トレセン学園学生寮は基本はペット禁止である、しかしいろいろ裏技でペットを飼ってるウマ娘はいる。 例えばエルコンドルパサーのマンボ、例えばメイショウドトウの狸、そして…。 「スズメさん、やめてくださーい!」 「カム、まーたスズメ先生に襲われてる」 トレセン学園のグラウンドにて、一人のウマ娘が雀に頭をつつかれ逃げ回っていた。 彼女の名前はカムバックボーイ、短距離マイルで活躍するウマ娘である。 主な特徴としては入学時から自主練中に雀に襲われているのをよく見かけること。 「あ、センモリせんぱーい!」 「はいはい、スズメ先生、カムへのお仕置きはそこらでやめてあげて」 「うぅ…」 声を掛けられたサキガケセンモリは、カムバックボーイの髪の毛をむしろうとしていた雀を捕まえる。 雀はおとなしくなっているが、カムバックボーイは涙目だった。 「まったく、今日はどうしてお仕置きされてたの?」 「うぅ…すこしコーナー膨らんでしまって」 「それでか、スズメ先生スパルタなのよね」 センモリの手から抜け出し、さも当然のことだと言わんばかりにカムバックボーイの頭の上で威張る?雀。 この雀をセンモリが先生と呼ぶのは、どうもこの雀はウマ娘のレースを理解してるっぽいからである。 カムバックボーイが自主練中にまずいことをすればつついてむしってお仕置きを実行する、スパルタ系雀である。 「わっちも付き合うから、カムも元気出して」 「いいんですか?」 「わっちはこれでも先輩だし、後輩のためにこれくらいわね」 「あ、ありがとうございますぅ!」 ぱぁっと明るい顔になったカムバックボーイは、センモリの手を握ってブンブンと振り回す。 センモリはいつもの事と合わせるが、直後にスズメ先生に髪の毛をむしられるのであった。