「分かりました！この人が私のトレー…えっ？」
目隠しを外した私の前には、キングのトレーナーさん気まずそうな顔があった。
…どうやら匂いだけですぐ解ってしまうのは興覚めということで、普段使っている入浴用品やら衣服やらをトレーナー間で入れ替えていたらしい。

トレーナーさんだと思い込んで他の男の人の身体をベタベタ触って、しかもそれをトレーナーさんに見られて…
その後の事はよく覚えていない。気が付けば私は自室で横になって枕を濡らしていた。
翌日になってもトレーナーさんと顔を合わせる勇気は湧いてこない。とりあえず「一週間程サボります。自主トレはしておくのでお構いなく。」とだけメールしておく。
返信はすぐに来た。昨日のイベントへの参加を止められなかった事についての謝罪と、自主トレ用のメニューや注意事項が記されている。
サボりを咎めるような言葉は全く無い。きっと心を整理する時間が必要だと分かってくれたのだろう。

その日の自主トレを終えた私は、彼にも秘密の釣りスポットを訪れた。
「はぁ〜…」
水面に釣り糸を垂らし、今週何度目かも分からないため息を吐く。

手を握れば出来かけの釣りダコで、耳を研ぎ澄ませば呼吸のリズムで、判別する術は幾らでもあった筈だ。
なのに私は香りという分かりやすい餌に食いついてしまった。他の情報など頭に入らなかった。
策士策に溺れる…否、そもそも策を弄する段階にすら立てていない。
あの人に触れる、関係を進展させられる…あの時の私はそんな煩悩に溺れたただの少女だった。

…という脳内反省会を何度繰り返しても時間が戻ることはない。いい加減に前へ踏み出さねばならない。
そう、前へ進む。あれだけの惨敗をしたのだから、ただ元通りに関係へ修復するだけでは気が収まらない。
ピンチだって勝利の布石に変える…それが私のやり方なんだから。
覚悟を決め、「トレーナー室で待ってます」とだけ書いたメールを送った。

弱すぎる…

…………
「スカイ！待たせてごめん！」
「いやいや急に呼び出したのはこっちですし。それに私も来たばっかりですよ♪」
「あの日のこと、改めてすまな…」
「おおっと！そういう話はあとあと！セイちゃんには今すぐやりたいことがあるんです。」
「…そうか、分かった。スカイに任せるよ。」
トレーナーさんは私の提案に素直に従ってくれた。きっと負い目を感じているのだろう。舞い上がってヘマをやらかしたのは私なのに。
…今は気にしている場合ではない。罪悪感は胸の奥底にしまい込む。

「それじゃトレーナーさん、この椅子に座ってください。」
「ああ。これでいいか？」
「オッケーです！それと、これからセイちゃんが何しても文句は言わないで下さいね☆」
「う…よ、よし良いぞ！」
「ふふ、ありがとうございます。それじゃ失礼ますよ、っと♪」
そう言うと私は、トレーナーさんの胸元へと頭を押し当てた。

「スカイ！？何を…」
「文句はナシ、ですよトレーナーさん♪」
トレーナーさんの背中へ腕を回し、抱きつくようにしてグリグリと頭を胸板に擦り付ける。
彼の体温が、鼓動が、息遣いが直に伝わってくる。心がぽかぽかとした物で満たされていく。
でも、ここで満足して止まるわけにはいかない。今日のセイちゃんは欲張りなのだ。
「トレーナーさんを当てられなかったの、本当に悔しかったんです。だから目を瞑ってても分かるように感触を覚えようと思いまして。」
「ぐ…そうか。それで気が済むなら…」

彼の心臓が早鐘のように脈打っている。私の方も他人の事は言えないけど。
うっかりを装ってスカートを少し捲れ上がらせたり軽く胸を押し当てたりすると、その度に鼓動が高鳴る。ちょっと楽しい。
…さて、ここからがいよいよ正念場だ。
「そう言えばトレーナーさん。あの時のことなんですけど…」

「私、男の人の胸板をじっくり触るなんてアレが初めてだったんですよ。」
ﾋﾟｸﾘ、とトレーナーさんが身じろぎした。
「あ、それと二の腕もですね。いや〜キングのトレーナーさんけっこう鍛えてるんですね〜♪」
彼の目つきが険しく、息は僅かに荒くなる。

…思い出したくもないけど、キングのトレーナーさんに顔を寄せながら目隠しを外した時。
視界の端で一瞬だけ、私のトレーナーさんは今まで見たこともないような形相でこちらを睨んでいた。
それで分かってしまった。普段は紳士の仮面を付けていても、彼は独占欲を持った”牡”なんだ。

「ウマ娘の脚とはまた違うっていうか〜。逞しくって素敵でしたね〜！」
「スカ…んぐ！？」
何やら言おうとしたトレーナーさんの頭を手で固定し、その口を私の唇で塞いだ。

とうとうやってしまった。唇から伝わってくる大好きな人の熱が脳を揺らす。
正直、仕掛けも何も投げ出しずっと繋がっていたい衝動に駆られたが…5秒程で一旦唇を離した。
「ぷはっ。…安心して下さいトレーナーさん。今のはちゃんと"はじめて"ですよ♥」

向き合って抱きつくように彼の上に腰を下ろし、尻尾を太ももに巻きつける。
彼の眼にはあの時以上の情欲の火が灯っている。…完全に掛かった。
「ね、トレーナーさん♪他の人が手を付ける前に…」
二の腕に柔らかな膨らみを押し当て、耳元で囁く。
「セイちゃんの色んな"はじめて"、奪いたくないですか？」

「…ッ！スカイ！」
「あっ♥やぁっ♥」
「好きだ、スカイ！他の誰にも渡さない…！」
「トレーナーさん♥私も…んっ♥」
こうして哀れなセイちゃんは掛かり切ったケダモノに食べられちゃったのでした。めでたしめでたし。

強いわ…スカイさん…

これはつよつよセイちゃん

あれ…？強いぞ…？

終わり
正月夜の目線スレでの格付けチェックから着想を得ました
よわよわだけど攻めるとつよつよなセイちゃんを書きたい

この企画好き…

ふっきれたセイちゃんは強い

最低だよ…キントレ…

強い…攻めたセイちゃんは強いぞ…！

>最低だよ…キントレ…
今回ばかりは誰もが被害者なんだ
目線ダスカだけが加害者を兼任してるけど

>この企画好き…
色々妄想できていいよね…
でもドロドロした修羅場とかはちょっと苦手なので独占欲を煽る方面で攻めたい

キントレだから筋トレしてるのかな

>ふっきれたセイちゃんは強い
負けず嫌いなのもあって攻めに回ったセイちゃんは本当に強いと思う

>キントレだから筋トレしてるのかな
やる気⤵⤵

トレーナーの独占欲を発動させます
掛からせます
後はちょっとの勇気だけです

>最低だよ…キントレ…
ほぼお出汁にされただけじゃねーか！

一時的に二人ともめっちゃダメージ受けてたのを見せられたキントレ可哀想…

>トレーナーの独占欲を発動させます
>掛からせます
この部分についてはセイちゃんめちゃ強そうだなぁとシナリオ見返してて思った
掛からせた後の事は考えないものとする

つよつよセイちゃん概念はもっと広まっていいと思う

キングはどうなったんだろう

>キングはどうなったんだろう
気ぶ辻になった

セイとれは掛かりやすそうだからな…

担当してる愛バが他のトレーナーにベタベタ触りに行くの見たらトレーナーとしても気が気じゃないよな…

>担当してる愛バが他のトレーナーにベタベタ触りに行くの見たらトレーナーとしても気が気じゃないよな…
そうやってトレーナーの独占欲を煽るのが性癖に合ってるんだけど匙加減を間違えると胸糞的になりかねないのが難しい所

>キングはどうなったんだろう
トレーナーさんとの絆を深めた数日後。トレーニングを終え、使った器具とかを彼と一緒に返却しに行く途上でキングとばったり出会った。
「お、キングじゃん。」
「…っ！スカイさん！その…えっと…」
私に向ける視線になにやら警戒の色が混じっている。…なるほどね。
「新春企画の時はごめんね〜？キングのトレーナーさんの事間違って触っちゃって。」
「なっ…！そんなの私に謝られても困るわ！彼はその…こっ恋人でもなんでもないんだから！」
うーん、この調子だとまだ向こうのトレーナーさんとギクシャクしてそう。ここはちょっとお節介を焼いてあげましょう！

「そっかー。最近私とトレーナーさんが”仲直り”したからアドバイスをあげようかと思ったんだけど、そういう関係じゃないなら必要ないかな〜♪」
「えっ。それは…た、確かに私には不要だけど、スカイさんが喋りたそうにしているから特別に話す権利をあげるわ！」
意地っ張りだなぁ。ま、そこがキングの可愛い所なんだけど。
「それじゃぁ話して進ぜましょう♪かくかくしかじか〜…

…こうして哀れなセイちゃんは掛かり切ったケダモノに貪られちゃったのでした。めでたしめでたし。」
「な…な…な…！」
話し終えたころにはキングの顔は茹ダコの如く真っ赤になっていた。なおこれはあくまで助言であって断じて惚気ではない。たぶん。
「こんな風にすればキングのトレーナーさんも陥落間違いなし☆ぜひ試してみてね！」
「一流のキングはそんなはしたない事…一流が…一流だから…」
う〜ん、まだ踏ん切りがつかないか。…それじゃ奥の手、行っちゃいますか。

「キングのトレーナーさん、いらないなら私が貰っちゃおっかな〜。」
「え…？」
「以前から良いと思ってたんだよね。尽くすタイプだし、ロマンチストだし。この前身体に触っちゃってからますます惚れ直…」
「スカイさん！！」
凄まじい気迫に思わずびくりと震えてしまう。…キングからここまで敵意を向けられたのは初めてかもしれない。
「それはダメ。一流のトレーナーに相応しいのは一流のウマ娘だけなんだから…！」

「覚悟は決まったみたいだね。それじゃ頑張ってね〜♪」
「あなたに言われなくても…！」
そう言うとキングは彼女のトレーナーの元へと歩いて行った。私のやり方をそのまま真似するかはともかく、きっと上手くいくだろう。明らかに相思相愛だし。
…さて、こっちの”釣り”も最後の仕上げにかかろう。
「お待たせしましたトレーナーさん。」
「スカイ、今のは…」
「あ、聞こえちゃいました？いやぁ〜キングってば世話が焼けるんだから☆」
トレーナーさんの目を見つめつつ、悪戯っぽく呟く。
「でもぉ〜。もしキングが振られたら私があの人の事狙っちゃおうかな〜？もしかしたらホントに惚れちゃったかも〜！な〜んて☆」
「…スカイ。」
トレーナーさんが大きな手で私の肩を掴み、耳元で囁いた。
「この後、”準備”してからトレーナー室に来なさい。」

「…ひゃいっ♥」
私の身体は、釣果への興奮と避けられない敗北の予感に打ち震えるのだった。

強くても呂律は回らないのか…

おまけ終わり
キングエミュ難しい…

トレセン学園がラブホになってしまうー！

一体準備とは…

セイウンスカイは元々攻める力自体は強かったからな
攻めきるだけの最低限の防御力さえ身につければこの通り最強なのだ

>トレセン学園がラブホになってしまうー！
トレセンは新たな家族を作る場所や

せやせや

セイちゃんの膣内がトレーナーさんの形を覚えるまでずーーーーーーーっと挿れっぱなしの訓練しなきゃ……

仲直りぴょいは気持ちいいからな…

>トレセン学園がラブホになってしまうー！
室内はもうアカン…室外に逃げな…

１回ヤッて調子こいてるセイちゃんをトレーナーの毒牙が襲う！

こんなに強いセイちゃんは久々に見た…

キントレは当てウマにされたの全然気にしてなさそうで
故にキングにとっては強敵…

でもやっぱり邪悪だよあの企画！

ひょっとしてこれはトレーナー側が愛バに対して内に秘めているドロッドロにどす黒い独占欲発揮させて掛からせて子作り孕ませ種付けうまぴょいさせるイベントだったのでは…？

大腿筋の張りだけでトレーナーを一発で当ててしまうスペちゃんも見たい

>１回ヤッて調子こいてるセイちゃんをトレーナーの毒牙が襲う！
セイちゃんもそれを望んでいる

もっと見たいわ！もっとちょーだい！

>キントレは当てウマにされたの全然気にしてなさそうで
>故にキングにとっては強敵…
しかし一流のアプローチを仕掛けられたキントレもまた自分が男であることを思い出して掛かるという展開も使えるぞ！

フラッシュが自分のトレーナーだと思って過剰なスキンシップをファン1号に取ってそれ以降フラッシュの事をやたら意識するようになるっていう地獄みたいなレスが印象に残ってる

こんなに勝ってるの久々に見た

>ひょっとしてこれはトレーナー側が愛バに対して内に秘めているドロッドロにどす黒い独占欲発揮させて掛からせて子作り孕ませ種付けうまぴょいさせるイベントだったのでは…？
中学高校でやるには禍々しすぎるイベントだな…

>キントレは当てウマにされたの全然気にしてなさそうで
>故にキングにとっては強敵…
（セイウンスカイとトレーナーが仲直り出来たなら何よりだ！）
なんてうんうんと頷いてそう

こ、このクソボ…
いえ、ライバルを応援する余裕こそ一流、よね…はぁ

>キントレは当てウマにされたの全然気にしてなさそうで
>故にキングにとっては強敵…
自分に触れたのがキングだったらとかそういうところをちょっと意識してしまうようになっているっていうのもあると思うんですよ

禍々しいと言うか生々しいと言うか…

>ひょっとしてこれはトレーナー側が愛バに対して内に秘めているドロッドロにどす黒い独占欲発揮させて掛からせて子作り孕ませ種付けうまぴょいさせるイベントだったのでは…？
トレセン学園を何だと思ってるんだ

どんなクソボケにも独占欲を自覚させられるが
一歩間違えると関係が大きく後退しかねない劇薬のような企画

>もっと見たいわ！もっとちょーだい！
ウオダスとか覇王世代とかでも見たい…

まぁキングコンビは転んでからが本領発揮だから
ゆっくりでも必ず距離を詰めることは間違いない

>トレセン学園を何だと思ってるんだ
>トレセンは新たな家族を作る場所や

良いことを聞いた
姉貴！おもしろい企画があるらしいぞ！

>良いことを聞いた
>姉貴！おもしろい企画があるらしいぞ！
姉妹で取り違えて気まずい空気になっちまう〜！

あの一流のトレーナーが何時も一流たらんと振る舞う自分の一流の愛バが不安を胸に抱えながらそれでも気丈に振る舞わんとしているのを放置してクソボケするわけ無いだろ！

そんな事をしたら後戻りができなくなるわ…スカイさん…

>そんな事をしたら後戻りができなくなるわ…スカイさん…
私はそれを望んでるんだよキング

ウオダスはむしろ発端じゃねーか

いろんなウマ娘でこういうの見たい…