トレセン学園のカフェテリアにて、一人のウマ娘がコーヒーを飲んでいた。 「フランコクロスティ、そんなに砂糖を入れたら…タキオンさんみたいになりますよ」 「カフェ先輩…いいじゃないですか、あたいはこれが好きなんです」 コーヒーに砂糖をドバドバと入れているのはフランコクロスティ、コーヒーにこだわるマンハッタンカフェはそれを見逃さなかった。 「砂糖の入れすぎは、コーヒー本来の味をですね」 「コーヒーのブラック信仰は日本くらいですよ、ポッケ姐さんの友人でなきゃ」 フランコクロスティはジャングルポケットの舎弟の一人、そのジャングルポケットと仲のいいマンハッタンカフェには苦手意識がある。 フランコクロスティが甘いコーヒーをすすっていると、注文していた別のものができたことを知らせるアラームがなり、取りに行く。 「バナナパフェまで、甘すぎです」 「甘いのはパフェだけだすよ」 「甘いの過剰摂取です」 バナナパフェを頬張りながら、コーヒーを飲む。 傍から見れば何も問題ないように見えるが、実際は甘いパフェに甘いコーヒーである。 「それに、カフェ先輩的にはロジービンはどうなるんですか?」 「彼女は別です、タンポポコーヒーそのものは、問題ありません」 「じゃああれでもか?」 「…」 フランコクロスティが指さす先では、ゼンリョクゼンカイリンゴパフェとバナナパフェのダブルパフェを、タンポポコーヒーをお供に楽しむロジービンの姿があった。 カフェは小さくであるが震えていた。 「すいません、ロジービンとお話しする用事ができたので」 「はいはい、声は控えめに」 ロジービンとカフェの言い争いを見ながら、フランコクロスティはコーヒーカップの底にたまった砂糖を貪るのであった。