「そうですね。まずはこちらの帽子などいかがでしょう？　黒はあなたの髪とお耳によく似合うと思いますっ」

彼女の押しの強さに負けてコーデを任せることにしたが、いきなり話がおかしい気がする。
髪はまだしも、耳？　それに彼女が差し出してきたのはウマ娘用のそれだ。耳を通す用の穴が空いている。
どうやら彼女のファッションは自分には些か『上級向け』過ぎるようだ。
結構です、と踵を返そうとしたが、やや強引に帽子を被らされて店内の鏡の前に立たされる。

「いえいえ、折角なので！ほら！」

──そこには、綺麗な茶髪の髪を持つ、大きくてつぶらな瞳の可愛らしいウマ娘が首を傾げていた。

……？
おかしいと、違和感を覚える。この鏡には『俺』が映っていない。
ノースフライトと、彼女によく似たウマ娘の二人が映っている。
なんだ……？と、口を開けば、鏡の中の『彼女』も同じように口を開く。

「うん。コーラルピンクのマーメイドニットワンピースも合わせてみましょうか。ピンクコーデに慣れていなくてもチャレンジしやすいと思いますっ」

なんだなんだと理解が進まない内に、近くに掛かっていたニット素材のワンピースを手渡されて、試着室に押し込まれてしまった。
──そして、言葉を失った。

試着室の大きな鏡に、自分の姿が映る。
黒い帽子を被り、身体のシルエットがハッキリと浮かぶニット素材のピンクのワンピースを着たウマ娘。
身長は多分ノースフライトと同じかちょっと低いくらい。胸も程良く膨らんでいて、お腹のくびれからお尻へと流れるラインは綺麗に整っている。
鏡の中のウマ娘が、耳を触る。俺の『耳』にも触られている感触がある。身体を見下ろす。ニットの縦線が、胸に押し上げられて膨らんでいる。
腰を捻ってお尻を見れば、フサフサで毛艶の良い尻尾がある。
……俺の身体が、ウマ娘になっている。それも、あの、ノースフライトによく似た。

「うん。やっぱり！　とっても輝いてる！」

試着室のカーテンが開く。
ノースフライトが胸の前で手を合わせて、心底楽しそうに笑っている。
一体、どういうことだ！　俺に何をした？
俺は、彼女を問いただそうと──

「……そ、そうかな？　似合ってるかなぁ……」

──口に出した声は、妙に自信が無さげで。
彼女に詰め寄ろうとした身体は、縮こまるように内股となった。

「大丈夫。お姉ちゃんを信じて？」

違う、俺は、男で。こんなの、おかしいのに。
大きな声が出せない。手は自信なく口元を覆う。身体が自然と女性的な仕草をとる。まるで、この服に相応しい所作はこれだと、俺に言い聞かせるように。

「すいませーん！」

お姉ちゃんが店員さんを呼んで、購入の手続きを進める。
ダメだ、これ以上進んだら。

「さぁ、胸を張って！」
「……うん！」

黒い帽子に、ピンクのマーメイドニットワンピースという春コーデに身を包んだ一人のウマ娘。
最初は自信無く佇んだいた彼女も、ノースフライトに背中を押されて、胸を張って歩いていく。
周囲が自分達に羨望の眼差しを向ける。

──わ、可愛い〜！　ノースフライトさんと一緒のあの子、誰だろう？

違う、俺は男だ！──叫びたくても、言葉を紡げない。
ふふ、いいでしょう？──そう言いたげに、口角が勝手に吊り上がる。
　

「ね？　とってもキラキラでしょう？」
「うん！」

服一つで、世界は変わる。
その内面も、覆い尽くして。
俺は、ノースフライトに手を取られて、春の道を歩いていった。

フーちゃんにコーディネートされたい

きらきらね

久々に見た気がする
やっぱりホラーだよ！！！

女の子に堕ちちゃうの好き

ねえこれメジロゾーンじゃない？

これTSって言うか女性の外殻に閉じ込められてるのと変わんなくね！？

推せる〜

>これTSって言うか女性の外殻に閉じ込められてるのと変わんなくね！？
いいよね……

前触れなくTSはホラーよ

ｴｯｴｯどういうコト！？

>前触れなくTSはホラーよ
>いいよね……

久々に見たけどやっぱりTSFいいよね…

やっぱTSは読んでて恐怖の方が先に来るな…
ホラーとして楽しんでると言うか

久しぶりにTS見た
もっと双子同一化増えてほしい

適応して楽しんだり意識変わってくるならコメディだし困惑や恐怖が強いならホラーで読めて色々美味しい

この後妹としてトレセンに入れられてもいいし
身体だけウマ娘にされて日常に放り出されて途方に暮れるのもいい

姉妹として生徒になってもいいし
選手と瓜二つのトレーナーになるのも好き

>やっぱTSは読んでて恐怖の方が先に来るな…
>ホラーとして楽しんでると言うか
現実改変ありの作品だからなのかな恐怖を感じるのは
好きな人にとってはいいよね…となるけど

！怪異

久しぶりにみたな……三邪神も元気そうだな……

こわ

やっぱりTSは良いな…

怪談

出やがったな三邪神の世界…

これから彼は何をするにしても女性的な仕草と口調を強制されちゃうしウマ娘として生きるしかないんだ
いいよね

相変わらずシームレスに常識や認識が塗り替えられる描写がいい

>相変わらずシームレスに常識や認識が塗り替えられる描写がいい
半端に変わってて余計可哀想になってない？

>半端に変わってて余計可哀想になってない？
だからいいんじゃないか

来いよ　女の子みたいにしてやるぜ？