【岩家イチカについて】 ・可愛い物が好き。カブトシャコモンの猫かぶりに騙され続けている。 「シャコちゃぁ〜ん、ちゅ〜る欲しいですかぁ〜?」  今日もシャコちゃんはすべすべぷにぷにでかわいいですわ〜〜!お声ももきゅもきゅで素敵〜〜!  しかし毎回飼い主の霊能探偵がものすごい顔で見てますの。これは…嫉妬ですわね。  そういう争いは私も望む所ではなくてよ。致し方ありませんわ、少し自制しなくては。 「シャコちゃ〜ん、またね〜〜!」 ──────────────────────────────────── ・お節介焼きだが人のいう事をあまり聞かず、自分の都合の良いように解釈しがち。言葉の裏とかもとくに読まない。 「完ッ全、に! 分かりましたわーー!(分かってない) 私にお任せくださいまし!」  シュリモンは目を伏せた。  これはどう見ても、まるきり、分かりやすい嘘である。小学生でも相手にしないだろう。  しかし、ここでイチカに何か言うのは無駄。どうせ聞かない。それは出会ってからの数年間で培った彼の経験則。  なのでシュリモンは音も無く駆け出すのであった。  求めるは次善の策。行先はいつものお寺。知り合いの内一番年下で、一番頼れる坊主の元へ。  それは彼にとって文字通りの駆け込み寺であった。 ──────────────────────────────────── ・理数系特化。社会系は暗記はそこそこで国英はヤバい  ヤバいですわ。中間テストが赤点ですわ。  読解問題と英文作成がズッタズタですわ手も足も出来ませんわ。  先生からは「君の性格そのまま出てるね」って、褒められても点は伸びませんのよ!?  …こうなったらもう、どなたかに泣きつくしかありませんわね! 「青石さま…ちょっと家庭教師を…あの、手間賃はお出しますのでぇ…!」 ──────────────────────────────────── ・押しが強いのでホラーは平気。でもジャンプスケアとかは眉を顰めるタイプ。  「鮫島さま! あれはただのラップ現象。なんにも怖気付くことはありませんの。行きますわよーー!」  塩玉を発射する銃、ちょっと強めのスタンバトン  様々な手作り武装に身を包んだイチカは皆の為に今日も怪異(デジモン含む)を追い払う。  …実際にはイチカの大声にびっくりしてその場を離れることの方が多いかもしれないが。 ──────────────────────────────────── ・機械製作の為化粧はプレーン。爪は短く切りそろえている。  余所行き用のちゃんとした服も好きだが、除霊活動中は大体ゴーグルにツナギにバッグを背負ったゴーストバスターズスタイル。  タコで膨れ、豆が出来た傍から潰れていくイチカの指は節くれだっていて、お世辞にも綺麗ではなかった。  マニキュアもクリームも機械弄りには大敵だから、それを整えることも隠す事もできない。  それでも彼女は誇らしげに、自分の指を見せつけた。 「工場のおじさまとおそろいですわ! それに…ええ、玉鋼さまともですわね!」 ──────────────────────────────────── ・会社の規模は地方の名士くらい。他の県で名前を知ってるならそれは恐らく工業界の人。 「虚空蔵様、ごきげんよう!」  憧れの先輩を見つけるなり、イチカは跳ねるように駆け出した。  いつも自信に満ち溢れて、お優しく、高笑いも力に満ち溢れていらして……  虚空蔵さまこそは正真正銘のお嬢様ですわ!  こんな高貴なお方とお知り合いになれるなんて……全く夢のよう!   「もしよろしければ、今度私のお家でおもてなしさせてくださいね! 色々至らないところはどうか笑ってくださいまし!」 ──────────────────────────────────── 【シュリモンについて】 イチカはシュリモンのことは幼い頃に出会い、以後自分の守護霊だと思って接している。 シュリモンは現実世界への漂着時の不具合で今まで不安定な存在の為、視認できる人間は限られている。 霊能者の事を信用していないのは、幼い頃頼った者たちにシュリモンの事を否定されたショックが元である。 イチカはシュリモンの言う『デジヴァイス』さえあれば、シュリモンを「霊感」のない両親や他の人たちにも見せることが出来ると信じている。  霊能者、エクソシスト、シャーマン。  全員、嘘つきばっかり。  皆、私の大事なシュリモンのことを、一人たりとも見る事が出来なかった癖に。  それでいて、やれ呪文だやれ儀式だとごにょごにょ言って、困ってる方からお金を巻き上げるなんておかしいじゃありませんの!  だから、全部全部私が手ずから解決して差し上げますわ!それこそ霊感を授かった私の使命! 「とか言って危ないことするのは、親としては止めてほしいんだけどな…」 「”シュリモンちゃん”は止めてくれないのかしら…」