『流石にお兄さん呼びは誤解を招くのでトレーナーと呼んでください』
契約してすぐに言われたことです
彼は昔呼んでいた『ダイヤ』という呼び方から『サトノさん』などというすっかり他人行儀な呼び方に変わってしまいました
当てつけにさっそくお兄さんからトレーナーさんへと呼び方を変えてみたのですがまったく動じません
というかなんですかその敬語は。似合ってません。昔みたいな粗暴な感じの方が似合っているのに
バチバチに開けていたピアスも外して、かっこつけで吸っていた煙草も止めたのか匂いもしません
……なんというか、過去を無かったことにしようとしているみたいで、まあ、その、ちょっと複雑といいますか
「サトノさん？」
気がつくとお兄さんの顔が近くにありました
「なっ、なんですか？」
「いや、ソファーに座って微動だにしないので、なんかあったのかと思いまして」
「なんか、ですか」

ああ、本当に似合ってません
ため口、悪態、豪快な笑い声
そういうお兄さんが好きでした
ちょっと悪い感じの男の人に憧れる、若気の至りというやつです。いや、まだ若いですけど
「サトノさん？」
「それ、やめてください」
近づいてきたお兄さんに近づきます
「もう少し仲良くしたいです」
手を絡めます
「もう少しでいいので、昔みたいに戻りたいです」
彼が後ずさるたび、こちらから一歩踏み出します
「……お兄さんって、また、呼びたいです」
適切な距離感、それは私にとっては寂しいもので

「ダイヤ」
「……へ？」
「ダイヤ、ストップ、止まれ、離れろ」
ふと顔を上げると、お兄さんも目を逸らし、変な方向を向いています
取ってつけたような敬語は外れ、口調だけですが昔みたいに戻っています
「クソッ！あんまくっつくな！意識すんだろが！」
彼の言ったことでふと気づきました
意図せずとはいえ、数年で結構たわわに育ったそれを押しつけていて、頬が熱くなるのと同時に力が抜けるようで、でも、お兄さんも同じかそれ以上に顔が赤くなっていて
「……ふーん」
距離を詰めてもっと押しつけてみます
「ダイヤ！？」
「もしかしてですけど、お兄さん、成長した私に結構ドキドキしてたりしました？」
「んなわけ」
「はい、ぎゅーっと」
「してた！ごめん！だから離して！？」

とりあえず解放。彼は後ずさるように、しかしこちらから目をそらしてはいません
「ピアス外しましたね」
「いやまあ社会人だし」
「煙草、止めました？」
「ウマ娘って嗅覚が良いって聞くからな」
「……もしかして、私のためですか？」
「半分はそう。残りは俺のためだ」
そう言って彼はまた顔を赤くして目を逸らしました
「なんかこう、悪い感じの男が好きなんだろ？だったら、真面目な男ならストライクゾーンから外れる、かな、って。……あの、ダイヤ？」
「……お兄さんは、私に好かれるのが迷惑でしたか？」

頬を水滴が流れていったのを感じてようやく自分が泣いていることに気づきました
「だから、距離取ったんですか？昔と違う喋り方して、昔と違う外見で、そんなに迷惑なら、契約しなけれｂ
「それは違う！」
今度は彼から抱きしめられました
「ダイヤから好かれてるのはわかってた。でも、それは雛への刷り込みみたいなもんで、もっといい人がいるはずだ」
だから、と区切って彼は堰を切ったように続けます
「だから、俺から好きになるのは、違う。違うんだ。だけど、めっちゃ綺麗になってて、かわいくて、踏み込まない自信がないから、その……クソッ！恥ずかしいからもう言わん！」
とっさに、離れようとする彼のその手を掴んでいました
「……好きなんですね？お兄さんも、私のことを」
「……違う、と言いたい、けど、まあ、多分」

きっと、恋情とか、愛情とか、そういう綺麗な言葉もあるでしょうけど
「両想いですよね」
今の私、色々な悩みが安堵とともに消え、彼からの気持ちでブーストがかかっている、掛かってしまったそれは
「なら、もう、我慢しなくてもいいんですよね？」
例えるなら捕食衝動。幼稚な独占欲。昔からの想いを燃料にした恋心が、自分でもどうかと思う勢いで燃え盛る
「適切な距離感、もう少し詰める気はないですか？」
抱きしめようとした腕は空を切る
「ごめん！流石に中等部に手出すのはやべえ！」
トレーナー室のドアを開けて勢いよく出ていくお兄さんを追いかけます
校舎内で出せるスピードが限られているとはいえ、かわしながら、階段を飛び降り、ショートカットしながら彼は逃げていきます
適切な距離感。今はこれがそうなのでしょう
逃げて、かわして、去ろうとする彼
ですがまあ、差し気質の私としては逃げきらせるわけにはいかないので
「絶対！追い抜いて！振り向かせて見せますからね！」

両片思いというか両思いだけどさすがに未成年だからな……ってなるちょいワルお兄さんとぐいぐいくるサトちゃんですどうぞ

いい…

やっぱダイヤちゃんはラブコメが似合うな…

かわいい…
こういうのもっと欲しい…

>これキタちゃんのトレーナーさんだったり…いやまさか…
del

触らなくていいから…

キタちゃんNTRのつもりで書いたわけじゃないのでそういうのは申し訳ないけど消させてもらいます

>これキタちゃんのトレーナーさんだったり…いやまさか…
二重の意味でヤバくなる…

カレンチャンと意気投合できそうなサトちゃんだ

凄く可愛かった
愛しつつもうまくサトちゃん転がすトレーナーの話読みたいなあ

学内発行新聞のトレーナーインタビューで
「スレンダーな女性がタイプ」なんて答えてたのを根に持つサトちゃん

ホントはセガのアウトランとか大好きだけどグランツーやりまくるトレーナー

そりゃ数年会ってなかったかわいい子供があんな体になっていたらどう接すればいいか分からなくなるよね…

愛してるけどすれ違うのがいい…

「お兄さん？」
「なんでしょうかサトノさんその呼び方は止めていただけないでしょうか」
「いや昨日のあれのあとでそれは無理です」
「いやトレーナーと担当の関係とはいえ男女の関係だと噂されるようなことはなるべく避けたほうがよろしいと思いまして」
「全然似合ってないその敬語やめてくれません？」
「……そんな似合ってねえか？」
「その荒っぽい口調になれてる身からするとこそばゆいというか逆に聞いてて恥ずかｓ
「よぉしこれからはこの口調で行くからなあダイヤァ！」
「いやまあそっちは本題じゃないんですけど、まあ、嬉しいのはうれしいんですが。お兄さん？」
「なんだ」
「なんでずっと目逸らしてるんですか？」
「……察しろォ！」

ありがたい…

クソザコヤンキーお兄さんいいね

とってもかわいいっす！

「君が魅力的だからですよ」
⇒「お前が可愛すぎんだろォが！」

よわよわお兄さん可愛すぎる…

風柱っぽいので想像できてとても良いです！

「ピアスつけないんですか」
「穴塞がっちまったんだよ」
「……開けるなら手伝いますが」
「嫌だよ痛ぇし」
「血とか出るんですか！？」
「なんでそんなテンション上がってんだよ」
「開けてみません！？もう一回！できれば私の手で！」
「怖い怖い怖い」
「……あーあ、距離取られて傷ついちゃったんですけどー。また昔のお兄さんみたいに戻ってくれないと悲しいなー」
「ああもう！さっさと道具買いに行くぞ！なるべく痛くない感じの！」

いい…

実際ピアス穴開けるの見てると痛そうで自分には無理だなってなる

これお兄さんが威厳を取り戻せる日はくるんだろうか…

イチャイチャが見れて満足！

いけないことですけど…！
酷いことですけど…！
お兄さんの（ピアス）穴開けたいです…！

>これお兄さんが威厳を取り戻せる日はくるんだろうか…
反撃できる気がしねえ…

>これお兄さんが威厳を取り戻せる日はくるんだろうか…
悪いお兄さんに囲まれたサトちゃんを助けるシチュエーションなら・・・

一生ダイヤちゃんの尻に敷かれるのがお似合いだよ…

「最後は煙草ですね」
「それだけはマジで無理」
「匂いなら気にしませんよ？」
「健康に気ィ使ってんだよ。マジでストレス溜まった時ぐらいしか吸わねえ」
「じゃあ今度目の前で吸ってください！昔やってくれた煙入れたシャボン玉見せてください！」
「副流煙吸わせたくねえから無理。ダイヤのこと早死にさせたくねえし」
「なに吸ってんですか早く捨ててください先に死ぬとか許しませんよ」
「急に態度変わんじゃん……というか最近吸ってないから買ってねえよ」
「？　ストレス溜まらないんですか？」
「いやまあ見てるだけで癒してくれるのが目の前にいるし」
「……へ？…………は！？」

！掛かり

クソザコヘタレヤンキーお兄さんが攻めたぞ！

防御力0コンビ！

い、今！いま可愛くて癒されて結婚したいくらい好きって言いました？！？！

まぁ確かにダイヤちゃん毎日眺められたらストレス０だわ

ポロッと言っちゃっただけで両方とも死ぬほど照れててほしい…

キタちゃんとそのトレーナーが二人を見て癒されてそう

これダイヤちゃんも攻められると弱いのでは…？

>これダイヤちゃんも攻められると弱いのでは…？
つまりノーガード殴り合い恋愛バトル…？

照れ隠しにすぐトレーニング指示して走らせるトレーナーさん

女の子ってスゲーな…とか思ってそうなお兄さんいい…

恋愛クソザコヤンキーお兄さん好き…