フェアリモン負けろch。それを見た瞬間俺の夢は決まった。 デジモンというものがこの世界に現れて大変なことになっている。 ニュースで見て知ってはいたが、見たことがないので今ひとつ実感がわかなかった。 だが、動画で見たフェアリモンの麗しさ、スタイルの良さ、露出の多さ。 すべてが俺を引きつけ、気づいたときには「負けろ」「負けてくれ!」とコメントを打ち込んでいた。 それからデジモンについて調べたが、どうもフェアリモンというデジモンの元は人間らしかった。 姿もまるで違う人間を探すのは難しいと夢を失いかけた俺だったが、他のデジモンを見ているうちに二度目の衝撃が俺を襲った。 エンジェウーモン。 天使のような清楚な雰囲気。スタイルの良さ。そしてその露出の多さ。 こんな人もいるのかと俺はデジモンの多様性と奥深さに戦慄した。 そしていつの間にか迷い込んだデジタルワールド。遂に俺の冒険は始まった。 巡り会ったパートナーはテイルモン。エンジェウーモンに進化する可能性のあるデジモンと知っていた俺は内心喜び踊っていた。 テイルモンはなぜか他のテイルモンたちから遠ざけられていたが可愛い奴だった。 もしエンジェウーモンになれなくても、こいつと旅ができたのなら悪くないと思えるほどに。 でもエンジェウーモンになって欲しいし、そのとき幻滅されていたくはない。 俺は可能な限り聖人君子のイケメン野郎であるよう努力した。 たびたび巡り会う女性型のデジモンや発育の良い少女たち。昔だったら一目散にナンパでもしてただろうが、それを抑えて紳士的であるよう努めた。 あるとき美沙という小柄でパンクな格好をした少女に「うちのレディーデビモンのおっぱい、触らせてあげようか〜」と言われたときは流石にもう無理かと思ったが必死に我慢した。 恥じらうレディーデビモンを見て、触れるチャンスを逃すことに血涙を出しそうだった。 そうやってデジタルワールドをテイルモンと楽しく歩き回っていた俺だったが、やたらとでかいペタルドラモンに今、追いかけられている。 捕まったら食われると俺の動物としての本能が警鐘を鳴らし、必死に逃げているが、もう限界だ。 「テイルモン、お前だけでも逃げてくれ!」 そう言ったとき、腰に付けていたデジヴァイスが光を放って思わず目をつぶる。 現実世界のお父様お母様先立つ不孝をお許しください、そう思っていたら浮遊感を感じる。どうも食べられてはいないようだ。誰かに抱えられている。 「ソトオ、私進化できたんだわ!ほら、飛べてる!」 テイルモンと同じ声だとすぐにわかるが、いつもの声よりもお姉さんという感じで、なんとなく艶も感じる。 それに、すごく良い匂いがする。 これは…これは! ピンチに遂にテイルモンが進化したということか!? しかも空を飛べる、人を抱えられる、良い匂いがする、そんなテイルモンからの進化デジモンなら、きっと。 「うおお、遂にエンジェウーモンに進化した!?」 急いで目を開ける。 そこにいたのは、何百回も見たから間違いない、エンジェウーモンだった。 ただ…なんか…画質が荒かった。 ======================================================================================================== 縦島外夫(たてじまそとお) 「うおお、遂にエンジェウーモンに進化した!?」 高校2年生。持っているデジヴァイスはペンデュラム。 某極楽大作戦の○島の精神的な同位体。どちらかというとハーレムより純愛派。 煩悩に正直な人生を送っており、フェアリモンに一目惚れした後、エンジェウーモンもいいなと思っていたらデジタルワールドに来ていた。 今はドットではないエンジェウーモンへ進化する方法を探して旅をしている。 そのために怪しい進化アイテムを手にすることもしばしば。 現実世界に帰ったら昔は見向きもしていなかったドットエロゲ―というのを試してみようと思っている。 ドットエンジェウーモン 「背、私の方がおっきくなっちゃったね」 縦島のパートナー。必殺技はホーリーアロー。 実はテイルモンの頃からドットテイルモンであり そのため他のテイルモンと距離があったが、それを気にしないよう言ってくれた縦島のことが大好き。 ドットエンジェウーモンになった今の性格はおおよそ「隣の家に住む優しい幼なじみのお姉さん」。 近寄るとすごく良い匂いがする。でもなんか角張ってる。