「トレーナー、さん……」
　私はたまらず、彼を押し倒す。地面はベッドのように、衝撃を散らして私たちを受け入れる。気付けば、２人とも衣服を纏っていなかった。２人とも、服なんていらないと、そう思っていたから。
　彼の手が、私の体に触れる。人差し指が首元からまっすぐ下に、正中線をなぞるように動く。
　彼の指が触れた箇所が、まるで舌で舐められたソフトクリームのように蕩ける。
　錯覚。でも、夢の中では本物になる。
　彼の指が私を溶かして、私の中に入ろうとしてくる。ひとつになるという、気持ちの良い感覚と共に。
　胸へと移動する、彼の両手。なだらかな曲面を、彼の手が侵してくる。大きくもない乳房なのに、その全体から快感が脳へと伝わってくる。私を淫らにさせたいという彼の思いが、手から胸を伝わって、快楽となっているに違いない。
　下腹部が、熱い。とろり、とろりと蜜が垂れる。彼が体を起こして、キスをする。さらに蜜が溢れ出す。
　彼のそれを、求める。

　彼の屹立したペニスが、下腹部に当たる。現実のそれは見たことが無いが、きっと同じ大きさだろう。夢の中で無ければ、それを受け入れるのは痛くて、苦しいに違いない。夢だから、ただただ、気持ち良い。
　私は腰を上げ、彼が腰を掴む。ペニスの先端が私の秘部に触れ、すぐにずぷりと、２人は１つになる。
「ん……っ、んぁっ……！」
　膣から全身の神経に快感が走り、脳が焼けそうになる。彼に跨り、彼の生殖器を支配している。男性としての彼は、私の中にいる。
　愛しい人が、私の膣内で、私への愛を主張し続けている。
「ううぁぁっ……はぅぅっ……」
　気持ち良い。気持ち良い。
　夢だから？　それとも、そんなのは関係無く、彼とひとつになっているから？
　分からないまま、もっと気持ち良くなりたくて腰を上下させる。そんな私の体を、彼の手が撫で回す。
　優しくて、温かくて、刺激的な動き。快楽は膣だけでなく、彼と接する全ての部分から伝わっている。

「トレーナーさん、わたし……わたしっ……！」
　私の手の下にある、彼の胸元。男性特有の逞しい骨格。
　そこから私が感じているのと同じくらい、彼も快感を得ているだろうか。得ていて欲しい。私と同じくらい、気持ち良くなっていて欲しい。いっしょに、どろどろに、混ざってしまうくらいの絶頂に達して欲しい。
　彼と私の同化。与え合う快感の同化。現実世界では絶対に交わらない肉体も、夢ならばひとつだけになる。
　それは良いこと？　それとも、悲しいこと？
　気持ち良すぎて思考がまとまらないのに、何かが怖い。怖いから、彼のペニスで私の膣をぐちゃぐちゃにかき回して、甘美な思考停止に逃げる。彼とひとつになることだけに、夢世界の肉体を働かせ続ける。
「マンハッタンカフェ、もう……っ！」
「トレーナーさん、トレーナーさんっ……！！」
　快楽が器の限界に近付く。その器は、２人で１つのもの。だから絶頂は、一緒に来る。
　私が一番気持ち良い時と、彼が一番気持ち良い時は、絶対に同時。
　決壊した快楽が、極限の瞬間を私たちに与える。

　そして、来る。
「あっ、あっ、あうっ、ひうぅ、ひっちゃうぅぅぅ……っっ！！！！」
　私の膣が彼のペニスをきゅっと咥え込み、気を失いそうな快楽が精神を揺らして、全身を痺れさせる。そして同時に、膣内にどぷどぷと、彼の精液が流れ込む。
　きっと現実よりも長く、多く、濃い射精。それが子宮を満たす程に流れ込み、溢れた精液が結合部から地面へと、どろりと流れ落ちる。
　気持ち良さに秘部から体液をぴゅるり、ぴゅるりと出しながら、私は快感に脳を浸らせる。
　すごく、気持ち良い。現実では、こんなに気持ち良くないだろう。夢だから、ここまでの幸福を得られるのだろう。
　ああ、でも。やっぱりこれは、夢。覚めたら、気持ち良いのもいっぱい、忘れてしまう。
　それはとても、物足りない。禁じられていなかったらきっと、私は現実でも、トレーナーさんとひとつになっていただろう。
　でもそれは、いけないこと。やってはいけないこと。だから、できない。
　意識が、少しずつ薄れていく。より深い眠りか、それとも目覚めか、どっちか。
　どっちでも、きっとこの気持ちは消えていってしまう。
　いやだ。

　私は望んでいる。トレーナーさんも望んでいる。だから夢の中で、交わっている。
　でも誰かに知られたら、大変なことになる。だから、禁忌。
　だけどもし、誰にも知られなかったら？　それでも、ダメ？
　ダメだとしても、私は……
　意識が、落ちる――

　目が覚める。隣を見ると、トレーナーさんが座ったまま眠っている。
　時間は、思ったより経っていない。タキオンさんは用事があって、今日はいない。
　トレーナーさんのズボン。股間には液体によるシミがある。私も自分の下着を触ってみると、すごく湿っていた。
　でも、足りなかった。
　私は、トレーナーさんにキスをする。そして、目を覚ましたトレーナーさんをソファーに押し倒し、もう１回キスをする。
「夢の続きを……しましょう……」
　トレーナーさんが私の頬に触れ、自分からキスをする。そして私たちは、夢と同じように、重なり合う。
　それは夢の中よりもずっと、心の中に残る経験だった。

カフェの夢世界は色々使えそうな気がする…

ウワーッ！？ 現実でもなさってる！？

VRウマレーターは思いのほか流行らなかったけどこっちだとどうだろう

>　ああ、でも。やっぱりこれは、夢。覚めたら、気持ち良いのもいっぱい、忘れてしまう。
>　それはとても、物足りない。禁じられていなかったらきっと、私は現実でも、トレーナーさんとひとつになっていただろう。
>　でもそれは、いけないこと。やってはいけないこと。だから、できない。
あの...

>あの...
我慢できなかったんだよ…

>　トレーナーさんのズボン。股間には液体によるシミがある。私も自分の下着を触ってみると、すごく湿っていた。
いろいろ洒落になってない

👻<さて今日もウブな連中を･･･もう始まってる！

我慢できなかったなら仕方ない
果たして
>　すごく、気持ち良い。現実では、こんなに気持ち良くないだろう。夢だから、ここまでの幸福を得られるのだろう。
本当にそうだったのかな？

いい...
ねっとりとした描写すき