マルゼンスキーがポロライドカメラを構えてシャッターを切る。
彼女は何枚も写真を撮っては満足そうに頷く。
その顔には満面の笑みが浮かんでいた。
本当に楽しそうだった。
そして、それを後はで見せられる俺の気持ちにもなって欲しいと思うのだった。

時は昨日に遡る。
トレーナー業務の疲れからか三女神像が並ぶ広場のベンチで微睡んでいたのも束の間。
気づいたときには白い煙に包まれ、気づけば今の姿になっていた。
そして、自らの体に起こった異変に気づいた俺は急ぎ理事長に連絡を取ったのである。
しかし、電話越しの彼女は至って落ち着いていて、むしろ喜んでいるように見えたのだ。
「驚愕！トレーナーがウマ娘に
！」
「はい、そのようで……」
「しかし、これは何かの思し召しに違いない！祝福しよう。これからは君もマルゼンスキーと二人の新たな夢に向かって歩いて行くのだ」
電話の向こうでは拍手の音まで聞こえてくる始末である。
どうやらこの理事長は人をからかうことを楽しんでいるらしかった。
そんなことがあって
こうして俺は男という性別をなくしウマ娘になったのだった。

そして、現在マルゼンスキーに言われるがままにレディースの服を試着しては写真を撮られるという行為を繰り返していた。
「トレーナーちゃん、次これ着てみて」
「もう勘弁してくれ……」
「ダメよ！まだまだこれからなんだから」
マルゼンスキーは満面の笑みを浮かべていた。
だが、その笑顔にはどこか狂気じみたものも感じられる気がした。
このままだとトレーナーとして男としての尊厳も危ういところである。

誰か助けてくれ……
そんな願いも虚しく、身体の隅々までマルゼンスキーに監視されながら試着は続いていったのだった。
その後、何軒かの店を回ったが結局最後までマルゼンスキーの着せ替え人形として過ごす羽目になった。
しかし、彼女は終始楽しそうで、そんな彼女を見ていると不思議と悪い気はしなかった。
そして、最後に寄った店でようやく彼女の気が済んだらしい。
俺はやっと解放されたことに安堵し、大きく息を吐いた。

だが、その安堵も束の間だった。マルゼンスキーは手を引いて歩き出す。
「どこ行くんだ？」
「決まってるじゃない。化粧品を買いに行くのよ」
「もういいだろ？必要な分だけ買ったんだから……」
「まだまだ足りないわよ！ほら、早く！」
そして、目の前に大量の化粧品を並べていくのである。
その量の多さに思わず辟易していると彼女は言った。
まるで悪戯っ子のような笑みを浮かべながら。
「さあ、トレーナーちゃん。お化粧の時間よ」
「いや、俺は男だから…」
「今のトレーナーちゃんは女の子でしょ？」
その後、俺は抵抗も虚しくマルゼンスキーの手によって化粧を施された。
鏡に映る自分の姿はまるで先程とは別人のようで、思わず見惚れてしまうほどだった。
そして、マルゼンスキーはそんな俺の姿を見て満足げな表情を浮かべているのだった。

すれ違う人たちの視線が痛いような気がした。まるで自分が見世物にでもなった気分だ。
　そんなことを考えているうちにマルゼンスキーはある建物の前で立ち止まった。そこはいわゆるランジェリーショップという場所である。
「ここは……」
「トレーナーちゃん、入ってみましょう！」
マルゼンスキーは俺の手を取るとそのまま店内に入っていく。そして、店内に入るなり目を輝かせた彼女は次々と商品を手に取り始めた。
「これなんかどうかしら？」
彼女が手に取ったのは黒のレース生地で作られた下着だった。しかもかなり際どいデザインである。
こんなものを履いているところを誰かに見られたらと思うとぞっとする。
しかし、マルゼンスキーはそんな俺の考えなど知る由もなく、目を輝かせてその下着を見つめていた。
そして、手に取ったそれを俺に見せつけるように広げてみせるのである。
（勘弁してくれ……）
そんな俺の気持ちなど露知らず彼女は上機嫌に話しかけてくる。
その表情はまるで新しいおもちゃを見つけた子供のようだと思った。

（トレーナーちゃんったら可愛い♡）

からかい上手のマルゼンさん

写ルンですじゃないんだ…

この後バブリーランド行ったりしない？

なんでまたTSが流行ってるんだ…？

>なんでまたTSが流行ってるんだ…？
ＴＳクライマックスリベンジ

>なんでまたTSが流行ってるんだ…？
ありがたいよね…

>この後バブリーランド行ったりしない？
マルゼンさんと姉妹みたいに似てると言うことはヤバいのでは？

>>この後バブリーランド行ったりしない？
>マルゼンさんと姉妹みたいに似てると言うことはヤバいのでは？
デカパイW感謝

これマルゼンさんとお揃いの服とか下着着せられてるパターンのやつでしょ