初期から好きだけどどうやって怪文書に出力しようかなあと思い続けてきたのですが ようやく怪文書案が降ってきたので出力します 主にお借りしているキャラです こっちは自作キャラ紹介怪文書 「トライホーンアタック、十四連撃だぁ!」 三上竜馬が借りを返さんと号令を出し、トリケラモンはヤシャモンがいなした先からビリヤードのごとく跳ね返りまたぶつかっていく。 一撃一撃毎にヤシャモンの抵抗は薄くなり、14度目でトリケラモンはヤシャモンを吹き飛ばした。 「よし!ナイス竜馬さん!トリケラモン!」 「ん、助かった」 少し柔らかな笑みで竜馬と日野勇太はグータッチを交わす。 前回、トライホーンアタックが潰されてから開発した十四連撃。 強敵に備えるべく珍しく自発的に声を挙げて、チームで作戦を練りヤシャモンにクリーンヒットできるようにした。ヤシャモンが執着を向ける勇太と光をあえて囮にしてのチームプレイの勝利だった。 「ぜぇ…はぁ…三十六計逃げるに如かず…か。今日はこれまで、ご免!」 どこからか出した煙玉を投げつけ、逃走したヤシャモン。光が二度と来るなと叫ぶ。 その光景を横から見ている少女とデジモンがいた。 「アレってニンジャマスターデスヨネ…?」「アレはニンジャマスターでござるな…!」 ―――――― 撤退した先で、忍田スーザン天音(スーザンと呼んで欲しいそうだ)とコウガモンに捕まったヤシャモンは困っていた。 撤退が失敗して捕まった。まあこれは捕まった後に体力回復を図って脱出すればいい。問題ではない。 「デスから!弟子にしてください!」「拙者もこの通り!」 …宮本武蔵から続く二天一流の師範代なのだ。師事を乞われて指導するのも役割だ。問題ない。 「ニンジャマスターの貴方にしか出来ないの(でござる!)(デス!)」 「…忍者ではない」「と、いうのは世を忍ぶ仮の姿!拙者にはわかるでござる!」 煙玉を使った事で忍者と間違われてしまい、教える事が出来ない物を教えるように乞われて、そこから逃げる事も出来ないのだ。これは大きく問題があった。 「はあ…観念するしかない…か」 少女が少しホッとしてデジモンが少しこわばった気がした。 「やれるだけの鍛錬はしてやる。覚悟しろ」 ―――――― いざ始めたら上の空が混じる態度にヤシャモンはイラつきを覚えた。 スーザンが術を知りたいと言ったので、逃げる為の遁術を披露したら冷めた目で見られる。 コウガモンに体術を教えようとしたら「まず体格が大きく違うので拙者は必要ないでござるな」と舐めた発言をしたので、組手を提案したら…。 「いやいや、忍者通としてスーザンこそ先に…」「ワ、ワタシはあくまでファンなので二番でも…」 押し付けあいが始まった。もはや困るという感情よりも、怒りが真っ先に出るようになった。 「喝ッ!押しかけたのになんだその態度はぁ!コウガモンからだ!」 お互いに武器は使わずの組手が始まった。審判役のスーザンが始めの合図を放つとコウガモンはすぐに動きだした。 ショーのような高速移動でヤシャモンの周囲を駆け抜け、攪乱を狙うコウガモン。 「ハハハ!隠れ里一の早業に追いつけないと見た!」 ヤシャモンは微動だにしない。いや、動く必要すらなかった。そうスーザンが理解したのはこの後であった。 「病み上がりに酷だが、こちらから仕掛けて…!?」 ヤシャモンは体をひねり右ひじを背後に突き出した。 人体で最も危険な部位である肘を使った攻撃は、ほぼすべての格闘技で禁じられている。そこに超高速で突っ込めばどうなるであろうか? ヤシャモンの肘はコウガモンの正面にめり込んだ。結果は素人目でも明らかだ。 「ヤ、ヤシャモンの勝ち…!」スーザンが判決を下す。 「早く移動するしか出来ん、そしていざ自分から飛びかかろうとしても飛び込むのを恐れて背中しか行こうとしなかった」 「…コウガモン、貴様は腑抜けか?」「そ、そんな事…!」 「見栄だけで勝とうとしたのか?答えろ」 ヤシャモンは心に仮面を外す為に、コウガモンのプライドを折ろうとしていた。 言葉だけでダメならさらに痛めつけるしか…そう考え、踏みつぶそうとしたその時だった。 「それ以上何もいうするなぁっ!」 スーザンは涙目でヤシャモンに殴りかかりに行く。 デジモンである自分が完敗したのに勝てるわけがない。コウガモンは止めようとしたが…大丈夫だった。 ヤシャモンは力を抜きスーザンのパンチを受けてから笑った。 「はっはっはようやく本音が聞けて嬉しいねえ…」 スーザンはヤシャモンの雰囲気の一転についていけずにポカンとなった。 ――――― 鍛錬の不真面目な態度をヤシャモンが軽くしかった後、三者はヤシャモンが起こした火を囲みそれぞれの秘密を話す事となった。 「まずはワシからだ」ヤシャモンの仮面を外すと中から人間の爺が姿を現した。 真の名を中村雷電と名乗った爺は、自分の仮面の由来とここにいる理由を話した。 少年少女たちを襲っていた理由も含めて。 「…あの、お孫さんに逃げられた理由ってスマホじゃないです?」 「むうっ…!」 「拙者は家の立地が過酷すぎるかと」 「ぐうっ…!」 「びっくりしたけど、ヤシャモンが怖いだけの人じゃなくて良かったぁ…」 ―――― 次はスーザンの番だった。 先ほどまでのはキャラづくりだった事、忍者は父の趣味で忍者そのものはそこまでだったこと。 だけど、着ているパーカーのモチーフにもなった忍者漫画にはとても救われた事。 助けられたコウガモンの役にちょっとでも立ちたいと思って弟子にしてもらうように言った事。 「だからでござるか…忍者豆知識がなんかウケ悪いなと思ったのは…」 「でも、でも!忍者知識があるから野営とかも詳しくなりましたし!」 「はっはっは、忍術の知識はサバイバルで役立つからねえ…」 ――――― 最後に、コウガモンの番が来た。 劣等生だった事、後輩が進化したのに耐えきれなくて逃げ出した事。 だけど尊敬の目線を送ってくるスーザンの前では、出来る忍者にならなければと見栄を張り続けていた事。 「だから、言い訳ばっかしてたんですねー?」 「スーザン殿にはカッコよくありたかった故に…」 「青いねえ…ワシの若いころは…」 「あ、長くなるならやめてもらっていいですか?」 歳や種族の垣根を超えて打ち解けた三人。ヤシャモンに戻った雷電は一つの提案をした。 忍者としてではなく武芸者として二人を鍛えると。 一旦これまで この後は勇太たちにぶつけてカラテンモンにしようとしたけど打ち始めてから二時間半かかってたので区切りがいい所で放出する事にしました setteiにあった他所の子の成長ルートをジジイに一気にさせてしまってごめんなさぁい!