二次元裏@ふたば

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708519 B24/05/10(金)00:41:58No.1187481850そうだねx4 03:55頃消えます
デジモンで怪文書書きました
うちの子のMATHUROです
うちの子↓
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このスレは古いので、もうすぐ消えます。
124/05/10(金)00:43:30No.1187482342+
fu3456848.txt
iPhoneからだとどうしても文字化けしてしまうのでここから直貼りしていきます
224/05/10(金)00:44:01No.1187482508+
【デジモンイモゲンチャー】
665話『百合の決意 究極進化ウェヌスモン!』

【前話あらすじ】
めざめと別れた百合とダルクモンが旅の途中にたどり着いたのは、レオモンが成長期や幼年期のデジモン達を庇護しながら平和に暮らしていた村だった。余所者、しかも人間という事で警戒されていた二人だったが、迷子になった幼年期デジモン達を身を挺して救出した事で村に受け入れられる。元の世界への帰り道を探す宛てもない放浪の旅を続けていた二人は、束の間の歓待を楽しむのであった。
324/05/10(金)00:45:24No.1187482881+
レオモン村の朝。久々の美味しい食事とふかふかな寝床故か、ダルクモンはそこそこ日が高くなった頃に目を覚ます。隣で寝ていた百合の姿は既に寝台になかったので、身支度を整えて外へ探しに行くのだった。
『おはよう村長、百合を見なかったか?』
『おはようございますダルクモン殿。百合殿ならあそこです』
見れば、広場にて幼年期のデジモン達に囲まれて、一緒に遊んでいた。
『あのお人好しは、昨日の今日で元気だなあ」 』
『ふふ、本当に百合殿は優しいお方ですね。昨日も我が身が傷つく事も厭わずに子供達を守ってくれて…』
言って、昨日の事を思い出す。迷子のズルモンが森で運悪くストライクドラモンに出会ってしまい追いかけ回されていた所を、百合が間に入り木刀でストライクドラモンの攻撃を受け流し続け、そこに駆けつけたダルクモンがサンゾモンに進化し"杜子春教"で宥めて場を納めたのだった。
424/05/10(金)00:45:37No.1187482947+
『…本当に、あの娘はこの修羅の世界を行くには優し過ぎる娘だよ』
『…そう言えば、百合殿は戦闘で木刀を使っていましたが、もう一本刺しているのは真剣でしょう?あれは使わないのですか?』
『…ああ、あれはお節介な行商人に、本当に大変な時に備えて取っておけと渡されたのだ。まだ一度も抜いた事はないがな』
ジャガモンを連れた行商人の少女の護衛を請け負った時に、報酬代わりとしてもらった鋼鉄の刀。真剣は怖いと断ったものの、木刀はいつ折れるかわからないからと強引に渡されていた。
524/05/10(金)00:46:13No.1187483143+
『大変だ大変だー!』
そんな穏やかな時間は、慌てて飛んできた村民のパタモンの声で破られた。
『レオモン!ハロウィン盗賊団が村に向かってきてるよ!?』
『なんだと!?くっ、おまえはみんなを避難させてくれ!』
言って駆け出す只事ではない様子のレオモンに、百合とダルクモンも後に続く。
「村長さんどうしたんですか!?ハロウィン盗賊団って?」
『近頃噂になっている破落戸デジモンで作られた盗賊団です。まさかこんな小さな村にまで襲ってくるとは……お二人はみんなと隠れて!』
『いくら貴方が強者だとしても、一人で盗賊団相手に村を守り通すのは難しいだろう』
「一宿一飯の恩義です、私達も助太刀します!」
『……ありがとうございます』
三人が村の入り口まで着く頃には、件の盗賊団は目視できる距離まで迫っていた。
624/05/10(金)00:46:35No.1187483258+
『ひゃあっはっはぁ!略奪だあああ!!』
先頭を走るのはデッドリーアックスモンに跨ったパンプモン、後ろにはバケモンにソウルモン、キャンドモンやピコデビモンやレアモン等、盗賊団というだけありかなりの規模の集団であった。
『あれが村長のレオモンだな。んで隣の女どもは誰だ?……まあいいか、やっちまえ!』
パンプモンの号令の元、子分デジモン達が三人に襲いかかる。
「数が多いですね。ダルクモン、進化を!」
『承知した!』
【ダルクモン進化!→サンゾモン!】
『ひいっ、進化した!?お頭アイツなんかヤバそうですよ!』
『チッ……怯むな、数はこっちの方が圧倒的に上だ!』
光の中から現れたサンゾモンの聖なる力に多くが闇属性の子分達は怖気付くも、パンプモンの一喝で戦意を取り戻す。その様子に百合は肩を落とすも、気を取り直して木刀を上段に構えた。
「戦意喪失したままでいてくれれば楽だったのですが…」
『仕方ありません、少しお仕置きしてあげましょう』
『お二人共、無理はなさらずに!』
そして、三人は迫り来る破落戸たちを相手にすべく三方に走り出した。
724/05/10(金)00:47:23No.1187483537+
確かに数は多いものの所詮は殆どが半端者の破落戸、それなりに場数を踏んでいる三人の敵ではなかった。
「チェストーーー!」
『あいたーーーピコ!?』
『痛えドル!?』
百合は木刀でバッサバッサと切り捨てる。
『反省なさい"無限弾幕心経"!』
『うぎゃあああバケ!?』
『も、もうしないから勘弁してほしいでソウル!?』
サンゾモンは経で戒める。
824/05/10(金)00:47:45No.1187483640+
『獣王拳!』
『ぐおおおおお!?』
『…命までは奪いません、あのお二人に感謝なさい』
レオモンの必殺拳はレアモンの巨体を跳ね上げた。そんな彼の背後に、ゆらりと影が近づく。
『くっくっくっ、流石村長さん、お優しいこって』
『おや?新手です…か……』
『そんなお優しい村長さんなら、こんな状況ならどうするかなぁ?』

「ふう、だいたい倒しましたかね……」
村の片隅にて、自身に向かって来た破落戸どもを追い払った百合は、木刀をおろして一息付いていた。
『いやあああああ!?』
「い、今のは!?」
924/05/10(金)00:48:32No.1187483865+
『そりゃそりゃそりゃそりゃあ!』
『ぐふぅっ!』
『もうやめてえええ!』
「こ、これは!?」
駆けつけた百合の目に飛び込んできたのは、地に倒れ伏す傷だらけのレオモン、それを楽しげに見下ろすファントモン、ファントモンから伸びる鎖に絡め取られているタネモン。初見であっても、どの様な状況かなど一目瞭然であった。
『ごめんなさい村長さん、僕が森で捕まったりしなければ!』
『ふふ……いいのです……貴方達が無事なら……幾ら傷つこうが私は何度でも立ち上がれるのですから…』
涙目のタネモンにレオモンは微笑みかける。そんな光景すらも、外道のファントモンにとっては加虐心を煽るスパイスに過ぎない。
『へっへっへ、かっこいい……ねえ!』
『がふっ!』
「なんて事を!」
慌てて武器を構える百合に、しかしファントモンは余裕を崩さず、タネモンを縛る鎖を締め上げる。
1024/05/10(金)00:48:51No.1187483956+
『うぐぅ!?』
『おっとお前も妙な真似はするなよ、俺は一瞬でこのガキを締め殺せるんだからな』
「くっ!卑怯者っ!」
『へへっ、何とでも言いやがれ!………さて』
そこで言葉を切ると、ファントモンは大鎌を振り上げる。
『もう嬲るのも飽きたし、殺すか』
「なっ!?や、やめなさい!!」
『やめるわけねえだろうが!俺はこういう立派な奴をぐちゃぐちゃにして殺すのが大好きなんだ!!』
そして煌々と目を輝かせながら、レオモンの首に向けて切先を振り下ろした
『いやぁぁぁ村長さぁぁん!?』
『死ねやぁぁぁあああ!!!』
1124/05/10(金)00:49:13No.1187484082+
瞬間、金属音が響き渡る。
しかし、それはレオモンの首が切断された音ではなかった。ファントモンの左方に弾き飛ばされた鎌と---木刀。くるくると回り地面に突き刺さった獲物を呆然と目で追ったファントモンは、訳もわからず木刀の飛んできた方向に顔を向ける。
その目に映ったのは、憎悪の籠った瞳を携えて野太刀を振り上げる少女の姿であった。
『あ、待』
「智恵捨ぉぉぉおおおお!!!」
1224/05/10(金)00:49:37No.1187484209そうだねx1
【↑ここまでAパート】
CM: https://digimoncard.com/digimon_liberator/jp/
【ここからBパート↓】
1324/05/10(金)00:50:03No.1187484348+
『ふう、ここまで来れば大丈夫だろう…残ったのはどんくらいだ?』
『八割位はビビって離散しちまったバケ。ファントモン副団長が目の前でヤられちまったのが痛かったバケ』
村から離れた森の中、襲撃に失敗したと悟り撤退したパンプモンは、残った部下を見渡して話していた。
『クソ、舐めやがって…こうなったら“アイツ“を使うぞ』
『ええ!あんな小さな村に流石にやりすぎじゃないバケ!?そもそも“アイツ“が暴れたら跡には何も残らないバケ!』
『もとより軽い物資補給の為に寄るだけの予定だったんだ、モノがお釈迦になろうが構いやしねえ』
言って、パンプモンは笑みを深めた。
『見てやがれ、俺様達をコケにした事、後悔させてやるぜ…!』
1424/05/10(金)00:50:28No.1187484491+
『………うん、もう大丈夫だ。後はゆっくり寝ていれば元気になるだろう』
『『『『うわ〜んよかった〜!村長さ〜ん!!』』』』
ダルクモンの言葉に村の幼年期デジモン達は寝台で穏やかに寝息を立てるレオモンに押し寄せた。その様子を微笑みながら見届けたダルクモンは、邪魔にならない様にと小屋を出る。そんなダルクモンに、一体のタネモンが話かけて来た。
『あの、村長さんは…?』
『安心してくれ、峠は越えたよ。それでちょっと聞きたいんだが、百合を見なかったかい?』
『百合さんだったらあっちの泉の方に行きました………あの、百合さんに会いに行くんだったら、伝えて欲しい事があるんです』
『なんだい、言ってごらん?』
もごもごと戸惑いながら口にするタネモンに、ダルクモンは屈んで耳を傾けた。
1524/05/10(金)00:50:56No.1187484649+
『こんな所でどうしたんだい、百合?』
「………ダルクモン」
ダルクモンが声をかけた時、百合は泉のほとりに腰をおろしぼんやりと水面を眺めていた。いつもの快活な様子は鳴りを潜め、光の消えた瞳はまるで魂が抜けた様だった。
「ダルクモン……私、今日初めてデジモンを殺したよ」
『……そうか』
ぽつぽつと話し始める百合に、ダルクモンは口を挟まずに耳を傾ける。
「………いつかは時が来るとは覚悟はしてたつもりだったんだけど、いざ来られると思った以上にキツイなって」
『君が元いた世界では、人同士が殺し合うなんて事はまず無かったんだろう。そう感じるのも無理もない』
言いながらダルクモンは百合の隣にどかりと腰を落とす。
『ここは君のいた世界に比べて命のやりとりが頻繁する世界。だからって、出会う敵は皆殺しにしてしまうのが正しいなんて事は無い。こんな世界でこれまで無益な殺生を嫌って来た君の優しさは、立派なものだよ』
「優しさ………優しさ、なのかなぁ?」
言う言葉に震えを混じらせながら、百合は自身の両手を見る。自らの手でファントモンを切り殺したあの瞬間がフラッシュバックして、肩が大きく震えた。
1624/05/10(金)00:51:52No.1187484939+
「ただ覚悟がなかっただけじゃなかったのかなぁ?たまたまダルクモンや周りの環境に助けられてたからなあなあに出来てただけで、ただ腹を決めるのを先送りにしてただけじゃ」
『百合』
止めどなく流れ出る弱音を堰き止める様に百合の言葉を遮ったダルクモンは、彼女の前に跪きその震える手を自身の手で包み込んだ。
『デジモンは様々な進化の可能性を持つ。私…ダルクモンにも、悪きを滅する大天使や獰猛な幻獣に進化する道もあった』
言いながら、ダルクモンはその手を強く握りしめ、百合の目を真っ直ぐ見つめ直す。
『そんな中でも敵を戒め改心させる術に長けたサンゾモンに至ったのは、貴女が誰も傷付かずに戦いを収めたいと心から願ったから。あの時の心に偽りは無いと、半身である私が保証しましょう』
「………ダルクモン」
その真っ直ぐな眼差しと言葉に、百合の瞳にも微かに光が戻る。
1724/05/10(金)00:52:04No.1187484996+
『それに、あの時貴女が手を汚したからこそ無辜の村長とタネモンは命を落とさずに済んだ、それは間違いなく誇っていい事だ。あのタネモンからもお礼を言いたいと言付けられたよ』
「………そっか、あの子が……よかった」
二人は手を取り合い、見つめ合う。

その時、村の方から爆音が響いた。
1824/05/10(金)00:52:35No.1187485144+
『ヒャッハーテメェら覚悟しやがれ!』
『くそっ、アイツらあんな隠し球を…!』
村に再び現れたハロウィン盗賊団。日中の戦いで構成員の大半が逃げ出したためか頭領と一名のみであったが、その一名は新たに投入された戦力であった。村長の代わりにと入り口で守りを固める村の成長期デジモン達であったが、その新戦力の圧力に体を震わせていた。
『オオオオ滅滅滅滅滅……!!!』

スカルグレイモン!
戦いに執着し、肉体が滅びようとも闘争本能のままに暴れ続けるスケルトンデジモン!必殺技は『オブリビオンバード』!

『おいカス共、レオモンとあの女どもを出しな。そうすればテメェらの命だけは助けてやってもいいぜ?』
『ふ、ふざけるな!村長は僕たちの大切な人だし、あの人達も恩人なんだ!』
『あっそ、なら死ね。スカルグレイモン!』
村民達の振り絞った勇気を嘲笑いながら、パンプモンは号令を下す。
『オオオオ……グラウンド・ゼロ!!!』
スカルグレイモンは目を光らせ、その背面からミサイルが飛び立つ。衝撃の恐怖に、村民達はギュッと目を瞑る。
1924/05/10(金)00:52:57No.1187485262+
ーーーーしかし、ミサイルは彼らの元に届く事はなく。
「智恵捨ぉぉぉおおおお!!!」
2024/05/10(金)00:53:28No.1187485401+
突如飛び出した百合が大上段から野太刀を叩き下ろす。二つに分たれたミサイルは軌道を変えて上空で爆裂した。
『ひっ!?な、なんだとお!?』
『オオオオ驚驚驚興興興……!!!』
いきなりの大立ち回りに慄くパンプモンと戦い甲斐のありそうな相手の登場に目を輝かせるスカルグレイモンに目もくれず、百合は震える村民達に声を掛ける。
「みなさん、よく頑張りましたね。この場は私達に任せて、子供達を守ってあげて下さい」
『お姉さん……ごめんなさい、村をお願いします!』
涙目ながらも後を託して村の中へ退避する村民達とすれ違いに、ダルクモンが百合の傍らに降り立った。
『百合、子供達の避難は終わった……しかしスカルグレイモンとは、また厄介な』
2124/05/10(金)00:53:57No.1187485518+
「ダルクモン、進化を。どう見ても尋常な相手じゃ無いです」
構える二人に対して、先ほどの衝撃映像から息を整えたパンプモンが、得意げに語り出す。
『へっへっへ、来やがったなぁ。言っとくが、テメェが進化しようがこいつには勝てねえだろうよ!』
「………どう言う事ですか」
『ちょーっと調べさせてもらったが、おのサンゾモンってえのはありがたーいお経とやらで洗脳したり幻覚を見せる様な戦い方をするそうじゃねえか。このスカルグレイモンはそんなまやかしは通用しねえ!頭の中には闘争本能しかねえこいつの破壊は止められるのは死、ただ一つのみよ!』
『オオオオ闘闘闘……!!!』
パンプモンの口上に呼応する様にスカルグレイモンも吼える。ダルクモンはそれを聴き、腹の中で舌打ちをした。
(くそっ、強さもそうだが……百合が心に傷を負っている時に間が悪い)
初めてのデジモンの殺害から間をおかずして、再びどちらかが死ぬまでの殺し合いを強いられる百合の心労を慮り、ダルクモンの眉に皺が濃くなる。
2224/05/10(金)00:54:31No.1187485709+
「ダルクモン、やっぱり直接戦うならそのままの方が良いですか?それとも、必殺技は効かなくともサンゾモンの方が戦えるでしょうか?」
……故に、その百合から溢れた声音の冷たさにダルクモンの背筋が凍りついた。
『………百合?』
「………事ここに至って不殺だなんて言いません。殺さなければ私達だけでなく村のみんなまで犠牲になりかね無いと言うならば」

そう言って振り返る百合の瞳は
「殺すしか無いでしょう」
何も映さぬ漆黒に染まっていた
2324/05/10(金)00:55:08No.1187485885+
『………百合!』
「ダルクモン、いきましょう」
言いながら敵に向き直る百合の背中にダルクモンは言葉を続けられず、心の中に焦燥が募る。
ダルクモンにはわかるのだ。百合は本心を押し殺して、無理にでも覚悟を決めた様な顔をして、戦いに行こうとしていると。
(サンゾモンでは…今の私の力では、百合の優しさが陰っていくのを止められないないというのか?)
自身の無力が重くのしかかり、握った拳が硬くなる。
(力が欲しい……百合の優しさを翳らせずに守れる、戦わない為の力が!!)
ダルクモンが心の中で叫んだ時、その瞳が輝いた。
2424/05/10(金)00:55:34No.1187486005+
『な、なんだありゃあ!?』
突然叫ぶパンプモン、その視線は百合の後方に向けられている。百合はブラフかと警戒しつつも振り返る。
「………ダルクモン?」
『………百合、一時、私に任せて貰えないか?』
ダルクモンが暖かな光を放っていた。百合はその光景に見覚えがあった、ダルクモンが初めてサンゾモンに進化した時の事である。だが、今回の光はその時よりも遥かにまばゆいものであった。
『百合が心から望むのならば、私は百合の剣としてその望みを叶えよう。そして、百合が仮面の下で涙を流しているならば、私はその涙を拭い止めて見せよう』
百合の瞳を見つめながら、ダルクモンは輝きに包まれる。
『この力は……貴女の穢れなき慈愛を守る為の力!』
2524/05/10(金)00:55:55No.1187486097+
ーー究極 進化ーー
ーーウェヌスモンーー
ーーVenusmonーー
2624/05/10(金)00:56:17No.1187486189+
「ダルクモン?…………いえ、ウェヌスモン?」
光を纏いながら、百合の元へ舞い降りるウェヌスモン。その輝きに、百合は思わず魅了される。
「………………綺麗」
「ってわ、わ、わ、私ったらこんな時に何を!!??」
それは、まさに思わず溢れ落ちた言葉だった。言ってから、自分の醜態に気付き慌て出す。そんな百合を愛おしそうに見つめていたウェヌスモンは、不意に百合の肩に手を置く。
『ありがとう、百合。愛していますわ』
そして、その額に唇を落とした。
「!!!???!!!??!//////」
2724/05/10(金)00:56:52No.1187486328+
『なんなんだよ!?なんなんだアイツら!?もうめんどくせえ全部叩き潰せスカルグレイモン!!!』
『オオオオ討討討討……!!!』
そんな事をやっている最中、展開の流れに着いて行けずにヤケを起こしたパンプモンが喚き散らし、待ってましたと言わんばかりにスカルグレイモンが動き出す。
『まったく、無粋な人達ですね。それじゃあ百合、先程言った通りここは私に任せてくださいね』
そんな敵を見据え、ウェヌスモンは飛び立つ。その後ろ姿を見て、正気に戻った百合は慌て出す。
「ま、待ってください!一人だけじゃ危険です!?」
百合の心配も他所にスカルグレイモンに相対するウェヌスモン。対するスカルグレイモンは敵が射程に入ったのを確認すると、その巨躯を振り回した引っ掻きを繰り出す。
「あ、危ない!?」
その迫力に顔を青ざめさせる百合だったが、ウェヌスモンは微笑みを崩さずに、羽の様にふわりとその攻撃を回避する。
スカルグレイモンは次々と打撃を繰り出すも、ウェヌスモンは軽々と回避する。終いには火炎弾を発射しだすが、それすらも軌道を逸らして躱して見せた。
2824/05/10(金)00:57:24No.1187486488+
「………凄い、スカルグレイモンを完全に手玉にとっている」
『く、クソ!?何してやがるスカルグレイモン!ミサイルで吹き飛ばしちまえっ!!』
『オオオオ……オブリビオン!』
百合は感嘆するが、あしらわれる側はたまったものでは無い。パンプモンが声を張り上げ、それを聞いたスカルグレイモンは発射姿勢を取る。
しかし、ウェヌスモンはその隙を見逃さない。一瞬でスカルグレイモンの目前まで移動すると、徐に手をかざした。すわ攻撃かと百合とパンプモンが息を飲む中、ウェヌスモンは………鼻先を撫でた。
「ちょっ、ちょっと!何してるの!?」
『なっ、なっ、なっ、舐めやがってえ!?吹き飛ばせスカルグレイモン!!』
思わずずっこける二名、特にパンプモンはバカにされたと思ったのかスカルグレイモンに檄を飛ばす。しかし発射姿勢を取ったスカルグレイモンから反応が帰ってこない。
『おいスカルグレイモン?………スカルグレイモン!!?』
不審に思ったパンプモンがスカルグレイモンを見上げれば、あの戦意に煌々としていた瞳が、別人の様に気の抜けた物に変わっていた。
2924/05/10(金)00:57:51No.1187486595+
『なぁ!?ど、どうしたんだスカルグレイモン!?骨の髄まで戦闘狂のお前が、なんでそんな腑抜けた目をしてやがんだ!?』
慌てふためくパンプモンを尻目に、ウェヌスモンは大人しくなったスカルグレイモンに、肩に止まっていた小鳥を掌に乗せて差し出す。そして小鳥が、スカルグレイモンの鼻先をコツンとつついた。
『オオオオ……♪♪』
『ふふふ、よしよし』
「うわあ、スカルグレイモンが戯れついてる…」
数瞬前まで考えられもしなかった牧歌的な光景に、百合は気の抜けた声を漏らす。一方、自身の自慢の力がいとも容易く懐柔されたパンプモンにとってはその光景は恐ろしいものでしかなく、腰を抜かしながらも這い逃げようとする。
『な、何が、何がおこってやがるんだよお……に、逃げ』
『ならば送り出して差し上げましょう』
そんなパンプモンの前に立ち塞がったのは、レオモン村長。
『ひ、待』
『獣王拳!!』
『あびゃあああああ!!?』
その必殺拳をモロにくらい、パンプモンは夜空のお星様になったのであった。
3024/05/10(金)00:58:13No.1187486705+
戦いが終わり、集まって来た村長や村民達がウェヌスモンに勧められてスカルグレイモンと遊び出す。ウェヌスモンが作り出してくれた奇跡の様な理想郷を眺めながら、百合は糸が切れた様に表情を崩し、呟いた。
「ありがとう………ウェヌスモン」
3124/05/10(金)00:59:07No.1187486943+
その後、村の修復や新たに仲間になったスカルグレイモンの棲家などやらなければならない事は多いが、流石に夜も遅いので今日はお開きとなった。

「ふう、今日は大変な1日だったね」
『ふふ、そうですね』
ベットに体を乗せる百合、その隣にウェネスモンが腰掛ける。
「………あの、なんで私のベッドに?というか進化解かないの?」
『ええ、少しこのまま貴女とお話ししたい事があるのです』
ベッドの上に正座するウェヌスモンに、釣られて百合も正座し、一つのベッドの上で二人は向き合う形となる。百合はウ女神の御尊顔を真正面からぶつけられ、照れ臭くなり思わず顔を逸らしてしまうが、ウェヌスモンは構わず語り出す。
『百合、ウェヌスモンはオリンポス12神と言われるものの一柱に数えられるデジモンです』
「ええ…ダルクモン神様になっちゃったの?」
『そして神と言われるだけあり、この体には様々な権能が備わっているます。その一つが…嘘やまやかしを見抜き正しい世界を見据える心眼』
「………まあ、さっきのスカルグレイモンを鎮めたアレを見たらそれくらいは有ってまおかしくないけど」
3224/05/10(金)00:59:39No.1187487079+
『それでその……その力のせいで、貴女が心の底に隠していた想いも、見えてしまったのです』
「へえ…………………………………へ?」
申し訳なさげに告げられたウェヌスモンの言葉を、時間が経って理解するに連れ、百合の顔が青ざめてゆく。そしてウェヌスモンに顔を見られているのが耐えられなくなったかの様に逃げ出そうとし、ウェヌスモンが慌てて抱きしめて抑えにかかる。
『百合!落ち着いて下さい!』
「離して!見ないで!私は貴女を穢れて目で見たいたんだ!ずっと相棒面をして!?」
腕の中で涙を流しながら暴れる百合の口から漏れる悲痛な懺悔に胸が痛くなったウェヌスモンは、意を決して動く。
『百合っ!』
「んむっ!?」
口を閉じさせ心を落ち着かせる為にウェヌスモンが取った術は、口付けであった。片手と後頭部を抑えたウェヌスモンの口付けは百合を逃さず、小さな水音と吐息の音が静かな部屋に響く。そして百合は脱力し背後に倒れ、ウェヌスモンもそのまま覆い被さった。
3324/05/10(金)01:00:08No.1187487214+
「はあ………はあ………はあ………?///」
『ふふ、愛おしい百合………』
耳まで真っ赤にして虚な目で見上げる百合を見ながら舌舐めずりをするウェヌスモンは、女神というにはあまりにも情欲に濡れた獣の貌をしていた。
『当然、想いと一緒に貴女の抱いていた葛藤と恐れも見させてもらいました。故に、唐突な言葉だけでは理解させるなどと思い上がりもしません………ですので、身体に刻み込んで私の愛を理解して貰おうと思います❤️』
「か、身体ぁ!?ちょ、ちょっと待って流石に心の準備が………あ❤️」

ぱちゅぱちゅ❤️びくんっ!ねばぁ…かくかく❤️ぺろぺろじゅわああ…ちゅっ❤️ちゅっ❤️どちゅっ❤️どちゅっ❤️すりすり❤️つぷっ❤️がぶっ❤️ぺろぺろ❤️ぴゅっ❤️

「ーーーーーー〜〜〜〜〜❤️❤️❤️!!!?????」

こうして、二人は暑い夜を過ごしながら、夜は更けていくのでした。
3424/05/10(金)01:00:32No.1187487308+
急に
3524/05/10(金)01:01:39No.1187487561+
いきなりアクセルベタ踏みしたな…!
3624/05/10(金)01:01:47No.1187487598そうだねx1
以上になります

「」"「」"ー!雑談スレでウェヌスモン様が降臨した頃に便乗して書き出した癖にこんなに時間かかってごめんなさーい!
3724/05/10(金)01:03:37No.1187488020+
ちなみに最後のオノマトペはしたの漫画を参考にしました
【PR】https://storia.takeshobo.co.jp/manga/mesugaki/
3824/05/10(金)01:03:59No.1187488105そうだねx1
いいの!いいのよ「」ルモン!書き上げるのって時間がかかるもの!
3924/05/10(金)01:04:24No.1187488189そうだねx4
びっくりした
急にハートが出てきた
4024/05/10(金)01:04:36No.1187488225+
すごい大作からのすごいアクセル
4124/05/10(金)01:05:42No.1187488461+
最後に♥をだしてくれてありがとう
勇気がでた
4224/05/10(金)01:06:14No.1187488574+
伊達にBPOにケンカ売ってねえな…
4324/05/10(金)01:06:21No.1187488602+
続きはWebで…ということだね?
4424/05/10(金)01:09:03No.1187489133+
>続きはWebで…ということだね?
リベレーターがいかがわしいみたいじゃないか!
4524/05/10(金)01:15:02No.1187490387+
スカルグレイモンを懐柔するのはいい表現だな…
4624/05/10(金)01:24:06No.1187492326そうだねx3
途中でCM挟む怪文書初めて見た…
4724/05/10(金)01:27:17No.1187492957+
超大作だな…
4824/05/10(金)01:28:41No.1187493244+
>スカルグレイモンを懐柔するのはいい表現だな…
サンゾモン→ウェヌスモンの進化に際して「優しい心を呼び戻す」サンゾモンでは手に負えない元から慈愛の心なんて持ってない奴が必要になりご出演願いました
書いててウェヌスモンの能力改めてえげつねえなと思いました
4924/05/10(金)01:31:37No.1187493873そうだねx1
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あとお名前出させて頂いたのに画像貼り忘れてました
めざめちゃんごめんなさい
5024/05/10(金)02:12:22No.1187502279そうだねx4
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107805 B
寝ようと思ったらなんかめざめがいた
ありがとうね!強くて生真面目な子が押し倒されてねちょねちょになるのいいよね!
5124/05/10(金)02:57:08No.1187507649+
>寝ようと思ったらなんかめざめがいた
>ありがとうね!強くて生真面目な子が押し倒されてねちょねちょになるのいいよね!
うわーありがとうございます家宝にします!


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