―― うぅ……今日もまた風紀を守りきれなかったッス……。 でもめげず挫けず!今日ダメでも明日は頑張って!!アタシこと風紀委員長バンブーメモリーはこのトレセン学園の風紀を守るべく頑張っていくッスよ!!! そうアタシは生クリームの海の中で夕日に向かって誓ったッス。だって生クリーム撤収作業は夕方までかかったッスから……。 「おお、生クリームが壁にかかった分甘さが出されて美味しくなったんだが?」 「ほんとだー!おかわりいただきまーす!」 「わぁー!私も食べます!」 「ライスやるねっ」 ちなみに、その後余った生クリームはオグリ先輩やマルモ、スペシャルウィークやライスシャワー達が校舎ごと残さず完食したッス。 そんなことあるッスか????