イベント:「隔絶電脳異界セフィロ・サーチャー」 第2節 進行度1/3 ステージ:セフィロ・サーチャー 第六セフィラ:ティファレト 鈍く輝く水晶がところどころに生えた洞窟、その中にある大空洞の隅に空間の歪みが3つ。 それぞれからデジモンと人間が吐き出される。 海風人手&ダーくん 「ぬおッ!」「ひょあ!」 佐辺優子&ナイトモン 「むっ!」「うあっ!」 武福川駆&シマユニモン 「ヒヒンッ!」「うおあっ!」 それは微妙に高度を持っていたため、吐き出された者たちはみな一様にしりもちをつく。 ナイトモン 「主よ、お怪我は?」 佐辺優子 「いや、大丈夫だ。それより……。」 ナイトモン 「ええ。どうやら我ら以外にも招かれた者たちがいるようです。」 膝をつき優子へと手を差し伸べるナイトモンは、持ち上げながら声の主たちを一瞥する。 ダーくん 「くおぉぉ…ケツが5つに割れそうだ…ッ!」 海風人手 「星だけにってか…って何言わせんだ」 武福川駆 「だ、大丈夫か…シマユニモン」 シマユニモン 「ああ…なんとか…」 ナイトモン 「すまない!少しいいだろうか。私の名はナイトモン。君たちも歪みからここへ飛ばされたのか?」 優子を背後へと隠しつつ、ナイトモンは他の四人へと声をかける。 海風人手 「んあ?ああ、アタシたちもそんな感じだ。ヤバそうなデジモンけしかけられて殺されそうになったわ。」 武福川駆 「君たちもかい?俺とシマユニモンもだ。」 ナイトモン 「主よ、どうやら彼らも我々と同じ、デジモンをパートナーに持つ子供たちのようです。」 佐辺優子 「だろうな…。はじめまして、私は佐辺優子という。君たちの名を教えてくれるだろうか。」 集った6人たちは自己紹介を終え、自分たちに起きた一部始終を教えあう。 武福川駆 「なるほど、全員同じような目に遭って、空間の歪みに飛び込んだら同じ場所に転送されたってことか…。」 海風人手 「ったくよぉ、いきなり変な場所に連れ込まれたうえに命の危機とか、どうなってんだよホント!」 人手が小石を蹴り上げ悪態をつく。 武福川駆 「そうだ、ここがどういう場所か敵から聞き出せた者はいるか?」 海風人手 「いやぁ?お前はここで死ぬぜ、くらいしか言われてないっつーか…。 ダーくんが速攻でぶっ飛ばしちまったから何も聞けなかったんだが。」 ダーくん 「へへッ!俺様とあいつじゃ力量が違いすぎたからなッ!」 海風人手 「なに胸張ってんだよ…」 武福川駆 「こっちも同じだよ。出会った瞬間即攻撃ってのもまるっきり一緒。会話の余裕もなかった。 大技使って消し飛ばしちまって聞き出せなかったのも同じだな。」 佐辺優子 「ふむ、理由は分からず仕舞いと。だが、ある程度法則のようなものが見えたな。 空間の歪みに身を投じれば別の場所に転移し、そこには敵が待ち受けている。 敵は私たちの命を狙っており、勝利するとまた空間の歪みが発生し、おそらくそれを繰り返していくのかもしれない。 あくまで仮説だが、3人が同じ状況な時点で可能性は高そうだ。 今後の展開が想像通りなら……。」 ??? 「新たな敵出現ってか?ハハハハハハ!」 彼女たちの予想通り、新手は表れた。 怖気のする気配をまとう、異形の手を持つ人間。 ソウルリッパー 「ここまで来れたってことは前のセフィラにいたやつらをノシちまったってことだろ? いいじゃねえか…それでこそ壊し甲斐があるってもんだ!」 武福川駆 「オイ…あれ!」 佐辺優子 「俺たちと同じ…人間!?」 ダーくん 「……ッ!気をつけろお前らッ、アイツ、外見は人間そのものだが、中身は全くの別物だッ! デジモンでもない…なんなんだテメェ!」 ダークスーパースターモンが啖呵を切り、 子供たちの前へ庇うように躍り出るナイトモン。 ナイトモン 「貴様、何者だ。」 ??? 「俺の名はソウルリッパー……いや、ソウルリッパーだったもの、かな。 お前たち、選ばれし子供ってやつだろ?ハハ!会えてうれしいぜ!」 佐辺優子 「だったもの?貴様が私たちを呼んだのか?目的はなんだ。」 ソウルリッパー 「お前らが相手にしてた連中も言ってたろ?お前らがそれを知る必要はねえ。 お前たちはここで死ぬ、ただそれだけさ!」 海風人手 「またそれかよ……。こっちはなァ…勝手に呼ばれてイラついてんだよ。いいから知ってること吐けや!」 佐辺優子 「私たちの動向についてある程度把握しているようだな? なんといったか…、そう、冥途の土産。とやらで色々と教えてくれると助かるのだが。」 ソウルリッパー 「ハハ!残念だが雑談タイムは終了だ。俺の自己紹介は済んだんだ。次にやることは分かるだろ? ああ、お前たちの紹介はいらねえよ?ここで死ぬ奴らのことなんぞいちいち記憶してられねえ。」 ソウルリッパーは指を鳴らす。それを合図に彼の影から死神の姿をしたデジモンが現れる。 「行くぜ、メタルファントモン!テメェらは全員殺す。 お前らは何も知らず、何も得られず、何も果たせずここで命を散らすのさ。 だが、もしも、万が一、いや、億が一でも俺を降せる力があるってんなら… 色々と教えてやってもいいぜ?こういうのはご褒美があった方が楽しいからな!」 戦闘:WAVE1/1 メタルファントモン×1 メタルファントモンのHPを50%以下まで削ると戦闘終了 ――戦闘終了後 ソウルリッパー 「ハハッ!やるじゃねえか!いいねぇ、さすが!選ばれし子供はこうじゃなくちゃな! メタルファントモン!『アレ』をやるぜ!」 メタルファントモン 「■■■■■――」 ソウルリッパーの掛け声を合図に、メタルファントモンは彼の側へと舞い戻る。 そして、どす黒い瘴気が彼らの周りから発生し、二人を包んでいき、暗黒の球体となって歪な音を立てながら膨らんでいく。 武福川駆 「おいおい…なんかヤバいぞアレ」 優子と人手の近くへと戻り一か所に固まる駆。 膨張が止まった次の瞬間、暗黒の球体は中にいる何かによって破裂させられる。 そこから現れたのは…。 イベント:「隔絶電脳異界セフィロ・サーチャー」 第2節 進行度2/3 ???? 「■■■■■■■■■■――!!!!!!!」 全身がレザーに覆われた巨大な影が姿を現す。 海風人手 「で、でけぇ…!こんなん倒せんのか…!?」 ダーくん 「へへっ、安心しな人手ッ!ここにいる奴らはみんなツワモノぞろいだ。 俺たちならやれるッ!それに、こんなところで死んでられねえだろ?」 海風人手 「ああ……、ああそうだな!珊瑚を見つけるまで、くたばってちゃいらんねえ!」 佐辺優子 「皆で協力すれば、きっと大丈夫だ」 ナイトモン 「ええ、主のおっしゃる通りです!」 シマユニモン 「みんなやる気十分みたいだな」 「正直、駆には安全な場所にいてほしいのだが、まあ今更か。」 武福川駆 「はは!本当に今更だぜシマユニモン。俺はどんな相手だろうと、お前と一緒に戦うぜ!」 佐辺優子 「駆くん、あまり無茶はしないでくれよ?」 海風人手 「まったくだぜ、オメェ生身で突貫とか、それ蛮勇ってやつだかんな?」 武福川駆 「分かってるって!」 己を奮い立て、目の前のおぞましき怪物へと立ち向かわんと構える三者。 海風人手 「やってやろうじゃねえか!!!」 ??? 「■■、■■■■■。■■■■■■■■■■―――!!!!!!!!!!!」」 レイド:WAVE1/1 ディージャンモン×1 ディージャンモンの総HPを0にすると撃退戦解禁 撃退戦 ――戦闘終了後 イベント:「隔絶電脳異界セフィロ・サーチャー」 第2節 進行度3/3 ディージャンモン 「■■■…■■■■■■…■■■■■■■■■■………………。」 身も凍るような断末魔の如き怪音を発しながら、怪物の体は黒い粒子となって霧散する。 中からソウルリッパーが落下し、メタルファントモンだったものも霞のように消え去ってしまった。 ソウルリッパー 「ハハ、ハハハハ、アッハハハハハハ………ハハハ。 やるじゃねえか、本当にやっちまうとはな。ハハ、降参だ降参。」 ソウルリッパーは上半身を起こし、両手を挙げて降伏のポーズをとる。 佐辺優子 「さて、お前の知っていることを教えてもらおう。」 デジモンたちが彼を囲むなか、優子たちも近づいていく。 ソウルリッパー 「ああ、いいぜ。何が聞きたい。」 佐辺優子 「この場所は一体なんだ。何のために私たちを呼んだ。」 ソウルリッパー 「……ここはな、世界中に散らばる残骸データ、 いわば魂とやらを蒐集、蓄積していた場所さ。ちょっと前まではな。 いつの間にか生きてるデジモンもここに呼び寄せ始め、呼んだ奴らを全員殺してデータに変換し蒐集するようになった。 お前たちはこいつの、地獄と化した牢獄に、獲物としてここに呼ばれたのさ。」 佐辺優子 「魂の蒐集…。なぜそのようなことを?」 ソウルリッパー 「ハハ、そこまでは俺もわかんねえな。」 海風人手 「なんで集めるかなんてどうでもいい!アタシたちは外に出たいんだ。お前知ってんだろ?」 ソウルリッパー 「残念ながら俺は出口なんか知らねえよ。俺はお前らと違って、ここに集められたデータから作り出された偽物にすぎねぇ。 …お前らにボコられて消滅間近だけどな。」 ソウルリッパーは手を突き出す。の指は先のほうから崩壊し始め、黒い粒子となって霧散している。 海風人手 「ちょっと待てよ、出口がないってどういうことだよっ!」 ソウルリッパー 「どうもこうも、ここはデータを集めるだけで放出したことは一度もない。 今までこの牢獄に囚われたやつらはみんなデータになって吸収されちまってるよ。お前ら以外はな。」 出口はない、という情報に一同は言葉を失う。 海風人手 「で、でもよ!お前が出口を知らないだけでどっかにあるかもしれねえだろ!? それに……壁!そう壁だ!壁をぶっ壊せば外に出られるかもしれねえ!」 ソウルリッパー 「ハハ!残念だったな。ここはお前らがいたデジタルワールドとは別の場所にある。 壁を壊したところで元の場所に続く場所なんてねえ。 お前らが通ってきた空間の歪みだけが唯一外界と繋がる扉だが、残念だったな。あれは一方通行だ。 …そろそろ時間だな。俺が知ってるのはここまでだ。せいぜい頑張るこったな。」 ソウルリッパーの全身が急激に崩れ始める。 海風人手 「おい待て、まだ話は――」 引き留める人手の声が彼に届く前に、ソウルリッパーは消滅した。 武福川駆 「これから…どうすんだ俺たち。」 海風人手 「ふざけんな…、ふざけんなよ!なんでアタシたちがこんな目に!」 佐辺優子 「………」 ナイトモン 「主……。」 三人は意気消沈する。流石のパートナーたちも言葉を失ってしまった。 敵を打倒するだけであれば問題はない、彼らの絆はきっと、どんな強敵にも崩せない。 だが、今回はそうではないのだ。出口が見えず、先行きも不透明。 この牢獄には多くのデジモンたちが囚われ、全員が命を落としているという事実が彼らに一層の影を落とす。 そんな彼らの元に――――。 「にゅおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」 「……!」 「なんなんぬうううううううううううううううう!!!!!!!!!!」 気の抜けるような声が響く。