イベント:「隔絶電脳異界セフィロ・サーチャー」 第5節 進行度1/2 ステージ:セフィロ・サーチャー 第四セフィラ:ケセド 空間の歪みを抜けた一行。 見渡す限りの大地に水が張られ、鏡のように空の雲と中天に座す太陽を映し出している。 目の前に広がる光景に、人手たちは感嘆の声を上げる。 海風人手 「す、すげぇ!なんだここ!地面に空が映ってやがるぜ!」 ダーくん 「ああッ!こりゃすげぇぜッ!まさにキラメキの極地って感じだッ!」 筑波梨李 「はぇ〜すごいんぬ。なんかアニメのオープニングとかでよくある奴なんぬ。」 鏡見淡世 「ンフフ、ユウニ塩湖というやつですな、それは。」 海風人手 「知っているのかオタクくん」 鏡見淡世 「ええ、もちろん。南アメリカ大陸の、ブラジルの隣に位置するボリビアという国にある大きい塩湖でござるよ。 あの場所は一面が真っ平らですからな、水が張っている時期になると水面が鏡となって空の風景が地面に移りこむのでござる。」 トブキャットモン <見た目通りオタクっぽい知識にあふれてるんぬなあ〜。ザ・オタクって感じなんぬ> 海風人手 「へぇ〜。そんなすげーのがこの世界にあるとはな〜。ちょっとラッキーだな!」 筑波梨李 「命の危険がなければ全面的に同意してるんぬ」 鏡見淡世 「ンフフ、ユウニ塩湖があるボリビアも中々に危険な場所ですからなあ。 あちらとこちら、どちらがマシと感じるかは、まあ人それぞれですな。」 海風人手 「ははっ、それもそうだな!…ところでよ、普通なら敵が出てくるはずなんだが……。」 海風が周囲をぐるっと見渡すが、敵の影はどこにもなく。 ただただ、地獄と形容される空間に似つかわしくない、絶景が広がっているだけである。 鏡見淡世 「敵が現れるまでに若干のタイムラグがあるのかもしれませんな。 今のうちにデータ採集しておきましょうぞ。」 小型の機械を操作する鏡見、それを真横から人手がのぞき込む。 物珍しそうに顔を近づけてくる人手に鏡見は恥じらいを見せる。 鏡見淡世 「海風殿、そ、その。か、顔が近いでござる!」 海風人手 「あーん?なんだよ。おめぇ女に耐性ねえの?はははは!童貞丸出しじゃねえか!」 鏡見淡世 「あああああ当たり前でござる!せせせせせ拙者まだぴちぴちの中学二年生ですぞ! そういうのはまだ早いでござるよ!」 海風人手 「はぇー。お前まだ厨房だったのか!結構身長あるからてっきり高校生くらいだと思ってたぜ。」 トブキャットモン <純情ボーイをからかうのはそこまでにしておくんぬよ、ぶっきらガール。  かわいい子はハタチから、蝶よ花よと優しく愛でるのが礼儀作法なんぬ  万葉集にもそう書いてあるんぬ> 筑波梨李 「書いてねーんぬ。適当なこといってんじゃねーんぬ。」 海風人手 「そういや筑波のねーちゃんよぉ。アンタ、実戦経験ないんだってな? なんでここに乗り込んできたんだ?」 筑波梨李 「ぬっ、それを聞いちゃうんぬか。結構直球で来たんぬな」 海風人手 「そりゃそうだろ、アタシは無理やりここに連れ込まれたけど アンタはそうじゃないんだろ?命の危険があるっていうのに、よく乗り込めたなってさ。」 ダーくん 「人手は勉強不足だなッ!そんなの決まってるだろッ!ハートのキラメキに従ったのさッ!」 海風人手 「意味わかんねーよ。なんだよキラメキって。」 筑波梨李 「それは、なんか。デジタルワールドの神様が、君が世界を救う鍵になる、みたいなことを言ってたみたいで。」 海風人手 「…なんじゃそりゃ。そんなん真に受けて来たのか?アンタも結構アレだな…」 トブキャットモン <ま、そういう反応は無理もないんぬね。正直ぬも半信半疑なんぬ。  まあでも誰かに君ならできる!って持て囃されたら勢いで行っちゃうこともあるんぬな。  それはしょうがないことなんぬ。これも人のサガなんぬ。> 海風人手 「……来てくれたことは感謝してるよ。アンタらが来なきゃ絶望に打ちひしがれてただろうし。 それに、出会って少ししか経ってないけど、アンタらといるのも結構面白いしさ。 まあ、その…なんだ。結構、救われてるよ。」 鼻先をポリポリと掻きながら、照れ臭そうに感謝の気持ちを伝える人手。 ぶっきらぼうだが誠意を持って接する彼女に、梨李の表情も少し解れる。 鏡見淡世 (ンフフ。女同士の友情、ごちそうさまでござる。) ダーくん (アイツもアイツで結構かわいいところあるだろ?) 鏡見淡世 (そうですなぁ。) 鏡見とダーくんはそんな二人の会話を聞き、思わずにやけてしまう。 そんな彼の表情を人手は見逃さなかった。 海風人手 「なにニヤニヤしてんだてめぇら!」 鏡見淡世&ダーくん 「んごっ!」 振り下ろされる鉄拳に容赦はなく。 海風人手 「ったく、野郎どもが。チョーシに乗りやがって。 おい鏡見!お前解析データとやらは送信しおわ――」 和気あいあいとした雰囲気は終わりを迎える。 一瞬のうちに空が星一つない夜の闇に変わり、中天に輝いていた太陽はいつのまにか真円の赤い月へと姿を変えていた。 海風人手 「な、なんだ。いきなり夜になりやがった!」 ダーくん 「なんかヤバそうな感じだぜッ!」 トブキャットモン <梨李、気を付けるんぬ> 梨李はゴクリと生唾の飲み、周囲を見渡す。 ふと、月光に照らされた巨体が目に入る。 筑波梨李 「みんな、あそこ!なにかいるんぬ!」 梨李が指さす先に静かに佇む黒い影。闇夜に溶け込むような漆黒の体と、赤い月の光に似た赤。 禍々しい威容に、あたりの雰囲気も相まって一同に緊張感が走る。 鏡見淡世 「あれは…ダンデビモン!まずいでござるな…!」 深刻そうにつぶやいた鏡見はデジヴァイスを取り出し、掌のデジコードを読み込んで進化を始める。 鏡見の体は光に包まれ、中からデジモンが現れる。 ダーくん 「ほう、中々の使い手と見たッ!」 メルキューレモン 「皆、構えるでござる!あれはダンデビモン、究極体ですぞ!!」 筑波梨李 「究極体!?思ったよりヤバいのが出てきたんぬ!どうすんだコレ!」 トブキャットモン <ぬあ、初陣が究極体とかヤバすぎんぬ。超ウケるんぬ> 少しづつ、ダンデビモンがこちらへと歩みだす。 一同は戦闘態勢に入る。 しかし、ダンデビモンは襲い掛かるわけでもなく、少し離れた場所で止まり、口を開いた。 ダンデビモン 「おまえ――たち―――は――にんげ―ん―――か―――――」 一同 「喋った!」 ダンデビモン 「おまえ―――たちは―――なにを――しに――きた――――」 事態の急転と予想外の出来事に一同は硬直する。 そんな中、梨李は恐る恐る口を開く。 筑波梨李 「ぬ、ぬたちは……この世界を、は、破壊しに来たんぬ。」 ダンデビモン 「そうか――――――――  ならば―――したを―――めざす―――がいい――――――」 筑波梨李 「下…?どういう意味なんぬ…?」 ダンデビモン 「とらわれし―――たましいの―――ゆきつく―――-ばしょ――――― せいめいのき―――ぶっしつかい――へと――――いたるみち―――― じゅうばんめの――――せふぃら――――」 筑波梨李 「………?どういう意味なんぬ……?」 メルキューレモン (生命の樹…物質界…セフィラ、……そうか。ここは、そういうことでござったか…。) ダンデビモンの口から零れる言葉を拾い上げ、記憶に刻まれた一つの神秘を掘り起こす。 現実世界にて語られる、一つの神話と思想。 メルキューレモン 「ダンデビモン殿。この隔離空間を形成する核はマルクトにある、ということでよろしいか。」 ダンデビモン 「その――とおりだ――― おまえは―――このせかいを―――しっている――のか――――」 メルキューレモン 「肯定も否定もできないですな。 貴殿の言葉からいくつか推察できましたが、拙者の知るそれとは何もかもが異なっているでござる。」 ダンデビモン 「しょせんは―――かたちを――まねた――じぎで―――ある――――― やつの―――もくてきに―――つごうの―――よい―――ぶたい――――」 メルキューレモン 「やつ?」 ダンデビモン 「はなしは――ここまで―――だ――― かまえよ――しれんの―――ときだ―――――」 海風人手 「くそっ、結局戦うのかよ!」 ダーくん 「あいつはちょっとヤバそうだぜ…ッ!みんなッ、気合入れろよッ!!」 筑波梨李 「と、トブキャットモン…」 トブキャットモン <安心するんぬ、そう簡単にくたばったりはしないんぬ。> トブキャットモンはいつも通りの軽口を叩き諭す。 どんな時でもブレないその調子に梨李は少しだけ安心した。 筑波梨李 「……やってやろうじゃんぬ!」 レイド:WAVE1/1 ダンデビモン×1 ダンデビモンの総HPを0にすると撃退戦解禁 撃退戦 ――戦闘終了後 ダンデビモン 「はははははは―――――――― みごと―――である――――かがみの―――せんしよ―――――― わが――――ちからを――――りよう――――するか―――――― まさしく―――いんが――――おうほう――――である―――――」 鏡見淡世 「それが拙者の戦い方故。悪く思わないで欲しいでござる。」 ダーくん 「はぁはぁ、とんでもねー…野郎だったぜ…ッ!ダンデビモンッ!」 海風人手 「ダーくんお疲れ。アンタも結構やるじゃん。すごかったよ。」 ダーくん 「へへっ、当たり前だぜッ!」 筑波梨李 「すごいんぬ…トブキャットモン…めっちゃ高速で飛んでたんぬ!」 トブキャットモン <ぬあ…疲れたんぬ、明日あたり筋肉痛確定なんぬ> トブキャットモンの超高速飛行で敵の囮となり、 その隙にダークスーパースターモンが攻撃を繰り出す。 強力な範囲攻撃やパートナーたちへの攻撃はメルキューレモンの 攻撃反射能力を利用して掻い潜る。 彼らは出会って間もないにもかかわらず、的確なコンビネーションを発揮し ダンデビモンを攻略していったのだ。 ダンデビモン 「しれんは―――ここまで―――だ――――――――― さあ―――このさきに―――すすむと―――いい――――――」 海風人手 「ま、待てよ!まだ聞きたいことがあるんだ! さっきの口ぶりからして、アンタ黒幕のことなんか知ってるんじゃないのか!?」 少しづつ黒い粒子となって消えてゆくダンデビモンに 人手は慌てて質問を投げかける。 ダンデビモン 「おろか―――なる―――はめつ―――がんぼうしゃ―――」 海風人手 「破滅願望者…?」 ダンデビモン 「――――――――――――――――――」 ただ一言を口にして、ダンデビモンの体は 赤い月の照らす闇の中へ消えていった。 直後、空の闇が油汚れに洗剤を落としたようにじわじわと溶け落ち、 隠蔽されていた太陽が暴かれ、一帯を再び照らし出した。 海風人手 「ああっ、くそっ!いっちまいやがった…。」 鏡見淡世 「いろいろと収穫の多い相手でしたな。」 いつの間にか沫世は人間の姿に戻っていた。 海風人手 「うおっ、人間に戻ってる……! ……なあ鏡見よぉ、お前なんか知ってる風なことつぶやいてたよな? なんとかの樹みたいなやつ。アレ何なんだ?」 筑波梨李 「この世界のコアがなんとかにあるとかも言ってたんぬ。 もしかしてなんか分かったんぬ?」 鏡見淡世 「……さて、どこから話したものでござろうか……。 黒幕の正体と目的は不明ですが、我々がやるべきことは分かりましたぞ。」 海風人手 「やるべきこと?」 鏡見淡世 「何、とてもシンプルでござる。今まで通り空間の歪みを通って進めばいいでござる。 今までと何も変わらんのでござる。」 海風人手 「だーかーらー!なんでそういう結論に至ったかって聞いてんだよ!」 鏡見淡世 「それを説明するのは、佐辺殿のチームと合流してからでござるよ。 色々と長い話になりそうでござる故。」 トブキャットモン <ま、やるべきことが分かってるなら十分なんぬ  このチームの半数は頭をこねくり回して考えられるほど頭良くねえんぬ。> 海風人手 「おいこらネコ…喧嘩売ってんのか」 ダーくん 「落ち着け人手ッ!お前は昔からこういうのは得意じゃないだろうッ! 考えるより先に手が出ちまう性b――んごっ!」 ナマ言う黒い星に人手の鉄拳が下される。 海風人手 「殴るぞ!」 筑波梨李 「もう殴ってるんぬ…」 鏡見淡世 「ンフフ、仲が良くてよろしいですなぁ。とにかく進むでござるよお二方。 拙者の考えが正しければ、この先に進んでいけば自ずと合流できるでござる。」 海風人手 「…はぁ、分かったよ。 まあアタシもそこまで頭がいいほうじゃねえし、説明されても半分も理解できないだろうしな。 そういうのは頭脳担当に任せるよ。」 ダーくん 「むっ!みんなッ、あそこを見ろッ!空間の歪みだッ!」 ダークスーパースターモンの指さす先に、空間の歪みが発生していた。 鏡見淡世 「この先でも今回のように難敵と遭遇する可能性があるでござる。 皆様方、準備はよろしいですかな?」 海風人手 「はっ!あたりまえだ。今回はちょっと冷や汗かいたけど、俺たちなら大丈夫だろ。」 ダーくん 「応ッ!その通りだぜッ、人手ッ!」 筑波梨李 「ぬはちょっと怖いんぬ、今もちょっと手が震えてるんぬ。でもがんばるんぬ。」 トブキャットモン <今更逃げられないんぬ、歯を食いしばるんぬ。> 鏡見淡世 「では、往きましょうぞ!」 そして、全員が空間の歪みへと足を踏み入れる。 イベント:「隔絶電脳異界セフィロ・サーチャー」 第5節 進行度2/2 ステージ:セフィロ・サーチャー 第七セフィラ:ネツァク 乾燥した大地 吹きすさぶ空っ風 あたり一面に生える石柱 そして ――見渡す限りの、ヤンマモン。 空間の歪みを抜けた人手たちが目にしたのは。 赤黒く変色したヤンマモンの群れであった。 一同 「オイオイオイ」 トブキャットモン <死んだわ、ぬたち> こちらを認識したヤンマモンたちが一斉に襲い掛かる。 戦闘:WAVE1/3 ヤンマモン(異界兇懼体)×15    WAVE2/3 ヤンマモン(異界兇懼体)×15    WAVE3/3 ヤンマモン(異界兇懼体)×15 ――戦闘終了後 海風人手 「ハァハァ、くそ、えらい目に遭った…」 ダーくん 「まさか自爆特攻してくるとはな…ッ!」 筑波梨李 「数が多いうえに…大爆発するとか…どういうこと…なんぬ!死ぬんぬ!」 トブキャットモン <生きてるからヨシ!> 全員が息を切らして愚痴る。 撃破すれば大爆発、攻撃しなくても特攻を仕掛けて大爆発。 そんな危険なヤンマモンを大量に相手をし、一同は消耗していた。 鏡見淡世 「正直、先ほどのダンデビモンより強敵だったような気がするでござるよ。 あれほどの数に囲まれるのは中々大変でござるからな…」 海風人手 「ちょっと…休憩…しようぜ…、 まだ空間の歪みは……出てないよな?」 鏡見淡世 「見当たらないでござるな、 皆の衆はこれでも飲んで休むとよいですぞ。 拙者はその間に向こうと通信してくるでござる。」 鏡見は現実世界から持ち込んできたカバンを開き 二人に飲料水を手渡して離れる。 海風人手 「あーくそっ、あいつ…めっちゃ余裕じゃねえか」 筑波梨李 「鏡見くん、爆発を全部無効化してたんぬ… あれ反則なんぬ…めっちゃずるいんぬ…」 海風人手 「ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…。…っぷはぁ!生き返るわ…。 …それにしても、この世界ってなんなんだろうな。」 筑波梨李 「急にどうしたんぬ?」 海風人手 「いやだってよ、洞窟だったり、絶景だったり、変な石柱が並んでたり、 入るたびに風景が様変わりするだろ?」 筑波梨李 「たしかに、いろいろな国を旅行してる気分になるんぬ。」 海風人手 「アタシもデジタルワールドを色々と歩いて回ったけど、ここまでではなかったぜ?」 筑波梨李 「そういえば海風さんは妹さんを探してデジタルワールドを旅してたんぬな。」 海風人手 「ああ、いまだに見つからなくてな。こんなことにかかずらってる暇はねえんだけど。 ……現実世界ではデジタルワールドに失踪した人を調査してるんだっけか。 一度、向こうに戻るのも手かな。鏡見たちは自由に行き来できるみたいだし。」 人手の独り言を耳にし、少しだけ動揺するダークスーパースターモン。 彼女の状態をなんとなく察していた彼は、このまま現実世界に返してよいものかと思案する。 彼は彼女の願いを実現させたいと思っているが、 今回の事件によって"そのあと"に対する思考が生まれてしまう。 ダークスーパースターモン (今はそんなこと考えてる場合ではないか…。 まずはこいつを、この牢獄から脱出させないことにはな。) 鏡見淡世 「おまたせしたでござる。」 海風人手 「おう、おかえり。 それで…、向こうではどうなってんだ?なんか分かったか?」 鏡見淡世 「いいえ、進展はなさそうでござる。 念のため、ダンデビモンが言っていた言葉と拙者の予想を共有していたでござる。」 海風人手 「はっ、神様がバックに付いてるっつっても、あんまり役にたたねーなぁ」 進展のない状況に、ついつい人手は悪態をつく。 他愛無い言葉を二つ三つ零す一同。 ふと、遠くに空間の歪みが生まれているのを見る。 トブキャットモン <ぬっ!みんな、あそこ見るんぬ。> ダーくん 「空間の歪みのお出ましだぜッ!」 鏡見淡世 「おっとそうだ、進む前に海風殿に聞きたいことがあるでござる。」 海風人手 「あん?なんだ?」 鏡見淡世 「海風殿はここに来た時は一人だったんでしたな? それで最初に遭遇した敵を倒して、佐辺殿と武福川殿と合流したと。 お二方も海風殿と同じ状況だったでござるか?」 海風人手 「ああそうだ。あの二人もいきなり連れてこられてボス戦させられたらしい。 んで空間の歪みに飛び込んだら俺たち3人が合流したと。 そこでまたボス戦やらされて、嫌な気分になってたらアンタらがやってきたんだ。」 鏡見淡世 「なるほど、3人で3か所、合流して1か所、拙者たちのチームが2か所として… …ふむ、目的地が近そうでござるな。」 一同 「!!」 鏡見淡世 「拙者の予想が正しければ、この世界は10か所、もしくは11か所の世界で構成されているでござる。 海風殿たち先遣隊と拙者たちの分隊で6か所、もう一方のチームが最低でも1か所攻略しているのであれば、 残りは3か所か4か所でござるよ。……あくまでも予想でござるが。」 筑波梨李 「それも何か根拠があるんぬ?」 鏡見淡世 「ええ。この世界が、この世界たらしめるものと同一であれば、の話でござるが。」 海風人手 「…なるほどな。まあでも、詳しい話は合流してからなんだろ? 話はそん時でいいさ。」 筑波梨李 「そうんぬね、ぬたちに話してもたぶん建設的な意見は出せないんぬ」 トブキャットモン <そりゃそうなんぬ、なんせこのチームのたいh――> 筑波梨李 「やめるんぬ!」バシィ トブキャットモン <まだ全部言ってないんぬ!> 鏡見淡世 「ンフフ。そうですな、まずは先を急ぎましょうぞ。」 鏡見の予測により希望が見えた一同は、空間の歪みへと歩みを進める。 いつの間にか風は止み、そこには沈黙だけが残された。